”顧客の意外な活用”を商品開発に―企業によるユーザーイノベーション戦略とは
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”顧客の意外な活用”を商品開発に―企業によるユーザーイノベーション戦略とは

Loview(ラビュー)by spicebox

発明王エジソンのことをご存じでしょうか。白熱電球や映画などに代表される、膨大な数の発明を生涯にわたって生み出したことで有名な彼ですが、実生活ではほとんど睡眠をとらず、ほぼ24時間体制で仕事を続けていたそうです。

さて、今日ほど企業に「発明」が求められている日はありません。新しい製品から革新的なサービスまで、開発に日々多くの予算とリソースが投じられています。しかし実は彼らの身近には24時間体制で絶えず発明を行っている、それこそエジソンのような発明家がいるのです。その発明家の名前は「ユーザー」です。
 
亀の子たわしという製品があります。我々がたわしと聞いて想像するいわゆるあの掃除道具です。1907年に販売されて以降、今日まで作られ続けているベストセラー製品ですが、実はこの道具、発明のきっかけとなったのは他ならない一消費者の行動でした。明治時代、発明家の西尾正左衛門が、自身が発明したヤシの繊維製の靴拭きマットの余り素材を、妻が掃除に使う様子を見て設計したといわれています。

ユーザーが直面する課題や状況に対して、企業が想定しない形で製品やサービスを創造、活用することをユーザーイノベーションといいます。こうした消費者による新たな発明はそこまで珍しいことではありません。MITのエリック・フォン・ヒッペル教授が実施した18歳以上の消費者を対象にした調査によると、日本では3.7%の消費者が何かしらのユーザーイノベーションを行った経験があり、推定で日本では390万人のイノベーターがいることがわかります。さらに彼らが独自で製品の開発、改良に使った金額を合わせると、実に日本の消費財メーカーの研究開発費の13%もの規模にまでのぼります。

規模だけでなく、ユーザーの発見、発明は質的にも重要なものです。実際に商品を使う機会が多い彼らは、開発者を超える実用面での知識を持っています。そしてユーザー自身はそれぞれ自分の仕事を持っている何かしらの専門家でもあります。イノベーションが異なった知識を組み合わせることで生まれることを考えると、実用面での知識や異なる分野からの視点は、企業の製品やサービスにこれまで思いもよらなかった革新をもたらしてくれる可能性があるのです。
 
ユーザーイノベーションには大きく分けてゼロからユーザーが新しい製品を作り上げる「創造型」既存の商品を改造する「改良型」、そしてまったく新しい価値を既存の商品やサービスに見出す「新解釈型」が存在します。近年では特に、「新解釈型」のユーザーイノベーションが企業により自社の戦略として取り込まれ、大きな成果を上げています。本記事では実際の取り組みを事例と共に紹介しながら、SNSを通じてユーザーイノベーションの発見ができる顧客リサーチツールLoviewラビューを紹介していきます。

ジッパーバッグをポーチとして―既存製品の「意味」に革新を

ユーザーイノベーションを企業戦略に取り込む手法のうち、リードユーザー法というものが存在します。これは企業が先進性の高いユーザーを発見することでその情報からイノベーションを起こす手法のことですが、近年ではSNSや情報処理システムの普及によりその存在をより把握しやすくなっています。

エースマーチャンダイズ(現株式会社SUPERMARKET)は自社製品がユーザーによってSNSで想定外の使われ方をしたことをきっかけに、結果的にヒット商品を生み出すまでに至りました。

同社は食品を入れる用途としてのジップ付き袋を開発。しかしいざ販売してみるとSNS等を通じてそれが小物入れとしてユーザーに使用されていることが発覚しました。そこで急遽ポーチとしての使用方法を売り場で紹介したところ、売上が急増。SNSでの投稿はさらに増え、それを見た人がさらに購入する良い循環を生むことに成功しました。

今でこそIKEAから各種百円ショップまで、かわいい、お洒落なジッパーバッグが売られていますが、これらは小物入れとしての思いもよらなかったバッグの使われ方を企業側がユーザーを通じて発見したからこそのデザインなのです。

データの分析からユーザー独自の視点に気づくこともあります。カーシェアリング事業を新たに開始したパーク24株式会社は、自分たちが貸し出している車が意外な利用のされ方をしていることに気づき、企業戦略に取り込みました。

カーシェアリングは登録を行った会員間で車を共同で使用するサービスのことです。パーク24もカーシェアリング事業において、当初はレンタカーと同じような車の使われ方を想定していましたが、顧客の利用方法を分析してみるとユーザーによっては車が移動手段というよりは一つの「部屋」として使われている事実に気づきました。彼らは車内空間を仕事場や一晩過ごすためのホテルとみなしていたのです。
 
これを受けて、パーク24は18時から翌日9時まで借りられる「ナイトパック」等のプランを実装。顧客のニーズを的確に掴んだ同社は新規事業としては異例のわずか5年で黒字を達成することに成功しました。

マスキングテープをアートに―ユーザーイノベーションで開拓される新市場

企業側がリードユーザーを見つけようとしている一方で、リードユーザーの側から企業側に直接製品アイデアが持ち込まれる場合もあります。テープの製造会社、カモ井加工紙は顧客の声から自社製品のマスキングテープが持つ新たな可能性を発見し、既存の商品に新たな価値を持たせることに成功しました。

同社は顧客から直接、マスキングテープの持つアートや手芸での可能性を紹介され、そのユーザーの協力の元、画材店や雑貨店で販売される専用のテープを開発。発売された年のグッドデザイン賞を受賞し、以後4年間で20億円を超える新市場を生み出すことに成功しました。

今でこそマスキングテープは日々の生活の中でちょっとしたお洒落を演出したい時に使うものだという印象がありますが、このテープ、元々は建築現場で塗装を行うときに塗らない部分を保護するためのテープでした。我々が今日マスキングテープに持つ印象は、実はユーザーの意外な利用方法を開発に取り入れたカモ井加工紙の取り組みの結果によるものなのです。

このように各企業はリードユーザーの新たな視点から、ジッパーバッグをポーチとして、車を空間として、そして工業用マスキングテープをお洒落でアートなテープとして捉えなおすことで「意味の革新」を既存の商品にもたらし、それをビジネスチャンスに変換しているのです。

SNSでユーザーイノベーションを発見する―顧客理解ツール Loview

ジッパーバッグの事例では、企業はSNSを通じて自社製品の意外な使われ方を認識しましたが、実際にSNS上でユーザーイノベーションを発見できるツールを紹介します。それが10月にリリースしたばかりの顧客リサーチツール「Loviewラビューです。

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LoviewラビューはTwitterを通して自社の顧客を把握、リスト化し、自社ブランドに対する声を聞くことができるツールです。特定のキーワードやブランド名から自社製品に対する評価を、投稿やフォロー関係から自社の顧客を抽出することができます。加えてDMなどで直接アプローチし、企業によるユーザーイノベーションの発見を可能にします。マスキングテープの事例で見たように、企業側に製品の活用法を伝えたいユーザーは決して少なくありません。興味深い自社製品の活用方法に対してその前後には何があったのか、顧客に直接ヒアリングを行うことで解像度の高い顧客の経験や感想を聞くことができるでしょう。

ユーザーとの対話で得られた情報とTwitter上の既存の情報(プロフィール情報・過去の投稿内容・フォローアカウント情報)をあわせて、顧客の統計的な属性情報、カスタマージャーニーを表示することも可能で、マーケティングファネルの具体的な課題点やUGCを増やすマーケティング施策のヒントを見つけることもできます。


Loviewラビューは、ユーザーイノベーションを発見し、エジソンの発明のような革新的な企業戦略を打つサポートをします。


Loviewラビューについて詳しく知りたい方やお問い合わせはこちら

(文:T.S)

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