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漫画 血の轍 読書感想文

アニメ化もされた惡の華作者、押見修造先生の血の轍を最新刊11巻まで読んだのでその感想。山田玲司先生ラジオ、バグラビッツの血の轍特集も視聴して楽しみました!夏休みにぴったりのホラー漫画でした(^▽^)/✨

目次

〇過保護の美しいママと死んだ猫の伏線

〇親戚の中の序列 嫁の所在のなさ 社会的弱者としての母子

〇主人公静一の彼女吹石さんとママとの三角関係

〇ママから見た世界 衝撃の11巻



過保護の美しいママと死んだ猫の伏線

主人公静一14歳は母父三人暮らし。親戚からお母さんは過保護ねと言われる。赤ちゃんのようにキスをしたり抱きしめてくるのが少し異常であるが若く美しく恋人の様である。漫画の見せ方として大ゴマで母親の顔のアップや血痕をちりばめる手法を使うため、だれが見てもホラーだとわかる( ´∀` )案の定1巻の最後にいじめっ子の親戚の子供しげるを、母が山頂から突き落としてしまう。奇跡的にしげるは一命をとりとめる。また過去の思い出とみられるシーンで猫の死体を母親と見る不吉なシーンがあり何かを予兆させる。後ほどわかるのでそれはマンガを読んでほしい!


親戚の中の序列 嫁の所在のなさ 社会的弱者としての母子

親戚の子供を突き落とした母だが、静一にもメス力マインドコントロールで口止めをし、勝手に落ちたことにする。そんな極悪非道なサイコパス女だが、親戚のなかでは常に愛想笑いで末席に座らされ、からかわれる母子と無力で見ないふりの父親。特に母は夫である父をもう愛しておらずその結果息子に依存しているようで読者も静一も母のことを本当に悪者扱いできないのではないだろうか。上記メス力とは女を使って有無を言わさず男である息子を思うがまま操ることだがこれはバグラビの考察によると、作者の性癖である可能性が高く、過保護の毒親という流行りのクライムサスペンスかと思いきや、あ--やっぱり惡の華の先生やな!とほっこりするのである( ´∀` )画風もリアルで繊細になったが、美しい女に矮小でプライドの高い自分を暴露され冷たい目で見下される羞恥プレイを晒しているのかもしれない。


主人公静一の彼女吹石さんとママとの三角関係

本作見どころ恋愛パートが母と彼女と僕の三角関係である。これはファンタジーだと思う。SFだ。これぞ男性陣が求める絶好のシチュエーション。男女逆なら過保護のイケメンパパに洗脳されてクラスの優しいイケメンに口説かれ続けるのだ。しかし残念ながらママが怖すぎてホラー枠である(笑)この中盤でラブコメホラーと化してクライムサスペンスはいったん引っ込むのであっという間に9巻当たりまで読んでしまう!しかし9~11巻はまた重苦しい展開が待ち受ける。毒親問題を彼女と話し合い、母子同一化を認知し治癒しようとする場面も見られて青春してるなーの場面もよかった。

ママから見た世界 衝撃の11巻 

美しく若いママの魔法が解けた11巻。これはイグアナの娘だろうか?人は自分の好きなように相手の顔を認識してしまう。恋は盲目、痘痕も靨か。静一が勝手にママは美しいと思っていたに過ぎなかった様だ。重い現実に耐えられず空想を本当だと思い込んで自分を守っていたことに内省し気づいたのかもしれない。僕は本当におかしくなっちゃんたんだな。そして回復していたしげるを今度は静一が崖から突き落とし殺害してしまい少年鑑別所へ送致される。ママにやらせていたのは僕で、僕がしげるを殺さなければいけなかった?蝶が乱舞する。どうやって終わりを迎えるのか楽しみな漫画作品である。








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