
『新温泉町ってどこよ?』日本の絶品食材ウィーク @酒房 交差点 ~築地 cross point~
何故こうなったのか…
新温泉町には、関係人口が関係人口を呼んできて横に繋がってしまう、という、世にも奇妙な文化がある。(ありがとうございます)
今回は、2024年4月15~20日に、東京の飲食店で、新温泉町の食材と但馬杜氏のお酒を使ったコースメニューが提供された食イベントの記録です。
酒房 交差点 ~築地 cross point~
会場は、銀座/築地にたたずむ、酒房 交差点さん。
シェフの選んだ一押しの日本酒とコース料理が楽しめる。


今回のコラボイベント『新温泉町ってどこよ?』とは
実はイベントに関して、どういう流れでこうなったか私は知らない。プレスリリースをあげさせていただいたので、詳しくはそちらをお読みください(笑)
ある日、商工観光課長が私のもとに やって来て、こう言った。
『東京の料理店が、新温泉町の食材と但馬杜氏の日本酒でコース料理を作るから、日本酒10種類くらい選定しといて。ヨロシクゥ!』
・・・なんも分からん。詳細プリーズ?
そこから1ヶ月、但馬杜氏で関わりのある方々の酒蔵のお酒や、個人的に好きな但馬杜氏の日本酒をかき集めるために、兵庫県を縦断し、関西を横断するハメになったのであった(笑)
生産者に注いでもらう日本酒の美味しさたるや
杜氏さんの協力
1週間のイベント期間のうちの3日間は、但馬杜氏の杜氏さんによるトークイベントが行われた。全体トークはそこそこに、杜氏さんが自らテーブルを回って自分の造ったお酒をオススメしてくるのだから、飲まずにはいられない!
こちらは月桂冠株式会社(月桂冠 内蔵)の相川杜氏。盛り上げ上手な相川杜氏は18日・19日の2日間、大活躍された。
月桂冠という大きな蔵のイメージと細やかな酒造りの話、実際など、お客さんも興味津々。
但馬杜氏の皆さんの魅力は、その造った日本酒がどうこうではなく、1対1で話した時の人柄にあると思っている。大々的な宣伝や大きな蔵の大きなイベントではなく、お互いが人と人として関わることでの魅力。なので、ひっそりと進めていきたい。


ちなみに写真を撮ってくださったのが、「今日は脇役なので目立たないようにします」と控えめに後ろに隠れていた、壽酒造(國乃長)の富田杜氏。
ふんわりした雰囲気の富田杜氏は、大盛り上がりの初日15日にみんなの心を掴みまくったと聞いている。最終的にはお客さんの席に一緒に座って語り合っていたとか。
今回の日本酒リスト
先方が新温泉町視察&食材探しのタイミングで試食会を行ったのだが、ありがたいことに、その時に私が並べておいた(独断と偏見の激しい)但馬杜氏の日本酒からもコースに採用してくださった。他にも但馬杜氏の皆さんのお酒が並び、圧巻のラインナップ!全部飲めなかったのが悔しい。


交流の様子
杜氏さんが、丹精込めて作った自分の日本酒を注ぎながら、お客さんと交流していく。こんな機会はめったにない。



新温泉町コラボのコースメニュー
各お料理に驚きがやまなかった。せっかくなので一つ一つ紹介してみる。

甘海老塩辛と馬鈴薯餡 甘海老のフォンと琥珀ジュレ 菜の花・青えんどう豆
これ、目の前でお料理をいただいていた相川杜氏が、一口で叫んだ大絶賛の一品。コースとして全メニューいただいた上で、私はこのお料理が一番好きだった。
新温泉町三尾地区の甘エビのフォンも美味しいのですが、この甘エビのフォンも美味しい!強い海老の味が口いっぱいに広がる感じ・・・なのに優しい味!
マッシュドな自然薯だけでも何口でもいける。なのに、個々でも美味しいジュレと芋とフォンが相合わさって風味MAXの一品。相乗効果、素敵。日本酒が進む。

ハタハタ昆布〆、がら海老、白バイ貝
新温泉町浜坂地域の海産物、これは言うまでもなく美味しい。
浜坂と言えば、エビ🦐 甘エビ・ガラエビ・モサエビ・オニエビ・・・
ガラエビは旨味と甘みが両方強く、素材の味わいを堪能することが出来た。
また、ハタハタは漁獲量も多く有名だけれど、怠慢な私は家で昆布〆にすることがないため、旨味の足された状態に舌鼓を打った。
また、バイガイはコリコリした食感が特徴ですが、東京でこれらの海産物をいただけるのは幸せとしか言いようがありませんね。

ババア(タナカゲンゲ)唐揚げ 岩モズクあんかけ 春キャベツ塩麹蒸し・打葱
ババアって知っていますか?またの名をタナカゲンゲと言いますが、聞いたことはあるでしょうか?私は新温泉町に来るまで存在も知りませんでした。
地域の居酒屋には【ばばあの唐揚げ】が当然のようにある。最初見たとき、魚の名前とすら思わず、これは何ですか?と聞いた。
『えっ??』と返答された。別の人からは『いやいやww ばばあは ばばあですよww』と答えになっていない返答もされた。
どうやら、それくらいメジャーな魚だそうです。知らない方がおかしいらしい(笑)
顔がババアだから呼び名がばばあ…らしいのだが、見た目にそぐわず味は美味しい。
地域のお店で出されているものは、何物か分からなくても、とりあえず食べてみるのがオススメ。思わぬ美味しさに出会えるかもしれない。

生蛍烏賊しゃぶしゃぶ 柚子味噌たれ 荒湯茹で上げ筍・特産生わかめ・笹打葱・えのき
ホタルイカは、新温泉町の浜坂港が、漁獲量 日本一。新鮮なホタルイカを推したホタルイカ祭りが開催されるほど。こちらを、プロトン凍結という特殊な方法で保存したものが今回提供された。
そして、三尾地域のわかめ。コリっとしていて大好き。しゃぶしゃぶにするのがもったいなくなるくらいの人気商品。
また、新温泉町の湯村温泉は炭酸水素泉であり、要は重曹が含まれていて野菜のあくが抜けるので、地域の台所として昔から活用されている。
春になると、湯村温泉の荒湯(湯つぼ)は、地域住民が浸けたタケノコでいっぱいになる。こちらのコースメニューにも、荒湯の湯がき文化を取り入れてくださった。

地域の人に聞いたコツを、しゃぶしゃぶでも実践!
但馬和牛ローストビーフ 新玉ねぎのソース わさび菜・藻塩・山葵
日本の黒毛和牛の素牛となっている、但馬牛。詳しくはこちら ↓
今回提供されたのは、但馬牛の経産牛。去勢されたオス牛はサシに特徴があるイメージがあると思うが、経産牛は非常に旨味が強い。ローストビーフとしてお肉の旨味に焦点を置くなら、これ以上の選択肢はないのではないか!
私は本来、肉の味を楽しむ場合はお塩やワサビで食べるのが好きなのだが、玉ねぎのソースが美味しすぎて、ハマってしまった。
『肉が足らんぞー!』と言いたくなるほどに。

食事に来られていた方のご親戚が米沢牛の山形県の出身らしく、日本の牛さんの話で盛り上がりました。
『新温泉町名物 楢鮨 いか糀』使用 土鍋炊き込み御飯 わかめっ娘・茎ちゃん・花わさび醤油漬け・味噌汁
炊き込み御飯がヤバい。
こちらに使用されているのは、《イカのなれずし》という名前で地域の郷土食であった、イカの糀漬け。元々、イカを糀に漬けて保存食とし、焼いて食べられていたそう。
それが数年前、流れが変わった。特産品開発をしようと東京から料理人や事業者さんがいらしたとき、これは生で食べられる食材ですよ、と!
詳しい流れは私は存じ上げていないけれど、商品化してあっという間に売り切れ続出の大人気商品になったと聞いている。(語ると長くなるので これ以上はまたの機会にww)
生で食べる・焼いて食べる…は分かった。それ以外で味わってもらいたい…!そんなシェフの想いがこもった、イカのなれずしの炊き込み御飯。
こんな食べ方があったとは。これマジで美味しいです。何杯でもいける。ただでさえ驚愕なのに、菜っ葉がアクセントになっていて、何杯でもいける。
家でも作ろう、きっと何杯でもいける。
(追記:何の料理知識もなく家で炊き込み御飯にしてみましたが、失敗作が出来上がりました。料理人の腕のすばらしさを思い知りました。笑)

酒粕プリン『香住鶴酒粕』キャラメルソース
主催者イチオシらしい、酒粕プリン。「マジでウマいので!」と食い気味でオススメされた。そんなにハードル上げて大丈夫ですか?まぁゆっくり賞味を…アレ?めっちゃ見られてる。感想を言うまで立ち去る気はないらしい(笑)
恐る恐る口に入れる。
とろっとろで、卵の風味が強く感じられる。そして、後味として残るお酒の風味。ほんのり甘く、これは美味しい!最後の一品まで楽しませていただきました。

最後に
酒房交差点の高松シェフ、クロスポイントの斉数さんをはじめとした皆々様、現場のピンチヒッターの方々、杜氏のお二人、新温泉町と酒房交差点(クロスポイント)さまを繋げてくださった大沢さんや、企画を進めた商工観光課の皆さん、新温泉町の魅力を知っていただける素敵なイベントありがとうございました。
お客さんとして来てくださった皆さんにも最大の感謝を \(^o^)/
そして、食材の準備をすべて手配したのに、イベント当日に顔を出せなかった可哀想な地域おこし協力隊の尾関さんも ありがとうございました。お土産話と飯テロ写真で我慢してください。

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気になった方はぜひ訪れてみてください!