生き方を変えて生きやすくなった話

私は一度病気をしたことがある(と言っても現在は寛解で、完全に治ったわけじゃない)。精神の病気だ。

病気のきっかけはストレスだったけど、ストレスを抱えて当然の生き方や環境だったな、と振り返って思う。

私は他人に嫌われるのを極度に恐れていた。常に人の顔色を伺い、ビクビクしながら生きていた。そんな折、サークルの新歓係の仕事を他の何もしない新歓係2人に押し付けられたり、新歓の説明会とは全然違う多すぎる練習日程、またサークル内での各々の練習頻度や熱量などの方針の違いからギスギスした雰囲気に嫌気が差し辞めたいと言っては先輩に詰められたり(あなたには役職があるでしょ等)散々だった。そんな状況で自分の意見を押し殺して理不尽にも目を瞑り心を殺しながら生きてきた結果が精神の病気だった。療養のために休学することになった。

当時は環境や周りの人を恨んだが、休学して体調が回復してきて(年単位)しばらく経って、
「環境が全て悪いわけではない、仮に環境が悪いとしても、他の人がうまくやっていけてる以上、私にも悪いところがあるはずだ。
そして、私に出来ることは自分の生き方を変えることだけだ」
と思った。思えるようになった。

それから私は、自分の悪いところとかその原因や、変えたいところ、変えるにはどうするかを探すようになった。
思うに私は自分がどう生きたいか、私が本当は何をしたいのか、というのを無視しすぎたのだと思う。また、他人に好かれたいあまり、他人と自分の境界線が引けなくなっていた。そのせいか、他人と距離を縮めるのは得意でも、何かを断ったり距離を置く、とか今まで普通の人間が成長する過程で学んでくる人付き合いのノウハウが欠落していることが分かった。

私は変わりたい、と思うようになってから、些細なことをチャンスに出来るようになったと思う。変わるきっかけがそこら中に散らばっている感覚がした。
友人やインターネット(主にSNS)からヒントを得て、実践して、自分に合うと思う考え方や方法を取捨選択していった。色々試してみて、主に人付き合いでいいと思った行動やマインドを実践(と言っても学校に通ったりバイトをしたり、普通の学生がすることの中の人間関係だけど…)して反省、実践して反省を繰り返した。最初はしょっちゅうマインドや行動を変え、私の行動には一貫性がなかったから、これで変われるのかと不安に思った。周りからやってることがいつも違うと思われたらどうしようと思ったりした。でも、今の自分が嫌いで、病気の自分が嫌いで、どうしても自分を認められなくて、なんとか変わろうともがいた。

結果として今すごく生きやすくなった。
私に大きく効果があったものは何か、と聞かれてもうまく答えられないが(多分色々ある)強いて言うなら
「人から見て好かれる、ちゃんとしてる自分になれる選択」
よりも
「自分が感覚で好きだと思う選択」
を選ぶようになってからだと思う。
自分の「好き」に没頭するようになって、周りの意見なんか関係ない、と思えるようになった。
世間体なんかより、「感覚の好き」は本当に強かった。病気の自分でいいとさえ思える、もはや病気なんてどうでもいい、とまで思えるくらいだ。
自分にとっての大事な「好き」は、1つではなかった。旅行にカフェ巡り、好きな作品を観る、語学、本、様々な「好き」が私を変えてくれた。やってみたい、くらいのものをとにかく試しまくって、その中から好きで続けられそうなものを探した。そして私は死に物狂いで見探し当てた好きな物たちにしがみついた。好きでいるために没頭し続けた。そして好きな物たちはそれに応えるように私の軸を作ってくれた(好きでいるために好きになった感はあるけど)。

それに伴い、他人との境界線が引けるようになった。好きな物に時間やお金を使うため、付き合う人間も取捨選択せざるを得なかったからだ。好きな物に使うお金のために苦手な人の飲み誘いを断るようになったり、好きなものに没頭して返事をマメにしなくなったり(毎回ではない、また全ての誘いを、断ち切ったわけではない。忙しい、というのは絶好のそつなく距離を置くポイントだと思った)。でも普段はそこそこ当たり障りなく話す、困ったことがあればお互い話せるくらいの仲。人間関係を極端ではなく、ふんわりと調節できるようになった。好きな人たちとは楽しく喋る、意図的に近くにいるようにするなど、どの人が自分にとって大事にしたいか、苦手で近づきたくないかを取捨選択できるようになった。

その結果、
私は人目をそこまで気にせず、自分の好きなように生きること
ができるようになった。まったく気にしないわけではないけど、前よりは随分と楽になった。

変な言い方だけど、私は病気になったことに感謝している。病気にでもならなければ、私は生き方を変えようとは思わなかったからだ。今私はとても幸せだ。いつまで続くかわからないけれど、今はこの幸せを噛みしめていたい。好きな物にいつまでも没頭していたいと思う。大好きな友達とずっと遊んでいたい。