脇役「海苔」に向き合う


みなさん、海苔はお好きですか?
多くの人は「好きも嫌いもあんまない」と思ったかもしれません。脇役という印象が強い食材です。


私は、そんな海苔が大好きです。

海苔単体も好きですし、料理の脇役としての海苔も好きです。
今回は、そんな大好きな海苔について語りたいと思います。


私にとって海苔の香りは、他の何にも変え難い、安心する香りです。別に、海苔の名産地で生まれ育ったとかそういうことはありません。ですが、海苔の香りを嗅ぐたびに「包み込まれるような安心感」を感じます。


なぜか。


海苔といえば磯の香り。ですが、磯の香りがすればいいというものでもないのです。


世の中にはあまり美味しくない海苔もあります。美味しくないポイントは大きく2つ。食感と風味です。
適度なハリがない海苔は口の中で海苔の香りがうまく広がりません。どんなに味が良くても、食感の良くない海苔はそもそもその土俵に立てないのです。
その上で、良い風味が求められます。理想はふわっと鼻に抜ける磯の香りです。
磯の香りが弱すぎても強すぎてもダメ、口に入れた瞬間から後味までがしつこくてもあっさりしていてもダメ。「あぁ海苔だ」とわかる、磯の香り。それ以上でもそれ以下でもダメです。

まるで「追われる女」のようなバランス感覚。かっこいい。

そして、香りが味と素晴らしい塩梅で調整されていれば、完璧です。


そう、単に「磯の香り」なのではなく、その絶妙な香りの調和こそが「海苔の香り」をなしているのです!
だからこそ、磯にゆかりがない私でも、海苔の香りを心地よく感じるのかもしれません。




最後に、私のおすすめの食べ方を紹介しようと思います。それは、カルボナーラにちぎった焼き海苔をかけて食べることです。完成した普通のカルボナーラにかけていただくだけ、です。青のりや刻みのりではダメです。焼き海苔は大きめにちぎるのが私のおすすめです。

カルボナーラはこってり濃厚で美味しいですが、少し重く感じてしまうこともあります。生クリームとたまごが使われていて、口当たりもかなりクリーミーです。
しかし、海苔をかけることでカルボナーラに新しい風が吹きます。食感にアクセントが生まれ、こってりとした濃厚さが優しい風味に変化します。

是非お試しあれ。


ひろ

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