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チバリヨ

 全てが疲れてしまった。もう何もしたくない。期限が過ぎてしまった課題も、明日の小試験に対しても何も価値を感じなくなっている。

 大学に入ってから、少し経って、学問に対して学ぶという姿勢になれない。なれたとしても、ほんの少しだけだ。(キャッチしきれなかったフライのボールを追いかけている時のもどかしさに通ずるものがあると思う。)将来に向けて行動を起こすのが私は苦手だ、はっきり言って今自分が何をしたいかなど分からない。

 余裕が欲しい、金銭的なものによる精神的余裕というよりもむしろ、時間や精神に向き合う時間が欲しいのかも知れなかった。フランツ•カフカの変身という小説の主人公のように、明日の朝起きると醜い虫になっていないかなと思ったりする。

 真空パックに生きたまま(誰にも気づかれずに)入れられた魚のような気分を確かに味わっている。これは夜の車道をただひたすら走っている時の感情に似ていた。

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