猫達との出会い〜はっちゃん一家 前編〜

はっちゃんとの出会いは引っ越してすぐの頃
はっちゃんには男の子の兄妹がいて私達はその子を、ぼうしと呼んでいた。
ぼうしに出会った時、初めて会ったのに、にゃーと話しかけてくれたのを覚えてる。
ブチ猫で白い体に頭としっぽに黒い模様があって、頭の模様が、ぼうしのようだから『ぼうし』と呼んでいた。
ぼうしは凄く人懐っこい子で近所のおばさんが餌をあげていたり、近くの飲食店の人達がご飯をあげていたほぼ飼い猫に近い地域猫だった。
私達も引っ越してすぐ、おばさんにこの子達は子猫の時に捨てられて面倒をみているから、あなた達もたまに餌をあげてねと頼まれた。
私達は餌を買って、ぼうしとはっちゃんがいる日は朝晩、餌をあげるようにした。
そうしていたらどんどん愛着が湧いて私は、ぼうしとはっちゃんは病院でちゃんと去勢や避妊、ワクチンやノミフィラリアの薬はやっているのだろうか?と気になった。
でも野良猫だし、やっていても避妊と去勢くらいだろうなーと思いながら今度話す機会があれば、近所のおばさんに聞いてみようと思っていた。
その機会もなかなかないまま、毎日玄関から出ると、にゃーと鳴いてやってくるぼうし
私達が帰ってくると、にゃーと何処からか現れるぼうし
コンビニに行くとコンビニまで着いてきてしまうぼうし(笑)
大通りが怖くて、ぼうしがついて来ないように心を鬼にして、ぼうしから逃げた日もある(笑)
その頃はっちゃんは見える位置にいるけど近寄っては来なくて、ごはん置いてくださいみたいな顔をするだけだった。
季節は冬、暖かい場所を探して丸まって寝るぼうし達を見ると病院に連れて行って、うちの子にしたいって気持ちで胸がぎゅーっとなった。
でも、はっちゃんは私になかなか慣れなくて無理やり家に入れるとストレスになるのかな?なんて悩み、なかなか家に迎えいれずにいた。
そんなある日ぼうしが後をついて家に入ってきた(笑)
可愛くてこのまま家で飼ってあげたいなーなんて言うと、おとうが猫が住める環境を整えてからじゃないとダメだよ!それにしろちゃんはどうするの?(しろちゃんとは、はっちゃんのその頃の呼び名です)
あの子は近づいてこないよ?無理やり入れたらストレスになるんじゃない?
でもいつも二人でいたのに急にぼうしがいなくなったら、しろちゃん可哀想なんじゃない?と…
確かに…そうだな…
猫が暮らせる環境を整えつつ、どうにかならないか考えようとその時、私は思っていた。
それからしばらくして、毎日いたぼうしの姿が見えなくなった。
気にしつつも私は母の家に子犬が生まれ、その手伝いで毎日、母の家に通っていてそれどころではない毎日を送っていた。
だから帰ってきていなくても出かける時いなくても、ぼうしとタイミングが合わないなーなんて思っていた。
でも毎日いたぼうしがいなくなり、心配でおとうは近所を探し歩いていたらしい(笑)
知らない土地を猫を探して彷徨い歩く中年おやじ…(笑)
その頃はまた探しに行ったの?なんて笑っていたけど一週間、二週間と顔を見ない日が続いてさすがに私も、ぼうしにもう会えないのかな?ぼうし生きてるよね?誰かの家族になったんだよね?と不安になった。
おとうは自分が、ぼうしが家に入ってきた日、出さなければ…と後悔していた。
人懐っこいから誰かの家族になってるといいけど、もし事故にでもあっていたら…俺のせいだ…と何故か落ち込みまくっていた。
ぼうしがいなくなってしばらくした頃、近よりもしなかった、はっちゃんがにゃーにゃーって鳴きながら近寄ってくるようになった。
はっちゃんは隣の家の屋根に登ってよく鳴いていた。
今思えば、あれは発情だったのかもしれない…
でもその頃の私には、ぼうしがいなくなって悲しくて鳴いているように見えた。
あれから人が変わったように、いや猫が変わったように、はっちゃんはベタベタしてくるようになった。
そんなはっちゃんが可愛くて寂しそうで(私がそう思っただけで、はっちゃんが寂しかったかはわからない…)
近所のおばさんが引っ越しをすることになったので、この子達はどうするの?と聞いたら
あっさり、この子達は野良猫だから知らないよ!連れてはいかないし餌はまたどこかでもらえるんじゃない?野良猫のことまでやってれん!って…
え?可愛がってたんじゃないの?餌あげるだけあげて自分達は引っ越すから知らないって無責任なのでは?
なら初めから餌なんてあげるなよ毎日あった場所にご飯がなくなった時のこの子達のこと考えてあげないの?って言ったけど知らん知らんと言われた
思い立って、はっちゃんを抱いて家に連れて行った。
はっちゃんからすればただの誘拐犯の私
知らない家に入れられ見たこともない部屋で監禁してくる私が、さぞ怖かっただろうなと思う(笑)
おとうが仕事で居なくて
今からはっちゃん家に入れていい?って聞いたら
え?今?帰るまで待って!って言われたんだけど、その日おとう遅かったから勝手に入れちゃった!
ごめん(笑)
おとうが帰ってきてからビビるはっちゃんをとりあえずお風呂に入れた!
ちなみにはっちゃんは家に入って鳴き続けシャーと威嚇をして、でも触ると何故かゴロゴロ喉を鳴らすという不思議な猫さんだった。
猫ってそんなものですか?私の知ってる猫は威嚇するかゴロゴロ寄ってくるかだったんですけど…
次の日はっちゃんを病院に連れて行ったら…なんと!
はっちゃんお母さんだった!
もう結構お腹大きくなってますね〜あと少しで生まれますよ?って先生が言った。
え?妊婦ですか…どうしたら…とパニくりだす私達
堕胎させますか?できますよ!ただ母猫の命の保障はできないですけど!と…
少し考えさせてください。と先生に言ってその日は妊婦でも大丈夫なノミの薬をつけてもらいワクチンと検査は子猫がいるので後日ということになった。
帰り際、先生がこの子は検査していないから、もし猫エイズなら子猫産ませても奇形の可能性もあるよってことは頭にいれておいて!と言われた。
それ聞いてまたパニック(笑)
だって、はっちゃんだけだと思っていたのにお腹に少なくても3匹いて、もしかしたら奇形の子がいるかもしれない?!どうしたら…ってなった
帰って話し合って私達では4匹も飼えないよねー
いきなり4匹は…さすがに…
でも堕胎させていいのかな?もしはっちゃんが亡くなったら…
堕胎するという選択が出来ず、産ませて里親を探すとってことになってすぐ先生に連絡した
今思うと猫の里親探しを舐めていた舐めきっていた
完全に甘くみていた
子猫なんてすぐに里親見つかるだろうと思っていた
そして自分達が子猫を手放せるだろうと思い込んでいた
この後、里親探しにとても苦労するなんて知らないで
子猫のことを思い悩み、そして里親を申し出てくれた方とケンカすることになるとも知らないで呑気なもんだ(笑)

そこから少しの間、はっちゃんの妊婦生活を私達も一緒に体験させてもらった!
はっちゃん、おとう、おかあの暮らしは大変なこともあったけど今思い出すと笑えるエピソードもある貴重な時間だった
まずはっちゃんは妊婦だから良く食べた!!
いつでもお腹を満たしてあげたくて無くなったらすぐに餌を足した
はっちゃんはウエットの餌が好きでドライフードにウエットフードをまぜまぜして食べるのを好んだ
うまいうまいって食べてくれた
うにゃーって鳴きながら食べるのがうまいうまいに聞こえただけで可愛いーと家の中ではアイドル状態だった(笑)
来てすぐの頃は粗相もよくしてくれた(笑)
猫用のトイレを使わず、何故か決まってベッドでうんちとおしっこをしてくれた
ある日は私がぱっと目を開けると寝ている私を見つめながら、うーんと気張るはっちゃんの姿が目に飛び込んできたこともあった…
あれはなんだったんだろう…?嫌がらせ?
今でもわからないし、それからしばらくして、はっちゃんはそんな事まったくしなくなったから今でも謎
あと窓のブラインドを破壊してまわったこともあった
でも帰ると必ず扉の前で待って、にゃーんとお迎えしてくれた(今はほぼしてくれません…)
そんなはっちゃんいよいよ出産準備へ突入です!
次ははっちゃん出産!3チビとの出会い!悲しい別れの話しを書こうと思います。

ほにゃまたな!

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