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世界の一流はなぜ歯に気をつかうのか

「歯は第二の心臓」 欧米の一流が実践する、最先端の口腔ケア。

「歯周病は万病の元」 知っておきたい、歯の健康と全身の健康の関係。

「歯の美しさは、自信につながる」 ホワイティな笑顔で、人生をもっと豊かに。



要約

・はじめに
近年では歯周病が糖尿病、心臓疾患、脳卒中、がんなど、全身の健康にも影響を与えることも明らかになっています。
つまり、歯の病気が全身の健康をおびやかす可能性がある、ということです。
全身が健康であるためには、歯も健康でなくてはならないのです。
歯であなたの人生が大きく変わります。

・なぜ欧米エリートの歯は美しいのか
①美しい歯は、富、育ちの良さ、ステータスの象徴である
②美しい歯は、自己管理能力を反映する
③美しい歯は、自信溢れる笑顔の発信源である
④健康な歯は、全身の健康の基盤である

・歯並びの悪さは口臭に直結
口臭が発生する主な原因としては、歯と歯が重なってガタガタしている場所に汚れが溜まりやすいことが考えられます。
歯並びが悪いと磨き残しができやすく、そこに溜まった汚れから口臭が発生します。
こうした理由によって、歯並びが悪いと口臭が起こりやすく、他人に与える不快感が増すということを覚えておいてください。

・子どもは口を健康にすると学力も向上する
歯の機能は、単に、食べるという咀嚼機能だけではありません。
「噛む」という行為による脳への刺激は、脳の発達、活動において極めて重要です。
このため、例えば、虫歯で歯が崩壊して噛むことができなくなると、脳への刺激が大幅に減少し、様々な悪影響を及ぼす可能性が出てきます。
ですから、子どもの歯に目を配り、よく噛める健康な口内環境を整えておくことは、子どもの学力向上に不可欠です。

・子どもの矯正はいつから始めるべき?
そもそも、子どもの矯正治療とはいつの時期をさすのかというと、乳歯の段階、もしくは乳歯から永久歯への移行期の段階の治療で、これを一般的に「一期治療」と呼んでいます。
一方、全て永久歯に生え変わった後の治療は「二期治療」といい、12~13歳以降にあたります。

一期治療と二期治療は共に、歯並びをきれいにするというゴールは共通ですが、その過程に決定的な違いがあります。
二期治療では、ワイヤーなりマウスピースなりどういった手段で治療するにせよ、「歯のみ」を動かすことで歯並びを治していきます。
一方、一期治療では、単に歯を動かすだけではなく、まさにそのタイミングで起きている顎の成長発育を利用して、上下の顎の位置関係を改善するといった、骨格へのアプローチに重点が置かれている点が特徴的です。
例えば、出っ歯であるとすると、その骨格的な原因として想定されるのは、上の顎が前方に出ている場合と、逆に下の顎が小さく後退しているがゆえに出っ歯になっているという下顎の成長に問題がある場合の二通りが考えられます。
一期治療は、顎の成長を理想的な方向に導きます。
これを専門用語で「成長誘導」と呼んでいますが、まさに成長段階にある子どもだからこそ行える治療であり、これこそが一期治療の最大の強みというわけです。

お子さんの歯並びが心配な場合には、小学校に入ったくらいの頃に、矯正専門医に相談されることをお勧めします。
実際に一期治療を開始するタイミングとしては、場合にもよりますが、「上下の前歯の計4本」が「永久歯に生え変わった頃」が目安となります。
年齢としては、7~8歳くらいです。

・歯周病は世界で最も多い病気
実は、世界で最も多い病気としてギネスブックに認定されているのが、「歯周病」なのです。
「日本人の約8割が歯周病」とも言われているほどで、歯周病はもはや国民病と言えるでしょう。
歯周病は30歳以降になるとその数は加速して増え、そして60歳を超えると、ほぼ全員が歯周病に罹患しているというのが日本の実態です。

歯周病は、「静かに進行する病」と呼ばれるように、初期は症状が乏しく痛みも感じないため、自覚しにくい病気です。
気づいたときにはひどく進行していて、もはや手遅れ――そんな状況もよく目にします。
さらに、歯周病は虫歯とは異なり、歯を支えている周辺の骨がもろくなっている状態ですので、1本歯を失った時点で、周りの歯にまで被害が拡大している可能性が高いのも特徴です。
したがって、歯周病患者数が急増し始める30歳以降は、虫歯対策というよりも、歯周病対策を行っていくことが重要となります。

大人になってからの虫歯とは、子どもの頃に治療した虫歯が再発したものである場合がほとんどです。
虫歯予防は、虫歯に最もなりやすい幼少期から20歳までが肝なのです。

・ブリッジ、入れ歯、インプラント、どれが本当に一番か
歯周病や虫歯などにより、歯が抜けた場合を想像してみましょう。
歯が失われた場合、対策として考えられる選択肢は、①ブリッジ、②入れ歯、③インプラント、そして④何もしない、の4つです。
まず、④の何もしない、これだけはやめていただきたいものです。
何もせずに放置しておくと、その前後の歯が倒れ出し、噛み合わせの崩壊が始まります。
そんな悲劇を起こさないためにも、必要な処置はきちんと受けるようにしてください。

①ブリッジ、②入れ歯、に共通している点は、「失った歯を再構築するために、その周囲の歯にそれ相応の負荷(力学的負荷)がかかる」という点です。
どちらの場合も治療は保険診療の範囲内で可能であるため、懐にはやさしい治療と言えます。
しかし、これらの治療によって、犠牲になっている歯があります。
こうしたリスクがないのが、③インプラントです。

③インプラント治療は外科治療であり、豊富な知識と経験を積んだインプラントのエキスパートと、安全で衛生的な設備、細心の術前検査、術中管理が必要です。
過去の報道などから、インプラント治療に対して良いイメージを持てない方もいらっしゃるかもしれません。
しかし私は、「健康な状態と同等に噛める」という点、そして「周囲の歯への負担がない」という点において、インプラントは有効な治療法と認識しています。

・歯周病や虫歯の予防法
①定期健診とクリーニング(プロフェッショナルケア)
②毎日の正しい歯みがき(ホームケア)
の2つです。

①定期健診とクリーニング(プロフェッショナルケア)は、各々の口腔内の状態にもよりますが、できれば3ヶ月に1回、少なくとも半年に1回はプロフェッショナルケアを行うと良いでしょう。

そもそも、歯周病とはどのような病気なのでしょうか?
歯周病とは、歯の病気ではなく、「歯を支えている周りの骨や歯肉」などの、歯周辺組織が、「細菌による感染」を受けて「破壊されていく」疾患です。
では、どういった過程を経て歯周病は進行していくのでしょうか。
「プラーク(歯垢)」が原因です。
このプラークは驚くべきことに1㎎内に1億個以上の細菌が生息しているといわれています。
つまり、細菌の塊というわけです。
もし②毎日の正しい歯みがき(ホームケア)が不十分であれば、このプラークの層はどんどん厚みを増し、より密度の濃い細菌集落を形成し、病原性を増していきます。
そうしてプラーク内で病原性を増した歯周病原菌は、「歯と歯肉」のあいだをぬって奥へ奥へと侵入していくのです。
病態としては「歯肉炎」から始まり、「歯周病」へと段階を踏みながら進行していきます。

実は世界的に見ても日本人は熱心に歯みがきをしています。
それにもかかわらず、日本人の成人の約80%が歯周病と言われています。
ここで明確にしなければならないのは、磨いているのに「磨けていない」という実態です。
つまり、「磨き方が間違っている」のです。

正しい歯みがきの目的は、「プラークを除去すること」です。
なお、多くの人が誤解していますが、プラークは食べ物のカスではありません。
繰り返しますがプラークとは細菌の塊です。
プラークが厄介なのは、食べ物の残りカスとは異なり、うがいでは簡単に取り除くことができないという点です。
そしてこのプラークは、2~3日間ほども放置されてしまえば、硬い歯石へと変わります。
歯石となってしまうと、自分では取り除くことができないため、歯医者に行って取り除いてもらうほかありません。
ですからプラークが歯石へと変わる前に、つまり1日1回は、プラークをしっかり取り除く必要があります。

そして、多くの人が「磨けている」と思っていても実は磨けずプラークが残っている二大箇所というのが、まさに「歯と歯肉の境目」と「歯と歯の間」なのです。
では、プラークはどのようにすれば取り除くことができるでしょう?

まず一つ目の「歯と歯肉の境目」のプラークは、歯ブラシの毛先を歯と歯肉の間にしっかりと向けること(ブラシの角度は45°)が一番重要なポイントです。
鏡を見ながら、毛先が歯と歯肉の間にあたっていることを確認しながら、1本1本丁寧に磨く、この基本がなによりも大切なのです。

ただ、どんなに頑張っても歯ブラシだけで全てのプラークを除去するには限界があります。
「歯と歯の間」です。
そこで、デンタルフロス、もしくは歯間ブラシといった歯間清掃器具の登場となるわけです。
プラークは、歯ブラシ単独では約60%しか除去できません。
そこにデンタルフロスなどによるケアを追加すると、約95%ものプラークが除去できます。
ここで注意して欲しい点として、実は「歯間ブラシ」は歯周病が進行していて「歯肉が下がってしまった人向け」なのです。
健康な人は、歯間ブラシを使うと歯肉を下げてしまうので、デンタルフロス(糸ようじ)が適しています。
重要なことは、デンタルフロスと歯間ブラシ、どちらの場合でも、歯と歯の間に通すだけでは全く意味がないということです。
歯と歯の間に入れたら、「歯面に沿わせる」ことがポイントです。
つまり、「歯」にきちっと当てる、このことをまず強く意識してください。


世界で最も多い病気としてギネスブックに認定されているのが、「歯周病」です。
そして、日本人の「約8割」が歯周病です。
歯周病は、「静かに進行する病」と呼ばれるように、初期は症状が乏しく痛みも感じないため、自覚しにくい病気です。
さらに、歯周病は虫歯とは異なり、歯を支えている周辺の骨がもろくなっている状態ですので、1本歯を失った時点で、周りの歯にまで被害が拡大している可能性が高いのも特徴です。

歯周病や虫歯の予防法は次の2つです。
①定期健診とクリーニング(プロフェッショナルケア)
できれば3ヶ月に1回、少なくとも半年に1回はプロフェッショナルケアを行うと良いでしょう。
②毎日の正しい歯みがき(ホームケア)
プラーク(歯周病を引き起こす細菌)が残っている二大箇所は、「歯と歯肉の境目」と「歯と歯の間」なのです。
「歯と歯肉の境目」のプラークは、歯ブラシの毛先を歯と歯肉の間にしっかりと向けること(ブラシの角度は45°)が一番重要なポイントです。
「歯と歯の間」のプラークは、デンタルフロス、もしくは歯間ブラシといった歯間清掃器具でなければ、取り除くことができません。



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