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デート

還暦をとおに過ぎた
歳上の方に
食事に誘われ
始まった関係
私の尊敬する
芸術家の一人であります。
気紛れな 洋猫のような方
日によって
親しく話してくれるときと
つーんとして
人を寄せ付けない時もあれば
ヒステリーで 手がつけられない時も。
しかし
彼女から突然 お手紙が来た。
自分も若くないと
実感した
そして 死を見つめて
整理をしはじめた
手始めに
人間関係だと
そして
手紙には
愛しています

書かれていました。
貴女は私の友人の中で
最も若く
最も賢く
最も貴重な人間です。
伝えておきます。
と。
なんて ありがたい
おそらく
人生で初めてで最後の
唯一無二の
同性からのラブレター
私にとっても
貴女は友人の中で
最も歳上で
最も才能があり
最も恐ろしく
最も尊敬する人間です。
出会えて
少しの時間でも
同じ時を過ごせて 光栄です。
キスもない
セックスもない
そんな
関係で
愛を告げられるなんて
思いもしなかった
嬉しいものね
愛してます
って
きちんと言われるの。
こんな日には
ザッハリッヒな私は
誰かとベッドに入りたい
言葉少なく
乱暴にむさぼりあって
果てた惰性で眠りたい
セックスの後の
惰眠って
良いよね

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