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【マンガ業界Newsまとめ】国内Webtoonの新しい動き続く、最強布陣作品ついに登場! など|10/23-074

マンガ業界ニュースの週1まとめです。動きの早いマンガ業界・Webtoon界隈のニュースを出来る限り一か所に集め、業界の方が短時間で情報を得られることを目指しています。

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今週はWebtoon関連で新進スタジオによる新作発表や新しい動きが続きました。トップニュースはその辺りをまとめます。

『ソードアート・オンライン』著者・川原 礫氏による完全新作『デモンズ・クレスト』の縦読みフルカラー漫画が、HykeComicにて2022年11月6日(日)より連載開始!

リリースはHykeComicのものになりますが、ピックアップされている作品『デモンズ・クレスト』は、原作が『ソードアートオンライン』(SAO)の川原礫氏によるもので、これをSAOと同じコンビ、三木一馬氏率いるストレートエッジ社から原作提供、作画にフーモア社という座組になります。

このニュースは、単に一つの新作Webtoonが出来たということに留まりません。
川原礫氏×三木一馬氏のコンビは、SAOはじめ日本最強のラノベ作家×編集者のコンビになります。ストレートエッジ社は近年、ラノベからWebtoon原作に軸足をシフトし、国内で考えられる中では最強の布陣で臨んだ原作提供になるでしょう。

また、これを受けて作画するフーモア社は、代表の芝辻氏が常々、Webtoon業界におけるMAPPA、ufotableを目指すと標ぼうしている、制作請負のハイエンドスタジオで、国内有数の制作クオリティを誇ります。

いわば、現在の日本Webtoon界における、原作×制作タッグの考えうる最強コンビをHykeComicがプロデュースする形ですので、この作品には関わる全ての会社の力の入りようはかなりのものと想像されます。日本Webtoon界にとっても、ひとつの試金石となる作品となりそうです。


『夫を社会的に抹殺する5つの方法』他GIGATOON Studioより新作縦読み漫画4作品を公開!

DMMグループの漫画スタジオ「GIGATOON Studio」が、大きく動き出しました。

まずは、4作品を提供開始。ヒットドラマプロデューサーたちばなやすひと氏が2作、また、最近ドラマ化が発表された『ワタシってサバサバしてるから』のとらふぐ氏原作が1作など、力を入れた作品を10月15日より提供開始とのこと。

また、既にWebtoonStudioに進出することを宣言しているイザナギゲームスとの共同制作も発表しました。

このナタリーの記事は少し変わっていて、GIGATOON Studioによる出稿記事ではあるようなのですが、コスプレイヤーの伊織もえさんが、Webtoon編集者の仕事を体験することを通して、協業発表しているイザナギゲームスやKidariStudioなどが紹介され、最後には新作『喧嘩女子眼鏡大王』の1話試し読みにまで繋がっています。ユニークな記事です。


WEBTOON『STREET×BEAST』10月20日(木)午前0時連載を開始!

BS-TBSによる3×3バスケWebtoonが開始というリリースなのですが、編集がコアミックス社ということのようです。同社のWebtoon作品展開の発表は、これがはじめてですね。

コアミックス社がこれまで実施してきた「世界サイレントマンガオーディション」に受賞した、世界中の作家が作品制作に携わり、展開も日本やタイなど海外展開も視野に入れているとのこと。


LE SSERAFIM × HYBEオリジナルストーリー『Crimson Heart』の本格始動を予告、作家キム·チョヨプが制作に参加したプロローグを公開

BTSをプロデュースするHYBEが、韓国の5人組女性アイドルグループLE SSERAFIMとコラボしたWebtoonを展開。同グループは今年結成したばかりで、元HKTの宮脇咲良などが所属する。

HYBEはBSTの北米展開にWebtoonと連携する手を打っていましたが、今回はその日本展開パターンかなと。


国内News

何度かお知らせをさせていただいてきたIMARTですが、10/21に無事開幕、この記事を書いている10/23現在、配信で開催中です。10/23に3日目が終了すると、11/1よりアーカイブ配信を開始します。10月末日までにアーカイブ配信専用チケットの販売を告知いたします。

唯一のリアル開催の初日、観客動員をした基調講演の様子

基調講演は用意した80席が満席となり、一部立ち見が出ました。
続く交流会は、おおよそ120名ほどが来場、協賛社20社ほどの関係者、過去から今回の登壇者など、多くの方が集まり、業界交流がはかられました。恐らく、一か所にWebtoon関係者が集まった業界の場としては、今年最大級だったのではないでしょうか。


原画保存については、物理的な場所の確保が最大の課題となりますが、観光資源にもなる「蔵」を用いてアーカイブの現場とするというのは、コペルニクス的展開で非常に頭が柔らかい、良い施策だなと思いました。


NFTとコンテンツ、わけてもキャプテン翼とNFTとなると、最近ちょっと良く無い事例も過去にあったりなどしましたが、今回は過去に3作ほどキャプつば作品を作った実績のある座組で、NFTゲームが制作されたようです。

ブロックチェーンと言えば、残念ながら現在は投機的なイメージですが、ここで「ジェネラティブNFT」と呼んでいる仕組みは「投機を目的としたユーザーよりゲームを楽しむユーザーがユーティリティトークンを多く得られる仕組み」とのことで、登場キャラクターの多い同作を活かす、新しい取組になっているようです。


スイスで開催された「技能五輪国際大会」の印刷部門で、株式会社丸信入社オフセット印刷課の甲斐田光さんが、4位入賞でメダルを獲得とのこと。かっこいいです。

甲斐田さんは、講談社のコミックス『刷ったもんだ!』で、何人かいる取材対象者の一人だったとか。


問題のもとになったツイートに触れるのは、術中にはまるので控えますが、この記事にある印刷会社代表の方は、同人誌は「頒布する」ものである文脈をしっかり汲んでおられて、全くその通りですよねと思います。


海外News

良いお話です。
10/20に新刊14巻を発刊した『乙嫁語り』ですが、以前から中央アジア各国との国交に寄与していました。今回は日本・中央アジア5か国外交関係樹立30周年記念事業と言うことで、ワークショップを実施したようです。

日本にいるとなかなか接点を持ちにくい中央アジア諸国との国交や相互理解に、漫画が貢献しているということは、非常に美しいことだと思いました。どこかに、超絶美麗なこの作品を映像化しようという勇者は現われないものでしょうか。

サマルカンド テラス 高田馬場

個人的には先日、『乙嫁語り』3巻で初めて見て以来ずっと食べたかった「プロフ(中央アジアのチャーハン)」をお誘いいただき食べる機会を得られました。中華とも洋風とも違い、美味しかったです。乙嫁が無ければ、こういう楽しい思いもできませんでした。ありがたいお話です。


これはまたすごいお話ですね。事件については作家さんにはお気の毒としか言えないのですが、韓国ではこうして何かあると作家さんの年収がオープンに語られて、こういう日々の情報が新しい作家を呼び込むことになるんじゃないかなと思ったりします。(数字自体は新しいものではありません)


AIイラスト・画像生成関連

Pixiv社が画像生成AIによるイラストについてリリースをしました。
「AIはクリエイターを助ける技術になり得る」ということで、完全に排除するのではなく、AI生成イラストをフィルタリングしてタグ付けしていくスタンスを表明しました。なるほど。テクニカル企業のPixivらしいですね。


今週だいぶ盛り上がったのがこの「ラーメン」ですね。ほんまにカオスです。


これはもう記事内の動画を見てしまって欲しいのですが、粗い3Dテクスチャから必要な構図をレンダリング、望みの絵柄に変換するという工程がサクサク進んでいます。これホント凄いですね。技術の進化が早いー。


デジタル制作ツールの本丸、Adobeも画像生成AIに進出ですね。ここに至るスピード、本当に早かったですね。世界のスタンダードが数か月で一気に変わる超過渡期でした。


中国でも、AI画像生成の指示テキストを「呪文」と呼び、魔導書の法典が出来上がってきているわけですね。こういう文脈や世界観は、世界で共通化しそうですね。「十分に発展した技術は魔法に似る」というやつですね。


記事のみ紹介


告知関連

ワコム「コネクテッド・インク 2022」

開催:2022年11月18日~19日
詳細記事へ


電子出版市場急成長の一翼を担う電子書店と電子取次――KADOKAWAグループのデジタル事業戦略

2022年10月11日に、KADOKAWAグループCDO橋場一郎さんのセミナーアーカイブです。Youtubeですので無料です。


「画像生成AIと著作権」のオンラインセミナー、11月に開催 参加費無料 AIに詳しい弁護士が登壇

タイトル:Midjourney、Stable Diffusion、mimic、NovelAIなどの画像自動生成AIと著作権
開催:2022/11/15 (火)
費用:無料


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現在私は、マンガ編集部やWebtoonスタジオが自社で作品の販売をできるWeb雑誌の仕組み、「コミチ+」の営業をしています。

コミチ+は、来年に向けて大手出版社やWebtoonSTUDIOなどの大型受注を複数控えておりまして、絶賛エンジニア、Webディレクター(運用担当・データアナリスト等)などを募集中です。サービスがどんどん大きく広がっていく、これから滅茶苦茶楽しくなっていくタイミングです。一緒にやりませんか!私も力を出し切るつもりですし、一緒に働く方には私の持ってる知識や人とのつながりを最大限提供したいと考えています。詳細は以下より。

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