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【マンガ業界Newsまとめ】SNSマンガ広告事業No1のwwwaap社、事業統合でMinto社設立!など|10/24-023

マンガ業界関連の日々のニュースをまとめるマガジンです。堅い内容だからか反応がなかなかいただけなくて、SNSシェアや感想いただけると、とても嬉しいです!

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SNS時代よりも前「広告漫画」と言えば、長い間漫画家の仕事としては収入的にもあまり評価されない時代が長く続きました。wwwaap社は、エース級のSNS漫画家に対して、月間3桁万円を超える報酬を支払い続け、時には4桁を超えることもあるなど、SNS時代の漫画家の働き方を新しい時代に導き、マネタイズしてきた会社です。

そのwwwaap社と、キャラスタンプDL世界一の実績を持つクオン社が、統合しMinto社となるとのこと。クリエイターエコノミー時代の新しいクリエイターの収益化・発信力の進化を目指すようです。

具体的には、NFT分野、WEBTOONなどのIP展開のほか、これまで通りのSNS上での広告コンテンツを扱っていくとのこと。クオン代表の水野さんのnoteで、より掘り下げてらっしゃいしますが、事業領域と同時にアジアなどへの国際展開も強化されていくようですね。スケールの大きなビジネスを期待したいです。


最近、WEBTOON関係の面白い記事をポンポンと出されているフーモア社の記事を2本紹介します。

一本目は、WEBTOON随一のヒット作品『俺だけレベルアップな件』を生み出したREDICEスタジオについての記事です。制作体制や秘話も面白いですが、『盗掘王』や『4000年ぶりに帰還した大魔導士』など、ピッコマ内で目立っている作品も軒並み同スタジオで作成されているという事実に驚きます。

最近は「スタジオ」として注目される、WEBTOONの制作体制にも触れていますので、そこはWEBTOONに関わる方は要チェックと思います。

もう一本、YLAB社のブロックバスター戦略も興味深いです。

こちらは一転してLINEマンガ内でのヒット作『テロマン』『復活する男』を元にして『テロ対復活』という、マーベルで言うアベンジャーズのような作品が同じスタジオ内で作られ、ヒットしているというお話です。

スタジオをブランドとして捉える考え方は、アジアではWEBTOONスタジオ以降のパラダイムとなりそうで、今後が注目されます。

また、この流れで行くと、こちらのWEBTOONをめぐる新たな動きも注目されていきます。以下の記事では、業界内というよりはWEBTOONの業界が新たにベンチャー企業により勃興していく予兆ありと、一般向けに説明されているタイプの記事です。

既に、海外では快看漫画、国内ではピッコマ・アカツキと大きな動きが出ていますが、これを受けて数々のスタートアップが動き出し、一般誌にこうした記事が出てくるという流れは、更なる新規参入や資金投下がこの分野に行われていく前触れかなという既視感を感じます。そういう流れ、これからまだまだありそうです。


大きな取組の割りに目立たなかったかなぁと思うのがこちら、LINEマンガによるVRマンガアプリ「スフィアトゥーン」の話題です。先日、メディアドゥ社が開始したVRマンガアプリ「コミなびVR」に続き、国内2社目となりますが、こちらのサービスでは、作品に合せてVR背景やBGMをカスタマイズするなど、より没入感を向上するしつらえのようです。

そうした細かい対応があるところから、全作品を読めるスタイルではなく、『女神降臨』『Sweet Home』など、縦カラーマンガから6作品をピックアップして対応するところからスタートしているようです。

このVR環境下でのマンガ読書体験については、各社試行錯誤を開始したというところですね。このスフィアトゥーンとコミなびVRをレビューしている記事を書いてらっしゃる方がいらして、とても分かりやすいので、ご興味ある方にはおすすめです。

また、同じLINEマンガのNAVER系韓国「WEBTOON」は「WEBTOON AI PAINTER」というブランドで、WEBTOON専用のWEB制作ツールを公開開始した模様です。

こちらはまだ韓国語のみのようですが、下にスクロールするとキャラに色が入ったり、チュートリアルもスクロールで進んでいくような仕様で、スタイリッシュな制作ツールという、新たな境地を見せてくれています。


ピッコマを運営する法人は「カカオジャパン」だったわけですが、これが「カカオピッコマ」に商号を改名するとのこと。

もともと、カカオの日本展開を踏まえての「ジャパン」を外し、海外に向けて「ピッコマ」というサービスに注力して進出していく基礎固めをするブランディングとなるのでしょう。


WEBTOONの話題がもう少し続きまして、日本の縦カラーでは最早老舗の趣のcomico社さんが、英語圏進出ということで『pocket comics』というブランドをスタートさせています。

北米のWEBTOON市場の伸びを受けたの進出とのことですが、NHN社はNAVER系ということで、既に先行して進出しているアプリとは別に、comicoはcomicoのブランドで出るあたり、なんとなくマンガにおける一つの雑誌をブランディングするようなイメージでしょうか。


こちらは、国内から海外へというもう一つの話題で、モーニングで連載し、ドラマ化などでヒットした『インベスターZ』を、中国のWEBTOONクリエイターがリメイクし、中国市場に展開するとのこと。

中国側の作家リボルバー氏は中国SNSで人気ということですし、原作者の三田紀房先生も「中国の事情に合せて好きに描いて欲しい」と、こうしたケースでは最も重要な権限委譲も行ったようです。中国マーケットは証券に対する関心が高いと予想され、なかなか面白い形ではないかと思います。


国内のマンガアプリベンダー大手、and factoryの決算発表なのですが、最終損失で5億円を超える損失を計上したとのこと。記事中の説明ではIoT事業の損切りで今期は特別損失からの整理であったとのこと。ホテル事業などコロナの影響で低調であったところを立て直すそうです。

アプリの事業では5億円以上の利益を逆に出しているということで、こちらに注力していくということと受け取りました。


電子書籍取次の老舗、モバイルブック・ジェーピー(MBJ)社が、「連想検索システム 知の泉」の開発を発表しました。

ニュースを読み解くと、いわゆるリフロー形式でテキスト情報が入っている電子書籍データを横断的に検索することで、「思わぬ本と出会える」機会をつくるということのようです。書籍のリコメンドシステムですね。

一般に、漫画の電子書籍データは99%画像で構成されるためテキスト情報は無く、恐らくこれはいわゆる「文字もの」の書籍を対象とするリコメンドシステムかなと思いました。

ここのところ、相次ぐ買収やVRや海外輸出、NFTなど同じ電子書籍取次のメディアドゥ社はかなり大きな動きを見せています。それに対して、また違う切り口で事業を進めているMBJ側の考えを見ることが出来た気がします。


誰でも気軽に電子書籍をamazon上で販売できる「KindleDirectPublishing」のサービス上で、今度は個人著者が1冊ずつ紙の本を販売できるようになるサービスが開始するようです。

もともと、amazonや他のサービスでも、プリントオンデマンド(POD)ということで、注文ごとに指定の標準版型で1冊1冊印刷された実本が送られてくるサービスはあったわけですが、今回はKDPのサービスとそれが紐づいたわけですね。

ちょっと気になったのは、amazonでは、通常の書籍にISBNとASINという2つのコードを振るのですが、KDPなどの電子書籍のみの販売の場合は、書籍共通コードのISBNを振らずにASINだけを振っていたところを、このPODサービスではISBNも振り直しているようです。

ISBNのコードは、基本的には出版社が代表者名を記名の上登録して有料で得るものなのですが、このamazonが自動で割り振るコードは同じものなのでしょうか?また、ここでわざわざISBNコードを振るということは、将来に実本の流通をamazonが視野に入れているのかどうか、というあたりがきになるところでした。


アルファポリスが好決算というニュースなのですが、実はここ数年ずっと好決算なのですね。

いわゆるなろう系のプラットフォームは、ユーザーが作品を投稿するCGM機能を実現することから事業がスタートした「小説家になろう」「アルファポリス」のほか、そもそもの大手企業がスタートさせた「エブリスタ」「カクヨム」などいくつか存在します。

その中でも「小説家になろう」は、ビジネス的には商売っ気のあまりない、あくまでプラットフォームとしての存在を維持してきたのに対し、「アルファポリス」は生まれた作品を積極的に自社IPとして取り込み、手堅いヒット作品も輩出し、業績を上げてきたということのようです。わたしもこの小ヒットの狙い方はこの記事で初めて知りました。なるほど。

アニメ化もされた過去作品『ゲート』については、ヒットしながらも失敗もあり、それを踏まえて次のステージを見据えているとのこと。この領域はラノベとWEBTOON原作がニアミスしていくなど、新しい動きの震源地となりそうな時代の結節点になりえるポイントですので、今後の動きに注目したいです。


今月末の衆院選に向かい、共産党の選挙公約でマンガ・アニメに対する法規制への話題がSNS上でかなり話題となりました。

結論的には、例によってちょっと共産党側も書き損じた感がある動きだったようなのですが、こうしたものはいわゆる「ニーメラー」(放っておくと取り返しのつかない状態になること)ですので、都度都度こうした声が上がり、その上で冷静に検証するのは重要なのでしょう。

ちなみに、ニーメラーの意味を紹介しようと検索したところ、赤旗新聞の記事が上のほうに出てきました。何かの冗談かと思いましたが、確かにかの党は良い意味で本来こういうポジションでしたね。


最後は記事の紹介かつ告知です。

ピッコマが国内に作ったWEBTOON製作スタジオ「ピッコミックス社」社長の西村さんたちと、10/29(金)19時よりウェブセミナーに出ます。

西村さんとは、DeNA社のマンガボックスが始まる直前からのお付き合いなのですが、今回はすっかりWEBTOONの専門家となられ、こうした記事にも出られている氏と、WEBTOONまわりの近況などお話し出来ればと考えております。

無料ですし、既に3桁以上のお申し込みがあるそうです。以下Peatixからお申込みくださいませ。

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