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【マンガ業界Newsまとめ】LINEマンガ10周年!Fantia、DLSite comipoともに累計1000万ユーザー達成!! など|4/9-97

マンガ業界ニュースの週1まとめです。動きの早いマンガ業界・Webtoon界隈のニュースを出来る限り一か所に集め、業界の方が短時間で情報を得られることを目指しています。

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国内マンガアプリの累計ダウンロード数No.1!「LINEマンガ」が10周年

LINEマンガが2013年4月のサービス開始以来10周年を迎えたということで、記念イベントなどを実施、これまでの数値結果など公表しています。

累計ダウンロード数 4000万
コメント・レビュー総数 6000万件以上(同文字数21億3000万以上)
友達におすすめされた件数 2億9000万以上

LINEマンガ10周年特設サイトより https://manga.line.me/lp/common/event/10th/index.html

錚々たる数字が並んでいます。開始以来LINEマンガが大きく発展してきたことが良くわかります。また、10周年記念イベントは以下のページにまとまっていました。

業界News的には、第3回のインタビューで、現代表の金信培さんと、元ebookjapan代表の高橋さんのお2人が、このタイミングでどういった話をされるのか、楽しみです(4/9時点では未公開)

この10年は、大きな重みがあるなと思っています。

LINEマンガがスタートした2013年は、思えばマンガ業界にとって特別な年で、後のデジタルコミックにとって重要な位置を占める4つのマンガアプリ・プレイヤーが生まれた年でした。

◆各サービス開始日と参考情報
2013年4月9日 LINEマンガ
2013年10月17日 comico
2013年12月4日 マンガボックス
2013年12月12日 GANMA

各社発表、及びwikipediaより筆者調べ

この2013年時点と言うのは、今や隆盛を極める電子書籍にとっても黎明期で、アマゾンkindleの日本スタートが2012年の10月であったことを考えると、本当にまだまだこれからという時代でした。

この時各社は、それぞれの思惑を持って開始したわけですが、総じてマンガを作ってIP化してゲームにするということを狙う声は、4社中3社がゲーム会社系による立上げだったこともあり、聞こえていました。

振り返ると、LINEマンガは押しも押されもしない巨大プラットフォームとなり、国内ではebookjapanを実質吸収、グローバルでもWebtoon市場を2大巨頭として争う一方の雄に。同時に編集部も複数のメディア化作品など制作してきました。

comicoは、初のタテカラープラットフォームでヒット作『ReLIFE』も制作・販売。現在日の出の勢いのWebtoonの基礎を日本に作り、輩出された人材は、ピッコマや様々なスタジオをはじめ、各所で活躍。色々な意味で日本Webtoon界の祖と言えましょう。

マンガボックスはDeNA時代、樹林伸さんを初代編集長に擁し、同じグループの小説PFエブリスタとの連携やメディア化作品を制作しました。DeNAから分社後はTBSグループとなり、IPメーカーとして映像とマンガの展開を中心に様々にチャレンジ継続中です。

GANMAは、実はこの4社の中で一番最初に単独黒字化したと言われていて、強い経営力を発揮。独特な作家のマネジメント手法や、いち早いサブスクの導入など、ユニークな展開を続けています。

と。それぞれユニークな形で、日本のマンガ業界のなかでポジショニングしています。しかしまぁ、同時期に始まった4つのサービスが10年継続しているというのも、またすごいです。各社の皆様のご苦労は並々ならないものだったと思いますが。

そろそろ、電子コミックが勃興したこの10年を振り返っても良いタイミングなのかもしれませんね。


『ReLIFE』の夜宵草による待望の新作webtoon始動!「LINEマンガ」オリジナル作品『ツギハギミライ』が本日4月8日(土)より連載開始

そんなこのLINEマンガ10周年のタイミングで、記念すべき作品がまたスタートしました。
日本の縦スクロールカラーマンガ(当時の表現)で初のヒット作品となった『ReLIFE』の作者、夜宵草さんがLINEマンガで『ツギハギミライ』を連載開始とのこと。早速1話目冒頭から引き付ける展開でした。


とらのあな-Fantia、viviON-DLSite/comipo、ともにユーザー数1000万人達成

クリエイター支援プラットフォーム「ファンティア」が、【累計ユーザー1000万人】を突破!4月4日より「全員もらえる!とらコインプレゼントキャンペーン」を開催!

とらのあなが運営する「Fantia」は2016年5月にスタートし、500万人突破が2021年8月、そこからこの4月に新連載累計登録ユーザー1000万人突破とのこと。超速ですね。2022年の売上は前年比7割増とのことで、急激に成長しています。

また、「数字で振り返るこれまで歩み」ユーザー数以外にも様々な数値が公開されています。


「DLsite comipo」をはじめとしたサービスのご利用ユーザーが1,000万人を突破!! viviONグループは電子書籍サービスを中心に継続成長中

viviON社のDLSite comipoをはじめとした同社関連サービスの利用ユーザー数が1000万人をこえたとのこと。中でもcomipoなど始めた近年の伸びが著しく。2018年3月に250万人だったユーザー数が、この3月で1000万人ちょうということで、こちらも凄いスピードですね。

成人向け作品中心であったDLSiteですが、一般向けのマンガアプリcomipoを作った後などは、急速にユーザー数を獲得したようです。


高橋留美子がフランスの芸術文化勲章シュヴァリエを受勲

これはとにかくめでたいですね。サムネのイラストチョイスがまた良いです。
日本人マンガ家ではこれまで谷口ジロー、大友克洋、松本零士、鳥山明、永井豪に続き7人目とのこと。ルーブルが漫画を第9の芸術、No9と称するようになった際、イラストとして荒木飛呂彦さんのJoJoが物凄く推されていたので、荒木先生も受勲秒読みですかね。


国内News

一迅社が新ウェブマンガレーベル「echo」創刊とのことで、もともと女性向けの強い同社ですが、女性向けレーベルで「コミックシーモア」と協業とのこと。


こちらは、小学館クリエイティブ内でガラケー時代からTL/BLなどを制作してきた、編プロのアイプロダクションが、めちゃコミックとの連携で「男女が読める注目の青年向けレーベル」とのこと。

2つのニュース続けて、力のある編集部と電子書籍プラットフォームの連携レーベルでしたね。


「マッチング型マンガ投稿サイトDAYS NEO」にKADOKAWAタテスクコミック編集部、マイクロマガジン社が参入とのこと。講談社グループ外の企業が徐々に増えてきましたね。


集英社子会社の「Project8社」が社名を「株式会社 集英社アーツ&デジタル」に変更し、より業容拡大するとのこと。
マンガ目線で同社の業務内容を見ると、ジャンプ+、ヤンジャンアプリなど、集英社のデジタル周りの運営などをしてきました。これが、よりデジタル特化で業容拡大していくことになりましょうか。

特に出版社の人事形態は独特なため、エンジニアなどのデジタル人材を採用する場合に出版社内の体系のままだと難しいケースも見られ、こうした関係会社にデジタル系人材を集約する流れは、良くあることです。これについては出版業界に限らないのですが。

また、講談社グループの場合は、グループ内の印刷会社であった豊国印刷などが事業承継の上KPSグループと名前を改め、講談社グループ内の印刷関連業務の集約の他、デジタル運営周りの受託業務の幅を広げるなど、出版社のデジタル対応の支援を行っています。


小説プラットフォームの話ですが、漫画原作とも縁の深いジャンルですのでひとつ。大阪に拠点を置く、Twitterでペンギンのアイコンでお馴染みのBookBase社が資金調達をしました。引受先がマイナビになるんですね。文字物だけにという所でしょうか。


これは、森川ジョージ先生が力をいれてらっしゃいますね。これまでマンガは、規制のスケープゴートのような立ち位置で、インターネットの野放図なコンテンツに対して割を食ってきた感は否めず、頑張っていただきたいところです。


「マンガ産業論」などの中野晴行さんの連載記事からですが、良くマンガ業界内で出てくる「海外に漫画を出すなら左から読むマンガの作り方にすべき」の起源というか、最初に取り組んであろう雑誌が、1976年発刊の「リリカ」という雑誌だったとのこと。
47年前ですかー、そうですかー。なかなか定着しませんね。


今週のWebtoon新規参入・新たな動き

また大物のWebtoon参入です。2つ目は韓国側ニュースの和訳です。
次は、CCC、すなわちTSUTAYAのグループですね。韓国の2つのスタジオと制作スタジオの新会社設立とのこと。事業概要内に流通・制作の他にWebtoonスクール事業というのがあり、少し気になりました。


SORAJIMAもcomicoとコラボでボイスコミック進出ですね。中国語、英語、フランス語でも配信されるとのこと。配信先に内外の複数PFが入っているのですが、ボイスコミック配信可能な国内PFも大分増えたのですね。


Booklive社が、NOKID社からNOKID WEBTOONの全株式を取得、完全子会社化して、社名をC-Routeと改めるとのこと。

界隈では「そろそろ」と言われていた、WebtoonSTUDIO周りの再編について、実務的に始まってきた感じですね。ここからは実績と体力の勝負みたいなものが始まってくるように思います。


WebtoonSTUDIOのワールドエッグス社、高知に制作拠点設立とのこと。


海外News

英語記事続きますが、翻訳はブラウザ拡張機能などで各自お願いします。

Dr.StoneなどのBoichiさんが、韓国スタジオとWebtoonを制作するとのことで以前話題になりましたが、これがSuperStringというアメコミタッチのWebtoonレーベルで、タイトルが『異世界見聞録』となるようです。(邦名がこのままかは不明)なるほど、こう来ましたか。


アニメにもなったTowerOfGod(邦名『神の塔』)の、紙コミック独占販売権(EXCLUSIVE)に関するニュースです。アメリカやアジアでビジネスをする人は、このEXCLUSIVEという言葉を良く使い、契約時もこだわります。日本人は商慣習的に割とその辺おおらかなんですけどね。

あと、この記事中でUnscrolled(スクロールしない)という言葉が使われてます。他の英語圏での記事でも確認されたのですが、「スクロールしないWebtoon」というところか、つまりこれがWebtoonの紙コミックを指すようです。なんかかっこいいですね。「アンスクロールド」


この記事のシリーズタイトルが、Saturday Morning Webtoonsで、要は日本で言うとブランチのマンガ紹介というところでしょうか。こういうWeb記事コーナーの存在は、積み重ねが重要そうですね。


2022年3月にシンガポール系投資ファンドから9940万ドル(当時約110億円)を調達した韓国の有力WebtoonプロバイダーであるRIDI社は、前年比19%アップの1.6億ドルの売上(約210億円)を上げているとのこと。強いですね。


大型合併を経て、売上を50%アップしたカカオですが、大規模な赤字に転じたとのこと。合併時のリストラを伴う特損なら仕方無いかなと思うんですが、複数の事業に渡って損失を出しているようですね。


ユニークだなと思ってとうまとめでも以前紹介させていただいた韓国のTV番組「ウェブトゥーンシンガー」ですが最終回を迎えたようです。


AIイラスト・画像生成関連

「プロンプトエンジニアリング」すなわち、AI画像生成の時の呪文マニュアルですね。海外コミュニティが英語で作ったものを日本語訳したものが公開されています。


好きな画像をこの仕組みに入れると、その画像のイメージに近いプロンプトが生成されるととのこと。言わば画像からの呪文の逆引きですね。なるほど。その結果できたものは、元の画像とは違うものということですかね。まぁ、違うんでしょうけども。


マイクロソフトのEdgeブラウザ上で動くチャットAIのBingChatにも、画像生成AIが実装されたようですね。


生身の方がこれをやると、かしこいような気がします。仕事増えそうです。絵を描くクリエイターがこれをやるとどうなるんでしょう。


ついに出た「動画生成AI」バカにできない出来映え。短い単語を入れるだけでショート動画を生成。とのこと。


ChatAIはプログラムを作ることが得意と周知されつつありますが、ついにアプリまで作ってしまうそうです。


フォローしておいた方が良い、ChatGPTの使い方に詳しい四天王とのこと。


文字物のSF作家で、かつエンジニアの方が、ChatGPTの使用を考察していますが、確かに両方の素養があれば使いこなしやすそうですね。複合スキルの2属性使いですから、血継限界の2種持ちみたいになってますね。強そうです。さておき、かなり骨太の内容ですが読みこなせれば勉強になりそうです。



記事のみ紹介


告知関連

講演タイトル:BLアワード2023の投票傾向を探る
内容:2万人近いBLファンから投票が集まったというChilChilで開催されたBLアワードについてのセミナーです。
実施日時:2023年4月13日(木)14:00~15:00

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主に週末に週1更新ペースで書いています。たまに別途特集を書きます。マガジンTwitterのフォロー、よろしくお願いします!

現在私は、マンガ編集部やWebtoonスタジオが自社で作品の販売をできるWeb雑誌の仕組み、「コミチ+」の営業をしています。

コミチ+は、来年に向けて大手出版社やWebtoonSTUDIOなどの大型受注を複数控えておりまして、絶賛エンジニア、Webディレクター(運用担当・データアナリスト等)などを募集中です。サービスがどんどん大きく広がっていく、これから滅茶苦茶楽しくなっていくタイミングです。一緒にやりませんか!私も力を出し切るつもりですし、一緒に働く方には私の持ってる知識や人とのつながりを最大限提供したいと考えています。詳細は以下より。

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