【微分幾何】多脚場を用いたときの測度との関係について

やること

題名のつけかたに迷ったが、導きたい式は以下である。

$$
e^{1}\wedge e^{2} =\sqrt{g}d^{2}x
$$

簡単のため2次元で行っている。
ここで正規直交な1形式を$${e^{a}=e^{a}_{b}dx^{b}}$$と2脚場で表し、計量はEuclid化されているとする。つまり$${ \eta_{\mu\nu}=\delta_{\mu\nu} }$$である。なお、添え字がラテン文字であるかギリシア文字であるかのこだわりは特にない。

Palatini作用の話をするときに特に説明無しに用いられて気になったので導出した。
難しいところはなかったがあまり日本語の資料が見つからなかったので公開している。誤りがあったらどうか教えてほしい。

導出

まず左辺を展開する。

$$
e^{1}\wedge e^{2} = e^{1}_{\mu}e^{2}_{\nu}dx^{\mu} \wedge dx^{\nu}= \epsilon^{\mu\nu}e^{1}_{\mu}  e^{2}_{\nu}d^{2}x
$$

$${ \epsilon^{\mu\nu}}$$はLevi-Civita記号である。2次正方行列$${A=(A_{\mu\nu})}$$の行列式を添え字で

$$
\det A = \epsilon^{\mu\nu}A_{1\mu}A_{2\nu}=\frac{1}{2}\epsilon^{\mu\nu}\epsilon^{ab}A_{a\mu}A_{b\nu}
$$

と表せることに気をつけると$${\det e = \epsilon^{\mu\nu}e^{1}_{\mu} e^{2}_{\nu}}$$である。よって$${\det e =\sqrt{\det g}}$$ならばよい。
$${e^{a}}$$が正規直交であることから

$$
g^{\mu\nu} e^{\mu}_{i} e^{\nu}_{j}=\delta_{ij}
$$

が成り立ち、両辺に$${e^{i}_{\rho} e^{j}_{\tau}}$$をかけて縮約を取ることで

$$
g_{\mu\nu}\delta^{\mu}_{\rho}\delta^{\nu}_{\tau}=e^{i}_{\rho}e^{i}_{\tau}\quad\to\quad  g_{\mu\nu}=e^{i}_{\mu} e^{j}_{\nu}\delta_{ij}=(e^{2})_{\mu\nu}
$$

最後の等号では1形式の成分$${e^{\mu}_{i}}$$を行列とみなし、2乗したものの成分として表した。これで計量$${g_{\mu\nu}}$$と1形式$${e^{\mu}}$$の関係がわかった。

$$
 \det g = \frac{1}{2}\epsilon^{\mu\nu}\epsilon^{ij}g_{\mu i}g_{\nu j}=\frac{1}{2}\epsilon^{\mu\nu}\epsilon^{ij}(e^{2})_{\mu i}(e^{2})_{\nu j}=\det e^{2}=(\det e)^{2}
$$

よって$${\det e =\sqrt{\det g}}$$であり、$${e^{1}\wedge e^{2} =\sqrt{g}d^{2}x}$$が成り立つ。

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