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なぜ働くの?なぜ産みたいの?_vol.2


「少子化大国」日本の現状

前項より続き→)

我が国で新しい命が誕生し、お母さんと赤ちゃんが無事に助かっているのは、不休で助けている周産期医療者の尽力があるからです。

増える高齢出産とハイリスク妊婦
大学病院には患者が集中。周産期の救急医療現場では生殖医療(不妊治療)の現場とはまた違う想いがあるように思います。
人手不足での〝限界だ〟という本音です。
地方の産院は「お産」だけで経営していけない現状があり、その多くが不妊治療クリニック、胎児医療専門クリニック、アンチエイジングなど婦人科美容クリニックに鞍替えしていきます。

一方で、生殖医療の現場には「産みたいのに産めない」と懇願する人たちが溢れかえっています。私が知っている限り、胚培養士の方々も残業や休日返上で毎日多くの受精卵に向き合っています。
そのような現実を知れば知るほど様々な矛盾があるのです。

自分にもできることはないか、そんな時にTwitterで目に留まったのが政府への署名活動を長年続けている不妊当事者支援団体「npo法人Fine」でした。思い立って、その後すぐに代表にコンタクトをとりました。
Fineでは広報チームで広報コミュニケーションという担当を任せていただき、主に医師やメディアにコンタクトする業務をさせていただきました。
また「妊活プロジェクト」という啓発活動のメンバーとしてセミナーや赤ちゃんカフェでの妊活講座の講師を経験させて頂きました。
活動を通して、国会請願を続けて来られた先輩方の〝長い長い苦労の歴史〟があるということを知れたこと、生殖医療科や泌尿器科の先生方、たくさんの当事者の「生の声」に触れる機会でした。
そしてその頃、私の中での〝家族〟に対する価値観が大きく変化していったのでした。

パラレルキャリアでこのようなnpoの活動に関われたことは、自分のその後の人生において「何をやりたいのか?」「なぜやるのか?」に気づけた、大きな転機になりました。

会社時代には、女子トイレに置いてある生理ボックス(汚物入れと一般的に言う)のことなど全く意識すらしたことない毎日でした。
しかし病院では、朝のトイレ掃除に汚物入れのセッティングから始業でした。診療時間中にはあまた溢れかえる使用済の生理ナプキンをスタッフが交代で何度も何度も捨てに行くこともありました。それらは決して「好きな仕事」とは言えませんでしたが、そんな経験も経てのいまの自分があります。妊活をする女性にとっての生理はそれぞれ異なる複雑な想いが入り混じっていると感じます。捨てられていくナプキンの山は、まるで〝働く女性たちの叫び〟のようでした。

一方で男性の精液検査の準備も経験しました。採取カップを運ぶことには始めは抵抗がありましたが、数をこなしているうちに精子が不思議と尊く感じてくるようになりました。個室への誘導案内は、まるで〝遺伝子を残す儀式〟のような緊張感がありました。

命の誕生は、ミラクルです。
生殖医療の現場では、選ばれし精子と卵子が奇跡的に受精し、細胞分裂をして、妊娠につながるケースを目のあたりにします。

一方、産科の現場では、産まれる命もあれば消えていく命があります。
アウス(胎児堕胎)のオペで来院した態度最悪だったギャルが涙目で、
「ごめんなさい。わたし、いつか産みたいです」と、つぶやいた時のことも忘れられません。


何のための命なのか?


奇跡の受精卵、流産、死産、望まない妊娠、性感染症、妊婦鬱、産後鬱で自殺未遂・・・ドラマ「コウノドリ」の中でみた光景は、現実に目の前で起きていました。

これらの経験は私自身の人生において非常に大きな意味を持ったと実感しています。繰り返し、繰り返し、命について考えさせられました。

これからの医療の在り方・予防としてのヘルスケア


医療者も働き方改革の時代です。そして、医療のあり方も変わる時がきています。皆が心と体の健康を維持しながら働く環境が整うことを願います。
そのためにも、ヘルスケアのサポートが日常の中でスムーズにできる仕組みづくりだと感じます。

アメリカは医療費が高額なこともありますが、どの分野でも「予防」の意識が非常に高いです。オーガニック、エコ、ワクチン接種、フィットネス、ヨガ、マインドフルネス、メンタルケア、カウンセリング、様々な予防医療、ヘルスケアがすでに浸透しています。
 
実際、日本においても医療費が増大してきている中、予防で健康を維持する概念は徐々に広がってきています。医療のあり方は統合医療、地域医療へとシフトし、オンライン診療の導入、病院だけでなく地域のコメディカルに気軽に相談して〝健康〟を実現していく時代になっていくと思います。

生殖医療科、産科、小児科で勤務して痛感したことは、医師による治療が担っている範囲はもちろん大切だけれど、その前後でできることの可能性も大きいということでした。オンラインサービスが医師をはじめ医療者をサポートできることは色々とあるのではないか、と思います。そしてまだまだ医療者だけが知っていて、一般人にシェアされていない情報、伝わりづらいことがたくさんあるのだということです。


1:ライフスタイル
食事・運動・睡眠などベースとしての生活習慣がおろそかになっている男女が世の中にたくさんいます。土台を整えることで未然に防げること、治療の効果をあげることにもつながる気がします。

2:コミュニケーション
例えばコーチングなどは企業内の人事マネジメントやチームのコミュニケーションに有効なだけなく、患者と医療者、夫婦間、親子間などヒューマンコミュニケーションで多いに役立つと感じます。

3:メンタルケア
「自己肯定感」が低い人が多い日本。人と比較しては複数のコンプレックスをかかえ続けるといった方が多いです。女性は体型やホルモンバランスが大きく変化しやすい産後、更年期、男性も体力が落ちてくるアラフォー以降に自信を失いやすいです。また不妊治療中の方においては繰り返し訪れるリセットなど、つらい感情に寄り添うケアも大切です。根本的な所に向き合えていないとすばらしい医療を受けても、子供を授かっても「ずっとつらい・・・」となってしまうのです。

欧米では、弁護士をはじめとする専門家に相談するという文化は当たり前にあり、「カウンセリング」が日常に根付いています。

キャリアカウンセリング
カップルカウンセリング
セックスカウンセリング
産前産後ケアカウンセリング
卵子提供や精子提供カウンセリング
養子縁組サポートカウンセリング
離婚問題カウンセリング

人生における「選択肢」が多様な分、サポートする専門家やサービスも当たり前にいろいろ存在します。

働き方改革・生き方改革時代をいよいよ迎え、日本人もついに「自分の人生を、自分で選ぶ」必要性に直面しています。
しかし、多くは〝身内でなんとかしよう〟〝お金を払ってまではちょっと〟と考えてしまいがちです。
「第三者の専門家を活用する」ということの敷居がより下がり、〝人に頼る〟〝相談できる〟が当たり前になる社会になることを願っています。



現在、私はフリーランス活動と並行してスタートアップに関わっています。ミッションに共感しあえる仲間と出会えたことには感謝しています。
だからこそ、
「なぜ、やるのか?」
そこは明確にしながら頑張りたいと思っています。



最後に__
ここまで読んで下さった方、ありがとうございます。
まだまだ発信しきれていないことも多くあります。これから少しづつ、実体験の中で感じてきたことなど書けたらいいなと思います。

1人の力では難しいです。何か共感いただけた方はお気軽にぜひ声をかけていただけると幸いです。微力ながらお役にたてることがあれば光栄です。様々な方と協力しあって一緒にチャレンジしていけたら素敵だと思っています。どうぞよろしくお願い致します。
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#femtech  #ヘルスケア #女性のライフサポート 



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ありがとうございます!!!
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広告業界からキャリアシフトし生殖科・産科・小児科勤務、ヘルスケア系スタートアップを経て現在はフェムテック領域で活動中。ウイメンズヘルスやメンタルケアなどについて発信していきます。 認定不妊カウンセラー・コーチ
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