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採用向け動画マーケティング

動画コンテンツを用いて企業・サービスのマーケティングを行う「動画マーケティング」が注目されています。インフラの整備とモバイルデバイスの普及で、どこからでも動画を見る環境が整っており、5G(第5世代移動通信システム)の登場でますますニーズが高まるとされています。
とはいえ、なかなか中小企業のベンチャーとなると、予算の関係やリソースの問題もあり、採用向けに候補者をターゲットとした動画コンテンツの制作に力をいれている企業はまだ少ないのではないかと思っています。

今回は、採用向けに動画制作をする場合に考えたいことをまとめました。「これから採用向けの動画考えようと思っている」という人事や広報の方の参考になれば幸いです。

動画マーケティングのターゲット

マーケティングの基本ともいえますが、まずは誰に向けて動画を作るかを考えましょう。

総務省の情報通信白書をみてみると、動画共有サービス(YouTubeなど)の利用率は20代は約9割、30代でも8割をを超えています。若い世代への効果が出やすい施策といえます。

また年齢層の問題以外にも、自社で採用したいペルソナに対して訴える内容で動画の内容を決めたり、出演者を決める必要があるため、詳細なペルソナを準備します。

▼採用におけるペルソナ設計に関する記事はこちら▼

動画のテーマを検討する

ペルソナの設計ができたら、「このペルソナであればこういう動画がみてもらいやすいのではないか」という視点で、どんな動画を配信すべきかを検討します。目的別の気をつけたいポイントも押さえておきたいです。

① 会社紹介動画
会社紹介の動画では、ターゲットと自社イメージが明らかになっていることが重要です。会社紹介動画と一言でいっても、採用のための動画と新規顧客を掴むための動画では、伝えるべき内容が全く異なります。
よくあるのが自社の歴史やサービスへの真面目な気持ちをアピールしようとして、硬すぎる内容のコンテンツになってしまいがちなので、バランスが大切です。

▼cookpadの採用向け企業紹介動画がわかりやすい▼

cookpadの動画では、3分程度で会社のサービスの大枠が掴め、どんな会社で何を目指しているのかをcookpad「らしく」伝えていると思います。

候補者はわかりにくいと感じたら、動画の続きを見てくれません。専門用語や業界用語など難しい言葉は避けて、「なにがいいたいのか」がわかりやすい動画にすることが大切です。

会社説明の動画では、以下のような工夫で自社のカラーを出して展開することができます。

・音楽やイラスト、ナレーションを加えたプロモーションビデオ風にする
・アニメーションを活用して、わかりやすくする。

② 社員インタビュー動画
候補者にとって「働いているヒト」の話を実際に聞くことは、社風を理解する参考になりますので、社員インタビューは採用向けの動画でぜひ検討したい内容です。
社員に出演協力を依頼して、「どんな人が、どんな考えをもって働いているのか」をアピールしたいところです。

社員インタビューの場合は、会社に言わされている感ではなく、本当に社員がそう思っているというリアルを追求することが大切です。ときには、良いところだけでなく、「ここだけは覚悟した方がいい」という厳しい面も語ることで信用度もあがります。

社員インタビューの内容は以下のようなものが想定されます。

・過去の自分について(入社前の自分)
・なぜ入社を決めたのか
・入社後に会社に対して感じた印象(ギャップなど)
・今、どんな想いで仕事をしているのか
・仕事のやりがいはなにか、自社のどこを魅力に感じているか
・一緒に働く人はどんな人が多いか
・社内の様子、雰囲気はどんな様子か
・ライフスタイル(働き方)

ちなみに弊社では、Zoomでのオンライン社員座談会の様子を動画制作中です。Zoomで自宅から発信ということもあり、より自然体の社員の姿をお届けできるのでオススメです。

③ オンライン採用セミナー
これまで、説明会といえば企業で実施するのが主流でしたが、オンライン動画配信サービスを利用して、生放送で説明会をおこなう企業もでてきています。
オンラインであれば自宅から会社が遠い、海外に居住している、という応募者も気軽に参加できるので、幅広い層が参加することができます。
時間の都合もつきやすく、現役の学生や多忙な転職組でもパソコンやスマホで視聴が可能です。

▼リクルートライフスタイル会社説明会(オンライン)▼

リクルートライフスタイルの会社説明会の動画は、スライドを用いてしっかり自社の説明をしています。スライドだけでなく、社員の顔をみながら説明会を視聴でき、オンラインによるストレスもありません。

オンラインでの質疑応答などを組み合わせられれば、来社しているかのような参加体験ができ、今後主流になることも想定されます。

④ ノウハウシリーズ
採用向けとは限りませんが、自社の得意分野にテーマを絞って、ノウハウ動画を提供していくことも活用方法として考えられます。

例えばマーケティングに強い会社であれば、マーケティングの概念やマーケティングのツールの使い方などを展開して、人の目に触れることで潜在層にもアプローチができます。また顕在層には、入社において必要な知識がどんなものかイメージをしてもらいやすくなり、入社後のギャップがでにくくなります。

社内制作か外注か制作体制を検討する

「どんな動画を作ろうか」「どんな目的で動画をつくるか」をまとめたら、実際の制作を社内で行うか、外注で行うかを検討します。

動画を社内制作する場合には、デザイナー職の社員の協力が不可欠です。
またデザイナー職といっても動画の制作が必ずできるわけではないので、動画制作経験のあるデザイナーがいない場合は、別の社員で動画制作経験のある人をあたる必要があります。最近では、プライベートで動画配信などをする人も増え、デザイナー職でなくても経験のある人はいる場合があります。ただし、趣味程度にやっている場合は、素人仕事の場合があるので「このようなものを作りたいけどできるか?」というスキルの確認を必ず事前に行います。

社内に動画制作のスキルやリソースがない場合は、動画制作会社に依頼することも検討します。この場合は、目的に沿った制作会社に動画制作を依頼することが大切になります。
動画制作会社にもさまざまな会社があり、得意な分野とそうでない分野があります。会社紹介動画は得意でもノウハウ動画はあまり経験がない、ということもあるので、制作実績を確認したり、制作する動画の目的を明確にしたうえで、その目的に対して実績が豊富な会社に依頼しましょう。

また社内制作か外注かが決定したら、制作スケジュール(納期)を決めて、そこに向かって制作活動を始めましょう。

制作に必要なものを準備する

動画を制作するために準備した方がよいものは、撮影スタイルによって異なりますが、一般的に必要とされるものをご紹介します。また基本的にはここで必要な準備物は自社制作を想定しています。(外注の場合は制作会社が用意してくれるところが多い)

<撮影前に必要なもの>
・台本(トークスクリプト)
・基本ルールブック(身だしなみ、NGワードの設定など)
・制作スケジュール表+絵コンテ

制作のスケジュール表や絵コンテを事前に作成し、制作チームに展開をします。
また撮影当日の身嗜みやNGワード(他社のバイネーム、顧客の名前など)を決めておくことで無駄な編集作業の発生を抑えることもできます。
台本はテーマによっては、カチカチに決めるとヤラセ感がでてしまいますが、例えば会社紹介やセミナーの動画であればしっかり作る必要があります。

<撮影時に必要なもの>
・動画を撮影する道具: カメラ、スマホなど(予備も1台あると安心)
・大容量のメモリーカード
・バッテリーの予備
・多機能三脚
・照明・外付けマイク・ワイヤレスマイク
・パソコン(オンライン座談会などの場合)

オンライン座談会の撮影でZoomを利用する場合は、設定を「ビデオなしの参加者を非表示」にすることで、出演者ではない製作者は画面に映り込むことなく、撮影時に指示を出すことができます。

<制作・アップロードに必要なもの>
・動画編集ソフトと機材(パソコン等)
・動画データの保存場所: 外付けハードディスクなど
・自社のロゴデータ

単純に動画制作で必要なものだけでなく、制作した動画をアップする動画共有サービスには何を使うかも合わせて検討します。

動画共有サービスで有名かつ利用ユーザーが多いのはYouTubeですが、他にもvimeoのような動画作成、ライブ配信、チームで共同作業から共有ができるサービスもあります。目的に合わせてもっとも自社に適したものを作成しましょう。

一度で終わらないのが動画マーケティング

1回ぽっきりで終わる施策ではありません。動画マーケティングを考える場合には、これを継続して情報発信していける体制や予算、無理のない計画を立てましょう。動画は労力がかかる分、完成したときの喜びも大きいですし、候補者や社員からの反響も大きいです。

色々チャレンジして、それぞれの企業ごとのカラーがでた採用動画が増えたら、候補者側の企業情報収集のスタイルも変わりそうですね。

参考)





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