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レノプリーストから始めたワイルド環境

初めまして。Lotusと申します。

今回、「Hearthstone」のワイルド環境に存在する「レノプリースト」をテーマに、デッキ紹介記事を書きました。

私は2020年の12月に初めてワイルド環境に触れた初心者ですが、
同月2020年12月に「レノプリースト」を使用し、レジェンドランク到達できたこと、また翌年2021年1月3日に、レジェンドランクに到達できた経験から、今回記事を書くに至りました。

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未熟な身ではありますが、レジェンドランクに至るまでに積み重ねた実体験を元に、レジェンド到達までに使用したレノプリーストに関して、認識を言語化してみました。

補足となりますが、この記事はあくまで「私個人の認識」をまとめたものであり、「これが正である」と主張するものではありません。

また、他者の考えを否定する意図もありません。

内省の意味を込めて筆を執っておりますので、
一個人の意見、見解として受け取って頂きたく思います。

有識者の方々との認識の齟齬があるかもしれません。ご了承ください。
また、この記事を読んだ方がワイルドに興味を持ち、レノプリーストに触れていただくきっかけになれば、と思います。

では、以下本文です。


・はじめに

私はカードゲームをプレイする上で、
「どのような状況に陥れば負けるのか、そもそも、その状況に陥らないためにはどういったゲームプランにするべきか」
を意識することが重要であると考えている。

レジェンド到達を一つの目標と定めた場合、
上記の観点からゲームプランの是正を行い、改善を試みる機会は度々訪れるはずである。
そういった場面に直面した際、
現在採用されているカード群の採用理由を理解できていなければ、
デッキの細部を環境に適応させることは不可能であると考えている。

今回、上記の考えを一つの軸として、
私がラダーで使用していたレノプリーストに関しての簡易解説、そして、採用に至ったカード群の採用理由に関して個人の視点からアプローチしていく。

・簡易的デッキ解説

レノプリーストとは、影刈アンドゥインをフィニッシャーとしたコントロールデッキである。
縛鎖のラザによってヒーローパワーコストを0にし、「虚無なる姿」を1ターン内に複数回使用することによってボードアドバンテージの獲得、及びワンターンキルを狙うゲームプランを主眼としたデッキタイプである。

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縛鎖のラザの性質上、デッキをハイランダーで構築する必要がある。

30種類のカードを使用するため、マリガンを含めたゲーム展開の中で、高い理解度を要求される。
それ故に状況に合ったカードを適切にプレイしていくこと、どのタイミングが適切かを見極めるテクニックが必要となる。



レノプリーストのゲームプランとして、
主な勝ち筋としては、

・虚無なる姿を絡めたバーストダメージによる勝利
・盤面制圧によるコンシード勝利
の2点が挙がる。

また主な負け筋、対策方法としては、
・アグロデッキによる高速展開
・灰色の魔法使いコンボによるヒーローパワー変換
・爆弾カードなどによるハイランダー条件阻害

などが挙がる。

・デッキリスト

死者蘇生
ノースシャイアの聖職者
ペン投げ野郎
狂気ポーション
再起
聖なる一撃
智慧の宝珠
無気力の波
ドブネズミ
ブラッドメイジ・サルノス
偉大なるゼフリス
影の幻視
交霊会
初級エンジニア
戦利品クレクレ君
密言・死
密言・痛
贖罪
手相占い
精神与奪者イルシア
無限竜の息吹
カザカス
シャドースポーン
密言・崩
集団ヒステリー
伝承守護者ポルケルト
縛鎖のラザ
レノ・ジャクソン
心霊絶叫
影刈アンドゥイン

下記、デッキコード

AAEBAZ/HAh77AZcCnALtBdMK1wryDPcTwxaDuwK1uwLYuwLRwQLfxALo0AKQ0wKXhwPmiAP8owOZqQPyrAOTugOfzQPLzQOPzgPXzgP70QOm1QP21gPi3gMAAA==


上記は私がランクマッチでブロンズからレジェンドランクへ到達するまでに使用したリストです。

・各カードの採用理由と個別評価

各カードの採用理由に関して、私個人の意見を記載する。

・死者蘇生

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ライブアドバンテージと引き換えにカードアドバンテージを獲得するカード。
ゼフリスやガザカス、レノジャクソンなどのカードを釣り上げ、再利用することを目的として採用。
ミラーマッチでは、相手のドブネズミによって手札から零れたラザや、ペン投げ野郎を回収できるという役割もある。
コストが0であるため、虚無なる姿の再活性にも役立つ。

余談だが、自身がコントロールするサルノスで受けるダメージが上昇する点に注意。

・ノースシャイアの聖職者

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軽量ドローソースであり、デッキの潤滑油となるため採用。
基本的には、確実にドローを行うためにミニオンを回復できるときにプレイし、それまで手札に温存する。
ただし、対面リーダーがパラディンやハンターなど、前半の動きにウェイトを置いたヒーローだった場合は温存せずにプレイすることがある。

また、メイジ相手に先行をとった際は1ターン目にプレイする。
次のターンに出てくるカバールの下っ端などを一方的に倒すことが出来、
その後ヒーローパワーを使用することで1ドローできるためである。

・ペン投げ野郎

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虚無なる姿によるバーストダメージを補助するため採用。
前半は軽量の除去スペルと重ねてプレイすることで、ミニオン除去として使用する。
相手が戦利品クレクレ君を放置した場合に、自分のクレクレ君に対して1点
入れて、断末魔を発動するというプレイも可能。
聖なる盾のケアにも役立つ。
棒立ちのノースシャイアに1点入れてヒーローパワーでドローすることも可能。

・狂気ポーション

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役割が非常に多い。
主な理由としては、
1.アグロデッキに対しての疑似的な除去カードとして機能するため。
2.ミラーマッチで相手のサルノスを奪い、こちらが断末魔を使用するため。
3.無気力の波とセットで使用し、屑鉄山のコロッサスの断末魔をこちらが使用するため。

など。役割が多角的であり、様々なシーンで有用なため採用。
死者蘇生との相性は悪く、奪ったカードが死亡した場合、死者蘇生の回収圏内に含まれる点に注意。

・再起

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前半は回復兼リソース補充、後半は虚無なる姿のバースト用スペルと、比較的腐るタイミングが少ないため採用。
アグロ相手には、自身に打ってライフ回復しながらリソース確保を、
コントロールやミッドレンジ相手には、
自分のノースシャイアにペン投げ野郎を打った後、
ノースシャイアに再起を打ってドロー、
と主な役割は上記2パターンの認識である。


・聖なる一撃

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軽量除去呪文。ユーティリティとして採用。
「密言・痛」で取れないミニオンを除去する役割を持つ。

状況によるため一概には言い切れないが、
秘策メイジと対戦した時はメディヴの従者などには打たず、
キリン・トアのメイジなどに打つため、温存してプレイすることもある。

・智慧の宝珠

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早期にラザを手札に加えるため採用。
不要牌はデッキの一番下へ送られてしまうため、
今の状況に適していなくても、長期的な視野で考えた際に必要であるカードは引く必要がある場合がある。
ラザを引けていないときに、ポルケルトとセットで使用すると、
ラザを引くターン数を短縮できる点も採用理由の一つ。

・無気力の波

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延命手段。
自傷ウォーロックのゲームプランである、ロウゼブを絡めた制圧プランに対しての解答として採用。
このカードのコストを手相占いで下げることにより、ロウゼブを絡めた最速の展開に対しても、理論上延命可能となる。

アグロデッキ、ビックプリーストに対しても有効。
狂気ポーションともシナジーし、コロッサスの復活を阻害できる。
このカードで延命し、心霊絶叫で盤面からミニオンを排除したのちに、
影刈でワンターンキルの準備に入るプランがこのデッキの基本となるゲームプランである。

・ドブネズミ

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ディスカードウォーロックを除くアグロ全般とドルイドに対して有用。
アグロドルイドに対しては最速でプレイし、
翡翠ドルイドなどに対しては手札からイセラ、ヨグを引き釣り出し、雄叫びを封じる役割がある。
ウォーロックとプリーストが相手の場合、
相手のデッキタイプが判明するまでは絶対プレイしない。

相手の手札からドゥームガードや、コロッサスが出てきた場合の
裏目が存在するためである。

灰色の魔法使いコンボに対する回答としても機能する場合がある。イルシアで灰色の魔法使いをケアする場合、8ターン目以降であれば相手が影刈アンドゥインに変身するリスクがあるが、こちらなら、8ターン目以降でも灰色の魔法使いのケアが可能である。

密言・死を構えてプレイするなど、裏目をケアできる状況でプレイすることが重要である。

・ブラッドメイジ・サルノス

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ドロー要因。断末魔であるため、ドローまでタイムラグがあるが、
無限竜の息吹で相手ミニオンと巻き込んで一掃ことで、即ドローが見込める。
聖なる一撃、贖罪などと組み合わせることによって、体力4点にも対応できるようになることも大きい。
(特記すべき点でもないが、秘策メイジのオカルト召喚士などに対しては、爆発のルーンや呪文相殺などの裏目が存在するため、上記を狙わずに1ドローできるミニオンとしてプレイすることが多い)

ミラーマッチでは、不用意にプレイするべきではない。
相手の狂気ポーションからペン投げ野郎で、
相手が一方的に断末魔を発動できるためである。
こちらがラザ影刈から遠き、相手がラザ影刈に対して近づく要因となりえるため注意。


・偉大なるゼフリス

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ユーティリティとして機能する。
多くの試合でキープする。死者蘇生で釣り上げたいカードであり、
交霊会の対象とする機会が多い。
プリーストミラーでは、相手のデッキタイプが不明でも2ターン名に出して「繁茂」をとることが多い気がするが、ビッグプリーストに対してはこのカードから呪術を探しにいくプレイングが有効であるため、プレイタイミングに関しては諸説ある認識。

ハイランダーというデッキ性質は本来であれば、不安定さと脆弱性を孕んでいるものだが、それを覆い隠すに値するほどのカードパワーを秘めている。


・影の幻視

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アグロ相手には何も考えずプレイするが、
プリーストミラーのような低速な試合展開の場合は、相手のデッキタイプが判明するまで温存することが多い。
相手がプリーストだった場合、
基本的にはレノプリーストかビックプリーストの2択であり、
レノプリーストだった場合、「交霊会」「手相占い」
ビックプリーストだった場合「心霊絶叫」をコピーすることが多い。

個人的な見解をまとめると、
基本的に温存。ほしいカードをイメージしてプレイ。
のスタイルで使用するカード。

・交霊会

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役割が多すぎて記述しきれないが、
このカードも影と同じく温存することが多い。

レノプリーストミラーでは相手のラザをコピーすることもある。
アグロ相手にはレノジャクソンをコピーしてリソースの差で投了させる。
ゼフリスをコピーして、継続的にリソースを確保することもある。

翡翠ドルイド相手にはドブネズミをコピーする。

イセラやヨグなどを場に引き摺り出すことで相手のデッキポテンシャルを低下させる。

その後は相手が究極の侵食をプレイしてくるまで耐え、相手が引き切った翡翠の偶像をすべてイルシアで奪って勝つプランを私は心がけている。

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相手のドブネズミによって手札から零れたレノジャクソンやラザを回収できるのも強力。
頭の中でゲームプランを描き、それになるべく近づけるカードをコピーする感覚。
バリューが低いミニオンには使わず、状況にあったカードを対象としてプレイすることでポテンシャルを引き出すカード。


・初級エンジニア

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軽量ドローのため採用。雄叫びのため即効性がある。
7ターン目にポルケルトの次に出すと影刈を即手札に加えられる点は強い。
スタッツが低いためこのカードの採用必須ではなく、
自由枠であるという認識。
死者蘇生の圏内に入るのが弱いため、手札にあるからといって即場に出すとは限らないカード。ポルケルトが手札にある場合も同様。

・戦利品クレクレ君

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ドロー要因。
即効性がないので今現在使っているデッキリストからは外しているが、
当時レジェンド到達前は、コストの軽さから採用していた。
 断末魔であるが故に即効性がない点
 体力が1であるため盤面に残らず、ノースシャイアの的にならない。
の二点が理由で現在はデッキから外している。
自由枠の認識。

私個人の脳内カードプールの狭さから、採用に至ったカードであるため、
このカードに限らずおすすめのカードがある場合は有識者の方々にアドバイスをいただきたいところ。


・密言・痛

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軽量除去呪文のため採用。
3点除去で取れないミニオンに対してはこちらが有効。
ヴァルゴスなどのアンサーとなる。

「禁じられた言葉」ではなくこちらを採用している理由としては、
・手相占いでコストが下がる点
・虚無なる姿のワンキルに活用しやすい点
・ペン投げ野郎と組み合わせやすい点
の3点を考慮したためである。

・密言・死

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軽量除去呪文のため採用。
前半機能することは少ないが、中盤から後半にかけて細かく動きたい際に
役立つ。

・贖罪

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軽量除去呪文のため採用。
相手の場にミニオンがいない場合で自分のライフがリーサル圏内である場合は、ライフ回復を理由に、自分のフォロワーに撃つことも稀にある。

・手相占い

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手札を減らさずに、スペルのコストを下げるため、
虚無なる姿を絡めたバーストダメージにも貢献する。
心霊絶叫を6コストにできる点も評価でき、
ミラーでは7ターン以前にプレイされたポルケルトに間に合うよう
プレイできることもある。

洞察が手札にある場合、4ターン目にラザをプレイできることがある点も強力。私は現在、クレクレ君を抜いて、その枠に洞察を採用している。

・精神与奪者イルシア

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レノプリーストにとってクリティカルとなるカードに対しての解答として採用。

具体例としては、「灰色の魔法使い」「サー・フィンレー・マルグルトン」など。

相手の勝ち筋を潰す、或いは自分の負け筋を減らす用途で使用する。
性質としては、自分の手札が強力であればあるほど弱く、
自分の手札が弱ければ弱いほど強力なカードとなりえる。

秘策メイジに対してはキープして、フェアのイカサマゲームで、こちらが3ドローするといったプレイングや、
翡翠ドルイドに対して、翡翠の偶像を使い切るといったプレイングも状況次第では可能。

ローグ相手にもキープし、こちらがキングスベインを装備することでコンシードさせるという使い道もある。

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強力ではあるが様々な裏目が存在する。

極端な話、相手がラザを素引きしてそのままプレイしてくる、などといったこともあるので使用する際は細心の注意が必要。


・無限竜の息吹

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海賊などの横並びに対しての解答として採用。
サルノスと合わせて3点AOEとして使ったり、
カザカスのポーションと組み合わせて4点AOEとして使用するなど。


・カザカス

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ユーティリティとして採用。
基本的には1コストか5コストを選択するが、
ビックプリーストに対しては10コストの全体羊のポーションか、
5点+羊の5コストポーションを目指す。
望んだ効果のポーションにもならない場合があり、
その時のポーションの作り方によって勝てたり負けたりするため、
見た目よりも難しいカードだと個人的には思う。

・シャドースポーン

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ワンターンキルプランを目的として採用。

自分のライフが20点以上あれば、ラザ発動下の虚無なる姿で30点以上のバーストダメージが期待できる。
アグロデッキ相手に手札に来てしまった場合は、打点としてプレイすることが多い。
影刈を引かなくても、このカードとペン投げを絡めたリーサルが存在する場面が稀にあるため、相手のライフが一桁だった場合はそういったプランも視野に含まれる。

・密言・崩

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痒いところに手が届かないAOE。
痒いところの具体例は、オカルト召術士などのパワー4のカード群。
相手プレイヤーは基本的に、
パワー4を並べて、このカードとアンドゥインをケアした立ち回りを意識してくるため、レノプリースト側はそれを踏まえた除去の使い方を心掛ける必要がある。

桁外れなスタッツのミニオンを一掃できるため、自傷ウォーロック、ビッグプリーストなどに対して回答となる1枚。(コロッサスのケアは必要)


・集団ヒステリー

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レノプリーストが苦手とする、パワー4ラインのミニオンの横並びに対してのアンサーカードとして採用。
パワー4ラインのケアとしては心霊絶叫も有効であるが、
あちらと比べてコストの軽さを加味して採用するに至っている。
秘策メイジに採用されているオカルト召術士に対しての解答としても機能する。

・伝承守護者ポルケルト

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影刈アンドゥインへアクセスできるカード。
ただし、ノームフェラトゥなどの裏目が存在するため、場に出したら即ドローして影刈アンドゥインを回収できると安全。

逆に、手札にすでに影刈アンドゥインがいるときにプレイして、相手にノームフェラトゥを使わせるといった戦術も可能。

当たり前であるが、軽いコスト軍のカードが下に固まるため、
虚無なる姿を絡めたリーサルに必要となる低コストカード群がしばらく引けなくなるという欠点がある。
そのため7ターン目にプレイすることが多い。

一つのケースとして、ラザ、影刈と引けていない場合にプレイすると、ラザにたどり着くまで数ターンを要することになる点にも注意。
私はその点を踏まえて、智慧の宝珠との同時採用に至っている。

・縛鎖のラザ

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このデッキの中枢であり、エンジン。
このカードを有利な状況下でプレイすることがこのデッキの目標である。

・レノ・ジャクソン

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レノプリーストの勝ち筋の二つ目であるコンシードプランを確立させているカード。
秘策メイジやディスカードウォーロックに対しては、
虚無なる姿によるバーストダメージのプランではなく、
このカードで延命をしながら、虚無なる姿やAOEでミニオンを一掃し、
ファティーグを狙って勝利することが多い。
そのゲームプランの柱となっているカードである。

ただし過信は禁物であり、盤面がすでに負けている状況下である場合では解決に繋がらないこともある。
盤面に驚異的なミニオンがいない状況下でプレイすることや、盤面打点と相手の手札にある火力を計算した上でプレイすることが重要。

・心霊絶叫

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コロッサスなどの断末魔の発動を許さずに除去することができる、レノプリーストに採用されているAOEで恐らく一番優秀なAOE。

トークンカードの横並びに対しても有効で、盤面を一掃しつつ、相手のデッキのパフォーマンスを下げることが可能。
ミラーマッチでも有効であり、ポルケルトで順番が入れ替えられたデッキをシャッフルすることができる点や、同名ミニオンを並べてからプレイすることにとって、少しの間、相手のデッキのラザやカザカスなどを封じることが可能である点がミラーマッチで有効である理由である。


・影刈アンドゥイン

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デッキコンセプトを受動から能動へシフトさせるカード。

ヒーローパワーである「虚無なる姿」が特筆すべき点であり、
手札からカードをプレイするたびに、ヒーローパワーがアクティブ状態になる。
その性質上、ワンターンキルが実現可能となり、そのプランを主眼として確立したのが「レノプリースト」である。

また、このカードの存在が「再起」などの使用しても手札が減らないカードの価値を相対的に引き上げている。

補足だが、プレイした呪文を「呪文相殺」などでカウンターされた場合は、ヒーローパワーはアクティブにならない仕様。

プレイングに関してだが、
影刈アンドゥインのヒーローパワーを最大限に活用するためにも、手札のカードを温存してプレイする必要がある。
雄叫びである「密言・崩」の効果の存在も大きく、呪文相殺やロウゼブに引っかかることなく、ミニオンの処理が可能。 相手側もこのカードを意識し、アンドゥインが間に合わないタイミングでロウゼブをプレイしてくるため、イルシアなどを駆使してその裏をかく必要がある。

影刈へ変身した後のゲーム展開としては、ペン投げ野郎やシャドースポーンを駆使して、ワンターンキルを仕掛けることが多いが、
手札のコストが重い時や、手札の枚数が少なくリソースに乏しい際は、ワンターンキルではなく少しずつライフを削るゲーム展開になる場合もある。

その場合はゼフリスでバリューの高いカードを選択することや、ガザカスで10マナポーションを作り、自軍ミニオンをヒーローパワーでバックアップしながら盤面で勝ちにいく、といったアプローチも必要となる。

上記から、このデッキの勝ち筋は、良くも悪くもこのカードのヒーローパワーに依存しているため、
それを封じる「灰色の魔法使いコンボ」はレノプリーストに対して
極めて有効な手段と言える。


・ラダーでマッチングしたデッキ群とブレイクスルー


私がラダーで対戦することが多かったデッキをピックアップし、
どのようなゲームプランを立てたか、実体験を元に紐解いていこうと思う。

まず、去年12月下旬から今年1月上旬にかけてのワイルド環境にて、私が複数回マッチングしたと感じたデッキは下記である。

・秘策メイジ
・ビッグプリースト
・レノプリースト
・キングスベインローグ
・自傷ウォーロック

順を追って、それらのデッキに対しての私なりのアプローチを記述する。


・対秘策メイジ

有利不利:五分
勝ち筋:虚無なる姿+レノジャクソンによる盤面制圧プラン。
負け筋:ミニオンの打点とファイアーボールを絡めたリーサル。

恐らく、ラダーで一番マッチングしたデッキが秘策メイジである。
世間一般的にはどういう認識なのかはわからないが、
相性としては五分か、後手をとった場合はレノプリーストが微有利であるように私個人は感じている。(あくまで個人の見解です)

その理由は3点あり、
・イルシアによって手札を確認できると同時に、フェアのイカサマゲームをケアできること。

・レノジャクソンによってリーサル圏内から立て直せること

・ゼフリスによる秘策ケアができる点

の3点である。

何故後手が有利であるかは、コインで秘策の確認ができるためである。
これに関しては後述する予定であり、順を追ってゲームプランから。

まず、こちらの勝ち筋としては、レノジャクソンで延命しながら、
影刈まで到達し、相手のミニオンをヒーローパワーで一掃するゲームプランで試合を進行する。

イメージとしては、
自分からライフを詰めることで勝利するのではなく、
相手が勝てない状況を作ることで自分が勝利するプラン。

負け筋の潰し方となるが、10ターン目以降でライフが15以下の場合、または8ターン目でライフが12以下である場合はリーサル圏内なので、火力の最大値から逆算してレノジャクソンをプレイすることが重要。



具体的なゲーム展開を記載する。

先手の場合はノースシャイアとイルシアを、後手の場合はイルシアを全力で探しにいく。後手のノースシャイアは、相手が1ターン目にカバールをプレイしてきた場合、返しにカバールのアタックとメイジのヒーローパワーで除去されてしまうのでキープしない。先手のときだけ探しにいく。

自分が先手だった場合、
ノースシャイアを1ターン目にプレイし、カバールの下っ端などのパワー2のミニオンを牽制する。

相手が返しにカバールなどのパワー2のミニオンをプレイしてきたら、ノースシャイアで殴り、ヒーローパワーでドローする。

下っ端をプレイしてこない場合は、ノースシャイアのケアを狙っているため、相手の初動が2~3ターン目であり、一番初めに相手の場に立つミニオンの攻撃力は3以上である可能性が高い。
経験則から下記の3択で進行すると仮定する。
・後手2ターン目に古代の謎から秘策をプレイ
・後手2ターン目にコインからキリントアのメイジで秘策を埋める
・後手1ターン目にコインからフラックメイジを立てる。

初動が2ターン目のフラッグメイジだった場合は、
この時点で秘策がないはずなので低コスト除去をフラッグメイジにあてる。

古代の謎、キリントアの場合は、まずノースシャイアで相手プレイヤーへアタックする。
ここから消去法で秘策の予想を立てる。
基本的に下記の4択で想定する。
・炎の護り
・呪文相殺(ネザーウィンドのポータル)
・爆発のルーン
・フェアのイカサマゲーム

呪文相殺とネザーウィンドは発動条件が同じため括る。
アタックが通った場合、炎の護りではないことが確定するため、
秘策は相殺、ルーン、フェアの三択。

ノースシャイアのアタックで炎の護りでないことを確認した場合、
ミニオンをプレイし、爆発のルーンを踏みに行く。
もし、ここで爆発のルーンでなかった場合は、
相殺かフェアの2択となる。

この二択が確定した時点で、次の自分のターンにイルシアを引けている場合は、イルシアをプレイすることが確定する。
仮に埋まっている秘策がフェアだった場合は、相手のフェアが自分のデッキに対して発動し、自分が3ドローして秘策を消費させるという、イニシアチブをとった状態でゲームが進む。
3ドローのおかげでレノジャクソンへのアクセスも見えてくる点も大きい。

埋まっている秘策が呪文相殺だった場合、ここで相殺を使わせることによって後々「集団ヒステリー」を安全にプレイできる可能性が生まれる点と、相手の手札を確認できることから、秘策への対策を講じることができるため、リターンとしてはフェアに劣るが、十分に優位性を保っている認識である。

仮に、相殺やネザーウィンドの裏目なくフェアを確定させたい場合は、相手の本体へダメージを与えてから呪文とミニオンを使用してエンドする。この過程で秘策が発動しなければほぼ確実にフェアのイカサマゲームが埋まっていると言える。

後手の場合は全力でイルシアを探すマリガンをする。
個人的にこのマッチアップは後手のほうが好きで、コイン一枚を使用するだけで、秘策の前方確認ができる点と、先手よりカードを多く引けている分、先手より手札を最適化しやすいためである。
また、秘策メイジは先手の場合、手札補充のために初動でフェアを張ってくることが多いため、コインからイルシアをプレイしてそのままマウントをとれることがあるためである。

これはあくまで憶測だが、
秘策メイジは集団ヒストリーや心霊絶叫などに相殺を当てたいため、前半から相殺を張ることは少なく、5~7ターン目にかけて張ってくる印象があるので、集団ヒステリーを打つ前にコインを打って相殺させた場面も多くあり、これらの経験から、後手のレノプリーストは秘策メイジに対して若干小回りがきく印象を受けている。

しかし、あくまで五分である認識であり、
前半にイルシアを引けず、相手がフェアを連打してくる展開になることが、こちらの負け筋である。

先手でノースシャイアが引けるとも限らず、初手に影刈や心霊絶叫などを引き込むとそのまま負けてしまうこともあるため、前述したゲームプランは、あくまで一例として捉えていただきたい。

ただし、全体を通して秘策の確認の仕方や、イルシアをプレイするタイミングというのは前述した通りである。


結論としては、前半は相手のヒーローに程よく打点を与えて、フェアの発動を送らせてイルシアにたどり着くことが重要であるということ。
また、影刈後は、毎ターン、1回は相手の顔にヒーローパワーを打つことによって、フェアの発動を完封できる。
影刈までフェアが残っているかは試合展開次第だが、たまにあるケースなので、メモ書き程度に記載する。


・対ビッグプリースト


有利不利:有利
勝ち筋:縛鎖のラザ発動化における、虚無なる姿のバーストダメージ。
負け筋:影の真髄+グフーンの血の盤面制圧。或いは思念撃破+ヴァルゴス

結論から言えばレノプリースト有利、
このマッチアップは相手がレノプリーストかもしれないという想定も含めてマリガン、プレイを行う。

相手がレノプリーストかビックプリーストか不明な時点では、
「カードを探す」系のカードはプレイしないで手札に持っておくことが大切。
上記の例外として手相占いはプレイする。
選択したカードが相手にとって適切でなかった時のデメリットより、手札の呪文のコストが下がるメリットのほうが大きいためである。

相手がビッグプリーストだと確定してから影の幻視やカザカスなどを使用することで、手札をビックプリーストに対して最適化できる。
コロッサスに対しては以下のカードが有効例である。

・心霊絶叫
・呪術(ゼフリスの勝利のカード)
・カザカスの5コストポーション(ランダム羊+α)
・カザカスの10コストポーション(全体羊+α)
・狂気ポーション+無気力の波

※上記は一例である

特に、呪術、羊系はビッグプリーストのデッキコンセプト自体に有効であり、「復活」などでランダムなミニオンを復活させる際、羊などが復活することがあるためである。

ただし過信は禁物で、複数体羊がいる場合に相手が「心霊絶叫」をプレイすると、こちらのデッキに重複するカードが生まれ、ラザが達成できなくなることも理論上起こり得る。

故に、カザカスで10コストポーションを作る場合は、羊+全体6点の組み合わせが好ましい。

こちらの勝ち筋は、上記を絡めた妨害によって影刈アンドゥインまで安全に変身し、その後はワンターンキルによってライフを一気に削る、といったパターンが一般的。

負け筋は、相手が手相占いを絡めて、最速で「影の真髄」をプレイし、「グフーンの血」を絡めてくる場合。

返しのターンでグフーンの血の解答がなければ、その後は相手がマウントをとっている状態でゲームが続き、敗北することもある。

また、相手の盤面のミニオンの打点を計算して、打点が足りていないから返しのターンで生きていると考えるのは危険であり、可能な限りライフに余裕を持ったほうが良い。

ヴァルゴス+思念撃破で盤面のミニオンの打点+10点以上の火力を出してくる可能性があり、その負け筋を断つといった理由でデッドラインは大めに見積もることを私は意識している。

・対レノプリースト


有利不利:五分
勝ち筋:縛鎖のラザ発動化における、虚無なる姿のバーストダメージ。
負け筋:同上。

個人的には後手が微有利だと考えている。
理由は下記。

・5ターン時点でラザに到達できる可能性が後手のほうが高い。
・コインがあるため先に影刈に変身できる。
・コインがシャドースポーンのリーサルに絡む。
・後手のほうが手札が多いため、先手よりリソースがある。

上記の理由から、理論上、後手が微有利の認識である。

ただし、上記は理論上の話である。
実際には先手だろうと後手だろうと、先にラザと影刈アンドゥインを揃えたほうが優勢である。

先手の利をとるプランとしては、
ゼフリスから繁茂を取りに行くプレイが有効だと考えている。
後手より手札が少ない分、テンポの速さで先にラザと影刈を決めるというプラン。
私は先手の場合は2ターン目にゼフリスをプレイするようにしている。
たまに返しのターンで対戦相手がドブネズミをプレイしてきて、そのままボードだけで、ライフを詰めることが出来る可能性があるためである。

ミラーにおいて早い段階でライフを詰めるということは、
ラザや影刈の早期アクセスほどではないが、重要性があるといえる。

その理由の一つとして、シャドースポーンからワンキルに入る場合はある程度ライフに余裕がなければならないからである。

レノジャクソンでライフを回復されることが懸念点として挙がるが、
こちらの展開を返すには、次のターンは心霊絶叫などの除去を使わなければ盤面が処理できないため、相手のラザや影刈まで合計2ターン分の猶予を作ることに成功したともいえる。

レノジャクソンをプレイされなければそのまま押し切ることも可能である。
下記画像はその一例である。

画像37

上記の理由からこのマッチではラザと影刈をプレイできないような盤面を構築することも重要であるといえる。



ラザと影刈を相手に先に揃えられたとしても、状況次第ではまだ勝算は残っている。
こちらがドブネズミやイルシアで相手のシャドースポーンやペン投げ野郎を抜いていれば、相手のバーストダメージを抑えることができるため、そこにつけ込みこちらがレノジャクソンで延命しながら影刈に変身するといったプランとなる。

その状況に応じた最適解を見つけるアドリブ力が問われるマッチアップであると考えている。

・対キングスベインローグ

有利不利:不利
勝ち筋:ミニオンによる盤面制圧、イルシアによるキングスベイン奪取
負け筋:ミニオンの打点とキングスベインによる本体火力

不利マッチ。
ドブネズミ、イルシア、ゼフリス、カザカス、低コスト除去をキープする。
イルシアでキングスベイン奪取ができる、とイルシアの個別評価で話したが、レジェンドランク上位帯のローグは基本的にキングスベインを装備している状態でターンを返してくる。
そういった場合、イルシアは基本的に段取りなどのカードを奪ってリソースを枯らしに行く役割を持つ。

イルシアに依存するだけでは、上位帯のプレイヤーには対抗できないため、イルシアに依存しないプレイングが必須である。

ゲームプランとプレイングに関してだが、
前半はドブネズミと軽量除去で相手の攻撃を凌ぐ。
ティンカーの刃研ぎ油をケアする必要があるため、相手の場にミニオンの残さないプレイングが大切。中盤はカザカスのポーションで5/5と2体蘇生のポーションを目指す。
中盤はカザカスのポーションで5/5と2体蘇生のポーションを目指す。

ここでドブネズミを拾いたいため、不要なミニオンはなるべく場に出さないプレイングを心がける必要があるが、。

フリーズタイプのレノプリーストなら、ローグに対して若干勝率をあげることが出来そうなため、今後このデッキと頻繁にマッチすることがあれば、私も細部の調整を検討するだろう。


・対自傷ウォーロック

有利不利:五分(不利?)
勝ち筋:ミニオンによる打点
負け筋:ミニオンの打点と本体火力によるリーサル

結論からいうと、ロウゼブを意識したゲームプランを展開することが最重要課題となる。
ロウゼブ、肉の巨人を同一ターン中にプレイされることによって、
こちらの「集団ヒステリー」や「心霊絶叫」を無力化されることが負け筋であり、相手側が主眼としているゲームプランだ。

上記のゲームプランに対しては「無気力の波」が有効である。
「影の幻視」で「無気力の波」を事前にコピーしておくことも重要。

このマッチアップは相手のミニオンを放置できないため、細かく動くことが重要である。
特に「闇の睨視者」は即除去したいミニオンの筆頭である。
このミニオンを放置すると相手が横並びからロウゼブにつなげてくるため、最優先で除去をする必要があり、このカードの存在が理由で軽量除去を温存してプレイしていく必要がある。

4ターン目にカザカスや5ターン目にラザとプレイしたい場合は、「手相占い」で予め「聖なる一撃」を0コストにできているとテンポを崩さずこちらも展開することが可能。
「手相占い」で呪文のコストを下げることがいかに強力かを実感できるマッチアップであると感じている。

「肉の巨人」ケアのために、相手のヒーローに対してダメージを与えないことも重要。
自分の場にアタックできるミニオンがいて、相手の場にミニオンがいない場合は、リーサルを除いてアタックしないのがベターである。

ちなみに、心霊絶叫の使い方に関してだが、
ロウゼブが相手の場にいるときに、他のミニオンと纏めて心霊絶叫でデッキに戻すべき場合とそうでない場合がある。

例えば、相手の場にロウゼブを含むミニオンが複数体存在し、こちらの場にラザなどの、ロウゼブを取れるミニオンがいた場合、
相手がこの試合中死者蘇生を2回使っていたら、ロウゼブはを除去してから心霊絶叫をしたほうが良い。

死者蘇生をまだ使っていない場合や、ロウゼブを除去する余裕がない場合などはそのまま心霊絶叫をプレイすることが多い。
ある程度ゲーム展開的に余裕があるときの話ではあるが、相手の残デッキ枚数や死者蘇生の枚数を加味した上で心霊絶叫前にロウゼブを除去するかしないかを選択することも重要である。


・終わりに

理詰めのゲームプランを書き綴りましたが、これらは実践で再現できるとは限りません。
レノプリーストはハイランダーデッキなので、その特性故に各々のカードが揃いづらく、紹介した再現できないゲームプランもあることかと思います。

しかし、それらのゲームプランを認識することは、カードゲームの対戦の中で重要なことであると自分は捉えています。これはラダーならなおさら、です。

ラダーで重要なことは「勝てる試合を取り逃さない」ことだと自分は考えています。
仮に、ラダーで各々のカードが運よく組み合わせることができる場合、
或いは強力にカードがプレイできる適正なタイミングがきた場合、
それらの組み合わせ、タイミングを知っているか、知らないかが勝敗を分つ要因となります。

敗因を追求した時に、真っ先に是正すべきはゲームプランだと思っています。そこから、思い描くゲームプランに沿わないカードを排斥していくことで環境に適応させる。その過程において、少しでもこの記事が誰かの役に立てたのなら、私は幸いです。

ハースストーンの面白いところは、デッキやカードに対しての認識が変わるだけで、今まで勝てなかった試合が途端に勝てるようになることだと思います。

現環境において、レノプリーストは環境に存在するすべてのデッキに勝ち得る可能性を秘めていると思います。

どうかこの記事を読んだ人が少しでもレノプリーストに興味を持ち、このデッキの奥深さに触れて頂けたら、と思っております。


ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

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