∞ satoshi ∞ 最悪な気分。 梅雨時期の独特なねっとりとまとわりつくような温い空気が、さっき抱いた女の香りと混じり合い余計に気持ちが悪い。 フラリと入ったバ…
~ミドリとサトシ~ ∞ midori ∞ 仕事帰り。 家までの道、空を見上げながら歩く私の足はフラフラとぎこちない。 近頃、雨が続いていたから久し振りに見る星空は…
~私が月と再会った瞬間~ トクリ・トクリと音がする。 夕方、太陽が西に向かう時刻。 何時もと同じ道を歩きながら、胸が詰まりそうな瞬間。 私はソノ空に確かに…
~僕が月と出遭った理由~ コトリ・コトリと音がする。 誰もいないはずの小さな部屋で、そのコトリ・コトリと忍び寄るように小さな音は聞こえてくる。 その音が何…
『月はチーズで出来ている』 貴方は知っている? 月が、何で出来ているのか。 宵闇にいつも離れずに浮かんでいる、あの月。 千年前も千年後も、今の刹那も次の刹…
「銀曜日の月」の続編が、ふたつある。 どれも途中で、まだ完成はしていない。 その一遍を、推敲しながら書き足していこうと思う。 ーーーー「刹那一千秒物語」ーーーー
lost_zero
2022年10月25日 21:34
∞ satoshi ∞ 最悪な気分。 梅雨時期の独特なねっとりとまとわりつくような温い空気が、さっき抱いた女の香りと混じり合い余計に気持ちが悪い。 フラリと入ったバーで、覆面パーティーが行われていた。 俺は茶色い紙袋に目だし穴を開け傍観者に徹していた。滑稽な日常には、こんなくだらない生き物の遊びを遠目から見ているのが一番良い。「ワタシ、本当はこんな女じゃないのよ。だけど、どうしても友達
2022年10月24日 20:34
~ミドリとサトシ~ ∞ midori ∞ 仕事帰り。 家までの道、空を見上げながら歩く私の足はフラフラとぎこちない。 近頃、雨が続いていたから久し振りに見る星空は空気も洗われて、何時もより少しだけ沢山の瞬きを見せていた。 この辺りもだいぶ家が建ち並びはじめて、昔の面影は何処にもない。私がまだ小さい頃、此処は一面の野原だった。少し先に見える丘の向こうは未知の世界で、想像するだけでワクワク
2022年10月23日 21:40
~私が月と再会った瞬間~ トクリ・トクリと音がする。 夕方、太陽が西に向かう時刻。 何時もと同じ道を歩きながら、胸が詰まりそうな瞬間。 私はソノ空に確かにドキドキしていた。苦しいほどに、胸が張り裂けてしまいそうで痛かった。 痛いココロが、トクリ・トクリと音を立てる。 何かを期待するココロが、トクリ・トクリと…… 忘れていたはずの、あの空だった。 あの時の空が今蘇って、私の頭上に
2022年10月22日 22:36
~僕が月と出遭った理由~ コトリ・コトリと音がする。 誰もいないはずの小さな部屋で、そのコトリ・コトリと忍び寄るように小さな音は聞こえてくる。 その音が何処からはじまっているのか耳をすましていると、僕は気付いたんだ。 それは、僕の頭の奥からの音。 狭い汚れた窓の隙間から、月が、其処から手を伸ばすように僕の頭に忍び込んできて…… 絶対に誰も入れない部屋の扉を、コトリ・コトリと叩いてい
2022年10月22日 22:25
『月はチーズで出来ている』 貴方は知っている? 月が、何で出来ているのか。 宵闇にいつも離れずに浮かんでいる、あの月。 千年前も千年後も、今の刹那も次の刹那も。 月は、過去の未来も未来の過去も、今の未来も今の過去も。 ずっと……
2022年10月22日 22:22
「銀曜日の月」の続編が、ふたつある。どれも途中で、まだ完成はしていない。その一遍を、推敲しながら書き足していこうと思う。ーーーー「刹那一千秒物語」ーーーー