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市場価値

現職にさほど不満が無く、転職をそれほど急いでいない方に「何故転職活動しているのか」を聞くと、「将来への不安」の次くらいに「自分の市場価値を知りたい」という答えが返ってきます。

うーん。

いつも考えてしまいます。

結論から申し上げて、多分「市場価値」はわからないと思います。

基本は需要と供給です。

特定の職種の人材が不足した場合、ご本人の能力とは別に、引く手あまたにあることがあります。例えば2年ほど前は、建築関係の設計士や施工管理が不足したため、年収が高騰し、条件のハードルがかなり下がった時期がありました。経理職が不足したときも同様でした。一方で、あえて書きませんが、ある職種の人材が大量に溢れたことがありました。現職年収800万の方が、420万で転職を決められたこともあります。でもその方は、入社後二年経ちますが、今ではそのマネージャーを任されているようですので、決して能力が低いから年収が下がったのではないでしょう。今は年収も上がったと思います。

もしくは企業のニーズによって、同じAさんでも1000万の価値を持たれたり、1銭の価値も持たれなかったりします。例えば大企業の営業部長クラスを求めている企業がある一方で、大企業は使えないとNGを出す企業もありますし、その逆でベンチャー出身のBさんは後者の企業が1000万出しても、前者の企業では書類選考で「スキル不足」として落とされることもあります。

もしくは時代の流れ的なものもあります。コロナ前までは30代の幹部候補として育成も兼ねて募集していた企業が、要件を替え、即戦力の40代に切り替えたケースもあります。実際にコロナ禍から、育成ポジションが全て抜けた気がします。その前なら「若い」だけで高年収で転職できたのが、今は即戦力以外は相手にされない状況では無いでしょうか。

でも、どんな時代でも、仕事に誠実に取り組み、人柄も誠実な方が最後には採用されるものです。面談した段階で「この人はいけそうだ」というものを感じた方が内定まで進みます。そうでない人は採用されても、転職先で躓いてしまうことでしょう。

そもそも自分の能力以上の年収が提示されても、それに見合った仕事ができなければ、降格や解雇だって考えられます。

自分の市場価値を知ろうと思っても、本当の価値は入社してからわかりますとしか言いようがありません。


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