歯列矯正、不定愁訴の対処について

<注意>歯列矯正をして不調が出る人はそれほど多くありません。これから矯正を始める人や、少し不調が出たくらいの人は、以下の内容を読むと症状を気にして不調が出やすくなることもあるので読まない方がいいです。矯正治療をしていて、ひどい不調が出ている人や、不調が3ヶ月以上続いている人にとっては多少参考になることが書いてあるかもしれません。

<概要>2017年2月~2019年8月までの矯正治療と、その後の歯列保定、保定中止後の体調変化や不調の対処法などについて書いています。noteには体調が矯正前の水準に戻るまで書いていく予定でしたが、保定中止後2年以上が経過し、回復が頭打ちになりつつあるので、2023年1月をもって更新は終了します。


不定愁訴の経緯 2018/10

今から1年8ヶ月前、38歳の時に抜歯を3本(上小臼歯2本と下小臼歯1本)して、インビザラインで歯列矯正を始めました。治療を始めたあたりから動悸や不眠、頭痛など様々な不調に悩まされるようになってしまいました。

歯の痛みはそれほどなかったため、当初は矯正が不調の原因とは考えませんでした。そのためいろいろな病院を回ったり、病気や健康関連の本を読んだりして対処していました。

しかし、病院では異常が見つからず、様々な対処法を試したものの、体調は徐々に悪化していきました。

矯正を始めてから10ヶ月くらいたったころに、元大阪大大学院教授で歯科医師でもある丸山剛郎氏が書いた『「かみ合わせ」健康法』を読みました。そこには「声を大にしていいたいのが、歯列矯正で小臼歯を抜かないでほしい、ということです。歯を抜くと歯並びは一見、きれいになったように見えます。しかし、私の経験から歯を抜いた人は、抜かなかった人と比べて多くの不定愁訴に悩んでいます。」とありました。そして不定愁訴の具体的な症状には

・頭痛、肩こりがひどい
・体に力が入らない。
・動悸、めまいがする
・気分が前向きにならない
・集中できない
・よく眠れない
・ものがよくかめないから食欲がない
・胃腸の調子が悪い

が挙げられていました。これらの症状の中で「ものがよくかめない」以外は私の症状と一致していたので、不調の原因は矯正にあるのではないかと疑い始めました。その後、そのような視点で調べていくと矯正と不調の関連を示唆するような情報が次々と見つかり、不調の原因は歯列矯正にあるとほぼ特定できました。ネットには矯正の不調に苦しむ死屍累々の掲示板などもあり、歯列矯正には深い闇があることがわかりました。

しかし、このような状況であるにもかかわらず、臨床歴10年以上の担当医(矯正専門医)に不調について話すと、「初めて聞いた」「他にも治療している人はいますけど・・(そういう人はいない)」と言われてしまいました。歯列矯正の本にも矯正治療によって起こる不調については書かれていないので、ここら辺のことは、この業界では「ないこと」になっているのかもしれません。これは病院の検査では異常が見つからず、矯正と不調との因果関係が不明確なためかもしれません。

この担当医の知らないふり?には参りましたが、なんとか体調を回復させていくしかありません。その後、再び調べていくと、不調の原因が明確になったためか、いくつかの発見がありました。そしてそれらを試していくと、いくらか症状が改善してきました。

以下、今後の対策を考えるためにも、これまで調べてきたことや効果のあった対処法などを書いて、いったん考えを整理していこうと思います。

不定愁訴が起こる仕組みと治療の方向性

 <不定愁訴が起こる仕組み>
歯列矯正(特に抜歯矯正)によって不定愁訴が起こりやすくなるということはわかりましたが、ここではそれがどのような仕組みで起こっているのかについて考えていきます。

前出の『「かみ合わせ」健康法』によると、著者の丸山氏は不定愁訴が起こる仕組みについて、「小臼歯を抜くことで歯並びのカーブが小さくなり、顎のバランサーとしての機能が低下する」と言っています。しかし、私の場合は矯正を始めてからすぐ、つまり歯並びのカーブが小さくなる前から不調が出ていたので、この理屈は当てはまらないように思います。

私は、不定愁訴は歯列矯正に伴う身体的ストレスによって起こるのではないかと考えています。免疫学の権威、故・安保徹氏によると、慢性的なストレスがかかると自律神経やホルモンバランスが乱れ、それにより様々な症状(病気)が出るとのことで、歯列矯正にもこの仕組みが当てはまるのではないかと思います。

歯列矯正で生じるストレスには、(1)抜歯によるストレス、(2)歯の移動・締め付けによるストレス、(3)かみ合わせやアゴのずれによるストレス(顎関節症や首コリなど)があるように思います。
*ストレス感受性には個人差があります。

これら3つのストレスにより自律神経やホルモンバランスが乱れ、不調が出るのではないかと思います。自律神経は簡単にいうと「血流」「緊張」を制御するものであり、ホルモンは「生理」を制御するものなので、この2つが乱れると全身に様々な症状が現れます。私の場合は、動悸、不眠、頭痛、うつ、認知力・記憶力・集中力の低下、好奇心・興味の消失、不安感、めまい、倦怠感、疲れやすい、腹痛、食欲不振、吐き気、肩こり、不能、吃音(再発)、肌荒れ、ニキビ、アレルギー、多尿、体臭、口の渇き、冷えなどの症状が出ました。

そしてこのような状態が続くと、免疫力が落ち、糖尿病やガンなど様々な病気にかかりやすくなるようです。

<治療の方向性>
これらの症状に対してどのように対処していくか。最初に思いつくのは原因となっているストレスを取り除くことです。

しかし、一度抜歯をしてしまった場合は後戻りができないため、抜歯によるストレスは取り除くことができません。また歯の移動やかみ合わせのズレによるストレスについても、抜歯後は治療を途中で止めるわけにはいかないので、基本的には受け入れていくしかありません。
*矯正治療を途中でやめた場合は不調がかなり軽減されるようです。

となると、治療の方向性としては抜歯矯正で生じるストレスをいかに軽減していくか、というものになりそうです。

参考:『人が病気になるたった2つの原因』(安保徹)

口の体操

歯列矯正で生じるストレス(緊張)を緩和する1つ目の方法は口の体操になります。

これは2ヶ月くらい前に見つけた方法なので検証が不十分なところもありますが、口の体操を始めてからこのブログを書く気力が湧いてきたので、そこそこ効果はあるように思います。

口の体操のベースとなる方法は、読売小町という掲示板に書き込まれていたものになります。トピック『矯正で老化、抜歯後』できらきらさんが、「歯の矯正中、歯科医より必ず口元の体操をするようにと言われていたんでした。その体操というのが、下のアゴだけを左右にずらすというものです。これを1日30分以上、必ずしなさいと言われていました。最初は下アゴだけを動かすのは大変でした。歯科医さんに、「そうじゃない」とダメ出しされながら、正しく下アゴを動かす訓練をしました。(中略)もしかしたらこのおかげで頬がコケること無く綺麗にスッキリ小顔になれたのかもしれません。」と書いていました。

きらきらさんは、この体操は美容に効果があるという意味合いで書かれていますが、私は美容のみならず矯正で生じるストレスの緩和(特にアゴずれ予防)にも効果があるのではないかと思いました。

やり方は基本的にはここに書いてある通りになりますが、私はこれに加えて、口を「いー」や「うー」の状態にしてやるとより効果が上がるように思いました。きらきらさんのコメントにも「先生に何度もダメ出しされた」とあるので、おそらく口を開けての指導だったのではないかと思います。

この体操だけでも効果があるように感じましたが、もっと他にできることはないかと思い、口まわりの体操について調べてみました。すると3つの良さそうな方法が見つかりました。以下、それらの方法についてざっくりと紹介していきます。これらの体操はその仕組みや動作の意味を理解したほうがより効果が上がるので、興味のわいた方は原著を読むことをおすすめします。

■あいうべ体操
これは内科医が口呼吸から鼻呼吸への切り替えを目的に考案した体操です。この体操をすると鼻呼吸への切り替えのみならず、肩こり、首こり、うつ、パニック障害などの改善も期待できるようです。

<方法>
1.「あー」と口を縦に大きく開く。
2.「いー」と口を横に大きく開く。
3.「うー」と口を前に突き出す。
4.「べー」と舌を突き出して下に伸ばす。
これをゆっくり、しっかりと一日最低30回繰り返す。
*顎関節症で口を開けるとアゴが痛い場合は、「いー」「うー」だけを行う。

■舌回し運動
これは歯科医師が美容や健康のために考案した方法です。この体操をすると体のバランスが整い、頭頸部の血液やリンパ液、脳脊髄液の流れが正常になって、免疫力の向上や体調の改善が期待できるようです。就寝前に行うと自律神経が整いよく眠れるようになるそうです。

<方法>
1.唇を閉じた状態で、舌先で歯の表側の歯茎をなぞるようにぐるりと回す。右回り、左回りを各20~50回くらい行う。一日3回、食後に行うと効果的。

■さとう式リンパケア
これは歯科医師が顎関節症治療のために考案した方法です。この体操はアゴの緊張を弛めてリンパの流れを良くするもので、顎関節症だけでなく、体のコリや痛み、疲れの解消にも効果があるようです。

<方法>
1.耳たぶを回す
左右の耳たぶの付け根を軽くつまみ、ごく弱い力で後ろ側に4回、回す。つまむ強さは鉛筆を持ったときに落ちるか落ちないかというくらいの弱い力で。

2.頬をなでる
両手のひらを頬にあて、頬骨からエラにかけてごく弱い力で4回ササっとなでる。

3.1の動作をする

4.アゴをゆらす
下あごを前につきだし、後ろに引っ込める動きを4回行う。次に下あごを左右に4往復させる。最後にもう一度、下あごを前につきだしてから「あー」と大きく口をあける。これを3セットする。

5.1~4を3セットする

6.肩を回す
肘を体の真横に、肩の高さまで上げ、手のひらを上にした状態で両肘を垂直に曲げる。下あごを前につきだし若干上を向く。この状態で肩を後ろに32回まわす。

■まとめ
これらの体操は今まであまり動かしていなかったところを動かすので、最初から張り切ってやりすぎると顔に緊張(ストレス)が生じてしまうかもしれません。ほどほどに気長に続けるのがポイントのように思います。個人的には、毎食後10分程度行うのが効果的だと感じています。

参考
『あいうべ体操と口テープが病気を治す!鼻呼吸なら薬はいらない』(今井一彰)
『舌を回して若返る』(小出馨)
『アゴをゆるめると健康になる!』(佐藤青児)
*YouTubeに各体操の動画があります。

整体

歯列矯正で生じるストレス(緊張)を緩和する2つ目の方法は整体になります。

まずは私が整体に興味を持ったきっかけを紹介します。今から8ヶ月くらい前、『廃人一家の治療体験記』(笑)というブログに、「さとう式リンパマッサージ」という方法が紹介されていました。それを試してみると気分が多少スッキリしたので、もしかしたら矯正ストレスをダイレクトに緩和する方法があるのではないかと思い、整体を調べるようになりました。

整体と歯列矯正を絡めて検索していくと、すぐに「歯列矯正された方、全額返金保証します!」というブログ記事を見つけました。内容は、ずばり歯列矯正のストレスに対応しているものだったので、やはり打開策はここらへんにあるのではないかと思いました。
*現在、ブログにある「全額返金キャンペーン」は終了しています。

このブログを読み、すぐにでもこの整体院に行きたかったのですが、いかんせん自宅から遠すぎたため、まずは近場で探すことにしました。ブログの整体院と似たようなところを探し、そこに上記ブログのアドレスをメールで送って、施術師にこんな感じの治療ができるかと確認してから行きました。しかし、残念ながら行ったところではあまり効果を実感できませんでした。

次に、上記ブログの整体院も含めて歯列矯正の不調に対応している様々な整体院に行きました。以下、効果のあった整体院を紹介していきます。

・オステオパシー・いざなぎ(大阪府高槻市)
ここははじめて「効いた」と思った整体院です。ここで施術を受けてから頭皮のしびれや頭痛、胃痛が減り、だいぶ楽になりました。施術は頭や顔、骨盤の調整が中心になります。
*オステオパシーとは150年くらい前にアメリカの医師が開発した整体法で、関節のズレなどを正してコリ(ストレス)をとり、体液の循環をよくして不調を治すという整体です。

・オステオパシー・ファースト(兵庫県神戸市)
ここはオステオパシー・いざなぎの先生にあたる人が運営する整体院なので、施術法はいざなぎと近いものがありました。問診表には歯列矯正の有無を書く欄もありました。施術師の先生は歯列矯正に伴う不調の施術経験も豊富なようでしたが、一回目の治療時に、「歯列矯正で不調が出ている場合は、矯正を続ける限り、なんらかの症状は出続ける」「かみ合わせが悪くて不調が起こっている場合は治すのが難しい」「動悸は視床下部の興奮だからおさえるのは難しい」と言われました。否定的な発言でしたが、納得できるところも多分にあり、なにより率直だったのでそれほど悪い気はしませんでした。先生は米国でも学んだことがあるようなのですが、向こうでは歯列矯正絡みの訴訟がたくさん起きているとも言っていました。肝心の施術の方ですが、動悸が軽くなり、いくらか眠れる日が増えました。多尿の症状も改善しました。

・オステオパシー・クライムオン(東京都渋谷区)
先ほど紹介したブログの整体院です。東京に行ったときに2回だけ受けることができました。ここで施術を受けると緊張(ストレス)がすっと解けて、とても楽になるのがわかりました。歯列矯正ととても相性が良いように感じました。

・かなや整骨院(大阪市西淀川区)
オステオパシー・クライムオンの施術法がクラニオセイラクル(頭蓋仙骨療法)というものだったので、そのワードで検索して見つけました。ここも緊張(ストレス)がすっととれるのを実感できます。施術中は激しい睡魔に襲われることが多いです。ここは自宅から近いこともあり、今でも月1くらいで通っています。

(・頭蓋骨エステ・ジェミニ(東京都渋谷区))
ここには行ったことはないのですが、フィギアスケーターの村主章枝さんが歯列矯正に伴う頭痛などで悩んでいたときに頻繁に通っていたそうです。

ただ、これらの整体は効くことは効くのですが、効果は限定的で8~9割までの回復は難しいと思いました。

今から2ヶ月ほど前になりますが、読売小町という掲示板でトピック 『30代以降で歯列矯正された方』に「整体院へ行ったら首にすごい負担がかかってるといわれ治してもらえましたが、普通なら治ってなかったかも」というコメントを見つけました。

これを読んで治療のポイントは首あたりにあるのではないかと思いました。私は首コリの自覚症状はあまりなかったのですが、整体師の書いた本などを読んでいると、うつや頭痛、動悸、めまいなどの原因は首にあることが多い、とあり、また「あごずれどっとこむ」にはかみ合わせが悪いと首や背骨、骨盤のバランスが崩れ、脳への血流が低下して様々な症状が出る、とあったので、不定愁訴は首(脊椎)に起因するのではないかと考えるようになりました。

今から1ヶ月くらい前に、首に詳しそうな整体院に行ってみました。すると1件目の「片山整体」(大阪市生野区)でいきなり当たりました。最初の問診時に、私を見ただけで、「左の首筋が張っている」と指摘され、いざ整体を始めると、右の首筋をつままれても何も感じないのに、左の首筋をつままれると鋭い痛みが走りました。その後、背中を触ると「左上半身が緊張している」と言われたり、「消化不良を起こしやすい。胃が痛くなるでしょ」と言われたりしました。施術後に再び左の首筋をつままれると、施術開始時にあった痛みは消えていました。

施術を受けた日はそれほど変化を感じなかったのですが、翌日の晩からだいぶ眠れるようになりました。その後も不定愁訴が完全になくなったわけではないのですが、総じてかなり楽になりました。

まだそこでは3回しか施術を受けていませんが、私の不定愁訴の主因は首(脊椎)あたりにあるのではないかと思いました。

整体には相性があるので、どこが良いとは一概にはいえませんが、深刻な不定愁訴がある場合は、合うところが見つかるまで根気よく探すことが不可欠のように思います。

・・それにしても、矯正科医よりも整体師のほうが歯列矯正の不調に詳しいのが不思議です(笑)。

参考
『深い疲れをとる自律神経トリートメント』(船水 隆広)
『自律神経を整えるストレッチ』(原田 賢)

食事

バランスのとれた食事をとることは大前提として、ここでは矯正不調時ならではの食事について書いていきます。

■倦怠感対策
心身に慢性的なストレスがかかると副腎疲労が起こりやすくなります。副腎疲労とはストレスにより副腎が疲労して、コルチゾールというホルモンが出にくくなる状態で、コルチゾールが出にくくなると炎症が抑えらなくなり、疲労感やさまざまな不調が出やすくなります。

副腎疲労を起こしているときは、グルテンやカゼインを控えるのがよいとされます。グルテンは小麦や大麦、ライ麦などに含まれ、カゼインは乳製品に含まれています。私はパンや牛乳をとるのをやめたら、ダルさやぼーっとする感じがだいぶ減りました。

倦怠感が強い場合は、とりあえず2週間だけ、これらの食品を抜いて様子を見てみるのがよいと思います。

参考:「しつこい疲れは副腎疲労?とりたい食材、避けたい食材」(日経Gooday)

■うつ対策
私は糖分を取り過ぎると、うつになりやすいように感じました。これは高血糖が原因だと思います。後述しますが、慢性的にストレスがかかると血糖値が下がりにくくなります。

■動悸対策
動悸の原因となる食品はカフェインやアルコールが代表的ですが、私はニンニクやニラ、玉ねぎなども動悸の原因になるように感じました。ほどほどの量なら特に問題はないのですが、大量にとると動悸が出やすいように感じます。

カフェインについてですが、私の場合はもともとカフェイン中毒のようなところがあったので、カフェインを全くとらないと眠気が取れないばかりか頭痛まで出てしまいます。そのため緑茶などで少量のカフェインはとっています。玉露は別ですが、普通の緑茶にはカフェインがそれほど入っていないので、動悸は起こりにくいように思います。

コーヒーでもカフェインを97%以上カットしたデカフェなら動悸は出ません。ただ、スタバなどのデカフェはカフェインをそれほどカットしていないので動悸が出ます。カフェインを97%以上カットしたデカフェはまずいものばかりですが、小川珈琲の「有機栽培カフェインレス・モカ」はそこそこおいしいです。

参考:『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』(デイヴ・アスプリー)

■アレルギー対策
矯正をはじめてから、いくつかの食品で遅延型のアレルギーが出るようになってしまいました。遅延型アレルギーの症状は湿疹、倦怠感、頭痛、めまいなどです。今のところ遅延型アレルギーを調べる検査はないので、疑わしい食品をとって自分の体で調べていくしかありません。症状のうち、倦怠感や頭痛、めまいはアレルギー以外の要因で起こることもあるので、診断のポイントは湿疹の有無になります。

*遅延型アレルギーを調べるIgG抗体検査というものもありますが、日本アレルギー学会はこの検査の有用性を否定しています(参照)。

運動

歯列矯正をして慢性的なストレスがかかるようになると自律神経=血流が乱れるようになります。血流が悪くなると、脳に血液が回りにくくなり、うつや不安、認知機能の低下といった症状が出やすくなります。これらの症状改善には運動が効果的で、運動をするとダイレクトに血流を改善することができます。

ここでいう運動とは激しい運動ではなく、ウォーキングやスクワットなど下半身の動きを主とした穏やかな有酸素運動になります。下半身には重力の関係で全血液の70%があり、下半身の筋肉を動かすと、その筋肉がポンプの役割を果たして全身の血の巡りがよくなります。

運動の量はウォーキングなら1日8000歩、スクワットなら1日60回程度が目安になります。

スクワットはひざに負担のかかりにくいハーフスクワットが基本になります。スクワットは足幅を広げてやると、ひざの負担をより軽減できます。このスクワットをゆっくり呼吸しながら行います。太ももの筋肉は体の中で最も大きな筋肉なので、スクワットをすると筋肉量を効率的に増やすこともできます。

筋肉が増えると、体温が上昇して免疫力が上がったり、血糖値の上昇を抑制できたりします。加えて、テストステロン(男性ホルモン)の分泌が増えるので、やる気が出やすくなります。テストステロンと一緒に分泌される抗利尿ホルモン・バソプレシンによって多尿の改善も期待できます。

運動のほかにストレッチにも血流改善の効果があります。

不定愁訴が出ると動くのもしんどくなりますが、そこで動かなくなるとさらに体調が悪化しやすくなります。

参考
『死ぬまで歩くにはスクワットだけすればいい』(小林 弘幸)
『うつかな?と思ったら男性更年期を疑いなさい』(堀江 重郎)
『体温を上げると健康になる』(齋藤 真嗣)

不眠

ここからは個別症状の対処法について書いていきます。

まずは私にとって最もきつかった不眠からです。以前はベッドに入っても半覚醒のまま朝を迎えたり、動悸や悪夢、多尿で夜中に何度も目がさめたりしていました。朝起きるときには非常にダルく、その上頭痛までして、毎朝「無理やわ~」とつぶやきながら起きる日々でした。

不眠への対処法は、これまでにあげてきた方法や規則正しい生活をすることが基本になりますが、ここではそれに加えてもう1つ効果のあった方法を紹介します。

■目や首を温める
これは比較的最近の研究でわかったことのようですが、寝る前に首を温め、寝るときに目を温めると、副交感神経のスイッチが入り、眠りの質が上がるそうです。

首の温めには「あずきのチカラ 首肩用」、目の温めには「めぐりズム」もしくは「あずきのチカラ 目もと用」がよいように思います。

私はこれをやり始めてから明らかに眠りの質が上がりました。
*寝るときは「頭寒足熱」がよしとされているので、「あずきのチカラ」や「めぐりズム」はなるべくおでこにかからないように置いたほうがよさそうです。

補足ですが、「あずきのチカラ 首肩用」は頭痛にも効きます。

参考:「睡眠学会で驚いた!知っておきたい快眠の最新情報5選」(All About)

追記
『ぐっすり眠る習慣』(白濱龍太郎)には次のような記載があります。「目を使いすぎることから起こる眼精疲労は、正常な睡眠を妨げる要因のひとつ。眼精疲労は頭痛や肩こりなどの症状に発展するだけでなく、自律神経の働きにも影響を及ぼす。眼精疲労になると目の周りの筋肉だけでなく、顔や首の筋肉も緊張している状態になる。そうなると脳への血流が減ることになり、脳はストレスを感じ、交感神経が優位になってしまう。快適に眠りにつくためには眼精疲労を取ることが重要。目の疲れをとるのに手軽な方法は蒸しタオルで目を温めること。目の周辺が温まり血行がよくなると緊張もほぐれてリラックスできるため、ぐっすり眠るのに大切な副交感神経が優位に働くようになる」

肌のトラブル

肌のトラブルは歯列矯正で起こる代表的なトラブルの1つではないかと思います。

歯列矯正で不調になると、まず血行が悪くなり目の下にクマができやすくなります。私の場合は、クマだけでなく、目の下にうっすらと血管が浮き出たり、目の縁が若干黒っぽくなったりしてしまいました。

次に睡眠不足や副腎疲労によって代謝が落ち、肌のハリがなくなります。そして矯正ストレスによって交感神経が絶えず優位な状態にあるため、副交感神経の指令によって分泌されるインスリンが抑制され、血糖値が下がりにくくなります。血糖値が下がりにくくなると、高血糖になり、肌が糖化を起こしやすくなります。糖化とは、いわば老化のことで、シワやシミなどの原因になります。

私の場合は矯正を始めてから、肌がゴワゴワしてニキビやシワができやすくなりました。それとフケも出やすくなりました。

糖化対策としてまず取り組むべきは血糖値のコントロールになります。糖分控えめな食事や、食後にゴロゴロしない、運動する、といった習慣に切り替えていく必要があります。私は血糖値測定機を買い、その数値を見ながら生活習慣を見直しました。

肌のトラブルとしては他に、目の下や唇などに白いプツプツ(脂肪の塊)ができることもあるかもしれません。これは慢性的なストレスによって免疫力が落ちることが原因のようです。

肌荒れには一部のスキンケア用品も効果がありました。私の場合はSK-Ⅱというブランドの洗顔料やローションがよく効きました。高くてクサいという欠点はあるものの、肌荒れはだいぶ改善しました。

参考:『「血糖値スパイク」が心の不調を引き起こす 』(溝口 徹)

めまい

めまいもまた矯正治療で起こる代表的な症状の1つではないかと思います。歯列矯正で歯の神経が圧迫されると交感神経が亢進し、めまいが起こりやすくなります。私は橋を歩いているときに“1人大地震”に遭遇して、とても困惑したことがあります。

めまいを起こす要因にはいろいろなものがあるようですが、歯列矯正によって起こるめまいは自律神経絡みのものになります。この場合のめまいは、目、耳、関節、筋肉で感じ取った情報の調整が小脳でうまくいかず、体内の情報にズレが生じて起こります。

めまいの治療は、このズレの調整役である小脳を鍛えることによって行います。『9割のめまいは自分で治せる』や『薬に頼らずめまいを治す方法』などの本に、いろいろな対処法が書かれていますが、私は目をつぶって片足立ちをするのがもっとも手っ取り早く小脳を鍛えられるように感じました。私はこれだけでだいぶ改善しました。

ただ、どんなに小脳を鍛えても睡眠不足や遅延型アレルギーがあると、めまいが起こりやすくなるので、そちらの対策も平行して行う必用があるように思います。

後述しますが、電動歯ブラシもめまいの原因になりそうです。

不調になってからいろいろな病院を回り、様々な薬をもらいました。しかし私の場合は結局どれもあまり合いませんでした。

病院で動悸や不眠の症状を訴えると、最初に処方されるのはベンゾジアゼピン系の抗不安薬になります。これはこれで動悸や不眠に多少効くのですが、これを飲むと一日中ぼうっとしてしまいます。不調を根本的に改善することができなさそうだと思ったので、使うのをやめました。ベンゾジアゼピン系の薬は長期で服用すると他にもいろいろな問題が生じるようです。

睡眠導入剤のマイスリーも一応処方してもらいましたが、動悸に効きそうもなかったので今のところ使っていません。

漢方薬は自律神経系の不調と相性が良いといわれていますが、私は以前、漢方薬でアレルギーが出たことがあったので使いませんでした。一般的に漢方薬は天然成分でできているため副作用がないともいわれていますが、漢方薬は植物や動物の体の一部を何種類も組み合わせて作られているのでアレルギーが出やすいという見解もあります。一部の漢方薬では副作用による死亡例もあります。

良さそうで良くなかったもの

■電動歯ブラシや口腔洗浄機
以前から電動歯ブラシ・ソニッケアーを使っていたのですが、矯正をはじめてからソニッケアーを使うと歯の神経が過敏になっているのか、めまいや頭痛が出るようになってしまいました。電動歯ブラシの代わりに口腔洗浄機・ジェットウォッシャー・ドルツを使ってみても同じような症状が出ました。

■歯磨き粉や洗口液
歯茎が後退気味だったので、いっとき歯茎ケアのできる歯磨き粉「クリーンデンタル」を使っていました。しかし口のまわりがかぶれたり、倦怠感が出たりしたので使うのをやめました。そのとき、もしかしたらこれまで使っていた製品にも何らかの問題があるかもしれないと思い、リステリン(紫)やホワイトニング系の歯磨き粉もやめてみました。すると動悸や倦怠感が軽くなり、腹のあたりに出ていた謎の発疹も消えました。

■入浴
入浴は自律神経によいと言われたり、免疫力がアップすると言われたりしていますが、私は動悸が出てしまいダメでした。38度くらいの低温でもダメでした。最近の研究では入浴(特に高温の入浴)は自律神経に大きな負荷がかかることがわかっているようです。
参考:「入浴は疲労を倍増させるってホント?」(アサ芸プラス)

■腹巻き
腹巻きは冷えを改善し免疫力を上げる効果があると知り、使ってみたのですが、私の場合は動悸が出てしまいダメでした。

■サプリや健康食品
健康関連の本を読んでいると、”スーパーフード”やえごま油、バターコーヒー、サプリなど様々なものが紹介されています。しかし、“宣伝”ほどの効果を実感できるものはほとんどありませんでした(玄米やキヌアは多少効果あり)。それどころか、これまで食べていなかった食品をとったためか、調子が悪くなってしまったものもありました。

■鍼灸
鍼灸は自律神経系の不調と相性がよいとされているので、自律神経専門の鍼灸院や、中国人がやっている鍼灸院に行ってみました。しかし私の場合は動悸や頭痛が強くなってしまいました。

今後試すかもしれないこと

今やっている対処法が行き詰まったときの対策を書いておきます。

■整体院を回る
自律神経に詳しい整体院をもう少し回ってみる。

■矯正歯科医院巡り
歯列矯正によって起こる不調に詳しい矯正医院もあると思うので、近場から一軒一軒回っていく。

■海外の情報を調べる
海外にも同じような事例があると思うのでネットで調べてみる。ただ米欧は、もともと抜歯矯正に否定的であり、骨格や歯の大きさの違いから抜歯矯正がほとんど行われていないようなので、似たような症例は少なそうでもある。

■治療を中断する
インビザラインの場合はマウスピースを1日8時間程度つけていれば現状を維持できるようなので、それでしばらく様子を見る。

■マウスピースからワイヤーに変える
一説ではマウスピースは不定愁訴が出やすいともいわれているので、試しにワイヤーに変えてみる。

■睡眠薬を使う
・睡眠導入剤のマイスリーを試してみる。
・新薬ベルソムラを試してみる。この薬は依存性が低く、自然に近い眠りを導く作用があり、入眠時だけでなく中途覚醒にも効果があるとされる。ただ悪夢を見やすいという副作用も報告されている。2020年頃にはこれと似た仕組みで作用するレンボレキサントが発売される予定で、副作用についてはいまのところ不明。マイスリーよりも効果が高いとされる。

■歯関連の不調に詳しい歯科医院を巡る
・かみ合わせの微調整:顎口腔臨床センター(静岡)、央歯科(千葉)

・あごズレの調整:香川矯正歯科医院(大阪)、 顎口腔臨床センター(静岡)、東京かみ合わせ研究所、王子神谷矯正歯科クリニック(東京)、幸健美歯科クリニック(北海道)、児玉歯科医院(東京)、丸山咬合医療センター。

・その他、歯関連の不調に詳しそうなところ:ヨコハマヒーリングデンタル

体調チェック  矯正前の50~65%  2018/10

体調は回復しつつありますが、それでもまだ矯正前の50~65%程度です。今ある主な症状は、症状の強い順に、不眠(動悸、多夢、中途覚醒)、微頭痛、やる気が起こらない、興味が湧かない、うつ、不能、疲れやすい、思考力・記憶力・集中力の低下、多尿、不安感、吃音、口の渇き、肌荒れ、アレルギー、めまい、視力低下、食欲不振、胃痛あたりになります。


*以下、文章が「です・ます」調から「である」調に変わります。

体調チェック  矯正前の50%~65%  2018/11

先月とあまり変わらず。一時、不眠が悪化したが、夜間だけ顎間ゴムを外すことでいくらか解消。口の体操と整体などにより穏やかな回復基調にある。

今通っている整体は凄腕。不眠気味のときに行くと、体の緊張状態から不眠なのがわかるらしく、「眠れてない?」と聞かれる。そして施術を受けるとだいぶ眠れるようになる。

不定愁訴に対応したかみ合わせ治療  4選

不定愁訴に対応したかみ合わせ治療について調べてみた。

■あごずれどっとこむ直立歯科医学研究所
<不定愁訴が起こる仕組み>
不定愁訴は下アゴがずれることによって生じる。
下アゴは頭蓋骨に筋肉で吊されており、頭のバランスを取る働きをしている。頭のバランスを取るときに、下アゴが揺れすぎたり、上下どこかの歯がひっかかったりすると下アゴにずれが生じる。下アゴがずれた状態で頭のバランスを取ろうとすると頭の重心がずれ、それに伴い首や背骨、骨盤にもずれ(ひねり)が生じる。これらのずれの中で心身に最も大きく影響するのは首(頸椎)になる。首にずれ(ひねり)が生じると脳への血流が低下し、精神症状、内臓疾患、皮膚病態など様々な症状が出る。

*補足
・歯科治療で使われるマウスピースでは、下アゴの揺れを抑制するポイントがなくなってしまうことがあり、アゴずれを起こすことがある。
・矯正治療で歯を動かしている時は、顎位が不安定になり、アゴずれが生じやすい。
・矯正治療で舌の置き場がなくなるほど歯列のアーチを狭くすると不定愁訴が出やすくなる。
・矯正治療で上下顎骨がスケルタルⅡ級になっていて、上下切歯歯軸傾斜角が著しく鈍角になっていると不定愁訴が出やすくなる。(素人には意味不明)

<治療法>
一般的に理想とされている歯列に整えても、頭のバランスを取るときに上下どこかの歯がひっかかったり、下アゴが揺れすぎたりすると不調が出ることがある。治療はこの歯のひっかかりやアゴの揺れに着目し、その接触面である咬合面を修正することにより行う。

検査では顎関節のX線撮影や、下顎運動解析装置、足圧分布測定システムなどを使い、患者固有のアゴ揺れを測定する。そして下顎の位置を補正し、筋緊張を調べる機器などでその位置が正しいかどうかを確認する。

治療は、アゴ揺れを干渉する箇所を取り除くことにより行う。それだけでバランス(体調)が改善しない場合は、矯正治療や補綴治療(入れ歯やインプラントで歯を補う治療)でバランスを整えていく。

下アゴのずれが修正されると、クビのひねりが改善し、脳の血流も改善して諸症状は消えていく。諸症状の軽減は治療後すぐに現れることもあるが、頚椎の配列変化には半年~1年くらいかかるので、しばらく時間がかかることもある。

<この治療法について疑問に思ったこと>
頭のバランスを取るために下あごが揺れるというのは理解できるが、そのときに上下の歯が接触するというのは疑問。上下の歯は普通、接触しないのではないかと思う。少なくとも私の場合は接触しない。

参考
『下顎平衡機能から考える直立二足歩行と歯科医療』(臼井 五郎)
『図説直立動態と心身症状』(臼井五郎、下向央、香川正之、他)

■東京かみ合わせ治療研究所
<不定愁訴が起こる仕組み>
すべての不快症状はアゴの筋肉や顎関節の緊張から生じる。これらの緊張は下アゴが安静位からずれることによって生じる。下アゴが安静位からずれた状態が続くと、筋肉が疲弊してコリ(緊張)が生じ、血流が低下して様々な不快症状が出る。

また、咬むという行為は咀嚼筋だけでなく、クビや肩、頭部の筋肉も参加する共同作業のため、アゴの位置異常(ずれ)は、頭部や頸部、背中や腰にまで影響する。全身の筋肉のバランスが崩れることも不快症状が出る要因になる。

<自分でアゴずれを調べる方法>
体の力を抜き、口をぽかんとして楽な状態をつくる。この時の位置がアゴの安静位になる。この状態でアゴを閉じていくと、どこかの歯が最初に接触する。次に全ての歯がかみ合うまでアゴを閉じていく。最初に接触した歯からアゴをずらして閉じた場合は、その分だけアゴがずれていることになる。

アゴがずれる要因にはいろいろあるが、「歯を何本か抜いて矯正治療をした」「矯正治療で上の前歯を引っ込める治療をした」なども要因になりうる。

*気づいたこと
アゴの安静位をつくるのは意外と簡単なことがわかった。「口の体操」のところで登場したアゴ振り体操は、この安静位をつくるためのものなのかもしれない。

<治療法>
現在の医学界では、「不調とかみ合わせとの因果関係は科学的に証明されてない」という立場を取っているため、かみ合わせに起因した不調の治療法は確立されてない。一般の歯科医師は経験的にかみ合わせの異常で様々な症状が出ることは知っているが、確信の持てる治療方針はなく、ただ漠然と治療を行っている。

東京かみ合わせ研究所では、顔まわりの筋肉の状態を調べる機器などで下アゴの位置異常を正確に診断し、マウスピースなどを用いて、アゴが安静を保てる位置に歯を誘導していく。

参考:『かみ合わせ症候群の診断と治療』(安部井 寿人)

・・余談だが、安部井氏は矯正歯科ネットというサイトで「ドクター選びのポイント」というコラムを書いていたが、その内容を全て削除されている。ここには確か、「抜歯をして歯列矯正すると不調が出やすくなるので、なるべく抜歯を行わないところがよい」みたいなことが書かれていたのを覚えている。同業者からの圧力で削除されたのかもしれない(笑)。

■幸健美歯科クリニック
<不定愁訴が起こる仕組み>
頭と下アゴの関係こそが全身の健康に対して重要になる。下アゴは頭を垂直に、バランスよく保つための振り子、おもりのようなもので、歩いたり、活動したりするときに下アゴは揺れ、重力に対する平衡感覚器官としての役割を果たしている。しかし、悪いかみ合わせや姿勢不良などにより長期的に下アゴにずれが生じてしまうと、頭の重心もずれを起こし、そのずれが首、背骨、足など全身に波及していく。中でも頸椎にずれが生じると、首の筋肉が緊張して、血管が圧迫され、脳への血流に悪影響が出る。また首の神経も圧迫されるため、しびれや痛みが出ることもある。

<治療法>
現在の歯科医学では正しいかみ合わせの統一基準というものは存在しない。たとえ歯並びの見た目が良くても、かみ合わせがよいとは限らない。かみ合わせが全身の健康にほとんど影響しないという立場の歯科医師も多い。

幸健美歯科では各種検査をして三次元的に正しいアゴの位置を決定し、アゴずれ矯正用のマウスピースでアゴを正しい位置に移動していく。治療は半年~1年くらいかかる。
*参考図書『なぜ、アゴの位置を正すと、痛み・歪みが消えるのか? 』(佐藤 嘉則)には、「アゴの正しい位置」についての詳細な記載はない。

少しくらいのアゴずれならば、マウスピースを使わずとも、片側だけで噛む癖や、姿勢の改善、「アゴーラル体操」などで修正できる。
*「アゴーラル体操」とは「口の体操」のところで紹介したアゴ振り体操のようなもの。

■児玉歯科医院(東京)
<不定愁訴が起こる仕組み>
かみ合わせが悪いと、咀嚼筋や口腔周囲筋が緊張して不眠、頭痛、アトピー、肩こり、めまいなど様々な症状が出る。

かみ合わせの悪さは頸椎(首)にも影響し、頸椎の周りには太い動脈や神経が走っているので、そこからも様々な問題が生じる。

<治療法>
・マウスピースでかみ合わせが正常になるように調整する。
*参考図書『噛み合わせ治療とメラトニンの効力』(児玉剛之)には、「正常な噛み合わせ」についての詳細な記載はない。

マウスピースは夜、寝るときだけ装着する。これで口腔周囲筋の緊張を弛め、血行を良くすることができる。

児玉歯科ではメラトニンという睡眠ホルモンに着目して、独自に小規模な臨床試験を実施している。その結果、特製マウスピースを付けて寝た場合、メラトニンの分泌量が3倍に増加したという結果が出ている。

<この治療法について疑問に思ったこと>
寝ているときのかみ合わせで眠りの質が変わるということはわかったが、私の場合、寝ているときは上下の歯が少し離れているので、その時のかみ合わせが睡眠に影響するというのは疑問。

<補足>
児玉氏の著作『噛み合わせ治療とメラトニンの効力』のあとがきには、「かみ合わせ治療の可能性について、わたしの考えるところを述べたいと思います。少子高齢化を迎えるにあたり、子どもの不正咬合の改善は日本の将来の発展に不可欠であり、歯を抜く矯正ではなく体の成長に応じた、歯を抜かない拡大矯正を行うことが大事だと考えます。その結果、非抜歯で矯正した子どもたちのほとんどが、心理的に落ち着いただけでなく、成績が著しく向上しました。抜歯矯正を行わないのは、抜歯矯正が口腔内の容積を狭くすることで、自律神経のバランスやホルモンの分泌を抑制すると考えているからです。」とある。児玉歯科医院では抜歯矯正によって起こる不調には対応していないのかもしれない。

■丸山咬合医療センター
「不定愁訴の経緯」のところで触れたように、丸山氏は抜歯矯正には否定的であり、また掲示板情報によると、丸山氏は『大阪大学歯学部付属病院に問う 顎関節症患者の告発 一本の歯の治療ミスで狂わされた私の人生』(鈴木 圭子)で告発されている教授のようなので、丸山咬合医療センターは今のところまだ調べてない。丸山氏の著作『「かみ合わせ」健康法』には、かみ合わせがよくなればすべての不調が改善する、みたいなことが書かれており、やや”お花畑感”が漂っていたので、今後も調べる予定はない。

口の体操2

かみ合わせ治療について調べていたら、不定愁訴の主因はアゴずれにありそうだったので、アゴずれ解消に焦点を絞って調べてみた。するとアゴずれを是正する「アゴズレン」(笑)なる体操を見つけた。

これは整体師が考案した方法で、歯科治療に頼らなくてもアゴのずれを修正できるという。

<やり方>
1, 耳の穴のすぐ前に両中指を置き、指を少しずつ上にずらし、へこみのあるところまで移動する。

2, へこみの部分で、押すと一番痛く感じるところを強めに押す。

3, その状態で、下アゴを前に出し、下アゴを右にずらして30回開閉する。次に左にずらして30回開閉する。

4, 両中指をこめかみのへこんでいる部分に移動し、押すと一番強く感じる部分を強めに押す。

5,3の動作を繰り返す。

これを1日1~2セット行う。やり過ぎは顎関節を悪化させることがあるので禁止。

<アゴずれを是正する仕組み>
・耳の横のへこみの部分はアゴからの負荷が最も集中しているところで、ここを押しながらアゴを動かすことで緊張を弛めることができる。

・こめかみのへこみには、咀嚼や食いしばりなどによって筋疲労が最も蓄積しやすい場所になる。ここを押しながら口を動かすことで、緊張を弛めることができる。

<著者が考える不定愁訴が起こる仕組み>
人体の中で最も弱い関節は顎関節になる。アゴは頭蓋骨からぶらさがっているだけの構造で、かみ合わせなどによってずれやすい。顎関節は一日の中で最も使う関節であり、ずれた状態で使い続けると頭蓋骨にもずれが生じやすくなる。頭蓋骨にずれが生じると頸椎や背骨、骨盤にもゆがみが生じ、これらのゆがみによって、慢性的なクビの痛みや、肩こり、めまい、倦怠感、不眠、動悸、アレルギーなどの症状が出やすくなる。

不定愁訴を訴える人の多くにアゴのずれがあり、アゴの状態を良くすることで不調が消失することが多い。

■実際に試してみて
アゴズレン体操を始めたあたりからまた不眠気味になってしまった。この体操が原因とも思えないが、とりあえずしばらく中止する。

参考:『アゴのゆがみを整えると健康になる 』(宮腰 圭 )

この本以外にも、『頭痛・めまい、首・肩の痛みを動かしながら治す アゴトレ』(伊藤 和磨)や『あご筋をほぐせば 健康になる! 』(福島一隆)を読んだが、これらの本に使えそうな情報はなかった。『頭痛・めまい、首・肩の痛みを動かしながら治す アゴトレ』は焦点があいまいで、『あご筋をほぐせば 健康になる! 』にある、「アゴや側頭筋(こめかみや耳の上)をマッサージしてから、下アゴを前に出して口を大きく開く」という体操は、「口の体操」のところで紹介した、さとう式リンパケアで代用できそうだと思った。

矯正治療が終われば不調は治まる?

ヤフー知恵袋のトピック「歯列矯正での体調不良はやめてから、どれくらいで治る?」に、「大学病院の先生に、矯正すると歯の噛み合せが(たまに顎の位置も)変わるから、体に不定愁訴が起きることがあると言われました。でも、矯正が終ると歯の噛み合わせや顎の位置が楽な方へ動こうとするから普通に生活してたら治ってくると言われました。」とあった。

これが正しければ、矯正が終われば不調は治っていくのかもしれない。

夜だけゴムを外してみる

顎間ゴムをつけてから明らかに眠りの質が落ちてきた。これは寝ているときに上下の歯が接触しているためかもしれない。

人は普段何もしていないとき、上下の歯は少し離れており、アゴはリラックスした状態にある。しかし、何かの作業をしているときや、考え事をしているときに上下の歯が触れたままになると、アゴの筋肉が緊張してしまうという。
*上下の歯を接触したままにする習慣(TCH)があると、あごの筋肉が疲弊し顎関節症になりやすくなる。

『下顎平衡機能から考える直立二足歩行と歯科医療』(臼井五郎)には、「不眠状態はよく、「体が疲れているのに眠れない」と表現されます。これは歯列矯正中の患者によくみられる症状で、顎間ゴムの使用・不使用など咬合バランスの変動が神経をON(覚醒)、OFF(覚醒解除)させていると著者らは考えています」とあるが、寝ているときに顎間ゴムの力で上下の歯が接触してしまうのも、神経がONになる1つの要因ではないかと思う。

担当医から夜間だけゴムを外す許可を得て、外して寝てみたら、眠りの質が少し改善した。

参考:『顎関節症とかみ合わせの悩みが解決する本』(木野 孔司)

体調チェック  矯正前の55~65%  2018/12

10月から少し改善。11月はしんどい日が少なかった。ただ歯を移動するストレスはまだ残っている感じで65%以上へはいけず。

今ある主な症状は、症状の強い順に、不眠(動悸、多夢、中途覚醒)、微頭痛、やる気が起こらない、興味が湧かない、うつ、不能、疲れやすい、思考力・記憶力・集中力の低下、多尿、不安感、吃音、口の渇き、肌荒れ、アレルギー、めまい、視力低下、食欲不振、胃痛あたり。

■11月に気付いたことなど
・不調の主因は歯根周囲の血行不良?
不調の主因はつい最近までアゴずれ(首コリ)かと思っていたが、アゴずれを口の体操や整体などでいくらか解消しても不調が残っているので、不調の主因は矯正による歯の神経の圧迫や歯根周囲の血行不良ではないかと思い始めた。

・歯の相談サイトが使えそうなことがわかった
今頃になって歯チャンネル88というサイトが使えそうなことがわかった。以前、歯チャンネル88にあった「歯科相談掲示板」の検索ボックスにワードを入力しても何もヒットしなかったのでスルーしていたが、「歯科相談室」の方の検索ボックスにワードを入力したら多数ヒットした。まだあまり調べていないが、少し調べたらMFT(口腔筋機能療法)なるものを見つけた。これは不調改善のヒントになりそうなので、気が向いたときに調べてみようと思う。それと矯正歯科ネットというサイトにも同じような相談コーナーがあるとわかった。これらのサイトはグーグルでなかなかヒットしなかったので気づくのが遅れてしまった。

・体温を調節する力が落ちている
湯船に浸かったり腹巻をしたりして体を温めすぎると不調になることはわかっていたが、体が冷えた場合も不調になりすいことがわかった。

・歯磨き粉復活
以前、歯茎ケアのできる歯磨き粉を使ったときに口の端がかぶれてしまったので、それ以来歯磨き粉は使っていなかったが、定期検診で通っている歯科医院でルシェロという歯磨き粉を紹介され、それを試しに使ってみたら問題なかったので使用を再開した。この歯磨き粉は歯が着色しにくく、刺激が少ないのがいい。

・野菜でアレルギー
不調になってから、野菜は体に良さそうだと思いたくさん食べていたが、食べすぎはかゆみやだるさの原因になるとわかった。

オーソパルス

これまでいろいろな対策を講じてきたが、歯の移動ストレスには対処できずにいた。このストレスは矯正をしている限りはどうにもならないものだと半ばあきらめてもいた。しかしつい先日、掲示板にオーソパルス(オルソパルス)なる機器についての書き込みを見つけた。この機器について調べてみると、矯正のスピードを速めるだけではなく、歯の移動ストレスを軽減できそうなこともわかった。

■オーソパルスとは
歯茎に近赤外線を照射し、歯根周囲の細胞を活性化(正常化)させ、歯の移動をスムーズにする装置。歯列矯正で歯に移動ストレスがかかると歯根周囲の細胞の働きが弱くなるが、透過性のある近赤外線を歯茎に当てると、歯根周囲の細胞が活性化し、抗炎症、鎮痛、血管拡張、組織修復などの効果を期待できるようになる。
*近赤外線は太陽光にも含まれる光で、テレビのリモコンなどにも使われている。

この機器は、数年前にカナダのバイオラックス・リサーチ社が開発し、2015年に米FDAから医療機器の認証を受けている。
*香港のPBMオルソ社もオーソパルスと似たような機器、PBM Healingを開発している。

■使用方法
1日1回、オーソパルスを口にくわえ、上下の歯茎に5分ずつ照射する。
*オーソパルスを使うと歯が動きやすくなるので保定期間中は使えない。
*オーソパルスは矯正速度を患者が調整できるインビザラインが最適とされているが、他の矯正器具でも使用できる。

■メリット
・矯正期間を従来の半分以下にできる。
・歯根吸収が起こりにくい。
・歯の安定が良くなる。*使用中は歯がグラつきやすくなる。
・痛みを軽減できる。
・歯根周囲の血流が良くなる。*おそらくこれで不定愁訴が軽減する。

■問題点
・近赤外線は一部では無害ともいわれているが、もし上記のような効果が本当にあるとすれば無害のはずがない。使い方を誤れば、ほぼ確実になんらかの問題が出る。ただ近赤外線は放射線のような危険性はなさそうなので、決められた用法を守ればそれほど問題はなさそう。

・オーソパルスは発売されてまだ数年しかたってないので、長期的に人体にどのような影響があるのかよくわからない。

・近赤外線の研究自体がまだ浅い。

・近赤外線は皮膚の下の脂肪や筋肉まで届いてコラーゲンを破壊したり活性酸素を放出したりして老化を促進させる効果があるとも言われている。一方で、近赤外線を用いた美容医療もあり、この場合、近赤外線はコラーゲンを生成してシワを取る効果があるとされている(使用は2週間に1回などの制限がある)。

・オーソパルスはオーダーメイドではないため、人によっては小さすぎて歯列全体をカバーできないことがある。

・保定期間中は使えない。保定期間でも歯が元に戻ろうとする力(ストレス)が加わるので歯根周囲の血流が悪くなり不調が出る恐れがある。

・効果に個人差がある。あまり効かない人もいるらしい。

・価格が高い。

■まとめ
近赤外線の影響についてはまだはっきりしたことはわかっていないようだが、太陽光にも含まれる身近な光でもあるので、適切に使えばそれほど問題なさそう。特に私のような神経過敏なタイプには、オーソパルスはデメリットよりメリットの方が圧倒的に大きいのではないかと思う。

この装置のことを調べてはじめてすぐに、「これは効く。使いたい」と思ったが、すでに残りの矯正期間が2ヶ月と短く、体調が回復基調にあるので使うかどうか迷っている。もし今後体調が悪化することがあれば、担当医に相談してみようと思う。

・・しかし気づくのが遅れた。オーソパルスのことをもっと早くに知っていれば、今頃こんなブログは書いていなかったと思う。

■後記
この装置は安全性と有効性が確認されれば一気に普及しそう。おそらくあと5~10年もすれば、すべての歯列矯正治療に組み込まれるのではないだろうか。その時には、今は15万円くらいする価格も、この装置は作るのが簡単そうなので、1万円くらいまで落ちているのではないかと思う。

参考
オーソパルスのオフィシャルHP

イースマイル国際矯正歯科のブログ

最小出力ブログ
*このブログはオーソパルスを使わない矯正(リファインメント)に移行したあたりから更新が止まっている。

【インビザライン】スピード矯正装置「オルソパルス」で 4 日交換!!

I & eye「近赤外線とその影響」

キレイノヒカリ 「LED美顔器が光老化の原因にならないのか?」

口元を温める

オーソパルスを調べていて、「歯に移動ストレスがかかると歯根周囲の細胞の働きが悪くなり、血行が悪くなる」「歯根周囲の細胞を活性化させると矯正がスムーズにいく」ということがわかった。

そこでオーソパルスを使わずに歯根周囲の細胞を活性化させる(血行を良くする)方法はないかと考えてみた。とりあえず4つの方法を思いついた。

1つ目は歯茎のマッサージ。歯茎を指でマッサージすれば歯茎周りの血行がよくなると思った。ただ、これはすでに試したことがあり、あまり効果を実感できなかった。

2つ目は近赤外線を発する美顔器またはテレビのリモコンなどを歯茎に当てるという方法。ただオーソパルスとは波長もパワーも異なるであろう近赤外線を自己流で照射すると何か別の問題が発生しそうなので、これは却下。これをやるなら素直にオーソパルスを使おうと思う。

3つ目は歯茎の日光浴。太陽光にも近赤外線が含まれているので効果があるのではないかと思った。ただ、この方法は波長やパワーの問題以前に曇りや雨の日はできないので却下。

4つ目は口元の温め。口元を温めるとその部分の血行が良くなり細胞が活性化すると思った。これは簡単にできそうなので試してみた。蒸気の力を使うとより深部まで温められるようなので、ここでは「不眠」のところで紹介した「あずきの力」を使った。

■実際に試してみて
まずは「あずきの力 フェイス蒸し」を使ってみた。しかしこれは上の歯の部分にあずきが入っておらず、上の歯茎を温められなかった。またあずきの量が全体的に少な目で、温める力に物足りなさを感じた。実際、効果はほとんど感じられなかった。

次に「あずきの力 おなか用」と「あずきの力 首肩用」を使い、口とアゴ周りを覆ってみた。これだとすっぽり覆うことができ、温度や持続時間もそこそこあったので、しっかりと温めることができた。毎晩、寝る前に20~30分くらい温めてみると少し調子がよくなったように感じたので、朝も20分くらい温めるようにした。劇的な効果は感じられなかったが、全体的に少し楽になってきたように感じる。ただ最初の10日くらいは歯茎に少し痛みが出た。

不眠 2

以前、確か整体系の本だったと思うが、動悸対策にはへそやみぞおちあたりを指で押しほぐすとよいとあったので、それを続けてきた。これをすると確かに動悸が弱くなり、睡眠の質も改善したのだが、著しい効果というほどでもなかったので、前回の「不眠」のところでは触れなかった。

先日整体に行ったときに、『二宮式 整体生活 秋号』(2018/10月刊)という会報誌に、「眠りで一番大事なのはみぞおち。みぞおちが硬いと眠りが浅くなる。ここが緊張していると上半身の力が抜けない。(中略)パニック障害などはみぞおちがカチカチになっている。不眠症、パニック障害、ノイローゼなどは横隔膜が緩むことで、原因をのぞくことができる」とあった。みぞおちと眠りには深い関係があることがわかった。

会報誌で紹介されていたみぞおちをほぐす方法は、「座った状態で、みぞおちに両手の指先を立てるようにしてあて、背筋を伸ばした状態で、息を吐きながら、太ももの上に手首がつくまで上体を倒していく。そこからさらに息を吐きながら上体を倒し、指を斜め上方に食い込ませていく。息を吐ききって1セット終了。これを3~4セット行う。ポイントは力を入れて4本の指を押し込むのではなく、力を抜いてズブズブと指が入るようなイメージで」というものになる。

■実際に試してみて
今までやっていた腹のマッサージに加えて、これもやってみると眠りの深さが若干増したように感じた。

体調チェック  矯正前の55~65%  2019/1

12月は11月より少し改善。月1で通っていた頭蓋骨系の整体院は12月に卒業。頸椎・脊椎系の整体院は月3回から2回に変更。マウスピースは残り3つになったが、奥歯がまだかみ合っていないので治療はもうしばらく続きそう。かなり憂鬱。

今ある主な症状は、症状の強い順に、不眠(動悸、多夢、中途覚醒)、微頭痛、やる気が起こらない、興味が湧かない、うつ、不能、疲れやすい、思考力・記憶力・集中力の低下、多尿、不安感、吃音、口の渇き、肌荒れ、アレルギー、めまい、視力低下、食欲不振、胃痛あたり。先月と比べて、肌荒れが少し改善。口元の温めが効いているのかもしれない。

■12月に気付いたことなど
・左肩上がりを改善
今通っている整体では当初から左肩が上がっていると指摘されていたが、それは体質のようなものでもあるとも言われていたので、今まであまり気にしてこなかった。しかし、つい先日、人間ドックに行ったときに、検査時に看護師から「左肩の力を抜いて」と言われ、矯正でただならぬ異常が起こっているのではないかと思った。

そこで左肩上がりの対策として、左手ばかりで持っていた荷物を右手で持つようにしたり、肩を上げてからストンと落とす「肩すくめ」の動作を繰り返したりするようにした。そうしたら少し楽になったような気がした。

なお、人間ドックの結果は、これだけの不調を抱えながらも、B判定(特に問題なし)だった(笑)。

・首の張りや痛みは顎間ゴムの影響?
顎間ゴムを付け始めてから首が張る(少し痛む)ようになった。理由はよくわからないが、顎間ゴムが首に影響しているのかもしれない。

・みぞおちマッサージは中止
先月から、みぞおちを深押しするマッサージを始めたが、動悸が少し強くなったように感じたので、いったん中止した。

歯列矯正と不定愁訴の因果関係を証明する方法

これまで歯列矯正と不定愁訴の因果関係は科学的に証明されていなかったが、数年前に自律神経を測定する機器が開発されたので、証明できる可能性が出てきた(もうすでに証明されているかも)。

この自律神経を測定する機器は、末梢血管の血流量を測定するというもので、24時間、自律神経の働きをモニターできるという。

この機器を使って歯列矯正と不定愁訴(自律神経の乱れ)の関連を調べる方法は簡単で、基本的にはこの機器で矯正前と矯正中の数値を測るだけでいい。おそらくこれを100人規模で実施すれば、矯正と不調の関連が明確になるのではないかと思う。

*この機器を使わなくても、ストレスの影響を受けやすいホルモン(テストステロンやメラトニンなど)の分泌量を測っても同じような結果が得られそう。

両者の関連が医学的に証明されれば、矯正科医も対策を考えざるを得なくなるので、矯正治療に空いている大きな穴も埋まるかもしれない。

参考:『自律神経を整える「あきらめる」健康法』(小林弘幸)

口の体操3 MFT

先日、歯チャンネルの掲示板を見ていたら、「歯列矯正による不定愁訴」というトピックがあり、そこにMFTなるものが紹介されていた。まずはそこにあった歯科医師の回答から紹介する。

「多くの場合、成人するまでに普通顎は機能上心地よい位置にいることが多いですから人為的に見た目の改善のために場所を変えると機能が上手くついていかない場合は多々ありそうです。

多くのケースで人間は適応能力がありますから新たに獲得した人為的に再構成した形態に機能が適応できることが多いですが稀に適応しにくい方がおられてもそれは自然だと思います。

その場合、新たな形態に適応するために機能訓練を追加することで克服できることもあるようです。MFTや筋機能療法というものがあなたのお役に立つ可能性もあるでしょう。
*MFTと筋機能療法はほぼ同義

矯正の先生の多くが筋機能療法についてはよくご存知ですから積極的にお尋ねになり有料になると思いますが時間をとってもらい有効な機能訓練法について指導とチェックを行ってもらわれてはいかがでしょうか?

睡眠時の障害により肩こりや頭痛吐き気等があるのであればその部位の血流障害を改善し酸素がしっかりいきわたり乳酸が上手く分解されればよいかもしれませんから、舌を前に上げ睡眠時に酸素分圧が低下しないようにされるとよいのかもしれません。MFTは主に舌の訓練と口腔周囲筋の訓練になると思います。」

この回答から、MFTは不定愁訴に効果がありそうだと思った。

■MFTとは
米国で今から100年くらい前に矯正治療を円滑に進めるために開発された口の体操法。不正咬合は先天的な要因だけでなく、後天的な要因、具体的には舌の突出壁、舌の位置異常、口呼吸などによっても生じる。MFTによってそれらの後天的な要因を改善し、口腔内の筋圧バランスを正常化すれば、矯正治療はスムーズに進み、後戻りも起こりにくくなる。歯列が完成する前の小児期にMFTを行えば、それが自然の矯正装置になり、矯正器具を使わなくても歯列が正常に整うケースもある。

口周辺の筋圧バランスが正常化すると、口の周りから放射状に出ている表情筋にも影響し、顔貌の審美的な改善も期待できる。

■MFTの目的
・唇や頬、口の周りに筋肉をつけ、口腔内の筋圧バランスを正常化する。
・舌の筋肉を強化し、安静時に舌が正しい位置にくるようにする。
・口呼吸から鼻呼吸に切り替える。
・抜歯をして口腔内容積が狭くなった場合は、舌を筋トレでシェイプアップして、舌が歯列内に収まるようにする。

<口元、口腔内の理想的な状態とは>
・唇はリラックスした状態で閉鎖し、上下の歯は少し離れている。
・舌先は上アゴ、もしくは上前歯の裏についている。

■方法
(MFTには様々な方法があり、個々人によってカスタマイズされるが、上記の目的をクリアするだけなら、「口の体操」のところで紹介した、あいうべ体操やベロ回し体操で対応可能にみえる)

■まとめ
冒頭に紹介した文面から、MFTは不調改善を目的に作られたものだと思ったが、調べてみると単に歯列の形態を整えることを目的に作られたものだとわかった。若干肩すかし感があったが、得るものもあったので、まあいいかなと思う。

・・「口の体操」のところで紹介した「あご振り体操」は今回の調査でも見つからなかった。あれはいったい何を目的に作られたものなのか、本当の目的を知りたい。

参考
『やさしくわかるMFT』(日本口腔筋機能療法学会 、山口秀晴)
『MFT入門―初歩から学ぶ口腔筋機能療法』(大野粛英、山口秀晴)
『はじめる・深めるMFT―お口の筋トレ実践ガイド』(山口 秀晴、大野 粛英, 橋本 律子)

体調チェック  矯正前の55~65%  2019/2

体調はそこそこ安定してきたが回復は頭打ちな感じ。やる気や興味がわかず、おもしろみに欠ける日々が丸2年続いている。ほんとにまいった。整体は月2回から1回に変更。

今ある主な症状は、先月とほぼ一緒。

■1月に気づいたことなど
・顎間ゴムと首の張りは関係なし?
先月、顎間ゴムが首の張りの原因になるかもしれないと書いたが、1月は顎間ゴムをつけているにもかかわらず首に張りや痛みが出なかった。顎間ゴムは関係なかったのかもしれない。

体調チェック  矯正前の60~70%  2019/3

2月のはじめに2セット目のマウスピースが終了。その後、医院に行ったが、上下奥歯がまだ噛み合っていないので治療はもう少しかかるという。3セット目のマウスピースができるまでの7週間、つかの間の保定期間に入った。この期間は顎間ゴムや歯の移動がなく、マウスピースの着用も1日16時間と短いので、いくらか楽になってきた。

前回の保定期間は今回のように楽にならなかったので、去年の8月頃から始めた口の体操や整体が効いているのかもしれない。

今ある主な症状は、症状の強い順に、不眠(動悸、多夢、中途覚醒)、微頭痛、やる気が起こらない、興味が湧かない、うつ、不能、疲れやすい、思考力・記憶力・集中力の低下、多尿、不安感、吃音、口の渇き、肌荒れ、アレルギー、めまい、視力低下、食欲不振、胃痛あたり。先月と比べると、全体的に症状が少し軽くなっている。

背中の緊張をとると楽に

整体に行くと必ず背中が緊張していると言われていたので、自分で緊張をとる方法はないかと考えてみた。ストレッチや背中を動かす運動がよいのではないかと思い、それらを試してみると、全体的に体が少し楽になってきたように感じる。今後も続けていこうと思う。

*『1日45秒でつくる! やわらかせなか』(山本たか子)や『5回ひねるだけで痛みが消える! 「背中ゆるめ」ストレッチ』(岩井 隆彰)などによると、背中が慢性的に緊張していると自律神経が乱れて様々な不調が出やすくなるという。

アロマオイルで眠りがマシに

以前、ラベンダーの香料がついた「めぐりズム」を使ったときに、よく眠れたことがあったので、試しにラベンダー系のアロマオイルを使ってみた。最初に試したのはAmazonで売っている「デイリーディライト ブレンドエッセンシャルオイル 夜用リラックス(ラベンダー&スイートオレンジ)」。これを使うと体感ではそれほど変化を感じられなかったが、活動量計・Fitbitのデータでは、レム睡眠とノンレム睡眠のリズムがいくらか整っていることがわかった。

ただ、この香りはあまり好みではなかったので、次に無印良品の「ブレンドエッセンシャルオイル・おやすみ」を試してみた。これにはラベンダーが入っていなかったが、体感的にもデータ的にも睡眠の質がいくらか改善した。香りも当たり障りのない感じなので(若干小便くさいが)、もうしばらく続けてみようと思う。

*このアロマオイルのトップノートはキツめなので、朝に数滴たらして、ラストノートで眠るようにしている。
*ラベンダーの香りは苦手なことがわかったので、今はもうラベンダーの香りのついた「めぐりズム」は使っていない。

体調チェック  矯正前の60~70%  2019/4

10日くらい前から3セット目のインビザラインを開始。歯の移動が始まったので、また少ししんどくなってきたが、以前よりはいくらかマシに感じる。今回のマウスピースは順調にいけば9月頃に終わる予定。そこで終わってと切に願う。

今ある主な症状は先月から特に変化なし。

■3月に気づいたことなど
・背中の緊張をとると深い睡眠が増える?
背中の緊張をほぐし始めてから、そこそこ眠れる日が増えてきた。それと背中のザラザラや吹き出物も徐々に減ってきた。

背中の緊張をほぐすためにやっていることを簡単に書いておく。
・『5回ひねるだけで痛みが消える! 「背中ゆるめ」ストレッチ』(岩井 隆彰)にある1分間ストレッチ。

・『1日45秒でつくる! やわらかせなか』(山本たか子)にある2分間体操。

・休憩中に上体をひねったり曲げたりする。

・風呂上がりの入念なストレッチ。

・果物を食べて湿疹
果物が好きで昔からよく食べていたが、最近果物を食べると湿疹が出るようになってしまった。一説では、かみ合わせに問題があるとアトピーがひどくなるとも言われているので、この湿疹もかみ合わせ(矯正)に原因があるのかもしれない。それと、これは果物と関係があるのかわからないが、果物をやめたあたりから安静時心拍数が3くらい落ちてきた。
*心拍数は活動量計・Fitbitで計測
*心拍数が低いのは一般的にはよいこととされる。

体調チェック  矯正前の60~70%  2019/5

特に大きな変化はないが、全体的に少し楽になりつつある。

■4月に気づいたことなど
・小麦や乳製品はやはり合わない
体調がいくらか回復してきたので、しばらくガッツリ食べるのをやめていた小麦や乳製品を食べてみた。しかし、これらの食品を多めにとると、またダルさやうつ、頭痛などが出てしまった。食べ物が体に与える影響は大きいと改めてわかった。

マットレスパッドをいろいろ試してみて

マットレスがへたってきたので、マットレスを買い換えるついでに、いろいろなマットレスパッドを試してみた。

ベースとなるマットレスは、以前泊まったホテルで感触がよかった日本ベッドのシルキーパフの簡易版、シルキーポケット・ソフト。これはオーソドックスな感じで、可もなく不可もなくという感じ。

その上の敷くマットレスパッドは、まずエアウィーヴのホテル仕様(厚さ3.5cm)を試してみた。しかし、これは堅すぎて横寝派の私には合わなかった。実際、眠りが浅くなりしんどくなってしまった。

次に試したのがトゥルースリーパー・プレミアム(厚さ5cm)。これは柔らかく、体にフィットする感触が心地良かったが、夜中に体が熱くなり何度も目が覚めてしまった。

最後はエアリー・マットレス(厚さ5cm)。これは今まで使っていたブレスエア(厚さ4cm)と一番似ていた。最初は少し堅めに感じたが、許容範囲だったので、今はこれを使っている。

マットレスパッドをいろいろ試したが、結局のところ、マットレスパッドを変えたところで睡眠の質はたいして変わらないことがわかった。

体調チェック  矯正前の60~70%  2019/6

体調はそこそこ落ち着いてはいるが、頭痛や不眠、うつなどの症状が出るのは相変わらず。とりあえずあと3ヶ月くらいで治療が終わりそうなので、それまでは辛抱するしかなさそう。

今ある主な症状は、症状の強い順に、不眠(動悸、多夢、中途覚醒)、微頭痛、やる気が起こらない、興味が湧かない、うつ、不能、疲れやすい、思考力・記憶力・集中力の低下、多尿、不安感、吃音、口の渇き、肌荒れ、アレルギー、めまい、視力低下、胃痛あたり。先月と比べて肌荒れが少し悪化。

■5月に気づいたことなど
・寝るときの温度について
最近、また寝ているときに動悸が出るようになってきてしまった。ここのところ急に気温が上がったので、暑さが原因かもしれない。涼しくして寝るようにしたら動悸がいくらかやわらいできた。
*一般に、寝るときに最適な室温は夏場が23~25度、冬場が17~19度とされる。

病人が量産されていく?

5月27日の日経新聞に「歯列矯正した患者が2011年の20万人から2017年に27万人に増えている」とあった。患者が増えているのはインビザラインのような目立たない矯正器具の影響もあるという。ここでの問題は歯列矯正に伴う不定愁訴になる。歯列矯正によって自律神経やホルモンバランスが乱れやすくなることは一般には周知されておらず、また不調になったときの対処法も確立していないので、矯正人口が増えるに従い、不調に苦しむ人も増えていくのかもしれない。

座り方は重要?

スポーツ新聞を読んでいたら姿勢の重要性について書かれていた。試しにそこに書かれていた座り方をしてみると、いくらか頭がすっきりしたように感じた。そこにあった方法は骨盤を立てるようにして座るというもので、そのように座ると自然と背筋が伸び、背骨の周りの血液や神経の通りが良くなるという。

その後、姿勢についてさらに調べていくと、椅子も重要なことがわかった。コクヨのホームページにあった椅子の選び方や正しい座り方などを参考に、コクヨのインスパインという椅子を購入した。この椅子は微調整が効き、自分の体にジャストフィットさせられるところがいい。まだ一週間くらいしか試していないが、体が軽くなり、頭が回るようになってきた気がする。

体調チェック  矯正前の60~70%  2019/7

またしんどい日が増えてきた。夜間の多尿、動悸、多夢、不眠などの症状が強くなってきた。調子が悪いのはマウスピースの交換ペースが速いためかもしれない。3セット目のマウスピースは1セット目のときと同じ1週間ペースで交換しているが、1セット目のときと似たような症状が出ている。2セット目のマウスピースは10日ペースで交換しており、そのときは多少楽だったので、また10日ペースに戻そうかと考えている。整体は月1回から2回に変更。

・・月末にかけていくらか体調が回復してきたのでマウスピースの交換は1週間ペースでいくことにした。一時的に体調が悪化したのは、合わない座り方をしていたためかもしれない(椅子を購入して、いろいろな座り方を試していた)。

■6月に気づいたこと
・座り方はやはり重要?
先々月から座り方を意識して座るようになり、「正しく」座るといくらか調子がよくなり頭が回るようになってきた。座りすぎは血行不良になりやすいとも言われているので、それをいくらかでも軽減するような座り方はやはり大事なのかもしれない。

ここでいう「正しい」座り方とは、先月紹介したコクヨのホームページにあるような座り方とは若干異なる。現時点でベストと思っている座り方は、1)骨盤を立てて、2)背もたれに軽くもたれる、になる。骨盤を立てることが何より重要で、ただそれだけでは上体が前傾してしまうので、その対策として背もたれにもたれる、という感じになる。

インビザラインの問題点

現在、インビザラインの3セット目を行っているが、今回でもまだ終わりそうにない。片方の上下奥歯がまだ2mmくらいズレており、そこを動かしている気配すらない。

どうしてこのようなことが起こるのか。それはインビザラインのシミュレーションソフトの画像と実際の歯の位置にズレがあること、矯正科医がそのズレの起こる要因を理解していないこと、あたりになりそう。もしシミュレーションソフトが完璧だったら治療は1セットで終わるだろうし、矯正科医がズレの起こる要因を理解していたら、そのズレを修正して早く治療を終えることができる。
*型取りはiTero(口腔内スキャナーで3Dデジタル画像を作成する装置)を使用。

インビザラインを知った当初はよくできたシステムだと思っていたが、実際にやってみると改善すべき点は多いと感じた。マウスピースを作るのに2ヶ月かかるというのも問題で、私のマウスピースは3セットで計100個を超えているが(1セット目69個、2セット目19個、3セット目23個)、もしこれらを標準治療の2週間ペースで交換していたら、インビザラインで保証されている治療期間の5年を超えてしまう。治療終盤の私にとってはここら辺のことはもうどうでもいいことだが、改善した方が良いのではないかと思った。

追記2019/08/2
先日、定期検診に行ってきたが、奥歯のズレは特に問題ないことがわかった。片方の奥歯がもう片方の奥歯より若干外側に開いているのは「正常」で、しっかり咬合ができていれば問題ないとのこと。左右非対称なのは誰にでもあることらしい。医院で鏡を使い、かみ合わせの確認をしてみたところ、かみ合わせには問題なさそうなことがわかった。ということで、治療はそこそこ順調に進んでおり、年内で終了できそうなことがわかった。

歯の治療は男性更年期障害の一因?

矯正治療を始めてから男性更年期障害特有の症状がほぼ全て出ているが、最近、矯正以外の歯の治療でも男性更年期障害のような症状が出るのではないかと思い始めた。

歯列矯正によって起こる不調について調べていくと、入れ歯やインプラントでも不定愁訴に悩まされている方がいることを知った。例えば、将棋棋士の加藤一二三氏はかつて入れ歯を入れていたときのことについて、「頭の働きが止まった」「感動というものがなくなった」「生涯の最大の危機」と語っている(参照)。『図説 直立動態と心身症状』(臼井五郎、下向央、他)には「(インプラント治療をした)患者の体調不良を目の当たりにすると医原性疾患(医原病)を創っているのではないかという不安が大きくなりました」との記載もある。

男性更年期障害は40代あたりから発症するが、この年代は入れ歯やインプラントの治療が増える時期と重なる。入れ歯やインプラントの不具合により身体になんらかのストレスがかかり、それで男性更年期障害が起こることもあるのかもしれない。

歯の治療と男性更年期障害の関係を気づきにくくしているのは、入れ歯やインプラントの不具合を自覚しにくい点にあるように思う。私にしても加藤一二三氏にしても歯周辺部の痛みなどがほとんどなかったため、歯の治療が不調の原因ということになかなか気づかなかった。不調の原因を特定できたきっかけは外部からの情報になる。

となると、まずは両者の因果関係を検証する必要がありそう。検証する方法は「歯列矯正と不定愁訴の因果関係を証明する方法」のところで紹介した方法と同じで、治療前後に自律神経の状態やテストステロンの値を測っていけばいい。

<男性更年期障害とは>
正式名称、LOH症候群(加齢・性腺機能低下症)といい、大きなストレスや加齢などによりテストステロン(男性ホルモン)の分泌が急低下したときに起こる不定愁訴。女性にもテストステロンは少なからず分泌されているので女性でも同様の症状が出ることがある。

症状は「やる気がわかない」「性欲がなくなる」「疲れがとれない」「筋力が低下する」「眠れない」「うつ」「不安」「イライラ」などの精神・身体症状で、診断はテストステロン値の測定やAMSスコアのチェックなどで行う。症状が軽度の場合は運動や食事療法が中心になるが、中度以上の場合はテストステロンの補充が必要になる。なお、LOH症候群によって起こるうつ症状には抗うつ剤が効かないため、テストステロンの補充が必要になる。

矯正治療のリスクに不定愁訴をあげている歯科医院

また調子が悪くなってきたので、久々にネットで矯正不調について検索してみた。すると矯正治療のリスクに不定愁訴を挙げている歯科医院を見つけた。そこはひばり歯科・矯正歯科(鹿児島)というところで、挙げられているリスクには

・矯正終了して、かえって咬み合わせが悪く感じる可能性もあります。頭痛、肩こりを招く事があります。
・矯正歯科治療中、頭痛、首・肩のこり、倦怠感、吐き気など不定愁訴が起こる場合があります。
・なかには治療にかなりのストレスを受ける患者さんもいます。

などがある。正直、これには少し驚いた。このようなリスクを書いてしまうと新規の患者が減るばかりか、不安や先入観によって不定愁訴が出やすくなってしまうからだ。

とはいえ、問題が起きたときの対処法がない場合は、事前にそのリスクを説明する義務はある。少なくとも深刻なトラブルが起きたときに、”知らないふり”をする歯科医師よりマシなのは確か。

今は患者にとって不都合な情報もネットでオープンになってきているので、不定愁訴リスクを事前に説明する流れは今後広がっていくのかもしれない。

体調チェック  矯正前の60~70%  2019/8

動悸が減って、いくらか眠れるようになってはきたが、調子がいまいちなのは相変わらず。矯正ストレスによる男性ホルモンの減少や微頭痛などはどうにもできないように感じる。ただ、とりあえずはやれることは全てやった感があるので、あとはできることを淡々としていくしかなさそう。整体は月2回から1回に変更。

*「やれることはすべてやった」とは書いたが、矯正ストレスを軽減できそうなオーソパルスだけはまだ試していない。オーソパルスについては一応、担当医に相談してはみたが、「国から承認されてない」「効果に個人差がある」との理由で使わないとのこと。ちなみに、インビザラインも国から医療機器の承認は受けていない。

今後の流れをざっと考えておく。
8月31日にインビザライン3セット目終了。奥歯がまだ噛み合ってないので4セット目を作成? 作成には7週間かかる。

10月19日に4セット目のインビザライン開始。担当医によると4セット目のマウスピースは10個以下で済みそうとのこと。

12月30日頃までに4セット目が終了。保定期間に入る。

2020年4月頃に歯が安定してくる。おそらくここら辺から不調が軽くなっていくはず。

2020年7月になってもまだ不調が続くようなら矯正不調に詳しいところに相談に行く。優先順位は今のところ香川矯正歯科(大阪)、あごずれドットコム(静岡)、東京かみ合わせセンターの順。ここでの治療はおそらく半年~1年半くらいになる。

2022年1月頃に体調が元通りになる。ここで回復しなければまた別のところに・・。

この期間に著しく体調が悪化した場合は、男性ホルモン剤、睡眠薬、抗不安薬などを試す。

だいたいこんな感じになる。楽観シナリオでは来年の4月頃に体調が元通りになるが、悲観シナリオでは回復まであと3年以上かかることになる。えらい「事故」にあってしまった感じだが、なんとかやっていくしかなさそう。

不調の元凶は前歯の矯正?

マウスピースを付けたときに最も圧を感じるのは上前歯になるが、最近この部分が不調の元凶ではないかと思い始めた。『かみ合わせ症候群の診断と治療』(安部井寿人)には、「矯正治療で上の前歯を引っ込める治療をしたことが不調の原因になりうる」とあり、歯チャンネルの相談掲示板には「前歯4本を矯正しはじめてから微熱、吐き気、不眠などが続いている」とある。私は上の小臼歯2本を抜いて前歯を引っ込めるような治療をしているので、ここら辺が不調の発端になっている可能性がある。

体調チェック  矯正前の60~70%  2019/9

3セット目のマウスピース終了。まだ噛み合わせのよくない箇所があるので、もう少しかかりそう。残りの部分は歯間引き締め用マウスピースと顎間ゴムで動かしていくようだが、隙間がまだ結構開いているのでうまくいくのか疑問。

今ある主な症状は、症状の強い順に、不眠(動悸、多夢、中途覚醒)、微頭痛、やる気が起こらない、興味が湧かない、うつ、不能、疲れやすい、思考力・記憶力・集中力の低下、多尿、不安感、吃音、口の渇き、肌荒れ、アレルギー、めまい、視力低下、食欲不振、胃痛あたり。先月と比べ、疲れやすさが少し改善。

■8月に気づいたことなど
・納豆でアレルギー
納豆で遅延型のアレルギー(湿疹)が出るようになってしまった。これは長年毎日のように食べていたのが原因かもしれないが、タイミング的に矯正ストレスがきっかけになった可能性もある。食べられるものがどんどん減っていくのが困る。

矯正終了  体調チェック  矯正前の60~65%  2019/10

矯正治療(歯の移動)が今日終わった。先月時点では上下奥歯にまだ開きがあったので、まだまだかかりそうだと思っていたが、ゴム掛けと最後の歯間引き締め用マウスピースできっちりと噛み合った。正中もそろっている。結局、治療期間は2年8ヶ月と、ごく標準的な日数で終わった。担当医が矯正不調について無知(無関心)なのは問題だったが、矯正技術の方は問題なくてよかった。

*2セット目が終わる前に系列院の院長にも相談しているので、今回噛み合わせが整ったのは系列院の院長の功績が大きいのかもしれない。通常の治療ではマウスピースの個数がセットを重ねるごとに減っていくが、今回の治療では2セット目よりも3セット目の方がマウスピースの数が増えているので、系列院の院長がプラン作成に加わった可能性が高い。

残るは体調問題になる。今後は歯が安定するにつれて不調も治まっていくとは思うが、噛み合わせが整ったと同時に首が痛くなり始めたので(笑)、あまり楽観できる状況にはない。とりあえずしばらくは様子を見るしかないのかなと思う。

今ある主な症状は、症状の強い順に、不眠(動悸、多夢、中途覚醒)、微頭痛、やる気が起こらない、興味が湧かない、うつ、不能、疲れやすい、思考力・記憶力・集中力の低下、多尿、不安感、吃音、口の渇き、肌荒れ、アレルギー、めまい、視力低下、食欲不振、胃痛、首痛、吐き気あたり。首痛、吐き気は先月から発生。

体調チェック  矯正前の60~65%  2019/11  首痛発生

歯の移動が終わり、噛み合わせは整ったが、首が痛くなってしまった。1ヶ月ほど様子を見ているが痛みが引かないので対策を考えていく。

<首が痛くなった経緯>
8月31日から右側の上下奥歯に顎間ゴムをかける。
9月21日に最後のマウスピースをはめる。
9月25日から首が痛くなり始める。
10月4日に矯正治療が終わるが、その後も首の痛みは続いている。

<症状>
首痛、吐き気、めまい、息苦しさ、既存症状の悪化。

<原因>
1,顎間ゴム
顎間ゴムを9月の始めからかけていたが、これが原因の可能性がある。ネットで調べると、顎間ゴムで「首が痛くなった」「吐き気がした」という情報も見かける。しかし、顎間ゴムを外してからもまだ痛むのでこれは違うかもしれない。
*1年くらい前に左右の上下奥歯に顎間ゴムをかけたときも、首の痛み(張り)が少し出た。

2,最後に使ったマウスピース
最後に歯間引き締め用のマウスピースを使ったが、これをはめてから4日後くらいに症状が出始めたので、これが原因の可能性もある。

このマウスピースと顎間ゴムで変化したことは
 ・右奥歯が大きく動き、左右の歯列のバランスが変わった。
 ・右奥歯が噛み合ったが、左奥歯よりも少し高いところで噛み合うようになった。
 ・歯列のアーチが小さくなった。

3,(上記以外の原因)

<対策>
1,様子見。これが今後の基本スタンス。
2,矯正歯科で右奥歯の高さを調整して、新たな保定用マウスピースを作る。
3,首の痛みに詳しい歯科医院(香川矯正歯科やあごずれドットコムなど)に行く。
4,インビザラインで歯列のアーチを少し広げる(元に戻す)。

「気にしすぎる人は治りにくい」

首が痛くなりセカンドオピニオンに行く可能性が出てきたので、混んでいそうな歯科医院に予約状況を探る電話を入れてみた。最初に電話したのは東京噛み合わせ研究所。ここの院長は抜歯矯正に伴う不調に詳しそうなのでよさそうだと思った。

しかし、電話をしてみると「院長は昨年亡くなられた」とのこと。院長は高齢だったため不安なところはあったが、まさか亡くなっているとは思わなかった。ただ、代わりの先生が週1回、同様の診察・治療を行っており、3週間後なら空いているという。

予約はいったん保留にして、受付の人にこれまでの治療成績について聞いてみた。すると、肩こりや首こりなど筋肉系の不調が出ている人は治りやすいが、症状を気にしすぎる人や悲観的な人は治りにくいと言っていた。また、そういう人は治ったと思ってもまた来院することが多いとも言っていた。

となると、不調の基本的な対処法は、症状をあまり気にせず前向きにやっていくのがよいのかもしれない。

体調チェック  矯正前の60~70%  2019/12

首の痛みにより、一時はセカンドオピニオンに行く寸前だったが、2週間くらい前から痛みがひいてきて、今はほぼなくなった。とりあえずはよかったという感じだが、この痛みが矯正治療の中盤で出ていたら大変だったろうなと思う。

体調は徐々に回復している感じ。まだ眠りが浅く、口が渇きやすいなどの問題はあるが、肌荒れや、やる気などはだいぶ改善してきたように思う。この調子でいってくれればと思う。

今ある主な症状は、症状の強い順に、不眠(動悸、多夢、中途覚醒)、微頭痛、やる気が起こらない、興味が湧かない、うつ、不能、疲れやすい、思考力・記憶力・集中力の低下、多尿、不安感、吃音、口の渇き、肌荒れ、アレルギー、めまい、視力低下、食欲不振、胃痛あたり。先月から首痛、吐き気がなくなり、症状が全体的に軽くなってきた。

歯列矯正でアレルギー

矯正治療を始めてからアレルギーが出やすくなったが、11月25日のダイヤモンド・オンラインに「米国ではスマイルダイレクトクラブやインビザなどのマウスピース矯正を行った患者から、米食品医薬品局に腫れやアレルギー症状などの報告があり、すでに問題化している」とあった。やはり歯列矯正とアレルギーには関連がありそうだと思った。
*米食品医薬品局(FDA)のサイトにあるインビザラインの有害事象報告例

『生き方を変えれば病気は治る アトピー、がん、うつ病は自律神経の不調が原因だった』(日本自律神経病研究会)には、「アレルギー性疾患は副交感神経優位の状態で免疫が興奮しリンパ球が過剰になって起こる。ストレスは自律神経を揺らす作用があるが、アレルギーはその揺れによってリンパ球が過剰になり起こりやすくなる」みたいなことが書かれている。歯列矯正の身体的ストレスで自律神経が乱れやすくなっていたので、それでリンパ球が増えてアレルギーが出やすくなったのかもしれない。

体調チェック  矯正前の60~70%  2020/1

徐々に回復している感じ。胸や背中のザラザラはだいぶ解消した。食事もおいしく感じられるようになってきた。月1で通っていた整体はいったん終了。
*整体では左首筋の緊張(コリ)が結局最後まで残った。当初はこのコリが不調の原因かと思っていたが、実際はあまり関係なかったのかもしれない。整体師曰く、このようなコリ(体の癖)は誰にでもあるので、あまり気にする必用はないとのこと。

12月に入ってから口内炎ができはじめた。話すときに舌の下にある肉がマウスピースの底に当たってできるらしい。マウスピースをヤスリで削って対応したが、それでもマウスピースを装着した状態で話すとどうしてもできてしまうので、マウスピースをつけているときはなるべく話さないようにしている。

*現在使っている保定用のマウスピースはインビザラインのものではなく、国内の業者が作ったものになる。石膏から作成する従来型のタイプで、インビザラインのマウスピースよりも少し厚みがある。装着感はややきつめで、デジタルデータで精密に作成するインビザラインよりも装着感はやや劣る。わずかなズレのせいで口内炎ができやすいのかもしれない。

インビザラインでも保定用マウスピースは作れるが、今通っている医院では一度に3セット(36000円)作らねばならず、また治療の保証期間が5年あるので、保証期間中は再治療に備えて国内業者のマウスピース(上下1セット12000円)を作るのが通例という。また保定期間中は銀歯をセラミックに変えられる期間でもあるので、そういった治療に対応する意味でも国内で1日で作れるマウスピースの方が都合がよいという。
*銀歯をセラミックに交換した場合はマウスピースを作り直さないといけない。

■12月に気づいたことなど
・枕を変えたら眠りが深くなった
テンピュールの枕が柔らかくなってきたので、新しいのに変えてみたら眠りが少し深くなったように感じた。

・生ローヤルゼリーでアレルギー
ファンケル創業者のインタビュー記事を読んでいたら、ローヤルゼリーが自律神経によいみたいなことが書いてあったので試してみた。しかし、食べてから20分くらいで喉のあたりが痛くなり始め、鏡で見ると喉の脇に血豆のようなものができていたので食べるのをやめた。痛みはその後、数日続き、結局は治ったが、健康食品は体に合わないと改めて思った。

体調チェック  矯正前の65~70%  2020/2

矯正治療が終わってから4ヶ月くらいたつが、「完治」はまだまだといった感じ。当初は保定期間に入って3ヶ月くらいしたら歯が落ち着き、不快な症状は消えていくと思っていたが甘かった。

そもそもこの歯が落ち着くまで「3ヶ月」という数字は定期検診で通っている歯科医院(矯正医院ではない)で矯正経験者の歯科衛生士から聞いたものになる。矯正の担当医からは半年かかると言われており、ネットには1年かかるといった情報もある。現時点ではマウスピースを長時間外した後に再度はめると、前歯にかなりの圧を感じるので、私の場合はこの「1年案」が正解なのかもしれない。

保定装置の使用時間についても、担当医とネットの説明には若干の違いがある。担当医に指示されている装着時間は、最初の半年は16時間で、その後半年が12時間、それ以降は8時間になるが、ネットでは最初の1年は食事の時以外ずっとはめ、それ以降は徐々に時間を短くしていくとある。この点について担当医に聞いてみると、装着時間は矯正器具や医院によって異なり、当院ではこの時間でこれまでうまくいっている、とのことだったので、とりあえずは言われたとおりにやっていこうと思う。

■1月に気づいたこと
「今後試すかもしれないこと」のところで書いた睡眠薬レンボレキサントが国から製造販売の承認を受けた。この薬は睡眠導入剤のマイスリーよりもよく効き、副作用も少ないとされる。使う予定はないが一応メモっておく。

矯正医院の対応について

1月に矯正医院の定期検診に行ってきた。保定については特に問題なかったが、気になったのは歯科助手(もしくは衛生士)2人が意味もなく同席していたこと。系列医院にメールで不定愁訴対策を問い合わせた直後から、この多人数態勢(当初は3人が同席)が続いているが、これはいったい何の意味があるのだろうか。定期検診では歯の動きやマウスピースのフィットを担当医が確認するだけなので、歯科助手がすることはなにもない。担当医からは体調について聞かれることはなく、こちらから話しても早々に切り上げられるので、症例観察が目的でもなさそう。もしかすると患者に無言の圧をかけたり、怒りを牽制したりする意図があるのかもしれない。担当医からは「責任を取るつもりはない」という意思がそれとなく伝わってくるので、その可能性も少なからずありそう。こちらとしては体調不良の解消につながらない責任問題(金銭問題)などにはあまり興味がないのだが、自分が行った治療で問題が生じ、その対策を考えない姿勢はいかがなものかと思う。「次の犠牲者」のことなど考えないのだろうか。

ヘモグロビンA1cが上昇傾向

12月に血液検査を受けたが、長期の血糖値の状態を測るヘモグロビンA1cの値が57と、糖尿病を疑う水準(境界域)まで上昇していることがわかった。歯列矯正を始めたのは2017年2月になるが、2017年7月のヘモグロビンA1cの値は51、同年12月が52、2018年12月が55、2019年12月が57と長期的に上昇傾向にある。この間に体重の変化はなく、生活習慣は血糖値上昇を抑制する方向にシフトしているので、歯列矯正による身体的ストレスが数値上昇の要因になった可能性が高い。ただ、血糖値を下げる作用のある一部の果物や野菜、納豆などでアレルギーが出やすくなり、それらの食品を控えるようにしたことも影響しているのかもしれない。歯の移動は終了したので今後数値は下がっていくと思うが、食生活変化の影響がまだどの程度あるのかわからないので、もうしばらく観察を続けていく。

体調チェック  矯正前の65~70%  2020/3

以前と比べて体調はだいぶ楽にはなってきたが回復ペースは非常に穏やか。一進一退を繰り返しながら徐々によくなっている感じ。あとは待つしかないのかなと思う。

「口元を温める」のところに書いた、「あずきのチカラ・首肩用」と「あずきのチカラ・おなか用」は1月で使用終了。しんどいときはたまに「めぐりズム・首用」を使うが、それもじきに卒業できそう。ただ「あずきのチカラ 目もと用」だけはまだまだ手放せそうにない。

今ある主な症状は、症状の強い順に、不眠(動悸、多夢、中途覚醒)、微頭痛、やる気が起こらない、興味が湧かない、うつ、不能、思考力・記憶力・集中力の低下、多尿、疲れやすさ、吃音、口の渇き、肌荒れ、アレルギー、めまい、不安感、視力低下あたり。先月と比べて、疲れやすさがだいぶ軽減。

口コミの影響力

担当医は当初、非常にプライドの高そうな雰囲気だったが、今ではとても腰の低い人に変わった。これはネット上の口コミが影響しているのかもしれない。ネット社会ではあらゆる製品・サービスが消費者の評価にさらされるが、口コミは実際に消費(利用)した人が感想を書いているので、これから消費しようとする人に対して強い影響力がある。通っている医院でもキツめの口コミを書かれているが、それで担当医は態度を改めたのかもしれない。

*通っている矯正医院の歯科医師たちはホームページ上の経歴をグレードダウンさせている(「国立大卒」→「私大卒」など)。それでキャラ設定を変えた可能性もある。

追記
歯科医院の口コミを見たら、低評価のレビューがすべて消されている。そしてサクラレビューが満開(笑)。ネット工作が本当に好きな歯科医師だなと思う。

矯正不調に詳しくても治療中の不調は治せない?

セカンドオピニオンで行こうと考えていた矯正医院の口コミを見ていたら、「全ての治療が一旦終わるまで5年かかりました。前歯はきれいになりましたが、子どもは矯正中は少食になり、色々弊害が有りました。」とあった。いくら矯正不調に詳しくても治療中の不調はどうにもできないのかもしれない。

マウスピースの洗浄はキッチンハイターがベスト?

保定期間に入り、同じマウスピースを長期間使い続けていたらマウスピースがかなり汚くなってしまった。「リテーナーブライト」やライオンの超音波洗浄機を使ってもあまり効果を感じられなくなってきたので、試しにキッチンハイターを使ってみた。するとかなりきれいになった。キッチンハイターを使った直後にマウスピースをはめると塩素くさくてとても使えたものではないが、水に浸して少し間を置けば塩素くささは消える。

体調チェック  矯正前の65~70%  2020/4

保定期間に入り半年たつが、微頭痛が出て不眠気味なのは相変わらず。すっきりしない日々が続いている。ただ夜中にトイレに起きることはなくなってきたので、風呂上がりの炭酸水を250ml(ウィルキンソン缶)から500ml(サントリーペット)に変えた。炭酸水にはリラックス効果があるので、眠りの質が少し改善したように感じる。

コーヒーはカフェイン除去率90%超のデカフェに挑戦。しかし、まだ早かったようで、眠りが浅くなり、ニキビができてしまった。もうしばらくは除去率97%超のデカフェを飲むしかなさそう。

今ある主な症状は、症状の強い順に、不眠(動悸、多夢、中途覚醒)、微頭痛、やる気が起こらない、興味が湧かない、うつ、不能、思考力・記憶力・集中力の低下、吃音、疲れやすさ、多尿、口の渇き、肌荒れ、アレルギー、食欲不振、めまい、不安感あたり。先月と比べ、疲れやすさ、多尿、不安感の症状がだいぶ改善した。

体調チェック  矯正前の65~75%  2020/5

体調にはまだムラがあるが、症状は全般的に軽くなりつつある。先月に入り、吃音(話しにくさ)の症状が急速に改善している。話しているときの頭(前頭葉のあたり)の疲労感もなくなってきた。

保定期間が半年を過ぎ歯が安定してきたので、銀歯からセラミックへの交換ができるようになった。金属アレルギーの疑いがあったので、さっそく「セレック治療」をしている歯科医院へ行ってきた。しかし、行った歯科医院2件で思わぬアクシデントが発生し、現在3件目で治療をしている。このあたりのことや金属アレルギーのことについてはこちらに書いておいた。

体温が低下している

新型コロナウイルスが流行し始めたので、数十年ぶりに検温するようになったが、平熱が以前の36.7~36.8度から、36.3~36.4度に下がっていることがわかった。これは加齢や室内生活の影響が大きいとは思うが、歯列矯正も影響している可能性がある。ある資料によると、体温が低下すると自律神経が乱れたり、アレルギーが出たりするようなので、現状から判断すると、歯列矯正の影響も少しはありそう。本当のところは確かめようがないが、とりあえずは体温(平熱)を上げる作用のある運動を極力やっていこうと思う。

体調チェック  矯正前の65~75%  2020/6

今月は「セレック治療」をしたせいか体調が若干ダウンしたときもあったが、全体的に見ればそこそこ快調。セレック治療が終わり歯の治療はこれで全て終わったので、あとは回復の一途になってくれればと願う。

噛み合わせをチェックすると腰や首が痛くなる?

歯の移動が終わり両奥歯は噛み合うようになったが、左右奥歯の高さが少しズレてしまった。それでそのズレを日に数回確認するようになったのだが、それをすると決まって腰や首が痛くなる。ズレを気にしないでいると痛みは引いていくので、噛み合わせのチェックが痛みの原因になっている可能性がある。噛み合わせのチェックをするとアゴずれが起こりやすくなるのかもしれない。

・・現在は左右の高さ調整が完了しており、噛み合わせのチェックもしなくなったので、痛みは引いている。

最上もがさんのうつ病と歯列矯正には関連あり?

ヤフーニュースを見ていたら「最上もが、うつ病を告白」とあった。うつ症状は6年ほど前からとのことだが、最上さんはちょうどその頃から矯正治療をやっているようなので(参照)、歯列矯正がうつの原因になっている可能性もありそう。もしそうだとすると、「全身の健康を考えて」やっている治療で不調になってしまうというなんとも皮肉な現実。

体調チェック  矯正前の65~75%  2020/7

先月から特に変化なし。アップダウンを繰り返しながらの横ばい状態。一応は安定期に入ったので次回の更新は10月。

■6月に気づいたこと
・矯正ストレスはまだまだ健在
白米など糖質を多めにとると、いまだに高血糖になり肌がゴワゴワしてくる。眠りの質も落ちる気がする。とりあえずもうしばらくは糖質控え目な生活をしていこうと思う。

・スマホ読書はうつの要因?
最近スマホで本を読むようになったが、そうするようになってから、うつっぽくなることが増えた。6/29日経に「同じ情報を、スマートフォン、タブレット、パソコンでそれぞれ読んでもらって、その後の気分の変化を見た研究ではパソコンで読んだ人よりもタブレットで読んだ人の方が、それ以上にスマートフォンで読んだ人の方が、気分の落ち込みが大きかったことがわかった。パソコンの大画面だと背中を伸ばして読むが、スマートフォンだとのぞき込むような姿勢になる。その姿勢が気分にマイナスに影響するのだという」とある。今後スマホで読書をするときは、なるべく背筋を伸ばして読もうと思う。

歯磨きで交感神経優位に

7月22日の東スポに工藤孝文医師が「寝る前に歯磨きをすると交感神経が優位となり、なかなか寝付けなくなってしまう」と書いていた。歯列矯正で自律神経が乱れるのは、やはり歯の神経に原因がありそうだとわかった。

追記
『ぐっすり眠る習慣』(白濱龍太郎)には「就寝前の歯磨きはぐっすり眠るのを妨げる危険性をはらんでいる」「歯茎が刺激されると、メラトニンの分泌量が減るといわれている」とある。 

前頭葉の酷使でうつに

8月26日の東スポに工藤孝文医師が「知覚、思考、記憶など人間の高次機能をつかさどっているのは脳の前頭葉という部分。この前頭葉が酷使され続けると慢性疲労の状態となり、悪化するとうつ症状など様々なリスクを生むことがわかっています」と書いていた。歯列矯正を始めてから前頭葉あたりに慢性的な疲労感(微頭痛)があるが、このせいで認知力・思考力・記憶力が落ち、うつが起きているのではないかと思った。

体調チェック  矯正前の65~75%  2020/10

保定期間に入り1年が過ぎたが、体調に大きな変化はなし。足元では食生活の問題が解消して少しはマシになってはいるが、マウスピースをつけたときの圧がまだけっこうあるので、回復にはもうしばらくかかりそう。

今ある主な症状は7月から特に変化なし。ただ8月の終わり頃から足の指に麻痺のような症状が発生している。

■気づいたことなど
・同じ食品は食べ続けないほうがいい
1年前くらい前に納豆などで遅延型のアレルギーが出るようになり、以来、食べるのを控えていたが、代わりに食べていた鮭でもアレルギーが出ることがわかった。9月頃まで調子がいまいちすぐれなかったのは朝の鮭が原因だったのかもしれない。
*後に鮭ではなく、味噌汁が原因と判明。

以前、日経新聞でガン専門医の中川恵一氏が「食品には様々なリスクがあるので、同じ食品を食べ続けないことが原則」と語っていたが、今回のはまさにそのリスクが表面化したパターンになりそう。

・目元の温めは重要
8月にめぐりズム(もしくはあずきのチカラ)の使用を2週間くらい止めてみたら、肩こりや肌荒れ、うつなどの症状が悪化してしまった。使用を再開したら症状が和らいできたので、寝る前の目元の温めは予想以上に重要だとわかった。

手足の麻痺やしびれ

8月の終わり頃から左足の親指に麻痺のような症状が出始めた。その後、徐々に症状が広がり右足指や両手指の先にも麻痺やしびれのような感覚が出るようになってしまった。

症状は糖尿病の合併症で起こる神経障害のようなものだったので、まずはそれを疑ってみた。疼痛.jpによると、糖尿病由来の神経障害が起こる仕組みとして、「高血糖が続くとソルビトールが神経細胞に蓄積して神経障害が起こる」「毛細血管の血流が悪くなり、神経細胞に必用な酸素や栄養が不足して起こる」などが挙げられている。私の場合は歯列矯正を始めてから(血糖値の状態を測る)ヘモグロビンA1cの値が5.1から5.7に上昇しており、また自律神経の不調により血行不良(動悸)の症状が出ているので、この神経障害の可能性が高そう。

10月初旬に近所の内科・整形外科クリニックに行ってきた。そこではまず糖尿病由来の神経障害とギラン・バレー症候群を疑われた。しかし、血液検査の結果を見てからでないと診断できないとのことで、その日は血液検査をして、ビタミンB12(神経機能の維持・改善を促すビタミン剤)を処方されただけで帰された。

その後、血液検査の結果が判明したが、全ての項目が正常値で(ヘモグロビンA1cは5.1に低下)、糖尿病由来の神経障害ではないことがわかった。また現在の症状からギラン・バレー症候群でもなさそうだという。他には多発神経障害の可能性もあるが、それはもう少し様子をみてからでないとわからないという。結局、この日も特に進展のないまま帰された。
*現在の症状から素人判断すると多発神経障害の可能性が高そう。

医師には自律神経の影響についても聞いてみたが、自律神経はいろんな病気に関与しており、因果関係を証明するのが難しいので、診断は基本的に自律神経を除外して行わなければならないという。そのためか医師は自律神経の働きにあまり通じていないようで、私が「血行不良(動悸)で神経障害が起こることはないか」と聞くと、「ん~、・・ない」と言われてしまった。

私は歯列矯正(マウスピース)による血行不良が麻痺やしびれの原因である可能性が高いと考えていたので、それに対してなにかできることはないかと考えてみた。タキザワ歯科クリニックのHPには「マウスピース矯正が適さない方:不定愁訴がある場合」とあり、ベネッセの掲示板にはマウスピースを着用すると圧迫感などで「眠れなくなる」などのコメントが多数あったので、ワイヤータイプのリテーナーに変えてみてはどうかと考えた。

そこで、通っている矯正医院にワイヤータイプのリテーナーを作れないかと聞いてみた。すると受付の人から「ここではしばらく作ってないのでお勧めしない」と言われたので、仕方なしに、とりあえずインビザライン製のマウスピース・リテーナーを作ってもらうことにした。
*これまでは国内の業者が作ったマウスピース・リテーナーを使っていた。

インビザラインのリテーナーができるまで1週間ほどあったが、その間に症状がかなり悪化してしまった。そこでマウスピースを着ける時間を1日16時間から8時間に減らしてみた。すると麻痺やしびれの悪化が止まり、体調が少し楽になった。このとき矯正開始以来、はじめて就寝時にマウスピースを外してみたが、眠りの質がかなり改善することもわかった。活動量計Fitbitの睡眠スコアは平均値が10くらい上昇して86(平均値)になった。

結果的に麻痺やしびれの原因はマウスピースの可能性が高いとわかった。

その後、インビザラインのマウスピースを装着してみたが、それは体に合わなかったので、すぐに元のマウスピースに戻してしまった。

その後も麻痺やしびれが出て、体調は徐々に悪化していき、2週間後には再び厳しい状態に陥ってしまった。そこで再度、矯正医院に行き、ワイヤータイプのリテーナーを作ってもらうことにした。

リテーナー完成まで2週間ちょっとかかるとのことで、それまで体が持つか心配だったが、案の定、1週間足らずで限界が来てしまった。しびれが左側頭部全体にも出始めて、みぞおちが痛くなって吐き気を催すようになったので、マウスピースを完全に外すことにした。

マウスピースを外して1~2日で頭皮のしびれやみぞおちの痛みはほぼ消えた。その後、ワイヤーリテーナーを装着したが、時すでに遅しで、1日着けて頭皮のしびれが再発したので、外してしまった。ワイヤータイプは圧迫感が弱かったので、もう少し早めに着けていれば状況が変わっていたかもしれない。

ということで、矯正治療は11月8日で中止した。3年9ヶ月の長い「闘病生活」だった。歯列の保定を所定の期間できなかったので、今後、歯列が元の状態に戻る可能性は高い。しかし、こればかりはもうどうしようもないのかなと思う。

当初は歯の移動が終われば不快な症状は消えていくものと思っていたが、保定期間でも症状が出る(悪化する)ことがあるとわかった。

現在、治療中止後3週間ほどたつが、手足の麻痺・しびれはまだ残っている。頭のしびれもわずかだがまだ出ることがある。もう少し様子を見て症状が悪化するようなら専門的なところに行って診てもらおうと思う。

追記
1月に矯正医院に治療中止の連絡を入れた後も、予想通り、歯科医師からの折り返しの連絡はなかった。

インビザラインが合わない人もいるが・・

今回の神経障害でインビザライン製のマウスピースが自分の体に合わないことがはっきりわかった。
*マウスピースは歯にはぴったり合っていた。

今回はインビザライン製のリテーナーを着けて2日目あたりから、多尿、動悸、不安感、吃音、口の渇きなどの症状が著しく悪化し、治療初期のような状態に戻ってしまった。それに加えて、左脇腹が痛くなり、上体をひねることも深呼吸をすることもできなくなってしまった。

リテーナー(3セット)は4万円もしたので、2週間は試そうと思っていたが、結局は5日間しか装着できなかった。

マウスピースを着けて左脇腹が痛くなった仕組みはよくわからないが、他の人が書いたインビザラインブログ(現在は閉鎖)には「左腕を上げられない」といった記載もあったので、人によってはこういう症状も出るのかもしれない。

ここでの問題はこのような副反応情報が歯科医師や患者の間で共有されていないことになる。インビザラインは国の機関(PMDA)から医療機器の認証を受けていないので、副反応が生じても医院側が国に報告する義務はない。そのため情報が共有されず、「犠牲者」が生まれやすい土壌ができているのではないかと思う。

インビザラインは米国では国の医療機関(FDA)から医療機器の認証を受けているが、インビザラインを製造するアラインテクノロジー社はかつて副反応情報をFDAに報告しなかったという「前科」があるので(参照)、日本では副反応情報を表に出したくないがために意図的に承認申請をしていない可能性もある。インビザラインの副反応には呼吸困難やアナフィラキシーなど重篤なものもあるようなので(参照)、今後、治療者が増えるに従い、”原因不明”の深刻なトラブルが多発する可能性がある。

・・矯正治療の不定愁訴リスクについて知らないふりをする矯正科医といい、情報を隠蔽しようとする(?)アラインテクノロジー社といい、この業界には倫理的な問題を抱えた人が多いのかもしれない。

*追記
アラインテクノロジー社が日本で医療機器の申請をしていないのは、日本は米国と違い、歯列矯正が保険適用されていないためかもしれない。ただそれでも副反応情報が共有されていないということに問題があることに変わりはない。

歯列矯正と不定愁訴の関連を証明する方法2

今回のマウスピース不調でわかったことがもう一つ。それはマウスピースの着脱前後で体調が大きく変わるということ。この現象には「再現性」があるので、矯正治療中の人でも、歯列矯正と不定愁訴(自律神経・ホルモンバランスの乱れ)の関連を証明できる可能性が出てきた。

*再現性について
生命現象の機序(仕組み)は十分に解明されていないので、病気の症状と原因の因果関係を証明できないものは多い。因果に代わり、関係の正当性を主張する根拠となるのが現象の再現性になる。

証明する方法は簡単で、マウスピース着脱前後に自律神経測定器(もしくは血液検査)で自律神経(もしくはホルモン値)を測定すればいい。これをすればあっさりと証明できるのではないかと思う。

私は今回、測定器を買って調べてみようと思ったが、測定器の価格が思いのほか高かったので、一瞬躊躇してしまった。そしてその後、矯正治療を中止してしまったので、もう測れそうにない。今後、誰かが証明してくれればと思う。

矯正と不調の関連が証明されれば、矯正する前に簡易検査で不定愁訴リスクがわかったり、自分に合った矯正装置(方法)がわかったりするようにもなりそう。そうなれば矯正治療のあり方が大きく変わるかもしれない。

ちなみに、今回計測に使おうと思った機器は疲労化学研究所のVM600(もしくはMF100)になる。この機器は大阪市立大医学部(疲労科学研究所)と村田製作所がタッグを組んで作ったものなので科学的な信頼性は高そう。この上位機種であるVM302は病院や大企業に採用されており、PMDAから医療機器の認証を受けている。VM600は医療機器の認証を受けていない。

治療中止  体調チェック  矯正前の75~85%  2021/1

保定装置を外したら、「足枷」ならぬ「歯枷」が外れた感じで、だいぶ楽になってきた。残る主な不調はしびれ、不眠、アレルギーくらい。

現在出ている症状を、症状の強い順に見ていく。

・手足の麻痺やしびれ
保定装置を外して悪化はひとまず止まったが、特に回復もしていない感じ。糖分を多めにとると症状が悪化するので糖尿病系の神経障害のように思う。もう少し様子を見てから病院に行こうと思う。

・不眠(微動悸、多夢、中途覚醒、多尿)
だいぶマシになってきた。まだちょこちょこ症状が出ることもあるが、生活にはほとんど支障のない程度。

・アレルギー
牛肉や鶏肉を多めに食べるとひざが痒くなり、野菜や果物を多めに食べるとひじが痒くなるが、これらは今のところあまり変化なし。とりあえずしばらく様子見。

・微頭痛
保定装置を外した後も微頭痛は頻繁に起きていたが、現在は徐々に減ってきている。

・不能
徐々に回復している感じ。性欲の回復に伴い、気持ちが前向きになり、やる気も出てきた。思考力、記憶力、集中力も回復しつつある。

・肌荒れ
背中や胸のザラザラはほぼ消えた。あと一息という感じ。

・吃音
これもあとひと頑張りという感じ。

・口の渇き
これもあと少し。口臭が気になるときは水で戻した昆布を口に含んで唾液を出すようにしている。これは『キレイな息の作り方』(本田俊一)にあった方法。

・うつ、不安感、疲れやすさ、肩こり、食欲不振、めまい
これらはほぼなくなった。視力は若干低下したが、これは加齢の影響もあるかもしれない。

*保定装置を外したあとは微頭痛だけでなく、首痛も発生したが、この首痛は噛み合わせのチェックが原因になっていた可能性がある。以前にも首痛が発生したことがあったが、その時は噛み合わせのチェックが首痛の原因になっていた(多分)。今回も噛み合わせのチェックを止めたら首の痛みは引いた。・・ただ首をひねるとポキポキと音が鳴るようになった。

体調は回復傾向にあるが、保定装置を所定の期間装着できなかったので、今後、歯列が変化していく可能性がある。現在、保定装置を外して50日くらいたつが、上の歯列(特に前歯)が少し動いているように感じる。糸ようじを通すときにスカスカ感が出てきた。歯列の変化も今後観察していく。

体調チェック  矯正前の75~85%  2021/4

1月は微頭痛や気持ち悪さ、めまいなどが少し出た。2月はそれらの症状が徐々に減っていったが、2月の半ば頃に寝具類のカバーを交換したら化学物質過敏症のような症状が出て、また調子を崩してしまった。3月の半ば頃にはその原因に気づいたので、その後は回復基調にある。

現在出ている症状を、症状の強い順にみていく。

・手足のしびれ・麻痺
1月から特に変化なし。悪化もしてないので病院へは行かず。もうしばらく様子見。

・性欲の低下
1月から少し改善した程度。基本的には性欲はほとんどわかなくなってしまった。

・不眠
中途覚醒や微動悸はあるが徐々にマシに。頭痛やトイレで起きることはなくなった。

・吃音
不眠が続き、頭(前頭葉あたり)が重くなると話しにくくなる。2月の初め頃には症状がほぼ消失していたが、その後不眠が続き、また悪化してしまった。ただ足元では回復傾向にある。

・微頭痛
たまに出る程度。不眠の翌日は出やすい。

・口の渇き
まだ乾きやすい。

・めまい
たまに出る程度。めまいが出ると気持ち悪さも出る。

・肌荒れ
背中や胸のザラザラはほぼなくなった。

・アレルギー
食事に気をつけているせいか、ほぼ出てない。

・歯列の変化
1月の時点では歯間が少し開いた感じがあったが、現在はそれほど変化を感じず。微妙に動いている感じもするが、著しい変化はなさそう。

■気づいたこと
・片頭痛が減った
20年くらい前に交通事故に遭い、左胸大動脈・人工血管置換手術をして以来、片頭痛が年に5~7回起きていたが、それが3年くらい前から年1回に減った。減った理由はかみ合わせがどうこうというよりも、不定愁訴対策で始めたあるエクササイズが影響しているのかもしれない。

10年くらい前に国際頭痛センター長(当時)の酒井文彦医師が「片頭痛を予防するには「頭痛体操」もいい。クビの後ろの筋肉をストレッチすると、脳の痛み調節系によい刺激が送られ、片頭痛が起こりにくくなる。体操はまず正面を向き、頸椎を軸に頭と首を支えている筋肉をストレッチする。頭は動かさずに両肩を左右に大きく回すのがポイントだ。毎日、朝夕一回ずつ、二分程度でOKだ」と言っていた。

不定愁訴対策エクササイズの中には、このような動きをする体操も含まれているので(以前紹介した「背中ゆるめストレッチ」)、それで片頭痛が起こりにくくなったのかもしれない。10年くらい前にも似たようなストレッチをやっていたが、そのときは今ほどきっちりやっていなかったせいか、効果を実感できなかった。

私の片頭痛は、前兆現象あり・吐き気あり・”特効薬(トリプタン製剤)”が効かないタイプなので、片頭痛が出にくくなったことで生活がかなり楽になった。矯正治療は終わったが、このエクササイズは今後も続けていこうと思う。

追記
片頭痛が起こりにくくなったのは食生活の影響もあるかもしれない。以前、超硬水の「コントレックス」を飲んでいたときに片頭痛が頻発したので食生活の影響もあることはわかっている。今回の不調対策では小麦(グルテン)や乳製品(カゼイン)を極力とらないようにしていたので、それで片頭痛が起こりにくくなったのかもしれない。

体調チェック  矯正前の75~85%  2021/7

矯正治療を中止して「闘病生活」が終わったと思っていたが、まだ終わっていなかったもよう(苦笑)。すっきりしない日は続いており、長期戦になりそうな気配が漂ってきた。今後は治すよりも付き合っていく方向にシフトした方がよいのかもしれない。

現在出ている症状を、症状の強い順にみていく。

・性欲の低下
6月の半ば頃まで性欲がほとんどわかず、それに伴いうつ、不眠、不安、やる気の低下などの症状が出ていた。しかし、6月の半ば頃からちょっとしたことをきっかけにいくらか症状が回復してきた(詳細は後述)。

・不眠
睡眠の質はそこそこなレベルで安定しているが、すっきりと起きられる日はまだ少ない。

・しびれ
手足(や頭皮)のしびれは健在だが、原因がなんとなくわかってきたので対処しやすくなってきた(詳細は後述)。

・口の渇き
口が渇きやすく口臭が出やすい。

・吃音
矯正前の80%くらいまでの水準に戻り日常生活で困ることはほぼなくなったが、まだ話しにくくなるときがある。それよりも話す気力があまりわかないことの方が問題。

・気持ち悪さ
6月の半ば頃までは食欲のない日が続いていたが、足元では改善しつつある。

・肌荒れ
だいぶ落ち着いてきたが歯列矯正前のさらっとした感じはまだない。糖質や油分多めの食事をとると肌がゴワゴワし、吹き出物が出やすくなる。

・アレルギー
5月はアレルギーが出やすかった。発端はおそらく「アットノン」という軟膏。傷跡を目立たなくする軟膏があると知り使ってみたが、これを使い始めたあたりからアレルギーが出やすくなった。この薬を止めたらアレルギーが出にくくなったので、この薬が原因になっていた可能性が高い。

この薬を使うと耳たぶの付け根に発疹ができたり、ダルくなったり、睡眠の質が低下したりと、2月の寝具カバー交換時に出たアレルギーと似たような症出が出た。歯列矯正で自律神経が乱れ、それで免疫系が乱れて化学物質に過敏に反応するようになってしまったのかもしれない。ちなみに、アットノンは22日間、朝晩と塗ったが、交通事故の傷跡(手術跡)はだいぶ目立たなくなった(かゆくなりにくくもなった)。

・歯の動き
歯は少し動いている感じだが、著しい動きはなさそう。ただ矯正前に痛みがあった奥歯(神経のない歯)がまた少し痛み始めた。これは噛み合わせが元に戻り、その歯に負担が集中し始めたためかもしれない。

■気づいたこと
・炭酸水とめぐりズムはやめられそうにない
5月にまた多尿の症状が出るようになってしまった。はじめはアットノンを疑ったが、それをやめても症状は続いたのでこれは関係なさそう。次に風呂上がりに飲んでいる炭酸水の影響を考えてみた。ネットには「炭酸水には利尿作用がある」という情報もあったが、炭酸水をやめても特に変化はなかったのでこれも関係なさそう。
*炭酸水をやめると睡眠の質は低下した。

次に夏野菜を疑ってみた。トウガンなどの夏野菜には利尿作用のあるものが多いので、それらが原因になっていた可能性もある。しかし夏野菜を食べない日でも症状が出たのでこれも違いそう。

結果的にめぐりズムの影響が大きかったのではないかと思う。めぐりズムを使わなくても眠れるようになってきたので、一時期使用をやめていた。しかしその頃から多尿の症状が出始めた。使用を再開すると多尿の症状が引き始めたので、これが原因の可能性が高そう。めぐりズムを使わないと、多尿だけでなく微頭痛や吃音も出やすくなったので、めぐりズムは当分やめられそうにない。

しびれ対策

しびれは去年の8月の終わり頃に出始め、以来アップダウンを繰り返しながらずっと出ている。矯正(マウスピース)が原因でしびれが出たと思っていたので、矯正をやめれば引いていくと思っていたがそうではなかったらしい。

しびれ対策をいろいろ試してみた。

・糖質はほどほどに
糖質を多めにとると症状が悪化するので、糖質は取り過ぎないようにした。これで悪化はしにくくなったが、特に回復するということもなかった。

・座りすぎない
座っていると症状が悪化するので、スタンディングデスクとスタンディングサポートを購入し、在宅中はなるべく座らないようにした。ただこれも効果は限定的で、立っていてもしびれが悪化することがある。

・足裏の刺激
MTGの足裏の電気刺激マシン「フットフィット」の広告を見て、足裏の刺激もしびれに効くのではないかと思った。ただ、以前MTGの姿勢矯正椅子を使って腰痛が発生したことがあったので、このメーカーには不信感があった。またフットフィットのアマゾンレビューには「動悸が激しくなり・・」とあったので、今回これは使わないことにした。

その代わりに、足つぼマットや青竹を使ってみた。しかし足つぼマットは使うと不眠気味になり、肌荒れの症状が出たので3日くらいで使うのをやめてしまった。しびれへの影響はほとんど感じられなかった。青竹踏みは使い始めると尿量が減り、食欲がわくようになった。しかしこれもしびれへの影響はほとんど感じられなかった。また尿や食欲への影響は最初だけだった。1日20分、1ヶ月くらい使ってみたが最後の方は頭皮のしびれが再発したように感じたので使うのをやめた。

・ガム
ガムはしびれを意識して噛み始めたわけではないが、ガムを噛みだしてからしびれが若干引いたように感じた。ガムを噛むと水をよく飲むようになり、ガムに入っているキシリトールの影響で便の通りがよくなる。体内の循環が活発になりそれで血行がよくなり、しびれが減ったのかもしれない。

追記
6/17の日経産業新聞で自律神経領域の権威・小林弘幸医師が「(間食では)ガムをかむのがオススメだ。現代人は早食いでおろそかにしているが、かむことで免疫機能が高まる。ガムは一定のリズムでかみやすく、自律神経も整えやすい。さらに消化酵素が出るため、消化にもプラスだ」と言っていた。ガムを噛んで自律神経が整い、それでしびれがやわらいだのかもしれない。

・首のケア
米医療ドラマ「グレイズ・アナトミー シーズン15」を見ていたら、医師が「右足がしびれているのは頸椎の腫瘍のせいだろう」「頸椎の軟骨肉腫をオペしたら手足に麻痺が残るかも」というシーンがあった。私のしびれは自律神経の不調による血行不良が原因だと考えているが、もしかすると歯列矯正の影響で頸椎がずれて、それで神経に問題が生じているのかもしれない。歯列矯正をしてから首に痛みが出やすくなり、首を動かすと首の左側がポキポキ鳴るようになったので、頸椎がずれた可能性がある。

となると、噛み合わせを再調整して頸椎のずれを修正する必要がありそうだが、矯正器具をはめるとしびれが出るので、これはもうできそうにない。また、頸椎を調整する歯列矯正の方法も確立しているとは言いがたいので、その意味でもこの治療は難しそう。

現時点では体が今の状態に順応するのを待つしかなさそう。先述したように、歯が少しずつ元の状態に戻っていっているようなので、それで首のずれも元に戻る可能性もある。少し期待したい。

首に関してなにかできることはないかと思い、久々に脊椎や頸椎に詳しい整体院に行ってきた。施術を受けると一時的に気分が晴れやかになり、よく眠れるようになった。しかし、しびれへの影響はほとんど感じられなかった。

「あずきのチカラ首肩用」も久々に使ってみた。これは入眠を促す作用はあったが、しびれに対してはほとんど効果を感じられなかった。

・磁気グッズ
構成作家の倉本美津留氏が著書『笑い論』に、「・・父のずっと鬱だった半生が、躁に切り替わったということなのでしょう。母になにがあったかのかとたずねると「ピップエレキバンのせいなのよ」と予想外の答えが返ってきました。「父ちゃんね、頭痛をやわらげるために前々からようピップエレキバンを貼っとったんじゃけど、あるとき首の後ろの方に三角形状に3つ貼ってみたら、頭の霧がすっきり全部晴れたらしいんよ。それから人が変わったようになってねえ。今、その3つの場所をわすれんようにってマジックで印付けとるんよ」と書いていた。磁気には血行を改善する作用もあるようなので磁気グッズをいろいろと試してみた。

ピップエレキバンを試してみるべきだと思ったが貼るポイントがよくわからず、おっさんくさい印象があったので、まずは磁気枕(楽天のあごまくら店で購入)を試してみた。しかし、この枕は硬く、第一印象はいまいちで、朝起きると床に落ちていたので1日で使うのをやめてしまった。

次にピップ社の磁気ネックレス「マグネループEX 高磁力 ブラック 50cm」を試してみた。これをつけると頭が多少すっきりして、しびれも少しやわらいだような気もしたが、2,3日つけていると、精神的圧迫感のようなものが出てきて、気持ち悪さも出だしたので使うのをやめた。

磁気グッズを使うのはここであきらめようと思ったが、最後に一応ピップエレキバンも試してみた。貼る場所がよくわからなかったが、とりあえず指で押して痛い箇所に130ミリテスラのエレキバンを5枚ほど貼ってみた。これを貼るとしびれが少しやわらいだような気もしたが、ここでもまた気持ち悪さが出てしまった。

そこで一番凝っているところ(左肩)に2枚だけ貼ることにした。するとしびれが少し軽くなったような感じがし、気持ち悪くもならなかった。それだけでなく、眠りの質が向上し、性欲も少し回復したように感じた。当初あった痛み(コリ)はほぼ消えた。

ただその後、200ミリテスラのエレキバン「ピップエレキバン for mama」を試してみたが、これは逆効果で逆にコリが悪化してしまった。これと関連があるかはわからないが、同じような痛みが腰にも出た。

なんにせよ、ピップエレキバンがしびれに少し効いたような気がするので、しびれの原因は首あたりにあるのかもしれない。

追記
小林医師の情報からガムがしびれに効きそうだと思ったので、以後ガムをたくさん食べるようになった。しかし、その後しびれが著しく悪化してしまった(笑)。ガムにはしびれを軽減させる作用もあるとは思うのだが、それ以上に負の側面が大きかったらしい。

ただこれで歯の神経がしびれの主因になっていそうなことがわかった。もともとしびれはマウスピースを発端として生じていたので、やはり歯の神経の影響が大きかったのかもしれない。食後にしびれが出やすいのも、糖質というよりも歯の神経が影響していたのかもしれない。

ガムでしびれが悪化していたときに(当時は原因不明)、ビビって専門医のところに行ってきた。しかし「異常なし」との診断だった。頭皮の不特定な場所にしびれが出るのは首が原因ではないだろうとも言われた。希少疾患のCIDPの可能性についても聞いてみたが、神経の反応に異常はないので違うだろうとのことだった。

現在もしびれは出ているが、原因がなんとなくわかり始めたので、気分的には落ち着きつつある。

体調チェック  矯正前の75~85%  2021/10

すっきりしない日はまだ多いが、穏やかな回復基調にはある。現在出ている症状を、症状の強い順にみていく。

・性欲の低下
多少マシにはなっているが、基本的にはほとんどわかない。性欲がないせいか、ややうつ、やや倦怠感あり。

・不眠
だいぶ眠れるようになってはきたが、微動悸が出るせいか深睡眠がほとんどない。活動量計Fitbitのベンチマーク(同世代の平均値)では深睡眠の割合が12~18%となっているが、私は7~8%(30日平均)くらいしかない。深睡眠が少ないせいか、午前中に微頭痛が出ることが多い。

SK-Ⅱや歯磨き粉(ルシェロ)をやめたあたりから、睡眠の質が少し上がったような気がする。これも化学物質過敏の影響があったのかもしれない。

・しびれ
左足以外はあまり出なくなってきたが、左足はやや悪化している。

・アレルギー
やや悪化している。食べられるものが徐々に減ってきているので、今回はアレルギーについて調べてみた。

・口の渇き
少しマシになっている。

・吃音
体調の回復と連動して回復している感じ。不眠気味で微頭痛のある日は話しにくくなる。それとサバの缶詰を食べるとその後2,3日はほぼ確実に話しにくくなることがわかった。これを食べると微頭痛や不眠の症状も出やすい。理由はよくわからないが、自律神経や吃音に影響しているもよう。

・歯の動き
著しい動きはない。そこそこ安定しているようにみえる。

■気づいたことなど
・めぐりズムはいったん中止
寝るときにめぐりズムを使っていたが、夏場にこれを使うと逆に目が覚めてしまうことがあるとわかった。ただ目元を温めないと調子が悪くなりそうなので、「あずきのチカラ」を5分くらい乗せるようにしている。現在は涼しくなってきたのでめぐりズムの使用を再開している。なお、「あずきのチカラ首肩用」は効果を感じられなくなったので使うのをやめた。

・片頭痛が頻発
4月に「歯列矯正を始めてから片頭痛が減った」と書いたが、4月以降に片頭痛が3回も起きた。原因はおそらくピップエレキバンなどの磁気製品になる。首回りの血行が片頭痛と関係していたのかもしれない。

・ジェル枕に挑戦
これまで枕を10個くらい試してきたが、そのどれも合わなかった。「これで最後」と決めて、高級枕「テクノジェル アナトミックピロー(11cm)」を試してみた。使用感はフィット感があり、ひんやりしてよかったのだが、1ヶ月使っていると、首にしびれが出るようになったので使うのをやめた。

抜歯矯正をしている大橋選手が五輪で金メダル

五輪競泳で大橋悠依選手が抜歯矯正をしている最中にもかかわらず、金メダルを2つもとった。このように抜歯矯正でなんの影響も受けない人は多そう。

ただ、ネット情報によると、大橋選手は前歯をすべて差し歯にしているらしく、歯があまり強くなさそうな印象を受ける。歯が弱い?(歯が動きやすい?)と矯正のストレスを受けにくくなるのかもしれない。

肩こり対策

ピップエレキバンがさっそく効かなくなってきたので(貼ったところが痛くなってきたので)、肩こり対策について調べてみた。今回参考にしたのは、著名なカイロプラクターの祖父、父を持つ竹谷内康修・整形外科医の著作『頸椎症の名医が教える 竹谷内式 首トレ 5分の体操で首の痛み・肩こり・腕のしびれが消える』。

■肩こりとは
肩こりとは首や肩の筋肉が過剰に収縮して起きるコリや痛み。首や肩の筋肉は一体となって重い頭を支えており、悪い姿勢や同じ姿勢を続けていると筋肉の収縮が過剰になり、コリや痛み(炎症)が発生する。これが慢性化すると首の骨や軟骨が変形し、中枢神経に影響が出て、腕のしびれや手足の麻痺、内臓の機能低下などの症状が出る。肩こりから始まり、こうして現れる一連の症状を頚椎症と呼ぶ。

■肩こり対策
肩こり対策は、姿勢を正すことと筋肉をほぐすことの2つ。

頭の重さは約5キロあり、それを首で支えている。頭が首の真上にあるときは首の負担は5キロになるが、首が前に30度傾くとそれが18キロに、60度傾くと27キロに増す。

頭が首の真上にくるような姿勢にするのが重要。座るときは骨盤を起こして座るようにする。そのように座ると背骨がS字になり頭が首の真上にくるようになる。地べたに座ると骨盤が倒れやすくなるので(猫背になりやすくなるので)、なるべく椅子に座った方がよい。

椅子に座っていても、パソコンやスマホなどをのぞき込む姿勢では頭が前に出てしまうので、スマホを見る場合はなるべく持ち上げて、パソコンを見るときはモニターを目の高さより少し下の位置にセットして見るようにする。

立っているときは背骨が自然とS字になりやすいので頭が首の真上にきやすくなる。しかし、立っているときでも頭が前に出てしまうこともあるので、背筋を伸ばすように心がけたほうがいい。背骨の、乳首くらいの高さのところを後ろから指で押されるイメージを持つと、ベストな姿勢にできる。歩くときもこれを意識するといい。

ただ、いくらよい姿勢をしていても同じ姿勢を長時間続けているとコリが発生しやすくなる。休憩をこまめにとり、その都度コリをほぐすようにしたほうがよい。首を上下、左右、斜め、に傾けて首まわりの筋肉を伸ばしたり、両手を後ろで組んで胸の筋肉や胸椎を伸ばしたりするとよい。あごを後ろに引く動作(二重アゴを作るような動作)はストレートネック改善に効果がある。

コリの解消にはマッサージ、低周波治療、温熱療法、薬物療法などもあるが、これらだけで肩こりを根本的に治すことはできない。

■実際に試してみて
姿勢を改善したら肩こりが少しマシになった。ただそれだけではコリが残るのでストレッチや腕回しなどもしている。本に書いてある通りに首のストレッチをきっちりとやると、首が痛くなって不眠気味になるので、それは気持ち程度にやっている。

SK-Ⅱでアレルギー?

矯正治療を始めてから遅延型のアレルギーがよく出るようになってしまった。矯正中止後もそれは続いており、最近では味噌汁や漬物など植物性乳酸菌が含まれた食品でもアレルギーが出るようになってしまった。このままではまずいと思ったので原因を探ってみた。

現時点で考えられる要因は3つ。1つ目はインビザラインの素材・ポリウレタンになる。FDA(米食品医薬品局)にはインビザラインでアナフィラキシーが起こるとの報告も寄せられているので、インビザラインのマウスピースでアレルギーが起きた可能性がある。

現在はマウスピースを付けていないのでこのアレルギーは除外できるようにも思うが、ポリウレタンと交差反応を起こす食品がある可能性がある。ゴムアレルギー(ラテックスアレルギー)ではバナナやアボカドなどと交差反応を起こすようなので、ポリウレタンでもそのような反応を起こす食品があるかもしれない。しかし、現時点ではネット上にポリウレタンとの交差反応を起こす物質の情報は見当たらないので、この可能性はいったん保留する。

2つ目は自律神経の乱れになる。矯正治療を始めてから自律神経が乱れているが、自律神経が乱れると(副交感神経が優位になりすぎると)と、免疫をつかさどる白血球の1つ、リンパ球が増えすぎてアレルギーが出やすくなる。またアレルギーに関係するヒスタミンなどの物質も体内に増える。さらには次項で紹介する「リーキーガット」が起こる可能性も高まる。ただ、足元では自律神経の調子は落ち着きつつあるので、悪化傾向にあるアレルギーを説明しきれないところがある。

3つ目はSK-Ⅱのスキンケア製品になる。この製品は矯正治療の影響で肌荒れがひどくなったころから使っているが、この製品を使い始めて1年くらいしてから納豆でアレルギーが出るようになった。タイミング的にこの製品が原因になっていた可能性はある。製品の成分を見ると、加水分解酵素エキスとピテラ(ガラクトミセス培養液)があやしい。

加水分解酵素エキスとは、なんらかの酵素を加水分解して濃縮したものになる。酵素とは基本的にタンパク質で構成されており、これを加水分解するとペプチドやアミノ酸などに分解される。しかし、まれにタンパク質をうまく分解しきれないことがあり、それがアレルギーの原因になることもある。10年くらい前に「茶のしずく」という洗顔石けんで深刻なアレルギー問題が発生しているが、このときは加水分解小麦という成分が原因になっていた。

ただ、そこで問題になった加水分解小麦は1社のメーカーが作ったもののみであり、それ以外のメーカーが作ったものではアレルギーは起きていない。またこの問題が発生したことにより、化学メーカーは「加水分解リスク」を認識するようになったので、現在流通している加水分解系の素材に問題がある確率は低い。加水分解酵素エキスは原因から除外してもいいのかもしれない。

もう一つの成分ピテラとはガラクトミセスという酵母(細菌の一種)を牛乳由来成分や発酵を促進させる栄養分と配合した培養液の中で増殖させたもの(ガラクトミセス培養液)になる。
*ピテラは「杜氏(日本酒造りの職人)の手はなぜ老化しないのか」というところに着想を得て作られたもので、SK-Ⅱの製品は酵母の力を利用して肌を整えるというコンセプトがある。

現代ビジネスの記事によると、酵母でアレルギーが出ることもあるという。SK-Ⅱのカスタマーサポートは「乳製品でアレルギーがある人は使用を控えた方がいい」といっているようだが(参照)、ピテラで酵母アレルギーが出ることもあるのかもしれない。酵母アレルギーが出るようになると、同じ系統のもので交差反応が起こりやすくなるので、それで納豆や味噌汁、漬物などでアレルギーが出るようになった可能性もありそう。

■まとめ
今回の乳酸菌アレルギーは自律神経の不調とSK-Ⅱが合わさって起きたものかもしれない。とりあえずSK-Ⅱの製品(洗顔料と化粧水)は使うのをやめた。現在、使用をやめてから2ヶ月くらいたつが、原因物質を避けているので、劇的な変化はまだ感じられない。今後、少しずつ味噌汁や漬物の食べる量を増やしていき、様子を見ていこうと思う。「茶のしずく」問題では使用中止後しばらくしてから小麦アレルギーが消失したようなので、今回のケースでもそのようになってくれればと願う。

ちなみにSK-Ⅱを使用していて使用部位が荒れたり赤くなったりしたことはない。SK-Ⅱをやめてから肌が少し荒れたので、肌には合っていたように思う。

リーキーガット(腸漏れ)

歯列矯正を始めてから小麦や乳製品を食べると倦怠感が出るようになってしまった。これは「リーキーガット」が原因になっているようなので調べてみた。

参考にした本は腸内細菌のエキスパート、故・藤田紘一郎氏の著作『隠れ病は「腸もれ」を疑え!』と、”カリスマ”消化器専門医、江田証氏の著作『新しい腸の教科書 健康なカラダは、すべて腸から始まる』になる。

■リーキーガットとは
リーキーガット(Leaky Gut)とは腸漏れという意味で、腸に小さな穴が開いてそこから腸の中の物質が漏れ出る状態のことをいう。

腸の状態が悪いと腸の細胞間にわずかな隙間ができ、そこから未消化の栄養素や乳酸菌、病原体、腐敗ガスなどが漏れ出す。漏れ出したものは腸壁の周りの毛細血管から血液中へと流れ出す。これらの異物が体内を巡ると免疫システムが作動し、体のあちこちで炎症が起こる。

2014年には順天堂大とヤクルト研究所の研究グループが「健康な人の25人に1人、糖尿病患者の25人に7人の割合で血液中から生きた乳酸菌が見つかった」との研究報告を出している。乳酸菌は腸にいるときは人体に必要なことをするが、それが血管内に入り込むと体のいたるところで炎症を起こすようになる。

これらの炎症がアレルギーやガン、脳梗塞、うつ病、認知症などの発症につながる。ただ、腸から異物が少しずつ漏れ出している場合は目立った自覚症状が現れないことが多く、そのため腸漏れに気づく人は少ない。欧米ではすでに腸漏れが「万病の元」になるリスクが認識されているが、日本で腸漏れについて知る人はほとんどいない。

腸漏れは血液検査でCRPを調べればわかることもある。CRPとはCリアクティブ・プロテインの略で、炎症や組織細胞の破壊が生じると血液中に増える物質。体内での炎症度合いを示す指標になる。

■リーキーガットが起こる原因
腸漏れは一種の文明病になる。文明の利便性を享受している人ほど腸漏れを起こしやすい。精製された穀物を食べたり、保存料たっぷりの加工食品をとったりしていると腸漏れを起こしやすくなる。腸内細菌(善玉菌)は腸の粘膜細胞の生成に働いており、これらの食品をとっていると腸内細菌の活動が鈍り、腸粘膜細胞の連携が弱まって細胞間に隙間ができやすくなる。

また腸内細菌(善玉菌)の活動が鈍ると悪玉菌優勢の腸内環境になる。そうなると腸の保護粘膜が傷つけられ細胞間に隙間ができやすくなる。加えて、悪玉菌優勢だと腸粘膜細胞の接合を緩めるタンパク質・ゾヌリンの分泌が増え、それもまた細胞間の隙間をできやすくする。

腸内細菌(善玉菌)の活動を鈍らす要因を1つずつみていく。

・食物繊維の少ない食事、糖質過多の食事
腸内細菌の最高の餌は食物繊維になるが、今は穀物を精製して食物繊維をカットした白米や小麦を食べている。食物繊維が少ない食事では腸内細菌が活発に働くことができない。

また糖質を取り過ぎると体内で活性酸素が大量に発生し、それも腸漏れを起こす要因になる。活性酸素とは強力な酸化力を有する物質の総称で、物質は酸化すると著しく劣化する。鉄が酸化するとボロボロに錆びるように、体細胞が酸化すると組織はボロボロになり正常な働きができなくなる。腸の中で活性酸素が大量に発生すると腸粘膜細胞が酸化し、腸内細菌もダメージを受ける。

・保存料の過度な摂取
今は安くて、おいしくて、長持ちする加工食品全盛の時代にあるが、食品を長持ちさせているのは保存料になる。保存料は細菌の増殖を防ぐものであり、それが腸内に入ると腸内細菌にダメージを与える。

・抗生物質の乱用
抗生物質は細菌を殺す薬。もちろん腸内細菌も殺す。殺傷力の強さは保存料の比ではない。

・過度な除菌
日本は清潔社会から潔癖社会に移行し、人々は身の回りを過度に除菌するようになっている。身の回りにいる菌のほとんどは土壌菌という腸内細菌の仲間で、それらが腸に入ってくることで腸内細菌は働きを活発化させる。しかし、除菌をしているとそれらの菌が体内に入ってこなくなる。

・ストレス
ストレスにさらされると腸内でカテコラミンというホルモンが分泌される。大腸菌(悪玉菌)はこのホルモンにさらされると繁殖が進み、腸内環境は悪玉菌優勢になりやすくなる。

またストレスは自律神経の働きを乱す。自律神経は内臓諸器官を調整するのが主な働きであり、心臓を動かし、体温を調節し、食べ物を消化するなど、生命の基本的な働きを調整している。自律神経には交感神経と副交感神経があり、交感神経は活動時に優位になり、副交感神経は休息時に優位になる。心臓や脳など多くの臓器は交感神経が優位のときに働きを活発化させるが、腸だけは副交感神経が優位のとき(リラックスしているとき)に働きを活発化させる。ストレスの多い生活をしいていると、交感神経優位になり、腸は代謝(細胞の新旧の入れ替え)ができなくなり腸壁に隙間ができやすくなる。

自律神経は腸管の動きもコントロールしている。空腹時には腸管が収縮し、殺菌性のある胆汁などの消化液を分泌する。これにより悪玉菌を殺菌して腸内環境を整える。しかしストレスで自律神経が乱れると、腸管の働きを正常にコントロールできなくなり、腸内の掃除ができなくなる。

・運動不足
座っている時間が長いと胆汁の流れが悪くなり腸内の悪玉菌が増殖しやすくなる。

デスクワークで体を動かさずに目を酷使し続けると交感神経が高まり、腸の働きが低下する。

■腸漏れ対策
腸漏れを防ぎ、それを改善するには、多種多様な腸内細菌が数多く住む豊かな腸内フローラ(腸内細菌叢(腸内細菌の集まり))を育むしかない。それができれば腸内細菌たちは腸漏れを治す万能薬「短鎖脂肪酸」や、ビタミン群、アミノ酸、セロトニンやドーパミンの前駆体など人体に必要な栄養素をたくさん合成するようになり、腸壁が厚く育ち、腸の穴が徐々に塞がっていくようになる。

対策を1つずつみていく。

・食事
腸内細菌にとって最高の食事は食物繊維とオリゴ糖になる。これらの食品を毎日食べていると善玉菌優勢の腸へと変わっていく。

食物繊維には水溶性と不溶性のタイプがあるが、腸内細菌がより好きなのは水溶性の方。悪玉菌でも水溶性の食物繊維を餌にしているときは異常な繁殖をせず、大きな悪さもしない。水溶性食物繊維が含まれる食品には海藻類や豆類、ネバネバ食材(納豆、やまいも、オクラなど)、ブロッコリー、ゴボウ、果物などがある。これらの中で日本人が特に食べたいのが海藻類。日本人の8~9割は海藻の分解酵素を作り出す腸内細菌を持っているので、海藻から豊富な栄養素も取り込むことができる。ブロッコリーもよい。ブロッコリーに含まれるスルフォラファンは強い抗酸化作用を持ち、悪玉菌を減らし、腸内環境を整える作用がある。

水溶性食物繊維をとるとさらによいこともある。それは腸内細菌が水素を発生するようになること。水素はとても還元力の高い気体で、体内に充満しがちな活性酸素の害を減らすことができる。
*還元とは酸化したものから酸素を取り去ること。

不溶性食物繊維も腸の健康には重要で、腸の中のたまった不要物を絡め取りながら大便を大きくする作用がある。同時に腸のぜん動運動を促し、腸の働きをよくする作用もある。不溶性食物繊維の摂取量が少ないと腸の中に不要なものがたまり、それらが悪玉菌の餌になってしまう。不溶性食物繊維が含まれる食品は、豆類、芋類、キノコ類、精製してない穀物など。納豆やゴボウは水溶性食物繊維だけでなく不溶性食物繊維も豊富に含んでいる。

オリゴ糖は悪玉菌の餌にならないので効率よく善玉菌だけを増やすことができる。オリゴ糖は大豆やゴボウ、タマネギ、バナナ、はちみつなどに多く含まれる。

発酵食品も腸内細菌によい影響を与える。腸内細菌は仲間の菌が入ってくると働きを活性化させる性質がある。また仲間の菌が繁殖していた溶液や食べ物は腸内細菌にとって非常によい餌となる。つまり発酵食品は腸内フローラをよりよく育てるためのカンフル剤になる。ミソなどの日本伝統の発酵食品には日本人が昔から腸の中で育ててきた細菌の仲間(乳酸菌、酵母菌、麹菌などの善玉菌)が豊富に生きており、日本人と相性がよい。またこれらの食品に含まれる植物性乳酸菌は胃酸に強く、腸まで生きて行くことができる。

*ヨーグルトに含まれる動物性乳酸菌は胃酸に弱く、9割以上が腸に届くまでに死んでしまう(死んだ乳酸菌でも腸内細菌にはプラスの影響はある)。腸まで生きて届いた乳酸菌でもその人固有の腸内細菌と合わないことも多い。ヨーグルトには糖分や脂肪分など余計なものも含まれているので、健康のためというより、お楽しみ程度に食べるのがよい。

酢も有効。酢は善玉菌を中心とする腸内細菌たちの活動力を高め、腸内フローラのバランスを整える作用がある。

魚もよい。青魚などに含まれるEPA・DHAは腸内の炎症を鎮め、善玉菌が増えやすい腸内環境を作る。また潤滑油として便の通りをよくする作用もある。EPA・DHAが多く含まれる食品は青魚や鮭など。しそ油(エゴマ油)やアマニ油もよい。これらの油に多く含まれるαリノレン酸は体内でEPAやDHAに変わる。

今は乳酸菌生成エキスというものもある。これは乳酸菌の分泌物と菌体成分をエキス化したもので、”マイ乳酸菌”を確実かつ速やかに増やすことができる。

朝食はとった方がよい。夕食から朝食までは12時間くらい空くので、朝には胃が空っぽになっている。朝食をとらないと腸管が使われない時間が長くなり、腸の粘膜が萎縮し、腸を覆う粘膜物質が減少する。これによって腸管の働きが悪くなり、腸の細胞の再生が滞りがちになり、腸壁に隙間ができやすくなる。

健康な腸の条件は「善玉菌優勢」だけでなく、腸内細菌の種類が多いことも重要。腸内細菌の種類が多いほど腸の粘膜バリア機能が高まり、外から入ってくる細菌やウイルスに対しての免疫力が上がる。種類を増やすには腸内細菌の餌となる栄養素の種類を増やすことが必要なので、上記食品をバランスよくとることが大事。

一方で、注意したい食品もある。まず高脂肪、高糖質の食事は控えた方がいい。これらの食品を食べ続けていると悪玉菌優勢の腸内フローラになりやすくなる。それとグルテンとカゼインというタンパク質にも気をつけた方がいい。

小麦などに含まれるグルテンは消化されるとアミノ酸という細かな分子になるが、一部のグルテンはアミノ酸まで分解されず、その手前のグルテンペプチドという大きな分子の段階にとどまる。腸が正常な状態ではそれが腸内に吸収されることはないが、腸漏れを起こしていると血液中に漏れ出しやすくなる。その漏れ出したタンパク質はアレルゲン(アレルギーの原因)になりやすい。牛乳などに含まれるカゼインは粒子が小さいため腸から漏れ出しやすく、これもアレルゲンになりやすい。カゼインは粘り気が強く固まりやすいので腸に留まり腐敗しやすいという性質もある。

アルコールやカフェインは腸の炎症を起こしやすくするのでほどほどにしたほうがよい。

・保存料対策
値段が安くて長持ちする加工食品は保存料がたくさん使われている可能性が高いのであまり食べない方がよい。保存料には安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、プロピオン酸、ポリリジンなどがある。PH調整剤や乳化剤などは「日持ち向上剤」という名目になるが、これらも保存料になる。

・抗生物質対策
安易に抗生物質を使わない方がいい。いまだに風邪で抗生物質を処方する医師や、それを欲しがる患者がいるが、風邪の原因のほとんどはウイルス感染なので、細胞を持たないウイルスに抗生物質を与えても意味がない。抗生物質を多用していると腸内細菌にダメージを与え、免疫力が低下し、かえって風邪を引きやすくなる。抗生物質は肺炎や結核など命に関わる感染症のみに使うべき。

・過度な除菌対策
人間の皮膚には表皮ブドウ球菌など10種類以上の常在菌がおり、これらの菌を口にすることで豊かな腸内フローラを育むことができる。また常在菌は皮膚の脂肪を餌にし、脂肪酸を作っている。この脂肪酸のおかげで皮膚は弱酸性に保たれ、弱酸性のバリアが外から侵入してくる病原菌を寄せ付けず、病原体から体を守ってくれている。

ところが石けんで手を洗うと皮膚常在菌の90%が洗い流されてしまう(殺菌力の強い薬用石けんではほぼ100%が洗い流される)。12時間すると元に戻るが(薬用石けんでは元に戻らない)、それまでは皮膚は弱酸性のバリアを失った状態になる。常在菌のいない皮膚は中性になり、中性の肌には病原菌がつきやすくなる。さらには皮膚が乾燥して角質層に隙間があくと微生物やダニ、ホコリなどアレルゲンとなる物質が侵入しやすくなる。

「手洗いは流水で10秒」が基本。水で10秒ほど流せば病原菌を洗い流せる。せっけんは目立つ汚れがついたときだけ使うようにした方がよい。

除菌グッズなども使わない方がいい。これらのグッズを使うと短期的には感染症にかかりにくくなるが、腸内細菌にダメージを与えるので、長期的には免疫力を低下させ、感染症にかかりやすくなる。

・ストレス対策
ストレスは自律神経を乱し、腸の活動を低下させるので、なるべくストレスがたまりにくい生活習慣に改めた方がよい。

ストレスを減らすには、一日の終わりにリラックスタイムを持つようにするのもよい。ぬるめのお湯につかるのはその1つの手段。腸は37度に温められているときにもっとも活動力が高まるので38~40度くらいのお湯に10~15分浸かるのがよい。この入浴は安眠にも効く。入浴によって毛穴が開くと熱が放散されやすくなり、それによって体温が下がる。高かった体温が下がっていくときに良質の眠気が生じるので、このタイミングで寝床に入ると熟睡しやすくなる。腸は眠っているときに活発に働くので、よい睡眠をとれば粘膜細胞の新陳代謝も活発になり、腸に開いた穴も塞がっていく。

日記もよい。その日にあった良かったことや悪かったことを書いて自己開示していくとストレスがたまりにくくなる。

・運動不足対策
デスクワークをしているときは、少なくとも1時間に1回は立ち上がり、体を動かし血行をよくした方がいい。運動もした方がいい。適度な運動をすると腸の働きがよくなる。

・・ここまでリーキーガットについていろいろ書いてきたが、腸には人体最大の免疫器官という役割もある。人体の免疫力のおよそ6~7割が腸に集中しているので、腸によい生活をして腸が健康になれば病気にもかかりにくくなる。
*免疫とは病気を防ぎ、病気を治すシステム。

■腸内細菌にとってよいとされる食事が合わない人もいる
食物繊維や発酵食品を食べるとお腹が張ってしまい、便秘や下痢を起こす人がいる。このような人は小腸内細菌増殖症(SIBO)の可能性がある。通常、腸内細菌がたくさんいるのは大腸であり、小腸にはほとんどいない。しかし小腸の出口(バウヒン弁)が緩んでいると大腸にいるべき細菌が小腸内に流入して増殖してしまう。すると小腸内でガスが充満する。小腸は本来、ガスに耐えうるような構造をしていないので、そこでガスが発生すると炎症を起こしたり、リーキーガットのような症状を起こしたりする。

SIBOや過敏性腸症候群の人が発酵食品や食物繊維をとると、小腸の中で細菌が増殖し、大量のガスが発生してしまうので、このような症状を持つ人はこれらの食品をとるのを控え目にした方がいい。

■まとめ
現在、リーキーガットかどうかははっきりわからないが、状況的にはその可能性が高そう。そうなったのは自律神経の乱れや不眠の可能性が高そうなので、今後もそれらを少しでも改善できるような生活を心がけていきたい。

睡眠薬

今のところ睡眠薬を使う気はないが、ドラッグストアに行く度に睡眠改善薬ドリエルの存在が気になっていた。しかし、プレジデント・オンラインに「ドリエルはあまりよくない」みたいなことが書いてあった。気になったので睡眠薬全般について調べてみた。

現在流通している睡眠薬は主に5種類。うち1種が市販薬で残りが処方薬になる。1つずつみていく。

・睡眠改善薬(市販薬) 「ドリエル」「ネオデイ」「リポスミン」など
これはアレルギーを抑える薬の副作用(眠気を起こす作用)を利用した抗ヒスタミン剤で、穏やかな催眠作用がある。ただ、抗ヒスタミン剤は血中濃度が低くなっても脳への影響は残るので、起床後の眠気やパフォーマンスの低下につながりやすくなる。また記憶に関連するアセチルコリンの働きを抑える作用もあり認知機能に悪影響を及ぼすこともある。

・睡眠導入剤 「マイスリー」「アモバン」「ルネスタ」
これらの薬は脳内で興奮を抑える働きをするGABAが結合するGABAA受容体の一部に結合して、GABAの作用を強める作用がある。そのため深い眠りを得られやすい。作用時間は1~5時間程度と比較的短い。ベンゾジアゼピン系睡眠薬と比較して依存、耐性のリスクは低い。副作用はふらつき、健忘、倦怠感、残眠感、口中の苦み、など。

ルネスタはアモバンの光学異性体で、アモバンの副作用(口中の苦み)を抑え、睡眠効果を高めたものになる。入眠作用だけでなく中途覚醒を抑える作用もある。米国では依存、耐性の少なさから睡眠薬で初めて処方日数制限なしの承認を得ている。

・ベンゾジアゼピン系睡眠薬(抗不安薬) 「ハルシオン」「デパス」「ソラナックス」など多数
ベンゾジアゼピンの催眠効果を高めた薬剤。作用時間は短いものから長いものまで多数ある。催眠効果は強いが依存性など副作用は多く、長期で服用するのは望ましくない。

・メラトニン受容体作動薬 「ロゼレム」
メラトニンは入眠を促し、熟睡度を高めてくれる睡眠ホルモン。ロゼレムはメラトニンと似た構造でメラトニン受容体に作用し入眠を促す。効果は穏やかで依存性などの副作用は少ない。

・オレキシン受容体拮抗薬 「ベルソムラ」「デエビゴ」
オレキシン受容体1と受容体2はレム睡眠(夢を見る睡眠)の抑制をしている。これらと結合するオレキシンを阻害することでレム睡眠が増加する(夢が多くなる)。この薬は中途覚醒に効果があるが、夢(悪夢)を見やすいという副作用がある。深い睡眠はあまり期待できない。依存性などの副作用は少ない。

オレキシン受容体1よりオレキシン受容体2への阻害の強さが睡眠により強く関与すると考えられており、その阻害力はベルソムラよりデエビゴの方が強い。そのためデエビゴの方が睡眠に対する作用が強い。ただしデエビゴは作用時間が長いので、服用する容量には注意する必要がある。

■まとめ
私は深い睡眠がほとんどないので、使うとしたら睡眠導入剤になりそう。いざとなったら自宅にある(期限切れの)マイスリーを使ってみようと思う。

参考:高津心音メンタルクリニック コラム「睡眠薬について」

体調チェック  矯正前の80~85%  2022/1

だいぶ回復してきた。しかし、しびれとアレルギーは後遺症として残りそう。現在出ている症状を、症状の強い順にみていく。

・手足のしびれ
左足のしびれは悪化傾向。食後に悪化しやすいので歯に原因がありそうだが、それ以上詳しい原因を特定するのが難しく、再矯正も困難なので、これは付き合っていくしかなさそう。とりあえずはこれ以上悪化しないようにもう少し探ってみる。

以前、神経内科に行ったときには、しびれの病名はつかなかったが、AI問診アプリ「ユビー」で調べると適応障害という診断が出た。適応障害とは特定のストレスによって、うつ、不安、しびれ、頭痛などの症状が出る疾患。しびれに限らず歯列矯正で出ていた症状はすべてこの適応障害だったのかもしれない。

・アレルギー
化学物質過敏症はほぼ確定。去年の2月ごろに無印良品の布団カバーでそれらしい症状が出て、その後、傷跡消しクリーム「アットノン」、歯磨き粉などでも同様の症状が出た。そして8月にはSK-Ⅱの製品を使うのをやめ、他の化粧水(グリセリン系の6種やスクワランオイルなど)を使うようになったが、それらでも頭痛や倦怠感などの症状が出てしまった。化学物質の範囲は広そうなので困ったなという感じ。

植物性乳酸菌アレルギーの方は快方傾向。味噌汁を飲んでもかゆみがほぼ出なくなった。やはりSK-Ⅱが原因だったのかもしれない。来月あたりに納豆に挑戦してみようと思う。

・性欲の低下
いくらか回復してきた。物事に対する集中力ややる気はだいぶ戻ってきた。

・不眠
睡眠スコアは微増程度だが、体感ではだいぶ眠れるようになってきた。起床時にすっきり感のある日が多くなってきた。ただ早期覚醒や中途覚醒、微動悸、トイレ起床はたまにある。

・口の渇き
マシにはなってはいるがまだ口が渇きやすい。

・吃音
85~90%程度まで回復。たまに話しにくくなることはあるが日常で困ることはほぼない。

・肌荒れ
85~90%程度回復。トラブルは起こりにくくなったが、糖質や脂質をとりすぎると肌がゴワつきやすいのは変わらず。

・頭痛
たま~に微頭痛が出る程度。

・歯の動き
保定装置を外してから1年以上たつが、それほど動いたような感じはない。

■気づいたことなど
・不眠に効く乳酸菌飲料を試してみて
「不眠に効く」という触れ込みの乳酸菌飲料「ヤクルト1000」を飲んでみた。飲んだ日の晩は体感的にいつもよりも深く眠れたような気がした。朝の尿量が激減したのには驚いた。ただ睡眠スコアは特に変化なし。問題は起床後。午前中は交感神経優位な感じで気持ちが高ぶり、午後になると軽い頭痛が発生し、それが翌朝まで続いた。強い倦怠感も出た。

1回しか飲んでいないが、これは以前、睡眠系乳酸菌飲料「カルピス プレミアガセリ菌 CP2305」を飲んだときに出た症状とほぼ同じ。サプリ系は合わないと改めて思った。

・アロマオイルも合わない
矯正不調が発生して以来数年間、睡眠系のアロマオイルを使ってきたが、最近他のアロマオイルも使うようになった。しかし、それらを使い始めたあたりからどうも体の調子が微妙に悪い。そこで2週間前にすべてのアロマオイルを使うのをやめてみた。すると体調が全体的に一段階回復した。もしかするとこれも例の化学物質過敏症だったのかもしれない。睡眠系のアロマオイルを使い始めた当初は効果を実感できていたが、それはただのプラセボ効果(偽薬効果)だったのかもしれない。

・首のポキポキ音が小さくなった
2年くらい前から首をひねるとポキポキと音がしていたが、11月ごろにそれが突然小さくなった。それは現在も続いている。頸椎のバランスが改善したのかもしれない。

体調チェック  矯正前の80~85%  2022/6

状態はほぼ安定しているが、それほどよい状態とはいえない。気を抜くとすぐに体調が悪化する。現在、矯正治療中止後1年半が経過し、これ以上の改善は見込みにくくなってきたので、更新は次回(1月)で終える予定。

現在出ている症状を、症状の強い順にみていく。

・アレルギー、過敏症
矯正治療をやめればアレルギー症状も落ち着いていくと思っていたが、現状では悪化傾向にある。つい先日はカレーを食べられなくなった。ノーマルなカレーを食べると下痢になり、スパイスたっぷりの本格カレーを食べると胃部灼熱感や倦怠感、うつ、不安感、湿疹などの症状が出てしまう。

味噌汁や納豆、漬物を多めに食べると湿疹が出るのも結局変わらず。

アレルギーではないが、アルコールやカフェインもまだまだ厳しい。

肌の保湿液や歯磨き粉、マウスウォッシュもダメで、先日は「イオン消臭」(無香料の消臭ビーズ)でも不調になることがわかった。

これらの原因は自律神経の乱れからくる免疫機能の悪化だと思うので、自律神経のケアは続けていく。

・しびれ
完全に定着した感じ。今回、カフェインを多めにとるとしびれが悪化し、しびれが悪化すると他の症状も悪化することがわかった。

ガムを噛むとしびれが悪化するので、しびれの根本的な原因は「歯の位置」あたりになりそうだが、現時点では治療法が確立していないので、しびれは受け入れていくしかなさそう。

・性欲の低下
矯正前の10分の1程度で落ち着いている。基本的にはほとんどわかない。とりあえず食事に気をつけて、運動は多めにしていこうと思う。

・不眠
そこそこ眠れる日は増えているが、中途覚醒や早期覚醒はまだまだあり。朝から頭痛がして一日中しんどい日もたまにある。ただ睡眠のコツみたいなものはだいたいわかってきたので、緩やかな改善傾向にはある。

・口の渇き
これも定着した感じ。マスクをつけた状態でしゃべっていると、たまに自分の口の臭さに驚かされることがある(笑)。それを軽減するため、日中は水に戻した昆布を口に入れて唾液を出すようにしている。

・うつ、不安
深刻な症状が出ることは多くないが、それでも特定の食品や生活習慣などによって出ることはある。これらの症状は危険度が最も高いので気をつけていく。

・吃音
前回からほぼ変わらず。85~90%程度で落ち着いている。よく眠れなかった日やサバ缶を食べた日の翌日以降、数日間は症状が悪化する。サバ缶を食べて症状が悪化するのは、ヒスタミンアレルギーなのかなんなのかはよくわからないが、食べると翌日に前頭葉あたりが痛くなり、ほぼ確実に話しにくくなるので、あまり食べないようにする。

・肌荒れ
これも前回からほぼ変わらず。まだ肌のザラザラは完全には消えていない。保湿液のSK-Ⅱはアレルギーとは関係なさそうだったので、使用を再開してみたが、これを使っても頭痛や倦怠感などが出るようになってしまった。今はせっけんのみでケアしている。カウブランドの「赤箱」や「ベビー石けん」はにおいが少し強めだが、保湿力があっていい。

・頭痛
まだたまに出ることがある。睡眠や食事などが原因になっている感じ。

・歯の動き
保定装置を外してから1年半以上たつが、それほど動いたような感じはしない。

■気づいたことなど
・炭酸水は中止
1月に人間ドックで胃カメラ検査を受けたら逆流性食道炎になっていることがわかった。2年前の検査ではなかったので、この1、2年の間に発症したことがわかる。逆流性食道炎の原因は胃酸過多であり、胃酸過多の原因は、自律神経の乱れ、タバコ、カフェイン、香辛料などの刺激物、脂肪のとり過ぎ、炭酸飲料、食べ過ぎ、早食いなど、になる。この中で、自分に該当するのは自律神経の乱れと炭酸飲料になる。自律神経の乱れは改善傾向にあるので、それを除外すると残るは炭酸飲料だけになる。炭酸水はちょうど2年くらい前から1日に飲む量を250mlから500mlに倍増させているので、これが原因になっている可能性がある。

そこで炭酸水を飲むのを週1回、250~500mlに変更した。現在はゲップをしても固形物が出てこなくなったので、症状は改善しつつあるように思う。炭酸水をやめてから、それまで腹部にできていた謎のポツポツが消え、体が若干軽くなったような気もする。また睡眠の質も多少よくなったような気がする。炭酸水は睡眠(自律神経)によさそうだと思って飲んでいたが、逆効果だったのかもしれない(笑)。

・めぐりズムも中止
これも睡眠によさそうだと思ってこれまで長いこと使ってきたが、片頭痛発症時にこれを使うと頭痛が悪化するので一時的に使用を中止した。その後、しばらく使うのをやめていても睡眠への影響はさほど感じられなかったので、そのまま使うのをやめた。以前はめぐりズムを使わないと吃音の症状が悪化するように感じたが、今回はそれもなし。吃音が悪化していたのはサバ缶の食べ過ぎが原因だったのかもしれない。当時はよく食べていたように思う。

・片頭痛は元の頻度に
以前当記事で、「矯正を始めてから片頭痛が起こりにくくなった。その理由は片頭痛の予防体操のおかげかもしれない」みたいなことを書いた。しかし、現在は予防体操を続けているにもかかわらず、矯正前と同じような頻度で片頭痛が起こるようになってしまった。矯正治療中に片頭痛が起こりにくかったのは、自律神経が乱れて血行不良になったことが片頭痛にとってはよく作用していたのかもしれない。

・自律神経測定がスマホで
5/26の日経産業新聞に、スマホで自律神経の活動量を測定できるアプリANBAIが紹介されていた。このアプリはスマホのカメラとライトを指の腹に当てて数十秒間撮影するというもので、指先の微妙な赤みの変化を捉えて心拍を測定し、独自のアルゴリズム(計算手法)で自律神経の活動量を測定するという。現在は企業向けにしか提供されていないが、実績は積み上がっているようなので、いずれは一般でも使えるようになりそう。近い将来、歯列矯正が自律神経に与える影響を簡単に測定できるようになるかもしれない。

・ヴィパッサナー瞑想
『21Lessons』(ユヴァル・ノア・ハラリ)という未来予想の本を読んでいたら、聡明な著者が実践している瞑想法も紹介されていた。この瞑想法は今から2500年くらい前にブッダが確立したもので、呼吸(今)に集中して、自分を観察するというものになる。

『ゴエンカ氏のヴィパッサナー瞑想入門』を読んで実践してみると、自分の思考や感情のパターンがわかり、その対処法もいくらかわかるようになった。また過去や未来のことで思い悩む時間が減り、現在に集中する時間が増えた。余計なことを考える時間が減ったので、心的疲労も減り、メンタル面にも好影響があったように思う。ただ自律神経への影響は限定的で、瞑想をしたところで倦怠感や頭痛が出なくなるわけではない。ただこの瞑想をしないと雑念に支配されがちになるので、これはこれで続けていこうと思う。

本来、この瞑想法は「10日間コース」という合宿に参加して体得するものらしいが、その合宿はかなり人気のようで予約が取れない。いつか参加できたらと思う。

光浦靖子さんも矯正で不定愁訴?

ジュンク堂でオアシズ光浦さんの著作『50歳になりまして』をパラパラめくっていたら、目次に「歯列矯正」と「不定愁訴」が順に並んでいるのを見つけた。気になったので買って読んでみると、光浦さんは2020年に歯列矯正を始めており、「2020年に入ってから体調・体質が変わりました」とある。光浦さんに出ている不定愁訴は便秘、頭痛、めまい、ドライノーズなど。矯正治療(非抜歯、ワイヤー矯正)の方は順調に進んでおり、特に問題は感じていないようで、「胃が丈夫になり、風邪をひかなくなった」とプラスの変化もあるよう。光浦さんは不定愁訴の原因を更年期障害と結論づけているが、タイミング的に歯列矯正の可能性もあるのではないかと思う。

温冷交代浴で深睡眠が増える

外泊するとベッドや枕が自分用にカスタマイズされていないので睡眠の質は悪化するのが常だったが、先日、外泊時に睡眠スコア(中でも深睡眠スコア)が普段よりもかなりよくなっていることがあった。その要因を考えてみると、旅行先で行った温冷交代浴ではないかと思う。サウナや風呂に入った後に水風呂に入るパターンを繰り返すと自律神経が整うらしく、それが効いたのかもしれない。近くの銭湯で温冷交代浴をしてみても似たような結果が得られたので、これが睡眠によい影響を与えるのはほぼ間違いなさそう。

ただ残念なことに、温冷交代浴をした後の寝心地は体感的にはよくない。微動悸は収まらず、眠りは絶えず浅く感じる。翌日は肩が凝ったり頭痛が出たりする。実感としては副作用の方が多い。そこで風呂には入らず、温水シャワーと冷水シャワーを交互にかけるようにしている。効果はかなり限定的になるが副作用は出ないので、これはしばらく続けていこうと思う。温冷交代浴には睡眠改善のヒントがありそうなので、ここはもう少し掘り下げていく。

体調チェック  矯正前の83~88%  2023/1

矯正治療を中止してから2年以上が経過した。しびれやアレルギーはまだ残っているが、体調はだいぶ落ち着いてきた。現在出ている症状を、症状の強い順にみていく。

・手足のしびれ
左足を中心にしびれが安定的に出ており、改善の兆しは一切ない。わずかに悪化しているようにも感じる。生活に大きな支障はないが、違和感はずっとあるのでよい状態とはいえない。しびれについては対策が思いつかないので、受け入れていくしかなさそう。

・アレルギー、過敏症
アレルギーの原因を避けていればそれほど問題ないが、アレルギーの原因物質をとると、湿疹、倦怠感、うつなどの症状が出る。アレルギーの原因物質はいまだに増えており、先日はタラがダメになった。

『油を断てばアトピーはここまで治る』 (永田良隆) に、「玉子をたくさん食べているとアレルギー体質になりやすくなる」みたいなことが書いてあったので、11月の終わり頃からこれまで常食していた玉子を食べないようにしてみた。するとアレルギーが出にくくなってきたように感じる。

現在、アレルギーの根本原因は矯正ストレス(歯関連のストレス)だと考えている。『ストレス脳』(アンディシュ・ハンセン)には、ストレスと免疫の関係についての新説があったのでメモっておく。

「人類が地球上に現れてから99.9%の時間、2人に1人の命を奪ってきたのは感染症だった。抗生物質がない時代、傷にばい菌が入ると悲劇的な結末が待っていた。祖先たちはケガをしそうなリスクがあるきにはストレスを感じた。ストレスは「感染が高まった」というシグナルになり、免疫系が活発になった。このメカニズムは現在の人でも健在で、たとえケガや感染症のリスクがなくてもストレスが高まると免疫系が活発になる」

歯列矯正でストレスを受け、それで免疫系が活発になってアレルギーが出やすくなったのかもしれない。

続く文章には、「一方で、そのような脅威に対抗するために脳は家にこもりたくなるような感情を作る。つまりうつ状態にするのである」「近年、脳にサイトカインが入っていけることが判明した。脳が「体内で感染が起きている」というメッセージを受け取るとどうなるか。身体がダルくなり、気分が落ち込みやすくなる。脳と免疫系は連携しており、免疫系が活発になるとうつの要因になる」とある。アレルギーが出ると倦怠感やうつもセットで出るのは、こういう仕組みが働いているためかもしれない。

ストレス対策としては、「定期的な運動は炎症を抑える効果がある。運動することによってエネルギーが消費されるとき、そのエネルギーの一部は免疫系から奪われてくるので、免疫系の活動が抑えられる。免疫が弱ると心配になるかもしれないが、慢性的な炎症はたいてい免疫系が過剰に活動しているせいなのでそれでよい」とある。現在、運動量を増やしているが、この点についてはあまり効果を実感できていない。

8月10日の日経産業新聞にも免疫に関する新情報があった。記事には「前立腺ガンの内分泌治療法で男性ホルモンが減ると、腸内細菌の種類が減り、肥満やうつにつながる可能性がある」とある。矯正治療を始めてから性欲がなくなったので男性ホルモンが減っている可能性が高い。男性ホルモンが減ると腸内細菌が減るようなので、それで免疫バランスが崩れて、アレルギーが出やすくなったという面もあるのかもしれない。
*腸内細菌と免疫の関係は「リーキーガット(腸漏れ)」の頁を参照

現在、アレルギーは落ち着いてきてはいるが、今後はアレルギーの新薬についても調べていく予定。今出ている遅延型アレルギーはアトピー性皮膚炎と似ているので、アトピー向けの新薬(抗体薬)が使えるかもしれない。厳しい状況になったら皮膚科医に相談してみようと思う。

・性欲の低下
運動量を増やし、肉類を多く食べるようにしているが、相変わらず性欲はほとんどわかない。多少マシになったという程度。男性ホルモン剤は効きそうだが、副作用もあるので使う気にならない。しばらく様子を見ようと思う。

・うつ、不安
運動や旅行、登山などの影響か、メンタル面はだいぶ落ち着いてきた。気持ちがいくらか前向きになり、頭も回るようになってきた。とはいえ以前のような活力はまだ戻っていない。

食べものの影響は相変わらず受けやすいようで、アルコールや小麦製品をがっつりとると、翌日以降2,3日はうつ気味になる。アレルギーが出たときもうつ気味になる。

・口の渇き
基本的に乾き気味。改善は頭打ちな感じ。ただ歯の丁寧なブラッシングや糸ようじ、舌掃除などで口臭はいくらかでにくくなった。

・頭痛
不眠気味の日は空あくびとセットで微頭痛が出る。そんなときは倦怠感も出る。

・不眠
だいぶマシになったが、すっきり起きられない日はまだまだある。そんな日は一日中しんどい。同じような生活パターンをしていても、睡眠の質にはムラが出るので、コントロールが難しい。改善基調にはあるので、これもしばらく様子を見ようと思う。・・12月に入ってからよく眠れる日が増えてきた。タイミング的に玉子をやめたことや登山の影響が大きそう。

・吃音
日常生活では問題ない状態だが、ストレスのかかる環境にずっといると話しにくくなってくる。アルコールやサバ缶、小麦製品など一部の食品をとっても翌日以降話しにくくなることが多い。

・肌荒れ
だいぶ改善はしているが、いまだに糖分を多めにとると肌がゴワゴワしたりニキビができたりする。化学物質過敏症で化粧水が使えなくなったので、冬は粉を吹きやすくなり、シワができやすくなった。(矯正治療前はシワはなかった。シワができたのは加齢のせいもあるとは思うが、矯正直後からシワができはじめたので矯正の影響が大きそう。)

・歯の動き
保定装置を外してから約2年たつが、パッと見た感じ、大きな変化はない。「あいうべ体操」など口の運動などが効いているのかもしれない。歯並びが元に戻らないのはうれしいことだが、反面、ストレスの主因と思われる歯の位置が変化しないということでもあるので、素直に喜べない。

■気づいたことなど
・めぐりズムと炭酸水は一定の効果あり
めぐりズムと炭酸水はその効果に疑問符がついたのでしばらく使用を控えていたが、また時折使うようになってきた。めぐりズムは寝付きが悪いときに使うと寝付きがよくなり、炭酸水はうつ気味のときに飲むと気分が少しすっきりすることがわかった。

・シャオミの活動量計
一時期サウナによく行くようになり、それ用の時計が必要と思ってシャオミの「Smart Band」を買った。これは睡眠スコアも測れるので、これまで使っていたFitbitと一緒に使ってみた。すると両者の測定値に大きな差が出た。正直、フィットビットの計測値も体感とは合わないことが多いのだが、シャオミのはそれ以上に合わないと感じた。活動量計の数値はあまり当てにできそうにないと思った。

運動は不眠やうつ、不安に有効

温冷交代浴をすると睡眠スコアが大きく改善したので、しばらく銭湯に通っていろいろ試してみた。しかし、動悸が出たり翌日にダルくなったりすることが多いので、結局はあまり行かなくなってしまった。ただ、試行錯誤をしているときに、動悸を減らすには運動がいいのではないかと思いつき、運動をするようになった。

動悸の原因は主に不安やストレスになるが、筋肉量の減少も1つの要因になる。筋肉には血液を送り出すポンプ作用があり、筋肉量が増えるとポンプ作用が強化され、心臓の負担がやわらぐ(動悸が減る)。矯正治療を始めてから筋肉量が大きく減ったという実感はないが、筋肉量を増やせば動悸が減るのではないかと思った。

筋肉の7割は下半身にあるようなので、下半身を中心に鍛えることにした。ジムや屋外でのランニングなども考えたが、準備が面倒くさいと感じたので、今回はフィットネスバイクを買って自宅で漕ぐことにした。

6月の半ば頃から、これまでやっていた筋トレに加えて1日30分の自転車トレーニングを始めた。トレーニングをしてから筋肉量がいくらか増え、動悸はいくらか減ったように感じる。そのおかげかよく眠れる日が増えてきた。また自転車トレーニングを始めたあたりから、気分がすっきりし、メンタル面で安定する日も増えてきた。

*自転車トレーニング開始時は、自転車に30分も乗っていると股間がしびれてしまった。これは体に悪いのではないかと思っていると、案の定、週刊SPA!2022年6月14日号に「長時間自転車に乗っていると、会陰に通っている神経や欠陥を圧迫するからEDのリスクが高まる」「男性の疲労回復や下半身の問題に関して、ほぼすべての運動は好影響を及ぼすが、唯一サイクリングだけはNG」とあった(笑)。フィットネスバイク購入直後にこの記事を読んでショックを受けたが、サドルにクッション性のあるサドルカバーをはめたり、定期的に立ち漕ぎをしたり、前傾姿勢にならないように手放し運転をしたりしたら、股間のしびれは感じなくなった。

*SPA!には「週1~2回走ると心疾患リスクが下がり、週5回まではほぼ同じ効果がある。ところが週6回以上のジョギングは心筋梗塞などのリスクが高まる」とあったので、トレーニングは週5回以下にしている。

先に触れた『ストレス脳』に運動とメンタル面の関係について興味深い記述があったので、簡単にメモっておく。

「生物学的見地からいうと、うつに対して運動ほど真逆に働きかけるものはない」
「うつの患者で運動をしている人たちは何度か受診しただけで、そのあとはもう見かけないことが多かった」
「ここ10年で私が一番驚き、かつ最も重要だと思うのは、運動でうつになるリスクを下げられるという研究結果だ」

「うつを引き起こす要因はストレス。特に長期間続いたストレスや自分では制御できないと感じるストレスがうつの要因になる」
「身体の中で最も中心的なストレスシステムはHPA系と呼ばれる。一般的に、うつになるとHPA系の活動が活発になりすぎ、抗ストレスホルモンのコルチゾールのレベルが高くなりすぎる。(中略)ほとんどの抗うつ治療は薬も含めてHPA系の活動を平常化するものになる。運動もHPA系を平常化させる効果がある。数週間、定期的に運動をしているとHPA系の活動はゆっくりと落ち着いていく。すると心の落ち着いた状態が長く続くようになる」

「HPA系にはいくつかの“ブレーキ役”があり、中でもとりわけ重要なブレーキ役が記憶の中枢として知られる海馬と、抽象概念や分析的思考を司る前頭葉になる。海馬と前頭葉は運動によって強化される。海馬は運動によって物理的に大きくなるし、前頭葉は運動によって細かい血管ができ、酸素の供給や老廃物の除去の能率が上がる。運動によって脳に内蔵されたブレーキ役が強化され、それだけでなくHPA系のブレーキ能力も向上する」

「運動はドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリンのレベルを上げ、脳の「肥料」であるBDNF(脳由来神経栄養因子)のレベルも上げる」
「不安を予防するために大事なことは心拍数を上げること。心拍数を上げることで身体が次第に「心拍数が上がるのは大惨事が起きようとしている兆候ではない」ことを学ぶ。そうするとコルチゾールのレベルは下がり、エンドルフィンにより心地よい気分が訪れる」

運動にこれほどのメリットがあるにもかかわらず、人が積極的に運動をしないことについては、「人類が地球に存在した99.9%の時間、食べ物が常に不足していた。そのため脳も身体も太りすぎることへの防御メカニズムが培われなかった。運動するとエネルギーが失われてしまうので、人間は先天的に惰性になった」とある。

前頭葉を活性化させる方法

コロナが落ち着いてきたのでちょくちょく旅行に出かけるようになった。旅行に行く前は面倒くさいと感じ、帰ってくると体は疲れているのだが、行くとなぜか気持ちがとても前向きになり、前頭葉あたりの微頭痛が消える。この理由が謎だったが、プレジデント・オンライン9/19にそのヒントになりそうなことが書いてあった。

「前頭葉は意欲、好奇心、創造性などの人間らしい知性を司っていて、前頭葉が萎縮するとこれらが失われる」「生活を一新すると前頭葉が活性化される」みたいなことが書いてあった。矯正治療で意欲、好奇心、創造性が大幅に減少したのは前頭葉がダメージを受けたためで、旅行は前頭葉を活性化させ、それで気持ちが前向きになったのかもしれない。興味が湧いたのでこの記事で紹介されていた本を読んでみた。

*記事で紹介されている本は『医者が教える50代からはじめる老けない人の「脳の習慣」』になるが、Kindleアンリミテッドにこれとまったく同じ内容の本『一生ボケない脳をつくる77の習慣』があったので、今回はこちらを読んだ。

本に載っていた前頭葉を活性化させる方法を一部紹介する。

・前頭葉は未知なものが大好き。変化に富む刺激的な生活が前頭葉を鍛える。
・前頭葉の鍛錬にはインプットよりアウトプットが有効。前頭葉にはインプットされた記憶や知識、情報を引き出す役割がある。この出す力を意識的に鍛錬すると前頭葉は活性化する。
・よく話す。会話ではその場の話題作りのネタ探しや相手の気持ちの推測などで前頭葉はフル回転する。会話から新たな知識や情報を得るのも前頭葉を刺激する。
・行動的になる。何もしないと前頭葉は老化していく。好奇心のまま思い切って行動する実験的精神が前頭葉を鍛える。いくつになっても失敗を恐れず立ち向かっていったほうが老けない。歳を取ってからの苦労は買ってでもした方がいい。
・前頭葉が活発になるのは想定外の出来事にあったとき。結果の予想のつくようなことでは前頭葉はほとんど活動しない。想定外の出来事に直面して「さあどうするか」と考えることで前頭葉はフル稼働する。賭け事や恋愛は想定外が多いので前頭葉の鍛錬に効果的。

逆に前頭葉を萎縮させるのは
・変化のない単調な生活。なじみの店ばかり行くのはよくない。たまには新規開拓も必要。
・ストレスの多い生活。ストレスは脳にダメージを与える。
・心地よいことばかりして挑戦をしない。

旅行に行くと未知なことや想定外なことに多く出くわすので前頭葉が活性化するのかもしれない。旅行は行ったら行ったで楽しく、このような効果も期待できるので、これからは積極的に行こうと思う。ただ問題はそんなに頻繁には行けないこと。現在はその代替策して日帰り登山を始めた。瞑想を絡めたソロ登山は自分には合っているようで、なかなかの気分転換・ストレス発散効果がある。登山に行き始めてから快眠できる日が増えたのもいい。登山は今後も続けていこうと思う。

酒を飲んでうつになる理由

矯正治療を始めてから、アルコールを飲むと動悸が出やすくなったので、ほとんど飲まないようにしていたが、最近動悸がやわらいできたので、また少し飲むようになってきた。しかし、飲んだ翌日以降2日くらいはうつっぽくなることが多い。『一生ボケない脳をつくる77の習慣』(和田秀樹)には「アルコールはうつのリスクを高める。適量のお酒を飲んでいる分には脳への刺激と感情の高揚など脳にいいことも多く、うつの予防にもなるが、過度のアルコールは脳内のセロトニンを減少させる。加齢によるセロトニンの減少は避けられないが、酒を飲み過ぎるとそれに輪を掛けてセロトニンの減少に拍車がかかる。そうするとうつのリスクが高まる」とある。

現在飲んでいる酒量はビールまたはハイボール1杯(350~500ml)くらいだが、“病み上がり”の状態ではそのくらいでもセロトニンが減ってしまうのかもしれない。アルコールは飲まなくても生活に支障はないので、極力飲まないようにする。

瞑想・マインドフルネス

瞑想を始めてから疲労感が減り、集中力が増した。瞑想はこれからも続けていく予定なので、これまで調べたことをいったん整理しておく。

■瞑想とはなにか
瞑想とは呼吸の観察をベースにした自己観察、自己洞察。自己には心と体という二つの側面があり、瞑想によってその二つを観察していく。ヴィパッサナー瞑想の「ヴィパッサナー」とは「ものごとをありのままに観察する」という意味。自分自身の内にある真実を見抜く洞察力をつけ、心の浄化を目指す。瞑想には「現実からの逃避」といったイメージもあるが、実際は現実と接触する行為、現実をありのままに観察する行為になる。

■瞑想の方法
楽な姿勢で座り、背中を伸ばし、目を閉じる。そして呼吸に意識を集中し、呼吸を観察する。入ってくる息、出ていく息に神経を集中させる。できるだけ長い時間、自然な呼吸に意識を向ける。呼吸に集中するのは、呼吸は万物の生理現象で、誰もが精神集中の対象として利用できるため。

ただ、この瞑想は難しい。呼吸に意識を置こうとしても足が痛くなったり、雑念が湧いたりして、呼吸のことなど忘れてしまう。注意が離れていることに気づいたらもう一度呼吸に意識を戻していく。この作業を根気よく繰り返す。雑念が湧いたときに大事なのは雑念も客観的に観察しようとすること。雑念に対してあれこれ考えず、ただあるがままを観察するようにする。

次から次へと雑多なことを考え始めてしまうのは長年かけて心に染みついた癖。心は「今ここ」にない状態が常態化しており、雑念が雑念を呼び、雑念で満たされていく。この雑念が脳を最も疲労させる。放っておけばこの状態が一生続く。この心の癖をとるのが瞑想の第一歩。瞑想は心のトレーニングともいえ、運動すると体力がつくように、瞑想も続けていると心をコントロールできるようになる。何度も瞑想しているうちに雑念が湧いても素早く呼吸に意識を戻せるようになる。

瞑想がある程度できるようになったら、日常生活で必要なときに自分を冷静に観察していく。どんなことが起きてもそれをそのまま客観的に観察していく。例えば、腹が立ったときは腹立ちをじっと観察する。すると時間がたつと消えていくのがわかる。怒りという感情を客観的に観察できるようになれば、怒りが自分そのものである状態から、怒りを体で経験する状態へと変わる。情動はただの生理現象になり、怒りから解放されていく。ただ、このような不快な状態に反応せずに観察することは本能に反することなので、心のトレーニングが必要になる。

(ここまでが「マインドフルネス」などを含む瞑想の基本。以下はヴィパッサナー瞑想独自の方法になる)

呼吸への集中ができるようになったら、体中の感覚も観察していく。人と世界の間には常に体の感覚がある。この世界で人が出会うすべてのものが私たちの体の中に感覚を引き起こす。人はいつも外の世界に直接反応しているのではなく、自分の体の感覚に反応しているともいえる。感覚に気づくことがなければ自己の真実を追究しても不完全で浅はかなものになる。ヴィパッサナー瞑想では、体の感覚と、感覚に対する精神的な反応を、体系的、客観的な方法で観察していく。瞑想の修行をして心を研ぎ澄まし、気づきの力を鋭敏にすれば、普段はほとんど感じ取れないような自分の内なる感覚を鮮やかに意識できるようになる。それによって心の基本的なパターンがわかる。心と体をまるごとひとつの現象として意識できるようになる。

瞑想に熟達してくると、強い感覚は溶解し、均一なかすかな感覚に変わっていく。ついには猛烈なスピードで生まれては消える波動だけを感じるようになる。ものごとは常に変化すると悟り、自分の中で起こるすべてに気づき、同時にそれに一切反応しない、という境地に達する。ものごとはすべて無常なのだと理屈抜きでわかるようになると、一切の渇望と嫌悪の反応が止まる。自己観察による自己浄化。これがブッダの教えの極みになる。

■瞑想の効果とそのメカニズム
・脳が疲れにくくなる
ストレスには元のストレスとそれに反応して出る二次的なストレスがある。この二次的なストレスが脳を疲労させる。瞑想にはこの二次的なストレスを減らす効果がある。瞑想ではストレスに反応せず、そこにやさしい好奇心を向ける。例えば「今不安になっていて、心臓がドキドキしている」というときは、自分の状況を客観的に見つめ、不安やストレスを感じている自分を受け入れるようにしていく。そしてその状態を観察して、自分の考え方やものの見方が不安やストレスを生んでいることを知る。

ストレスとそれに反応する自分を客観的に見られるようになると、ストレスは膨張しなくなり、単なる出来事にすぎなくなる。感覚はただ起こり、消えるだけのものになる。心はバランスを保ち安らいでいられるようになる。

・判断力が増す
困難な状況に直面しても冷静に自分を観察できれば、情動に溺れにくくなり、最善の行動をとれるようになる。

・集中力が増す
人が考えていることの9割は過去や未来のことになる。心は「今ここ」にない状態が常態化している。瞑想は心が常に「今ここ」にあるように導くものなので、瞑想に熟達すると結果的に集中力が増す。瞑想は脳を疲労しにくくするだけでなく、脳を効率的に使えるようにもする。

・自分をコントロールできる
瞑想をしていると、自分が普段どんなふうに怒り、苦しみ、喜び、退屈するのか、思考のパターンがわかるようになる。それがわかると感情や思考をコントロールできるようになる。

・不安が減る
瞑想をすると、精神状態が「思考モード」から「観察モード」に切り替わる。人は不安から逃れようとすると、かえって不安が高まりやすくなる。これは思考モードによって不安が促進されるから。瞑想をして観察モードに切り替えると、現在の状態の受け入れ能力が高まり、不安やストレスを軽減することができる。

・自我が弱まる
自分は取るに足らないものなのに、誰もが自分を一番重要なものと考えている。自分の思いを満たすことが幸福につながると考え、生涯それを追究していく。欲望、不安、アイデンティティ・・そういうものに取りつかれている限り、自分という狭い牢獄に閉じ込められる。

瞑想を続けていると、感覚が絶えず変化しており、しがみつく中核のようなものが存在しないことに気づく。「わたし」の正体は絶えず変化するプロセスの集合体にすぎず、宇宙全体も絶えず何かになるというプロセスの集まりであり、生まれては消える現象にすぎないと気づく。何かを感じ取る「わたし」という存在があるはずだと思っていても、瞑想を続けていくと、自分と呼んでいる実態のはかなさ、自分という虚像への執着に気づき、自我が溶解していく。

参考
『ゴエンカ氏のヴィパッサナー瞑想入門 豊かな人生の技法』(ウィリアム・ハート)
『世界のエリートがやっている 最高の休息法』(久賀谷 亮)
『サーチ・インサイド・ユアセルフ ―― 仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法』(チャディー・メン・タン)

歯列矯正の総括

これまで闘病記をつらつらと書いてきたので、矯正治療に対してネガティブな印象を受けたかもしれないが、メリットもいくつかあった。矯正治療のメリットとデメリットを挙げて、矯正治療を総括していく。まずはメリットからみていく。メリットは3つ。

1つ目は見た目が改善したこと。歯並びには小学生時代からコンプレックスがあったので、これを改善できたのはよかった。芸能人のような完璧な歯並びにはほど遠いが、自分の中では気にならないレベルになった。

2つ目は健康知識がついたこと。体調不良に陥ってから健康関連の本を100冊以上読み、ネットでも健康情報をよく調べた。病院や整体院もたくさん回った。健康知識はだいぶついたと思う。人生が長期戦になった場合はこの知識が役立ちそう。

3つ目は哲学に深みが出たこと。矯正中はほぼ廃人だったので、哲学は身近な存在だった。ただ思考力がかなり減退していたので、深く考えられたわけではない。それでも「生死」についてよく考えたので、今後の生き方がだいたい定まったように思う。

次に矯正治療のデメリットを挙げる。

不健康になったこと。これ1点に尽きる。1つだけだが、前向きなエネルギーをごっそり奪われてしまったので、これで人生が暗転したといっても過言ではない。ピンチはチャンスという考え方は好きだが、エネルギーを奪われてしまったのでチャンスにするという前向きな感情もわかなかった。

思考力、行動力が落ちて非生産的になり、人付き合いも極端に悪くなったので、友人・知人が減った。寿命を明確に意識するようになり、終活計画も立て終えた。こんな感じで全体的に辛気くさくなってしまった(苦笑)。

現時点では、矯正治療をトータルでみると圧倒的にマイナス面の方が大きい。体調は最悪時から比べると驚くほど回復したが、まだパワー不足感は否めない。しかも今は「修行僧モード」でこの有り様。少し気を抜いたらすぐに悪化する。勘弁してと思う。

もう元の状態に戻ることはあきらめた。今回の治療は事故、不運、不幸と捉え、今後は気持ちを切り替えて前向きにやっていきたい。

矯正治療を中止してから2年以上が経過し、回復が頭打ちになりつつあるので、ブログの更新はいったん終了する。またなにか大きな変化や発見があったときは追記しようと思う。

Kindle版を出版  2024/2

AmazonでKindle版を出版しました。内容は本記事に加筆したものになります。

新たに書いたトピックは
「体調チェック 矯正前の83~88% 2023/5」(2P)
「体調チェック 矯正前の90% 2024/2」(8P)
「カフェイン離脱」(8P)
「ヴィパッサナー瞑想の合宿に参加」(24P)
「歯列矯正のトラブルが増えている」(2p)
になります。

書籍のタイトルはnote版と同じ「歯列矯正 不定愁訴の対処について」です。Kindle Unlimitedでも読めますので、気になるトピックがあればご覧ください。


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