Twitter フリート機能の仕様まとめ+企業活用のポイント
2020年11月10日、Twitter Japanが公開した新機能「フリート」。Instagramの「ストーリーズ」機能が引き合いに出されるなど、ソーシャルメディア上で大きな話題となっていますが、企業アカウントではどのように活用できるのでしょうか。フリートの仕様や企業活用のポイントを紹介します。
【1】Twitterの新機能 「フリート」とは
フリートはすでにInstagramとFacebookで利用できる「ストーリーズ」のように、目の前のできごとやその時の気持ちを伝える手段として、24時間限定でテキストや画像・動画などを投稿できる機能です。
Twitter Japanによると、フリートの実装前テストでは以下のように「より多くの会話」を生む効果が見られたとのことで、今後、Twitter上でのフリートを活用したコミュニケーションの活発化が期待されます。
ブラジル、イタリア、インド、韓国で行ったテストを通じて、フリートが会話への参加のハードルを下げていることが判明しました。フリートがあるほうが、より多くの会話がTwitter上でなされることも確認できました。
出典:Twitter Blog「いまを伝える新しい形、「フリート」を日本の皆さんにご紹介します」より
現状フリートはiOSとAndroidアプリに対応しており、2020年11月13日時点で両OSで順次使えるようになっています。
【2】Twitter フリート機能の仕様
先述したとおり、フリートはInstagramとFacebookのストーリーズと多くの共通点があり、また独自の仕様もあります。企業アカウントでの活用を検討する前に、まずは仕様をチェックしてみましょう。
▼検証したTwitterアプリのバージョン(11月13日現在で最新)
iOS版:8.43
Android版:8.70.0-release.00
Instagram ストーリーズとの共通点
①投稿の表示・閲覧
・投稿したフリートは24時間限定で表示される
・フォローしているユーザーのフリートはタイムライン最上部に表示される
・フリートはフォロー関係にかかわらず誰でも見ることができる
(アカウントを非公開設定にしているユーザーのフリートは除く)
・自分のフリートを誰が閲覧したのかが分かる(相手が非公開設定でも)
・自分のタイムライン最上部のフリート一覧は非表示にできない
通常のツイートではリツイートやいいねが発生しない限り、該当ツイートをどのユーザーが閲覧したのかを把握することはできませんが、フリートはストーリーズと同様に誰が閲覧したのかが分かります。
フリート一覧はタイムライン最上部に表示されるため、ユーザーがログインやタイムラインのリロードをするたびに最新のフリートを目にする機会があります。
②投稿できる内容
上の例は、屋外で撮影した写真に感想のテキストや顔文字、メンション、ハッシュタグを入れており、このように写真に対する補足説明ができます。
・テキスト、画像、動画を投稿できる
・それらの位置や向き、サイズの変更ができる
・文字数制限はない
・自分や他ユーザーのツイートをフリートに投稿できる
(「フリートのリツイート」にあたる機能はない)
・フリートに投稿した内容をツイートできる
・メンション(@ユーザーネーム)やハッシュタグ(「#XXXX」)を付けると、該当ユーザーやハッシュタグツイート一覧へのリンクになる
・URLを挿入してもリンクにはならない
通常のツイートは全角140文字という文字数制限がありますが、フリートは文字数制限がなく、縦長の画面を生かした自由度の高い表現が可能です。
フリート内にツイートを貼ったり、メンションやハッシュタグを入れ込んだりすることで該当アカウントやツイート一覧などに遷移することもできるので、Twitter内のコンテンツ誘導としても活用できます。
③コミュニケーション方法
・他ユーザーのフリートに対し、テキストや絵文字で返信できる
・フリートへの返信(テキストや絵文字)は、ダイレクトメッセージ(以下DM)として相手へ送信される
・自分へのフリートに返信が発生するたびにDMが届く
・自分のアカウント設定を「すべてのアカウントからのメッセージリクエストを許可する」にしている場合、非フォローのユーザーからも返信が発生するたびにDMが届く
フリートに対し、テキストだけでなく泣く・笑うなどの表情、ハートや炎の絵文字などを使い、その時の気持ちや感想を気軽に伝えることができます。返信・リツイート・いいねと異なる方法でコミュニケーションが可能です。
Twitter フリート機能 独自の仕様
・テキストのフォントは変更できない
・一度に投稿できる画像または動画は1点までに限られる
・動画の尺は30秒までに限られる
(自動的に連続投稿されない。30秒以上の場合は投稿画面でトリミング要)
・スタンプやフィルター機能、描画ツール(ペン機能)はない*
・自分のフリートへの返信を「すべて受け付けない」ようにする設定がない
*今後、ステッカーとライブ放送が利用できるようになるようです。
テキストや画像などのアレンジ・装飾機能が豊富なストーリーズに対し、現状フリートはテキスト・画像ともにアレンジ機能はほとんどありません。ただし、Twitter Japanによるとステッカー(スタンプ)機能が間もなく登場するとのことなので、今後の機能充実に期待です。
【3】Twitter フリートの企業活用ポイント・注意点
ここまで紹介した仕様を踏まえて、企業アカウントにおけるフリート活用のポイントと注意点をまとめました。
企業アカウントのフリート活用ポイント
①告知などのリマインドに役立つ
同じ商品やサービスに関する告知ツイートを何度も繰り返し行った場合、それを「くどい」と感じるファンはアカウントから離れてしまう危険がありますが、フリートをツイートとうまく組み合わせて活用することで効果的なリマインドとして役立てることができます。
例えば、新商品の告知をツイートで行った後に、そのツイートを引用し「発売まであと●日」「いよいよ本日発売!」といったテキストを加えたフリートを投稿すれば、1件のツイートをもとに、タイムラインとは異なる見せ方で告知のリマインドを行うことができます。
すでにあるツイートを引用しなくても、自由度の高いフリートをうまく使ってオリジナルの告知を行うこともできるでしょう。タイムラインのツイートは他のツイートに埋もれてしまうことがありますが、フリートは常にタイムライン最上部から見ることできるというメリットもあります。
②エンゲージメント目的のカジュアルなコミュニケーションに役立つ
フリートはInstagramとFacebookのストーリーズと同様に、"24時間限定"のタイムリーかつ親密な情報発信ができるため、エンゲージメント目的のカジュアルなコミュニケーションに役立ちます。
また、フリートで新商品に関するニュースをティザー告知したり、イラスト・動画コンテンツを独占公開するなど、"ここだけ"の情報を発信することでアカウントをフォローする付加価値を生み出すことも可能です。
企業アカウントで活用する際の注意点
①フリート内のツイートを返信・RTしようとするとフリーズする(iOS)
iOS版で動作確認したところ、自分や他ユーザーのツイートをフリートに投稿した場合、そのフリート投稿内のツイートをクリックし、返信かリツイートをしようとするとフリーズしてしまうことが確認できました(2020年11月13日現在)。
そのため企業アカウントを使い、返信やリツイート促進を目的としたツイートをフリートに投稿する場合は注意が必要です。そのツイートにリアクションしようとしたユーザーがフリーズしてしまい、目的を果たせないばかりか、何かしらの不満につながってしまう可能性があります。
今後改善されるかと思いますが、企業アカウントでフリートを活用する際はテスト機などで検証の上、動作に問題がないか確認が必要です。
②不特定多数のユーザーからDMが届きやすくなる
DMの設定にて「すべてのアカウントからのメッセージリクエストを許可する」にチェックが入っている場合、非フォローのユーザーからもフリートへの返信が届きますので、フォロワー数の多いアカウントほど不特定多数のユーザーからDMが届きやすくなりかねません。
現状、フリートへの返信を「すべて受け付けない」ようにすることはできませんが、上記設定をオフにすることで、自分がフォローしているユーザー以外からの返信は届かなくなるように設定することはできます。必要に応じて設定を見直しましょう。
③投稿は自動削除されるが、"炎上"の危険性はある
フリートで"炎上"の危険がある投稿をしてしまった場合、24時間たてば自動削除される仕様だからといって、投稿をなかったことにできるわけではありません。フリートに投稿したテキストや画像、動画はスクリーンショットなどで保存できるため、InstagramとFacebookのストーリーズと同様に、後から炎上してしまう危険があります。
不要な炎上を防ぐためにも、フリート使用に関するガイドラインを設けるなど、自社アカウントの運用ルールを固めておくことが大切です。
【4】まとめ
最後に、フリートの仕様の特徴と、企業アカウントでの活用ポイント・注意点をまとめました。
①フリートの仕様の特徴
▼InstagramとFacebookのストーリーズとの共通する仕様
・フォロー関係にかかわらず誰でも見ることができる
・自分のフリートを誰が閲覧したのかが分かる
・テキスト、画像、動画を投稿でき、位置や向き、サイズの変更もできる
・自分や他ユーザーのツイートをフリートに投稿できる
・自分へのフリートに返信が発生するたびにDMが届く
▼Twitter フリート独自の仕様
・テキストのフォントは選べない
・一度に投稿できる画像または動画は1点まで、動画は30秒までに限られる
・スタンプやフィルター機能、描画ツール(ペン機能)はない
・自分のフリートへの返信を「すべて受け付けない」ようにする設定がない
②企業アカウントのフリート活用ポイント
・フリートをツイートと組み合わせることで効果的なリマインドになる
・タイムリーな情報発信、カジュアルなコミュニケーションに役立つ
・ユーザーが企業アカウントをフォローする付加価値につなげられる
③企業アカウント活用時の注意点
・ツイート引用時にフリーズする動作が確認されている(iOS)
・設定によって、不特定のユーザーからDMが届く
・必要に応じて自社アカウントの運用ルール整備を行う必要がある
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