キラキラのあの子だって、時にシワシワにもなる
ずっと、憧れ、羨ましくて、正直ちょっとだけ僻んでしまう、少し遠い存在の、女の子がいる。
彼女とは大学時代に出会った。とある活動を一緒にしたことがある、他大学の学生だった。
ショートカットに大きめのイヤリング、襟付きのブラウスに、ベージュのチノパン。もしくは、ドット柄のシャツにミモレ丈のタイトスカートもよく似合う、京都出身の女の子。
レトロとモダンの中庸にいるというか、他の人と一緒にカテゴライズできない、センスが光る子だった。
私は彼女が羨ましかった。独自の世界観を持っていて、彼女自身がときめくものを選んで身につけていて。提案する企画、使う言葉なども独創的で、個性的で‥(素直には言えないけど)素敵だった。
自分の感覚をいちばんに信じること。
これって、私にとっては難しいことで、様々な物事を、「人からどう見られているのか」という、他人軸で考えてしまうのだ。
ファッションや持ち物のみならず、怒りとか、嫌いとか、苦しいなどの感情すらも、「私の感覚がおかしいのかも」、「考えすぎているだけかも」というように、感情を素直に受け入れられないところがある。
これって、実はすごく怖いことで、「自分で自分の状態をモニタリングすることができない」ということでもあるんじゃないか、と思う。
先日、とある小さなきっかけを堺に、リミッターが外れたように涙が止まらなくなり、時間外だったから良かったのだが、その日はもう職場に戻らなかった。泣きながら母に電話をかけるなんて、人生で初めてだった。
自分でも、「わたしって余裕が無くなったらこんなふうになるんだな」と思ったし、意外だった。
そんなとき、たまたま、あのキラキラの彼女のインスタを見た。
「体調を崩し、心と身体がシワシワのタイミングです」
日記のような投稿の中にそんな一文があり、そうかあ、彼女ですらそんな日もあるのだなあ、とどこかホッとする自分がいた。
シワシワになっていることを、自覚し、隠さず、言語化して正直に綴る彼女は、やっぱり魅力的で、やっぱりちょっと羨ましい。
「夏に会いたいな」
告白みたいな気持ちで、そんなメッセージを送ってみようかなあ。
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