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海外の「meme」という存在について

海外ではネット上で流行りのネタを“meme(ミーム)”と呼び、絶え間なく更新され、流行のジョークや時事ネタが大量に生み出されている。

定義としては、

【meme】
脳内に保存され、他の脳へ複製可能な情報である。例えば習慣や技能、物語といった社会的、文化的な情報である。- Wikipedia より

と、かなり概念的な意味を持つ。人から人へと移り、拡散していくものとしてmemeを「寄生虫」と表現する論もある。

日本でも流行りのネタはあり、強大かつ代表的なものとして挙げられるのは「淫夢語録」だろう。もともとは男性同士のアダルトビデオであり、その中でのセリフや言い回しがインターネット上で拡散。
詳しい語録の例は挙げないが、原典を知らずに女子高生がその言い回しを用いているとのことで一時話題?(騒然?)となった。

また、「なんらかの犯罪者」もネタ化されやすい。車のフロントガラスを叩き割る男や、あおり運転男、おでんツンツン男など。奇異な行動をとる奴をネタ化する、これは日本も海外も同じような傾向だ。

中継レポートでの珍事もよくmemeになる。国内外での差異として、日本では街頭インタビューの発言がネタになることが多いが、海外では事件発生後の被害者インタビューがmemeになりやすい。

その時々に起こった事柄をネタにして、広く共有されていく。「インターネット」の性格がよく出ているもの、それがmemeだと思う。

文章で説明しても、まだよくわからないかもしれないので、実際のmemeをほんの一部解説する。memeの形式は動画、画像、文章など様々であるが、ここでは主に画像でmemeを説明する。

①doge

この画像は見たことある人も多いのではないだろうか。「doge」とは訳せば「イッヌ」のように、「犬」の呼称を変形させたもの。犬の画像にキャプション(短い文章)を付けて、犬目線のメッセージを作るもの。doge代表として用いられた柴犬の画像、実は日本発なのだが、なぜか日本より海外で爆発的に流行した。

派生形として、

ムキムキの柴犬が右フックを繰り出しているように見える画像も日本で話題になり、海外でも話題に。最近このムキムキ柴犬が出る格ゲーまで登場した。可愛くておもしろいワンコは誰もが受け入れやすいという点でmemeになりやすい。

②grumpy cat

「誕生日おめでとう。死に一歩近づいたね」
また動物かよ、と思われるのも無理なく、memeは非常に動物が好まれる。この猫は「グランピーキャット(不機嫌ネコ)」と呼ばれ、たま駅長以上に有名になった。memeの形式はdogeとほとんど同じ。昨年に亡くなったことが報じられ、多くの人が悲しみ、その不機嫌な表情は多くの人に愛された。

③AREA 51(Naruto run)

アメリカにあるエリア51という場所を知っているだろうか。砂漠地帯にある広大な土地にある軍事施設で、一般人は立ち入ることができない。下手に立ち入ろうとすると銃を向けられる厳重な警備が敷かれている。
一説には、宇宙人の研究を行っていて、宇宙人を隔離しているとも。そこでインターネットのヤングなアメリカン達はエリア51への突入を企てた。突入方法は漫画『NARUTO 疾風伝』での忍者が両腕を後ろにして風を切るように走る、いわゆる「ナルト走り」で。
この画像はテレビでエリア51を中継している時に、そのナルト走りが映り込んだもの。


最近は日本語単語がmemeとなることが多く、『北斗の拳』から「お前はもう死んでいる…」「何!?」の「何!?」が「nani」として大流行。
また、日本のアニメをよく見る海外のオタクが増えたことから、幼女を指す「ロリ」が「Loli」として流行。ロリが出ているアニメを見ているとFBIが突入してくるmemeなどもある。

他にもmemeは無数に腐るほど存在する。また、このmemeのおもしろい点は「いつ、何が流行るかわからない」点。

シュレックが突然流行ることもあれば、トムとジェリーが流行ることもある。新しいものが流行るとは言えず、昔のものや誰もが知るものが突然流行る傾向がある。トムとジェリーは『ジョジョの奇妙な冒険』とミックスされる形で流行った。

奥深きmemeの世界、言語を必要としないものも多く、「世界共通ネタ=meme」となり得るのではないだろうか。


【meme rewind 2019】

https://youtu.be/npJVy4RF22U

2019年のmemeが凝縮させられた動画。

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