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夏にしがみつかれて動けない

恵みと安心感を求めても

空はカラッとアツアツと

降り注ぐ狂気的な陽射し

白雲一つ見当たらない

素晴らしき快晴

憎たらしい猛暑

うんざりするような暑さ

雨が降りそうな気配なんてミジンもなく

乞いて願っても地球温暖化も相まって

お天道様は聞く耳を持たずににっこり微笑み

雨は雨でも雨のように

降りしきる蝉の鳴き声蝉時雨

涼やかさとは相反する蒸し暑さの

真っ只中で背中に張り付くTシャツ

浮かぶ汗の玉

頬を伝う水滴は塩辛く夏の贈り物

びしょ濡れの有り様

乾く喉元

流し込む麦茶

生暖かいペットボトルの中身

それでも生きた心地が

味わえるから不思議なものだ

熱くて青くて眩くて

垂れて流して拭って

雨が降らずとも濡れていく

身体のあちこち

重たい足取り

ジリジリと色づいていく肌身

夏色に染まっていく僕

夏にしがみつかれ身動きが取れない

仕方なく背負って我慢するしかない

秋が訪れる頃まで果たして僕は無事に

人の形を保っていられるだろうか

ドロドロに溶けてしまっていないだろうか

それが今の僕の悩み事だ

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