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喋れないことの悩み、その理由を考察してみて気づいたこと

喋れない、というとコミュ障とかそういう話になる。確かに私はコミュ障だが、それとは別に「あれっ趣味のこととかも話せなくね?」と何年か前に気づいてしまった。

もう何年も前、大学を卒業して数年経った頃、久しぶりに友人たちと集まることになり、居酒屋のチェーン店に入った。

ちなみに友人たちはみんなオタクである。ジャンルが違ったり重なっていたりといろいろあるが、お互い推しについて熱く語り合い認め合う、気のいい仲間たちだ。この辺りは『腐女子のつづ井さん』をイメージしてもらいたい。だいたいあんな感じだ。

※ちなみにこの「お互い」のところに私は含まれない。

久しぶりに集まってオタクたちが話すのは、近況ではなく最近の推しについてである。もしくは狩り(同人イベント)の成果。

集まったみんながそれぞれの理由でヒートアップし、かたわらの友に推しの良さをアピールしまくる中、私は一人ぼんやりと酒を飲んでいた。

話すことがなかったのである。

ビジュアルつき作品と活字。ジャンルの違い?

「お前も推しについて話せばいいじゃないか」

そう思われることだろう。だが私には特別推しているキャラクターはいない。というかキャラクター単体で推すタイプのお宅ではなかった。

「だったら推し作品について語ればいいよ」

うーん、推し作品……もともと活字派だし、あんまりアニメ見ないし。「アニメやゲームオタク」の人を相手に話せることは少ないかも。

というかみんな、キャラ推しの人ばっかりで……キャラよりストーリー派な私が話そうにも、ベースの言語が違うというか……。

「でも、せっかくだから推してる作品アピールして、広めたらいいよ。ストーリーの一押し部分とか」

それってネタバレになっちゃうだろ!

…などという感じで、言い訳はたくさん思いつく。

言い訳とは言ったものの、どれも本心だ。キャラ推ししてないと、ネタバレなしで良さを伝えることは難しい。

というか、思うに、キャラ推しをしている相手に、キャッチーなキャラがいない作品を推すのは難しい。相手にアピールする上での一番のとっかかりであるキャラを使えないからだ。

それに…生来の情熱の薄さ。良いものは良い、と自分では思うのだが、誰かに語って伝えられるほどの熱意が、どうも私には存在しないようなのだ。

普段しゃべらなすぎて口が動かない

私の職場は人数が少ない。ちなみに私が一番下っ端だ。

そして同年代がいない。年上ばかりとなれば、話題はかなり限られてくる。

基本的に業務の話しかしないし、たまに雑談しても分からない話題ではない。鬱陶しい話をふっかける人のない、いい感じの職場ではある。

だがまあ、毎日のように天気の話をしていれば飽きる。なら他の話題…テレビ見ないし…ううん、共通で話せることが少なすぎる。

そんな生活を続けていれば、自然と口は重くなる。どんな風にしゃべるのか悩んで声が詰まる。そしていざしゃべったとしてもすぐに疲れてしまう。

私にとって、しゃべることとは慣れない行為になってしまっているのだ。

でも、誰かにしゃべっていて欲しいのはメンタルのため…かも

私はしゃべるのが苦手だ。大人数の場は嫌いだし、飲み会は絶対に行かない。

でも妙なことに、人が雑談してるのを隣でのんきに聴くのは好きだったりする。

「のんきに聴く」というのは、気を使う必要のない相手がしゃべっている時や、自分とは関係ない、ただそこで行きあった人たちの会話を聞き流しているような時のことだ。(もちろん上司の会話なんかは、逆にうっとうしいので除く。)

例えばそれは、ファミレスで隣の席から漏れ聞こえてくる会話を、BGM代わりにするようなものだ。

いや、盗み聞きではなくて。はっきり会話を聞き取るのではなく、聞き流す。人のしゃべっている声を、意味を把握せずぼんやり聴いているだけだ。

これだけでも精神衛生上いいっぽいぞ、と最近はわかってきた。どうも、近くに「自分以外の誰かが生きている」のを感じられるのが良いみたいだ。大袈裟か?

もちろん怒鳴り声や陰険な話題はおことわりだが、そういう意味もあって、たまに外食に行く。今の時期は新型コロナの影響のせいで、テイクアウトが外食のメインになりつつあるけど、まあそれも「自分以外の誰か」に接してるから多分ありだ。

本当は飲み会で友達がしゃべっているのを肴に酒を飲みたい気持ちもあるが、遠くに住んでいるし時間的にも難しい。

今度、ラジオ聴きながら呑んでみようかな…ラジオなんて普段まったく聴かないから、どんなのがあるのかすら知らないけど。



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