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若干、専門的になりますが。2020東京五輪の国産材での屋根掛箇所でも、加圧注入処理された国産材に、保存剤を深く浸潤させるために、こういったインサイジングが施されていた。


既存の他社施工のウッドデッキ材は、この時20年経過(私たちは2005年)にリノベーションしましたが、その時の写真です。

ここの床材は、SPF材の加圧注入だけど、インサイジング無し。すべて腐朽してました。

土と接地する部分の206(ツーバイシックス)のSPF材の左右の日本の内、インサイジングした右は腐朽無し、インサイジングしてない左は設置部分が腐朽

一般的に保存剤が入りにくい外材(外国産材)はインサイジング(人工的なキズをつける)するべき。長く持たせるなら、床材まで。(90角以上は、日本でもインサイジングすることになってるが)

左はインサイジングあり、右はインサイジング無し。目視で右と左での注入性の違いは、はっきり見て取れる。



耐久性ありとされていた、ウェスタン・レッド・シダーをインサイジングし加圧注入して、より耐久性アップさせた。

北米・カナダ材は国産材と比較して硬いので、インサイジング痕がはっきり残る。

インサイジングについては、木材の耐久性の観点から、専門書には載っているし、日本木材保存協会で90角以上の木材へのインサイジングは指導されていると思う。

ただ、床材までとなると、当時見たことはなく、この現場でインサイジング有無の耐久性の差異が明らかになった。DIY店では、インサイジング無しのSPF注入材が売られているが。

施工例をつぶさに観察するというフィールド・ワークで、より経年変化の実態・原因・対応策が練られる。せっかく、巷に実践例があるからそれをじっくりと観察しない手はない。



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