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股旅SOUTH (2022)

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旅と写真。那覇/コザ/古宇利島/今帰仁/本部/鹿児島/宮崎/別府/熊本/福岡/西海/松島/佐世保
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股旅SOUTH_day1_那覇

股旅SOUTH_day1_那覇

どうして私はここで洗い物をしているのだろう…?

新宿三丁目の老舗BAR、King Biscuitにて雨のそぼ降る2022年4月1日午前2時過ぎ。
来店した全てのお客を見送った。
始終雨だった割には店は混み、心地の良い疲労感とともにシンクの中に溜まりに溜まったグラス類を黙々と洗い続ける。

と、ここで断っておくが私はバーテンダーではない。確かにバーテンダーとして振る舞っている時もあるがそれは仮の姿

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股旅SOUTH_day2_那覇

股旅SOUTH_day2_那覇

なかなかにひどい雨だ。
折角沖縄に来たというのに、この2日間彩度の低い風景しか見れていない。

ホテルの朝食はとても良かった。
ソーキそば、ジューシー(沖縄風五目ご飯)、島豆腐、さんぴん茶などなど土地のものを味わえた。

ビュッフェの際にビニール手袋を着けることにも慣れてしまって久しい。
これを着けるとトング等が扱いづらく、はじめはとても煩わしく思ったものだがそれももう2年前の話だ。
マスクもそう

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股旅SOUTH_day3_コザ

股旅SOUTH_day3_コザ

今日のレポートの前に、まずは昨晩の旅日記を更新したあとに起こった悲劇を記さねばなるまい。

まず前提として、これは誤算だったのだがホテルの周辺にコンビニをはじめとした商店がまるでなかった。
ただ、フロントにカップ麺などが置いてあったのを目にしていたのでさしたる問題ではないかなと考えていたんですね私。

そして昨晩、ホテルに帰った私はいくつかの種類の中からせっかく沖縄に来たし…と本土では売っていない

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股旅SOUTH_day4_古宇利島

股旅SOUTH_day4_古宇利島

沖縄に到着して4日目。
目を覚ました時、待ち望んだそれが外にある気がして窓を開ける。
ついに、とうとう、やっとのことで晴れた。

3日間雨で、日々刺激的ではあったがなにかが絶対的に足りていなかった。青空だ。
他の何処でもない沖縄なのだ。
ここは青空じゃなくちゃいけない。

昨日チェックイン時に少し顔を合わせ、お話して、今日顔を見たら写真を撮りたいと思っていたホテルの素敵なママはチェックアウト時に外

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股旅SOUTH_day5_今帰仁〜本部

股旅SOUTH_day5_今帰仁〜本部

ちょうど1年前の4月5日、新千歳空港に降り立ち北海道と東北を巡る「股旅NORTH」がスタートした。

あの時札幌は4月だというのに氷点下まで冷え込み、真冬の装いをしていた。

その1年後。
沖縄北部・古宇利島のてっぺんにて朝7時。
冬用のダウンシュラフで眠っていた私は寝苦しさで目覚める。
暑い。テントの中に熱気が篭っている。

眩い朝日。快晴だ。
フライシート(外側の幕)を外しテント内を換気。

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股旅SOUTH_day6_本部

股旅SOUTH_day6_本部

3週間ちょっとの予定のこの旅もスタートから1週間が経とうとしている。

旅をしていると少しずつシンプルになっていくものだと昨年の「NORTH」の旅日記にも書いたと思うけれども、今回は6日目でそのスイッチに切り替わった気がする。

持ち物と選択肢が膨大にある日常生活から、そのどちらも最小限しかない旅という非日常。
三大欲求でいうと性欲がまず消え、食欲が減り、睡眠欲までもが減退していくものだ。

朝6

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股旅SOUTH_day7_本部

股旅SOUTH_day7_本部

ここから先は下手に寝坊することもないだろう。
本部に来てから旅のスイッチが入ったからだ。
例えるならば自然のリズムに心身が同期したような感覚。
朝7時に自然と目が覚める。

オバアの朝ご飯はパーフェクトだった。
焼き魚、はんぺん、卵焼き、かぼちゃの煮物、蛸とキュウリの酢の物に野菜スープ。
どれも最高に美味かったが中でも絶品だったのはかぼちゃの煮物だ。

こんなに美味しいかぼちゃは生まれて初めてだ、

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股旅SOUTH_day8_ON THE SEA

股旅SOUTH_day8_ON THE SEA

東京ではもう桜の花は散っただろうか。
私はというと沖縄にて、昨日は真夏の太陽に焼かれた。

気に入って延泊した民宿で迎える3度目の朝。

オバアの朝ご飯は昨日までとは違い洋食だった。
ベーコンやウインナーではなくスパムなのが土地を感じさせる。
今朝も美味しくいただいた。

朝食後、宿賃を精算する。オバア惜しい、線が一本足りないよ…

借りていた部屋を片付けるのだが、これがとても寂しい。
たった3日

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股旅SOUTH_day9_鹿児島

股旅SOUTH_day9_鹿児島

昨日午前9時半に沖縄北部の本部港を出発した大型客船は、夜がふけて私が眠りこけ、そして目が覚めてもまだ目的地に到着していなかった。

午前6時。船はどこかの島に寄り、また出発したようだった。
船内アナウンスによりそこが屋久島だったことを知る。

寝ぼけ眼でカメラの操作もままならず、急いで撮った屋久島。この島のどこかにかの有名な縄文杉が。

目覚めの一服の後朝日を撮ってもうまくいかない。おかしいなと思

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股旅SOUTH_day10_鹿児島

股旅SOUTH_day10_鹿児島

鹿児島2日め。昨日に続いてオフだ。
撮影依頼は1件も入らなかった。
にも関わらず、旅スイッチは入っているので早めに目が覚めてしまう。

それならば街へ出ようということで、昨日は自転車で表通りをあらかた見て回ったが今日は徒歩で裏通りを行ってみようじゃないか。

昨日この街の他所行きの顔を見た限りでは「調和のとれた街」と評した。

だけれども、どれだけ取り繕ったところでそこは人間と同じ。仮面を剥いでし

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股旅SOUTH_day11_宮崎

股旅SOUTH_day11_宮崎

「あなたが行ってしまったら、また誰もおらんくなってしまう。あなたが来る前もだーれもおらんかった」

「みんな大きくて綺麗なホテルに行っちゃって」

「もうだめかもわからん」

午前8時。
荷造りを終え、階下の居間に降りてきた私にお茶とパンを出し、オバチャンは溜め息をついてみせた。
私は一言も発さずそれを聞いていた。
続く言葉を待ったが、それ以上はなかった。

薄暗く雑然とした居間には似つかわしくな

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股旅SOUTH_day12_宮崎

股旅SOUTH_day12_宮崎

昨日からぐずついている空は、昼が近づいてもまだ曇ったままで時折雨粒を降らせていた。

今日は撮影依頼がある。
正午、依頼主からホテル下に到着したとの連絡。いざ行かん……

……おいうそだろ。扉が開かない。

内側から開かないってのは初体験なんですが一体どんな状況ですかね??
ドアノブがフリーズしてしまっていて、押しても引いても動かない。
仕方ない。フロントの人を呼ぼう。

フロントの人が来た。

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股旅SOUTH_day13_別府

股旅SOUTH_day13_別府

股旅SOUTHと題して沖縄から九州を巡るこの旅も折り返しで今日から後半。

早い気もするが東京を離れて2週間も経つのか。
なるほど身体のあちこちが悲鳴を上げているわけだ。

昨日あたりから首と肩がムチ打ちのようになっている。痛みに耐えかねて自分でマッサージを試みるもこれが仇となり、揉み返しでかえって悪化した。

顔に出来物が増えているのは日焼けと栄養の偏りのせいだろう。

健康と引き換えに得難い経

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股旅SOUTH_day14_別府

股旅SOUTH_day14_別府

目が覚めて飛び起きる。朝。いつの間にか眠ってしまったようだ。

遅刻なんかは気にしなくていい。
なぜなら今日は九州全土で雨。
もともと昼だった撮影依頼のスタート時間を、15時からにずらしたのだった。
予報が当たればそれぐらいに雨は止む。

シャワーも浴びずに寝てしまったため浴室へ移動すると何か注意書きがある。

ふんふん……

分??秒じゃなくて??
さらに

どうあっても温泉に入らせたいらしいな

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