マガジンのカバー画像

股旅NORTH (2021)

22
旅と写真。札幌/余市/函館/青森/秋田/盛岡/花巻/仙台/山形/猪苗代/郡山
運営しているクリエイター

記事一覧

股旅NORTH_day1_札幌

股旅NORTH_day1_札幌

私は旅が好きである。こんな名前で活動してるぐらいだ、そりゃもう旅がしたい人間である。

ずっと見てくれてる人は知ってると思うが知らない人のために一応言っておくと、よくいる海外アゲ日本サゲのウェイ系旅行好きの方々とは違い、私の場合は都会の生活で凝り固まった心身を浄化しに見ず知らずの土地へ赴き、赴きはするものの、観光など特にせず自分の居場所を見つけぽつん、と過ごしながら静かに内省活動を行う言わば「ダウ

もっとみる
股旅NORTH_day2_札幌

股旅NORTH_day2_札幌

安かろう悪かろうとはこのことである。
「札幌激安3連泊!」の文字にまんまと引っかかり予約してしまった中央区狸小路付近のこのホテル、朝食がなんと味のしないハムロールと味のしすぎるミルククロワッサンのみ。最悪であった。
これならまだ朝食無しのホテルに泊まり吉野家で朝定でも食べた方がマシだった…と割と最悪な気分で始まった股旅の2日目。

朝食後札幌市中心街でスマホのモバイルバッテリー、まな板、コーヒーフ

もっとみる
股旅NORTH_day3_札幌

股旅NORTH_day3_札幌

昨晩の凍えるような冷気と強風は眠っている間におさまり、身支度をして外に出ると暖かな陽気。
それでも気温は10℃、東京の半分ほど。自分の感覚とは異なる4月。札幌にまだ春は来ない。

風もなく撮影日和、まずは中心街にて撮影。
テレビ塔の間近にベストスポットを発見する。
現地でモデル業をしている本日の依頼者も知らないポイントのようで、しかしとても良いアングルで撮れるしじっくり探せば見つけられる場所なので

もっとみる
股旅NORTH_day4_余市

股旅NORTH_day4_余市

午前10時。繰り返し鳴るホテルの部屋の電話で起こされる。
チェックアウト時間だというのに眠りこけていた…寝坊だ。
早起きして優雅な朝を過ごすプランは今回の旅においてまだ実現したことがない。
11時にホテルを出る。きっちり超過代金1,000円を取られた。朝食も残念だしこのホテルにはもう来ない。

お馴染みの看板もこの街もまたいつか来るまでさよならだ。
旅の始発点札幌を後にする。

札幌駅から高速バス

もっとみる
股旅NORTH_day5_函館

股旅NORTH_day5_函館

ぽたぽた、びちゃびちゃ、という間断なく響く聞き慣れない水の音で目が覚める。
屋根の雪が溶けて地面を打つ音だった。
煙草を吸いに外へ出る。快晴。
先の水の音と澄み渡った空気の中心地良い一服ができた。

本来なら余市川のほとりでキャンプ泊をしようとしていたところを悪天候により急遽取った宿だったため朝食の予約が出来ず、街へ出て朝食を摂ろうと早めのチェックアウト。タクシーに乗り込む。

運転手さんはとても

もっとみる
股旅NORTH_day6_青森

股旅NORTH_day6_青森

函館は快晴であった。
朝食運がなかったこの旅、6日目にして初めてまともな朝食にありつけたかもしれない。
好きなだけよそっていいカレー、小鉢、味噌汁。なんてことないものなんだけどやけに幸福だ。朝からたらふく腹に入れ1日が始まる。

結局函館では何もしなかった。ラッキーピエロでハンバーガー食べてコインランドリーに行っただけ。
朝食後すぐに荷造りをしチェックアウト、港へ向かう。

津軽海峡を4時間で結ぶ

もっとみる
股旅NORTH_day7_秋田

股旅NORTH_day7_秋田

おはよう青森。
朝からTVのニュース番組はコロナ一色だ。
ホテルで朝食を採りつつ耳に入ってくるのは新規感染者数のことばかり。人口10万人あたりの感染率という信用出来そうな数値はどこいった?

今朝もホテルの朝食には満足。ありがとう東◯イン。

今日は秋田県との県境で撮影〜付近に泊まって明日秋田入り、のつもりだったが残念ながらキャンセルになってしまった。
特にすることもないしどうしようかなと暫し考え

もっとみる
股旅NORTH_day8_秋田

股旅NORTH_day8_秋田

東北に春の声。
青森では寂しげで冬の姿だった木々が少し下ったここ秋田では青々とし、まさに今桜が満開の見頃を迎えている。
東京で既に開花から葉桜になるのを見届けているので、今年は二度春の訪れを感じている。
なかなかいいもんだ。

ところで昨夜記事を書いてから宿の浴場に向かったのだがとても良かった。

檜風呂である。
私は刺青を気にして全くと言っていいほど温泉施設を利用しないのでよく分かっておらず、多

もっとみる
股旅NORTH_day9_秋田

股旅NORTH_day9_秋田

春眠暁を覚えず。
9時過ぎまで寝てしまい、あれ程楽しみにしていた女将の手作り朝食をみすみす逃すというやらかしから始まった股旅の9日目。
フロントで聞いたら「もう下げさせていただきました」とのこと…ごめん女将…ちょっと悲しそう。そんな顔されたらこっちも悲しくなる。

その代わりに昨夜返ってこなかったスニーカーがピカピカになって玄関に置いてあった。
聞けばご主人が泥まみれになっていたものを乾かし、ブラ

もっとみる
股旅NORTH_day9.5_inside

股旅NORTH_day9.5_inside

昨夜遅く独り占め状態となった宿の浴場で、お湯に浸かりながらぼうっとしていた。
忙しない日々でこんがらがった思考の糸、それがようやく解けはじめる。

はじめに、愛する女性に自殺された友人のことがふっと思い出された。彼は、自ら命を絶った彼女のことを情感たっぷりに私に話した。

つぎに、死別した弟のことが頭に浮かんだ。
彼は、最後に会ったときとても楽しそうだった。

この二つの事柄は私のこれまでに確かに

もっとみる
股旅NORTH_day10_盛岡

股旅NORTH_day10_盛岡

この扉を抜けてはいけない。
その先はきっと異界。
戻らないと。

たまに見る不思議な夢の一種だった。
夢の中から自分の意思で覚醒できるから面白い。午前6時45分。良かった今日は女将の朝食を食べられる。

今朝は一昨日に比べて簡素だな…
昨日ブッチしちゃったからかな…
でも美味しかったですご馳走様でした。

10時、3泊した宿をチェックアウト。
たった3泊だが後ろ髪引かれる思い。また秋田に来たならば

もっとみる
股旅NORTH_day11_花巻

股旅NORTH_day11_花巻

昨夜は昨夜とて飲み過ぎた。18時から日付が変わるぐらいまで飲んでいただろうか。
泥のように眠った。

朝食を済ませデスクワークを終え外に出る。
盛岡駅周辺の繁華街はとても狭く、目ぼしいメシ屋もカフェもチェーン店ばかりでご当地色の強いものはほとんどない。
当てが外れたなぁと、地下に入る。
なんだあるじゃないか。

人生初・岩手名物じゃじゃ麺を食す。
食べ終える頃に卵とお湯を追加でチータンタンなるもの

もっとみる
股旅NORTH_day12_仙台

股旅NORTH_day12_仙台

叩いても振っても充電してもうんともすんとも言わない。
買い替えて半年ほどしか経っていない愛用の髭トリマーが旅先でまさかのリタイアである。

髭は今回旅に出る直前に整えてきたので、此奴はこの旅のちょうど半分もの期間、全く使えないのにも関わらずバックパックの容量を(ほんの僅かではあるが)占有してきたことになる。
移動の際パッキングの度に少しでも多く詰め込めんかと悪戦苦闘してきた私の純真を嘲笑うかのごと

もっとみる
股旅NORTH_day13_仙台

股旅NORTH_day13_仙台

雨の仙台。
ちょっとこの仙台滞在においては自らのスケジューリングを褒めたいのだが、元々の天気予報が荒れ模様だったため依頼の全てを日時未定のまま浮かせておき、直前になって予報の確度が上がった段階でほぼ全てを昨日と明日に振り分け今日はほとんどオフに近い状態にするという、どうですかこれ?いい仕事しますよね私。

さて、そんな1日の始まりの前に昨日触れた心霊現象(仮)のその後について書かねばなるまい。

もっとみる