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あ る 地 名 の 風 景

太海の港   futomi-3

最近一番驚いたこと。
知り合いのヴァイオリニストから聞いた話。
演奏中に弦が切れて、替えの弦を持っていなかった場合、
釣り糸を代用しているそうです。

万が一のことを考えていつもカバンに忍ばせているらしいのですが、
もちろん釣り糸なら何でもいいというわけではなく、
あるメーカーのある品番と決まっているとか。

彼女は有名オーケストラのベテランなのですが、
プロらしいと言えばプロらしい話です。
「安いしなかなか良い」と言ってました(笑)

さて房総の太海ですが、
前回も話しましたけど、太平洋に面しているから“太海”・・

どう考えてもこれには納得いきません。

明治の中頃に考えた新しい村名ですから、
もはやその詳細も分からないでしょうが、
私は、このあたりのどこかに
“フトミ”と呼ばれる場所があったのではと、思っています。

つまりそれを採用したと・・

というのも、全国的に“フト”の付く地名は珍しくありません。
窪地とか海岸で言えば入り江のような場所に付くといいます。

払戸、普当、布土、古渡、風戸、不動野・・・
字はさまざまですが、山間部ではこれが変化して
“ホト”や“ホド”がつく地名も多くみられます。

太海は南北にちょっとした岬があり、まさにそんな海岸です。

この入り江に集落ができ、
通称的にでも“フトミ”と呼ばれていた・・
そんな気がしてなりません。

(つづく)

(千葉県鴨川市)


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