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世界に恋した私

 

 私は昔から1人の時間が好きです。昔から一人っ子の期間が長くて、1人でお人形で遊んだり、学校ごっこしたり、1人で走ることが好きでした。1人の時間は誰にも何も言われず、自分が好きなように時間を操れ、好きなように過ごせるからです。友達も少なく、幼少期から自分の殻に閉じこもっていた、そんな私が世界と出会い、恋に落ちてしまった話をします。私はずーっと、"海外は未知で怖いところ"ってイメージを持っていました。


オーストラリアに行くまでは。



 私の通っていた大学では、みんな留学したいという風潮がありました。しかし、私は留学して1年も海外で生活できないなんて引っ込み思案が発動してしまい、挑戦を恐れていました。そんな私は、留学の代わりに英語を勉強するためにという軽い気持ちで、オーストラリアに1ヵ月海外研修へ行くことに決めました。

 これがきっかけで、何も趣味がない私は海外旅行が趣味になるなんて、当時は微塵たりとも予想していませんでした。


 研修では、オーストラリアのメルボルンで1ヵ月語学学校に通いながら、ホームステイをして過ごしました。仲の良い大学の友達もたまたま一緒だったのが、初海外生活の私にとっては救いでした。その友達は、海外経験が豊富で、無知な私を引っ張っていってくれました。


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 日本とは全く違う、建築、陽気、文化、匂い、路面電車(トラム)、言語!!!!!この異文化を目の当たりにした瞬間、一瞬で射貫かれました。言葉にはうまく言い表せないほどの高揚感でした。

 トラムに乗ってどこかへ行く瞬間が、とてつもなく好きでした。ここでの生活に慣れると1人で行動したくなり、1人で郊外にあるステイ先から街中へ移動するようになりました。


 自分一人の力で見ず知らずの地に行くことがなによりも楽しい瞬間で、人生で一番生き生きしている自分でした。道に迷ったら現地の人に勇気を振り絞って話し、打ち解けられるその瞬間がなによりも楽しいひと時でした。今までずっと自分の殻で閉じこもっていた私が、自分の殻から脱して、世界に羽ばたいた瞬間でした。


 海外は怖い場所じゃない、私の知らないことを肌で感じ取って、教えてくれる。それは教科書に載っていない、体験してわかるものでした。むしろ知らないことが怖くなりました。もっと世界を知り、世界を愛していきたい。自分が足跡を刻んだ場所にまた帰りたい、そう思える旅をしたいという思いが私の魂に宿りました。


 それ以来、私は日本から海外へ、ひとりで旅立つようになりました。


 世界を愛するようになりました。


 私にとってオーストラリアは、私自身を変えてくれた大切な場所です。


 場所に限らず、ふとした場所での出会いはあなたを変えてくれるはずです。それが日本であれ、海外であれ。


 コロナが収束したら、どこか遠くへ旅に出かけたいですね。一刻でも早く、世界に笑顔が戻りますように。

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(ビクトリア州立図書館)


#一度は行きたいあの場所

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