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第13節 コンサドーレ札幌戦 雑感

ポヤトス監督が直接指揮をとるようになってから未だリーグ戦で勝利のない徳島。直近水曜日のカップ戦でも大分相手に先制を許し、苦しい展開の中、新加入のカカ選手が高いポテンシャルを発揮して奪取した同点ゴールになんとか一筋の希望の光を見出すことはできた。今節はこちらも今季はここまで十分結果が出ているとは言い難い札幌を鳴門に迎えての試合となった。

スタメンは前節から大きく変更。なんとDFラインは岸本選手以外、ドゥシャン選手、カカ選手、ジエゴ選手と外国籍の選手がズラリ。バトッキオ選手も先発メンバーに名を連ね、実に外国籍選手が同時に4人先発するという、徳島ヴォルティスとしては、個人的には過去に記憶の無いくらい珍しい編成になった。

今節の徳島はこれまでとやり方をがらっと変えてきた。今までのようにGKやDFラインでボールを回しながらビルドアップするのではなく、上福元選手から一気に前線へ長いボールを蹴るという戦い方をメインとして選択。うまくおさまらないことが多かったけれど、敵陣で前からボールを奪いに行くことで相手選手に自陣でプレーをさせる時間を減らそうとしている意図が見えた。DFのラインナップも含め、強力な前線の選手を擁する札幌対策だったのかもしれない。

自陣に攻め込まれるシーンもあったが、初先発のカカ選手が前評判通り、スピードや高さ、対人の強さを如何なく発揮し危ないシーンを作らせず。バトッキオ選手もライン間に空いたスペースへスルスルっと入ってきて相手のプレッシャーを受けながらも受けたボールを左サイドへ展開した前半19分のプレーをはじめ、能力の高さを披露した。

前半終了間際には大幅に高さが加わったCKからファーで垣田選手が折り返したところを、宮代選手が触って先制点。これまでとは違うやり方ではあったが、思惑通りに試合を運び、先制にも成功するという上々の出来でゲームを折り返すことになった。

後半開始から札幌が動いてくる。ジェイ選手を投入し、アンデルソンロペス選手と2人で強力な前線を形成。ターゲットが2人になった分、徳島DF陣への負荷も大きくなったと思われる。それでも徳島は敵陣でボールを保持し、46分には岩尾選手のミドル、49分にはCKから宮代選手のヘディングシュートなど惜しいシーンが続く。

しかししかし、次の1点を取ったのは札幌。56分 岩尾選手から前線の垣田選手へ出たところを潰される。かなり激しい接触でファールではないかと選手達も思ったのか、一瞬プレーが止まったところをそのままこちらの左サイドから縦に素早く侵攻される。福森選手からのクロスをファーに入ってきたジェイ選手がフリーで折り返して、最後はアンデルソンロペス選手に決められてしまう。

ファールではないかと考えて選手たちが一瞬足を止めてしまったこと、カカ選手と鈴木徳選手の間でのマークの受け渡しがうまくいかず、福森選手にもノンストレスであげさせてしまったし、真ん中でジエゴ選手がジェイ選手とアンデルソンロペス選手2人をみないといけなくなってしまったことは失点の大きな要因であると思われる。加えて、twitter内で指摘があったが、垣田選手が潰された後、徳島の選手3人がチェックにいったが、侵攻を遅らせることもできずに次々とかわされたこと、つまりは個の力で繰り返し後塵を拝したという、分かっちゃいるけど辛い現実の末路とも言える失点であった。

同点ゴールを喫した徳島は引き続きボールを保持し、なんとか突き放したいところ。しかし、勝ち越しのゴールを奪ったのは札幌だった。78分 ゴールキックからの跳ね返りをジェイ選手に詰められたジエゴ選手がうまくクリアできず。次の処理を上福元選手とドゥシャン選手が見合うような形になり中途半端になったクリアをアンデルソンロペス選手に拾われ一発で決められる。そのまま、札幌に守り切られて逆転負けでの4連敗となった。

長いボールを多用するスタイルはこれまでとは違う形ではあったものの、強力な前線の選手を擁する相手を踏まえた対策としては妥当であったように思う。後半は特にボールを保持し相手よりもずっと敵陣でプレーする時間が長かった。ポヤトス体制になってからのリーグ戦では一番内容としてはよかったかもしれない。それでも逆転されて負けてしまった。警戒していた個の力に押し切られた感もあるし、なんとなく「負け運」みたいなのに憑かれてるような気もしてくる。

これで4連敗。もちろん、やろうとしていることに疑問はないし、先もまだ長い。新戦力もその能力の片鱗を見せ始めている。ただし、もはやお題目のようになってしまった感もあるが、だからこそ結果が欲しい。結果が出れば一気にポヤトス・ヴォルティスは具現化するのではないか、自分だけでなく多くのヴォルティスサポーターはきっとそんな希望を持っていることだろう。



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