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今、広島が熱い!本社ごと移住したIT社長に聞いて見えてきたこと(地域DX推進ミートアップ #08 レポート)

こんにちは。ヤフーのオープンコラボレーションハブ「LODGE」の中川です。LODGEが注力中である各自治体のDXを支援する取り組み、「自治体DX」をテーマに、皆さまに共有できるコンテンツ作りや発信をしています。私は主に「地域DX推進ミートアップ」シリーズを企画・運営(オンラインイベント司会)しています。

本シリーズ8回目となる今回は、広島県庁さんのご紹介で、クラシノ株式会社さん株式会社エクレクトさん「地方に本社移転しちゃったけど、ぶっちゃけどうなの?」を聞いてみました。

会場はエクレクト西日本本社(広島市)の素敵なオフィスで開催
視聴者は会場参加とオンライン参加のいずれかを選べるようにしました

本イベントレポートのポイント

1. 広島県の手厚い「デジタル系 企業誘致」によって、地域に新しい価値創造を!

2. 「デジタルマーケティング」を通じて地域と関わることで、新たな伸びしろを発見!(クラシノ社)

3. 社員のウェルビーイング+地域交流のエコシステムは次世代の組織モデルだ!(エクレクト社)

※ 本イベントレポートは抜粋版です。本編はぜひアーカイブ動画をご覧ください!

動画アーカイブはこちら!

広島県庁がめざす「デジタル系 企業誘致」を促進する狙いとは?

広島県庁 商工労働局 県内投資促進課:八巻 淳 さんから、広島県の企業誘致施策と実績についてお話しいただきました。
「イノベーション立県」を掲げる広島県では、地域の経済成長に欠かせないプレイヤーとして、デジタル系企業の誘致を2016年から積極的に進めていらっしゃいます。2019年のコロナを機に世の中の「働き方」に変化が現れたことで、地方移転(移住)の兆しが出てきたタイミングを逃さず”いち早く”施策を打たれました。全国からより多くの問い合わせをいただけるよう、助成制度を最大2億円に引き上げたり、わかりやすいランディングページの作成(黄色いページ)、プロモーション用の動画を制作しPRを積極的に行なったことで全国的な認知とともに、100社を超える誘致の問い合わせや繋ぎ合わせの案件があったとのことです。(現在も最大1億円の助成制度を継続中)

進出を検討された企業さんに向けた誘致の特徴5つをご紹介いただきました。
・太っ腹な助成制度
・やったことない!に挑戦
・ワンストップ支援
・横軸連携
・社会連携

企業が進出する前の安心感、進出した後の安心感を持っていただける支援制度を用意されています

広島県では、地域と産業がコンパクトにまとまってる特徴があるため、進出企業のニーズや地域の課題も吸い上げやすく、県や市の職員がハブになって短期間で多くの方と直接会って話ができるのが特徴だとお話くださいました。進出された企業の方からも「(要所がまとまっていることによって)ビジネスのスピード感がある」という感想もあるほど。また、中心市街地から山と海が近い広島県では都市圏とは違った仕事の仕方にイノベーションを生み出す可能性を感じていらっしゃる方もいるとのことです。

クラシノ社が「デジタルマーケティング」支援で気づいた地域の可能性(伸びしろ)とは?

続いて、クラシノ株式会社 代表取締役社長 芝田 潤さんよりデジタルマーケティングの視点から「移住促進、企業誘致における自治体のPR戦略」についてお話しいただきました。クラシノ社は前段で話があった広島県の企業誘致PRのランディングページ(黄色いページ)や、動画制作を行われた企業であり、このお仕事を継続的に受けられている中で「広島県へ本社移転」を決意されたというユニークなエピソードも披露いただきました。

まず芝田さんから、デジタルマーケティングの基本かつ重要なポイントをわかりやすく解説いただきました。その上で自治体が行う企業誘致においても、下記のようなフェーズ分け・訴求ポイントが重要であるということ、「自治体の強み」「マーケットニーズ」「価値交換」が大事であると解説いただきました。

① デジタル広告をきっかけに「企業誘致をしている広島県」をまず知ってもらう
② 広島県のことを忘れないでいてもらう
③ 人生のターニングポイントのときに「広島県へ移住」という選択肢をもってもらえるように

また「クリエイティブで気をつけたいこと」についても今回の「移転」を例に解説いただきました。オーナーである広島県庁からは「移転についてのきっかけを知ってもらうことが一番」とわかりやすい要望をいただけたことも、形にしやすかったとのことです。

・ページの役割を明確に、詰め込みすぎず制作
・ターゲットに合わせたデザインを
・読んでその気になる、「自分ゴト化」のコンテンツ作りを

訴求においてもマーケットが何を求めてるかを明らかにし「価値交換」の意識が必要

最後に、広島に拠点を移してから県内のデジタルマーケティングの相談・案件が増えたことについて、具体事例を交えてお話いただきました。そして今後はITを活用する企業が増え、リモートOKな雇用を生み出すことで「若者の地方離れ抑制にもつながる」、そんな広島の未来に貢献していきたいという想いを語っていただきました。

エクレクトの社員は「素の自分のまま」でのびのび仕事! 地方のエコシステム構築に向けて

続いて 株式会社 エクレクト 代表取締役社長 辻本 真大さんより、広島県を活用して何をしているのか? をお話しいただきました。
カスタマーエクスペリエンス(CX)事業を東京本社からスタート、500社のクライアントを都市圏で対応されていましたが、コロナを機に20人の社員とともに広島に本社移転を決意されたとのことです。

まず最初にお話いただいたのは、インターン生2人の活動レポートのご紹介でした。インターン生に「エクレクトを知る」体験を提供することが狙いだったそうですが、思っていた以上に伸び伸びと活動し、成果を挙げてインターンを終了してくれたとのことでした。レポートもインターン2人による自主制作だったそうです。

エクレクトのインターン生2人のレポートには「感謝」が溢れていました

辻本さんが広島移転を考えるきっかけになったのはコロナ禍ですが「クライアント応対は必ずしも対面でなくても良い」となったことで、これまで「クライアント縛り」によって首都圏を中心としたビジネスや働く環境だったものを、社員のウェルビーイングを中心に業務設計できるようにしたから。とのことでした。社員が「素のままで生きていける」「パフォーマンスを高く発揮できる」を目指して、自然やその土地の資産を活かしていける広島県へ、助成制度を活かした移転を決意したとのことでした。

循環型グリッドモデル実現についてのご説明では、ゲストのお二人(八巻さん・芝田さん)も何度も頷いておられました

業務するだけならリモートでも完結できるが、社員の暗黙知や熱量はリアルでないと伝わらない、社員の人生が豊かになるようにと広島の西日本本社オフィスも「カルチャープレイス」として設計されました。社内外で起こすアクティビティとともに「バーチャル(Virtual)」「フィジカル(Physical)」の融合によって、人間らしさを保ちつつ成果を挙げる組織を目指していきたいとのことです。

求められていることと、大事にしたい価値観のバランスを組織で実現し、地方へ還元する次世代組織モデル

最後にこの「循環型グリッドモデル」を通して実現していきたい未来を辻本さんから語っていただきました。「あらゆる地方都市の資産に可能性があるので、広島をモデルケースに若者たちが地方にいながらグローバルとつながっていけるような、次世代の組織作りができればと考えています。」

イベントの後半は「よくある質問」(下記3つを中心に)や会場・視聴者の皆さまからの質問も受け付け、登壇された皆さんからコメントをいただきました。詳しくは動画を視聴ください。(01:00:42〜

「本社ごと移住」決断のエピソードから広島でのコラボ展望についてまで、本音でお答えいただきました

今回のイベントでは、広島県庁が推しに推す「企業誘致」施策についてご紹介いただきました。
また、その制度を活用して広島に本社移転してきた2社のトップに「自治体連携のデジタルマーケティング」「地方を生かした仕事環境作り」についてお話をお聞きすることができましたし、「ここから新しい事業や組織を生み出していくんだ」という熱い想いを伺うことができました。ご登壇いただいたみなさま、ありがとうございました。

お問合せ、LODGEへのコンタクト


■ 広島県 商工労働局 県内投資促進課
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/office-relocation/
電話:082-223-5151
問合せフォーム:https://www.pref.hiroshima.lg.jp/ques/questionnaire.php?openid=1598&check

■ クラシノ株式会社
https://www.kurasino.co.jp/
電話:082-569-7669
Mail:info@kurasino.jp

■ 株式会社エクレクト
https://eclect.co.jp/
Mail:hiroshima@eclect.co.jp


また本イベントを主催したLODGEは、地方自治体のDXを支援するオンラインイベントの開催や、人材マッチングなどをおこなっております。イベント共催のご相談や取り上げてほしいテーマ、DX人材についてのお問合せなど、お気軽にご連絡ください。

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