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伏見瞬の何らかの連載(第6回)買った服批評その2 MARNIのクロップドトラウザーズ(パンツ)

 この2年ほどで実際に一番着ている服は、MARNIのネイビークロップドトラウザーズです。

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パンツが今回の主役です


裾を二折り分ロールアップしていつも履いてる


 2020年の秋に購入して以来、春から秋はほとんど毎週末一度は履いているのではないか。ガチで気に入っている。長い間、デニムではないネイビーのユルいパンツで良いものを探していたのだが、ついに完璧なものを見つけたと思った。実際、完璧である。


 ファッションに興味を持ってからほとんどの期間(2001年ごろから今まで)、パンツは常に細身を選んでいたのだけど、2017〜18年あたりからどうにもしっくり来なくなった。これはオーバーサイズが主流になったトレンドのせいかもしれないし、私の体格や顔つきが変わったせいかもしれない。単に細身に飽きたのかもしれない。とにかく、ワイドなパンツを手に入れる必要がある、今の持ち分のパンツだとカッコよいと思えないし、全く気分が上がらない。そんな感じになっていた。グレーの少しワイド目のパンツは持っていたが、私の一番好きな色、ネイビーのものが欲しかった。

 とはいえ、単にワイドパンツを買えばいいというわけでもない。一度、ユニクロでネイビーのワークパンツを買ってみたが、結局しっくり来なかった。そもそも、サイジングとしては細身の方が自分は似合う。骨格は細めだが脚は少し短い体型なので、基本的に足が短く見えるスタイリングは合わない。ワイドパンツで足が短く見えないためには、フォルムに工夫がないといけない。また、ワイドパンツを探していてわかったのは、ゴツくて男性的な印象を与えるものが多かったことだ。冷たい気配と女性的な印象を醸すスタイルを好んでいるので、ワイドかつフェミニンなパンツが欲しい。これがなかなか見つからなかった。

 そして、ふと立ち寄った渋谷の西武B館で、このMARNIのパンツを見つけた。春夏の新作だったから、9月にはセールでおよそ半額になっていた。試着するとすごくカッコ良いと思ったけど、その太さに戸惑ってもいた。自分は細身じゃないと合わないという先入観もあったから、流石に太すぎではないか?という疑問が残ったのだ。その疑念を店員さんにこぼしたら、「これくらいの太さがちょうどいいですよ?」というような反応だった。まぁ、新しいスタイルに入る時は常に戸惑いまじりだろうと思って、決断をしました。

 MARNI(マルニ)は1959年生まれのスイス人女性、コンスエロ・カスティリオーニによって、イタリア・ミラノで誕生したブランドだ。ラグジュアリー・ブランドとしては、歴史は浅いと言えるだろう。2016年にはカスティリオーニが前線を退き、PRADAの中心的なスタッフとして活動していた1982年生まれサルディーニャ島出身のフランチェスコ・リッソがクリエイティブ・ディレクターに就任した。

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