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世界のとらえ方を耕す

いろいろ考えて動けなくなる前にとりあえず好きな本を集めてひらいてしまえ、という勢いで始めた本屋。

なんとなく落ち着きを見せてきて、ここらでもう一歩踏み込まないと停滞してしまう雰囲気が漂ってきた。

次の一歩を踏み込むために、なにか軸、ビジョン、コンセプト、キーワードみたいなものが必要だなと思いあれこれ考え続け、辿り着いたのが、”世界のとらえ方を耕す”というフレーズだ。

うちは人文書を中心にリベラルアーツ領域のみを扱っている。

こういった本の良さをわたしはこんな風に解釈している。

・人間のことを深く理解できる
・知的好奇心が満たされる
・無自覚に囚われていた思い込みから解放される
・時代も国境も超えた考え方と出会える
・磨き抜かれた考え方と出会うことで自分の考え方が磨かれる
・いい生き方や社会のあり方を相対的に考えられる
・世間一般に浸透している価値観の背景がわかる
・時代に流されない価値観が磨かれる
・自分と異なる存在への想像力が養われる 
・すぐに役立つものではないが生きることにとても大事な役割を持つ

これらに共通するような、根底にあるような、それをポップに表現するには、などと考えて出てきたのが、”世界のとらえ方を耕す”というキーワードだ。

Mr.Childrenの『CENTER OF UNIVERSE』という曲のなかにこんなフレーズがある。

総てはそう ぼくの捕らえ方次第だ

哲学者のニーチェはこんなことを言っている。

事実なるものは存在しない。ただ解釈のみが存在するのだ。

このような言葉に対する解釈もいろいろあるだろうし、過酷な状況でもそれを言えんのかとも想像するけど、やっぱり世界はとらえ方次第で、何が起こるかわからないこの世界で、起きたことにどんな意味をつけるかだけが人間の自由だと思う。(というか、起きたことに勝手に物語や意味を付与するのが人間だ)


人間は考えながら生きていくいきもので、漠然と生きていると思考の土台である「世界のとらえ方」は知らない間にガチガチになり、考え方が不自由になり、他者への想像力を失い、世界の豊かさに気付けなくなる。

人文書やリベラルアーツというのは、第一線の学者などが生涯かけて磨き抜いた世界のとらえ方の提案だと思う。

その深遠なエッセンスを取り込むことでガチガチになっていた世界のとらえ方がほぐされ、栄養が行き届くようになり、いい思考が育つようになる。それがいい生き方やいい社会につながる。
そんな連鎖を”世界のとらえ方を耕す”と表現することにした。

このキーワードを軸に、本を売るという行為に限らずいろいろと手をうっていこうと思う。

よろしくお願いします。

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