ChatGPTが月25,000件の住民の陳情を処理する~台湾桃園市政府の例~
生成AI×行政というテーマで面白い事例があったので紹介します。
1.台湾の桃園市の事例
桃園市政府, “率先全台 桃市府測試ChatGPT分析1999案件”, April 18, 2023.
(先進的な桃園市政府が市民ホットラインへの陳情にChatGPTを活用)
元々、桃園市には25,000件以上の住民の陳情があり、読み込むだけで1週間以上かかっていたそうです。
そこで住民からの陳情をChatGPTに読み込ませて、陳情の要約・カテゴリーの照合等を行うことで陳情の理解→回答までの工数を削減しているそうです。
例えば、「交通」カテゴリーでは、「交通標識・標示」「バス」「施工管理上の問題」が上位3位を占め、中でも「交通標識・標示」については、特定道路の徐行車線の計画が狭い、信号待ちの時間が長すぎる・短すぎるなどの苦情寄せられた。
「バス」については、交通運行情報が正確でない、作業予定が狂うなどの苦情が寄せられた。
2.技術検証
恐らく文書分類やトピック検出などの技術を使って実施したものと思われます。
文書分類を試してみましょう。
文章分類のプロンプトの例を示します
文章分類の結果
中々に良さそうな感じですね!
このプロンプトをより大量の文章向けに応用していくようなイメージで少なくともPoC(概念実証)の段階は出来そうな感じですね。
3.セキュリティについて
記事の中でChatGPTの実行環境はAzureを活用したと書いてありました。
住民の陳情には個人情報が入っていることも多そうなのでクローズドな環境を使って行うのは妥当だと思います。