心の砂地第35回『すべての幸福は恋愛的瞬間から』
◯吉野朔実
1959年生まれ 2016年没
1980年「ウツよりソウがよろしいの!」(集英社:ぶ〜け）でデビュー。
●『恋愛的瞬間』
あらすじ：「恋愛」を専門とする心理学博士・森依四月（もりえ・しがつ）。森依のクリニックにやってくる患者たち、そして森依のクリニックでバイトをする大学生・ハルタとその友人たちをめぐる物語。森依の持論は「人は幸福になる義務がある」。
そしてもうひとつ「すべての幸福は恋愛的瞬間から始まる」。
全20章の連作短編からなる恋愛心理学講座！
・青柳美帆子さんの『恋愛的瞬間』についての記事
・佐伯ポインティさんの『恋愛的瞬間』についての記事
◯同い年（1959年生まれ）の漫画家
赤石路代『P.A』（小学館プチ:91~99）
池野恋『ときめきトゥナイト』（集英社りぼん:82~94）
内田春菊『南くんの恋人』（ガロ:87）
竹本泉『あおいちゃんパニック』（講談社なかよし:83~84）
山下和美『天才柳沢教授の生活』（講談社モーニング:88〜）
イラストレーター 美樹本晴彦『マクロス、メガゾーン23』
◯読書家でありシネフィル
『吉野朔実は本が大好き』/本の雑誌社…長年「本の雑誌」に連載していた読書エッセイマンガ〔吉野朔実劇場〕をすべて1冊にまとめた作品集。
『吉野朔実のシネマガイド シネコン111』…吉野朔実による映画イラストエッセイ。
◯交友関係
歌人 穂村弘（恋愛的瞬間、文庫版で解説）
精神科医 春日武彦
作家 平山夢明（対談本『狂気な作家のつくり方』あり）
・『ものぐさ精神分析』/岸田秀（きしだ・しゅう）（77)
・『平気でうそをつく人たち：虚偽と邪悪の心理学』/Ｍ・スコット・ペック
当時ベストセラーになった精神科医の本。
同著者（ペック）による『愛と心理療法』という本も。
ぶ〜けの傑作群（恋愛的瞬間:96〜97連載とかなり後期）
◯ぶ〜けとは
1978年〜2000年に集英社が刊行していた少女漫画雑誌。
『マーガレット』の妹誌『プチ・マーガレット』と『りぼん』の妹誌『りぼんDX』を母体に創刊（1978年9月号）。“マーガレットをりぼんで束ねてぶ〜け”ということで子の誌名に。
初期はりぼん、マーガレットの再録がメイン。
その後、アート性、文学性の高い作品を多く掲載していた。
◯ぶ〜けの看板作家内田善美…哲学的で幻想的な絵が特徴。『星の時計のLiddell』（83年）『草迷宮－めらんこりかるShopping－』（84年）を描いた後、絶筆。
現在も単行本がプレミア価格で取引されている伝説の作家。
松苗あけみ…『純情クレイジーフルーツ』（82〜88）
女子高の個性豊かな4人組の日常のあれこれを描いた群像劇。コメディタッチ。一条ゆかりのアシスタント出身。
・『ゴーストインザシェルで草薙素子が潜るシーンが〜…』
・『勝手にふるえてろ みたいじゃないですか？…』
心の砂地で映画版『勝手にふるえてろ』について語ったエピソードはこちら！人気の回です。
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