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「マジ肉」と「記憶」:森本華ショートインタビュー

「マジ肉」こと『マジカル肉じゃがファミリーツアー』は、「旅シリーズ3部作」のラストを飾る旅の物語であり、「記憶」を辿る物語でもある。ロロ主宰・三浦直之による旅と記憶を巡るショートインタビューには、「マジ肉」の手がかりが潜んでいる(かも)。1人目は「マジ肉」の中核となる町田めくるめくを演じる森本華。

三浦:小さいころ家族でピクニックとか近場に出かけることあった?お花見とかでもいいんだけど。

森本:あんまりないんだよねー。

三浦:じゃあ、小さいころって何してた?

森本:幼馴染が近所に、同い年の子がわたし入れて女の子3人と男の子3人いて、計6人、その子たちと家の前とかで遊んでて。みんな一軒家に住んでたんだよね。でもそれぞれの家がほんとに隣接してて。たまたまみんな同い年だったの。あと、空き地があって。ドラえもんに出てくるような……土管があったような……。

三浦:土管!土管がある空き地なんて、夢の空き地じゃん。

森本:いや、なかったかな。捏造してるかも……。でも、ドラム缶みたいなのはあった気がする。結構広かったなー。子どもが遊ぶには十分だった気がする。

三浦:何して遊んでたの?

森本:色鬼とか、「鬼モノ」だよね。プレーンなやつね。あと、石を投げ合うのが流行ってて。それで頭を3針くらい縫ったことがある。

三浦:えっ、石をぶつけるってこと?

森本:すごいシンプルに。

三浦:それ楽しいの?(笑)

森本:当たらないように避けるルールなんだけど、クリティカルヒットしちゃって。パックリ切れちゃって、3針縫ったの。なんで覚えてるかっていうと、そのころ母親に美容院へ連れていってもらい始めた時期だったんだよね。それでわざわざパーマをかけてくれたの。でも、その次の日に石を投げあって、頭を縫うことになったから髪を剃らなきゃいけなくて。「あれはほんとありえない」ってエピソードトークをその後何度もされることになったから覚えてる。

三浦:母親に何度も言われて覚えてるっていうのはあるよね。

森本:そうそう、ぐちぐち言われたから覚えてるなー。

三浦:遠出する思い出だと?おばあちゃんちに行くとか。

森本:うち、家族が全員東京出身だったんだよね。父方も母方もみんな東京にいるから、そんなに帰省してる感覚がなくて。東京出たなって思ったのは、長崎行ったときかなあ。ひいおばあちゃんが長生きしてたんだけど、ついに死にかけてるって電話がかかってきて長崎に行くことになったの。中学生くらいのときだったかな。

三浦:えー、じゃあそれまであんま関東から出た記憶ってないんだ。修学旅行とか行かなかった?

森本:修学旅行は行ったけど、でも日光とか。遠くに行ってないんだよね。高校になって初めて京都とか奈良に行って。あ、広島も行ったかな。ただ、長崎も家族じゃなくて母親とふたりで行ったんだけどね。で、到着したときにドアを開けてくれたのがひいおばあちゃんで。すごい元気だったっていう。ずっこけた思い出がある。

三浦:そのときは「遠くに来てるな」って感覚なかった?

森本:飛行機に乗ったから遠くに行く感じはあったんだけど、すごい高所恐怖症だから。「遠い」より「高い」って思い出になっちゃってる(笑)。飛行機は「帰りもこれに乗るのか」って記憶の方が強かったなあ。

三浦:じゃあ、いまひとりで旅行行くことはある?

森本:うーん……前もって予定決めるのが苦手なんだよね。行けば楽しいんだけど。でも、歩くのは好きなの。平均的な人よりは結構歩けると思うけど。最寄駅じゃないところに終電を設定したりして。1時間くらい歩いて帰るっていう。

三浦:歩いてるときはなんか考えてるの?

森本:「無」。

三浦:「無」なんだ。

森本:結構「無」だね。外観が気になる建物とか、景色は気にすることもあるんだけど。だから、割と考えごとしてるっていうよりかは景色を見てる。ただ、歩くの好きだから歩いて帰ろうってことともちょっと違うんだよなあ。

三浦:昔、小さいころよく泳いでたって話してたけど、それはどこで?

森本:それは熱海で。わたし水泳教室とか通ったことないけど泳げるんだよ。

三浦:先天的に泳げる才能もってるんだ。

森本:でも、スクールに通ってないからテクニックが平泳ぎのみなの。あ、素潜りもできるか。だからスピードが出せなくて。当時まだ景気がよかったのかなあ、バブルっぽいギラギラした人たちが熱海にいっぱいいて、そういうおじさんたちに平泳ぎとか素潜りを教わったんだよね。

三浦:熱海は結構行ってたの?

森本:結構行ってた。おじいちゃんがもってる別荘みたいなのがあって、そこに行くことがあったんだよね。でも、ひとりっこだと、どこか連れていってもらってもひとりで遊ばなきゃいけないから。泳ぐしかない。やることないから。割と浮き輪ひとつ引っ張りながら泳いでいって、疲れたら浮き輪で休憩して。

三浦:たくましいね。

森本:いま思うと、遠泳がすごかったね。親からもそんな心配されなくてまわりの大人に任されてた感じもあったから、ひとりでずっと泳いでたなあ……。

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