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小酒井不木「ある自殺者の手記」を読んで

書きかけで放置してあった下書きを見つけたので。



両親も妹もようやく寝静まったと思ったら、いつの間にか23時を過ぎていた。明日から大学へ行かなければならない憂鬱に殺されそうになって、逃げるようにカップラーメンを食べた。それでも心は辛いままだった。

こういうときは、フィクションの鬱を摂取する。
心の中の私は、文明崩壊後の生き残り、時にはデスゲーム参加者、あるいは悲劇のヒロインとなって、痛みを痛みで消してくれる。

鬱映画を観始めるには遅い時間だし、ニコニコ動画のダークサイドタグを漁る気力も残っていなかった。スマートフォンを手にとって、iBooksに何となく「自殺」と打ち込んでみた。鬱展開が望めそうな作品はないだろうかと。

でも残金もそんなに無いし、と思っていたら無料作品がヒットした。著作権が切れた昔の名作文学は、無料で読むことができるのである。ありがたい。

題名に惹かれてダウンロードしたのが、小酒井不木 作「ある自殺者の手記」である。本の題名だけはなんとなく聞いたことがあったものの、作者も内容も全く知らなかった。
同じ題名の別作者の小説もあったが、とりあえずは日本人作家を、と思いこちらを読むことにした(恐らく偶然題名が被っただけの別物の小説?)。


前置きが長くなったが以下感想。微ネタバレ注意。

この作品は短編小説である。スマートフォンの小さな画面でも、21ページに収まっている。
題のとおり、この文章は「自殺者の手記」である。
書き出しが印象的だ。

”加藤君、
僕はいよいよ自殺することにした。この場合自殺が僕にとって唯一の道であるからである。”

まず、私は読者に語りかけるタイプの文章が大好きだ。前述した通り、自分の心を没入させるという方法で文章を読むからというのが大きいだろうか。
曲の歌詞も語りかけてくる系がすき。

一文目で引き込まれる小説は一度に読み切ってしまうような気がしていて、つまるところ私にとって一文目はその文章の良し悪しを大きく左右するものになっている。この作品は私の中で100点の書き出しだ。





と書いたところで、自分はどうやら眠ってしまったらしい。

私は、読書感想文というものを書くのがとても苦手な人間だ。
この作品は、読後感がとても好きだ。
短編小説で、青空文庫にもありすぐに読むことができる。是非読んでみてほしい。

最後まで。




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