文学に魅了されながらそれを捨てた高校生を生かしたのはeスポーツでした

初めましてのご挨拶を

Ryuhiと申します。高校二年生、もう目前に受験生という仕事が控えています。幾分noteというものには初めて手をつける故、至らぬ点読みにくい所、もしくは面白くない文章(それに関しては経験値の問題ではないが)が多々見受けられるかもしれません。先に断っておきます。

物語と僕

僕の得意な科目は国語です。学校内でも現代文に限りNo. 1、全国でも戦えるレベルでした。小さな頃から本が好きでした。それは漫画でもあり小説でもありましたが、共通して"物語"が好きでした。

カッコいい漫画のシーン、泣ける大衆小説。読むもの全て心を揺さぶり、僕をときめかせます。しかし今では、それらの物語が僕にとって恐怖の対象となってしまいました。

小学生の頃、ONE PIECEと出会いました。姉が友人から借りて来ていたので、偶にしか読めず、しかも姉が僕の知らないところで読んでしまっていると、その巻を僕は読めません。そのスペースを、己の妄想で書き足していました。始めの頃は、自分が悪魔の実の能力を得てONE PIECEの世界の中で活躍する妄想を。或いは、本来のストーリーとは違うifの妄想を。毎日、飽きずに妄想していました。

ある日、明確な事柄が起こったわけではありませんが、僕が主人公ではなくなりました。そして、世界もONE PIECEでは無くなりました。オリジナルのストーリー、ほとんどONE PIECEのパクりみたいな物語を、いつしか頭の中に思い浮かべては夢中にそれを読むように、妄想に励んでいました。

基本的に僕はスーパーボールで遊びながら妄想をしていて、友人と遊ぶ時も度々スーパーボールを取り出してはポコポコつきながら、ブツブツ独り言を言っていた気がします。でも、そんな僕をいじめるような友達はおらず、なんだかんだ、受け入れてもらっていました。

その頃は漫画家になりたかったのですが、生憎僕は絵が下手くそでした。noteのプロフィール画像の女の子くらいしか書けませんし、情景の模写などは本当にめっきり出来ません。結構絵を描いていたのですが上達せず、才能が無いのだな、と幼心に勘付いていました。
そして中学に上がった頃、何故か自分の国語に関する能力が高いことに気づきます。中学レベルの国語はまぁ多少本を読んでいれば誰でも解けるようなものなのですが、僕はそれ以上に作文が得意でした。元より普通の、俗に言う模範的な文章が嫌いで、そんな僕のふざけたような文章は周りからもウケがよろしく、僕自身それらを書くことが好きでした。ある種、需要と供給が見合っていたのかもしれません。
そうしてある日、僕は小説を書いてみました。学校から帰ると真っ先に勉強机の雑紙に、自分の妄想をぶちまけました。もう、本当に楽しかったです。上手く書けない、書けるの問題ではなく、好きで書いていました。これが、僕と小説の出会いです。

小説と僕

そして、僕は毎日小説を書いていました。最後まで書けたものは非常に少ないながら、いくつもの物語を書きじゃくっていました。そして、書き殴られたそれらの紙を読み返すのがとても幸せなことでした。

中学二年の冬、小説家になろうというサイトに出会います。この頃僕の夢は小説家になっていて、そのサイトで投稿してデビューしてやろうと、息巻いたものです。
始めは昔書いたものをひたすらスマホで打って投稿していました。しかし、これがどうして全然評価されない。ブックマークが1件付いた日は飛んで喜んだものです。

結局、評価が欲しかった僕は途中で挫折し、小説を削除してしまいます。そして、次にしたのはそのサイトで最も人気の小説を読むことでした。僕には才能が無い、結局自分のことしか知らなかったのだ。と、卑屈になりながら読んだその小説。これがまぁ、面白い。気付けば夜な夜な親が寝たのを確認してリビングで読み耽る。
完結していたので、最後まで読み切ることができました。その、読破した瞬間の達成感、満足感、そして喪失感。ネット小説だからこそのその異様な長さ、ライトノベルだからこその大きな喪失感。全て、新鮮な感覚でした。そして、影響されやすい僕は考えるわけです。

僕も異世界転生ものを書こう

これは、売れるためや人に見られるためなどでは無く、純粋にその作者が描いた世界が気に入り、自分も入りたくなったからでした。色々なところをパクりながら、その中にオリジナル性を加える。毎日必死にスーパーボールをついては、物語を結末へ運んでいきました。そしてそれを文字に書き起こすと、もう夢中になってしまいます。投稿してみるとこれが不思議、ブックマークがプロローグだけでつくのです。そして毎日投稿していると、日に日にブックマーク件数が増えていきます。一章が終わった暁にはなんと、感想までいただきました。
ここで僕の小説家への夢は絶頂へ膨れ上がります。受験期だったため小説の投稿は途切れましたが、それでも情熱は常に燃え続けていました。

小説家になる。それが、高校入学したての僕の夢でした。

半年ほどの受験期を経て、小説家になろうのパスワードを忘れてしまった僕は、高校生として新たなスタートを切ろう、ここからが僕の小説家人生の一歩目だと、心機一転アカウントを作ります。そして、まったく新しい小説を書き始めました(結局以前の小説は未完のままとなってしまいました)

結論を言うと、評価は思うように伸びませんでした。ブックマークをあまりされない、感想をもらえない。理想と現実のギャップに晒された僕は、少し自信とやる気を失います。毎日書いていた小説が週に1話、月に1話…。目に見えて減っていきます。また、一応進学校に入学したのもあり、課題に追われるうち、小説を書かなくなりました。

読む本のジャンルも変わり始めました。長い物語は読む気になれず、巷で流行りの大衆小説は落ちが読める始末。なんだか小説って面白く無いな、と感じていました。

そんなネガティヴな感情は、偶々読んだ太宰治の文章に揺らされます。ここで初めて、僕は自分に合ったものが純文学であることを知りました。生きる意味、社会とはなにか、などと考えることが得意なのだ、好きなのだと気付くと、哲学の本を読み漁りました。そうして、自分が小説を書く意味を見つけました。この哲学的感性を人に伝えよう、と。

しかし、この頃の僕には大きな欠点がありました。それは、自分には小説を書く才能がある、もうこれ以上望めないような巨大な才能だ!と、盲信してしまっていたことです。僕はほんの少し評価されただけで自分の物語に酔っていました。そして、将来なるのは小説家以外あり得ない、と固執していました。

なまじ現実を見れていたがために、お金が大事であることは十分に承知していました。それによって、僕は小説家となって生計を立てる未来しか見据えていませんでした。そのくせ小説に対するやる気は乏しく、ここでもまた、理想と現実のギャップに苛まれます。いつしか、書いてもいない小説が売れる未来、みんなからチヤホヤされる未来ばかり妄想をすると、それに満足するようになりました。

大き過ぎる夢を抱くがために叶える努力を怠る

これが僕の弱点だと気付いたのは、もう少し後のことでした。

そして夏休みに差し掛かります。部活動をしていた僕に待ち受けていたのは毎日が練習の日々。その頃あまり部活動も楽しくはなく、対人関係も微妙。課題とテスト、授業に追われていた日々も相まって精神は摩耗していました。そして、夏休みが終わる頃、その時が来ました。

若き小説家と挫折

夏休みが明ける日、僕はまだ課題が終わっていませんでした。そして、完璧主義の僕はそれが嫌になって目を背けます。そして、言い訳をしました。

学校に行くのに価値なんてない、一度きりの人生やりたいようにやらなければ

確かに一度きりの人生ではありますが、まぁこの場合は現実逃避の意味合いしか持ちません。自分のしたいことだけをやるためにそんな大義名分を掲げた僕は、学校に行くフリをしてそのまま図書館に行きました。そこでずっと本を読んで、そして何事もなかったように帰りました。心は病みきっていて、荒んだ考えばかりが浮かびます。
そして、何より大事なことに、その時僕は気付いていました。今、自分は現実逃避をしているだけなんだ、と。
しかし、認めたくありませんでした。そして、死んでしまえば楽になるのに、などと愚かな考えを巡らせます。二日間、学校をサボりました。今まで真面目に生きてきた僕にとって、これは本当に大きなことでした。もう、取り返しがつかないのだと分かっていて、だからこそ開き直っていました。

そして、学校から電話がきます。偶々、その電話を取ったのは僕でした。そして、家族にバレないように必死に誤魔化しながら、明日は登校する、という意思を提示することでその場はことなきを得ます。

二日ぶりの学校は、なんだか妙に新鮮でした。それでいて、怖かったです。友人は僕を心配していました。何かあったの、とか、宿題してたんだろ、とか。その中で、サボり?と聞いてくる声には特段反応してしまいましたが、あらゆる感情を心の中にしまい、ほぼ何も喋ることなく放課後を迎えました。

担任に聞かれます。どうしたのか、と。死にたくなった、自分が情けなくなった、でも死ななかった、という胸中を明かします。しかし、僕はそこでもまた気付きました。自分が大した考えもなく生きていたこと、大義名分さえもが根拠のない姑息な考え。

己の浅はかさに嫌気がさして、心が折れました。

そして、僕は小説を書きました。それはもう、使命感からでした。小説しかない、これで成功するんだ、褒められるんだ。

下心と義務感の上に書かれた、書いていても楽しくないような小説は、無論ゴミでした。

そして、全てを諦めます。今まで書いてきたもの、捧げてきたもの、全てと決別してやろうと覚悟を決めます。

僕は、小説を書いていたノートも雑紙も全部まとめて捨ててしまいました。

特に考えはなかったです。無心に捨てて、何も残らない引き出しを思い切りぶん殴りました。

eスポーツと僕

勉学へのやる気も失われて成績は右肩下がり、提出物も一切出さない不良生徒に、僕は成り下がりました。代わりに得たものとしては、心の内を多少曝け出すようになったことによる友人関係の向上。ふざけながら生きる僕は、今まで以上に友人に囲まれることになります。難しい事は考えず、その時その時を適当に生きる。なんとも楽で、能天気な日々でした。

ちょうどその頃、僕はゲームにも力を入れます。時間が余っていたので、色々なゲームをしました。偶々性能の良いパソコンも手に入れて、いよいよゲーム三昧。部活とゲーム。それ以外の事は全てどうでもよくなっていました。

そしてeスポーツに出会います。クラロワ、というゲームの世界大会を生放送で見ていました。日本の選手の活躍もさることながら、海外の選手の並外れたプレイの数々。そして、なによりも。

必死になって打ち込み、涙を流す選手たちの姿に。僕も泣きました。

娯楽にしか捉えていなかったゲームに対して、未知の感覚を抱きました。しかし、よく考えれば、それは二度目の感覚でした。

初めて小説を書いた日の感動が、蘇ってきたのです。そして、心に固く決めました。

今度は諦めずに、夢を追いかけたい

小説家という夢はもう捨てていました。そして今度は、eスポーツです。自分はプロ選手になりたい、世界で戦って見る人を自分のように感動させたい。そんな思いでいっぱいでした。

小説家への途上で得たものがあります。失敗から学んだことがあります。

理想を抱く。その上でそれを叶える努力をする。

そうして自分で自分が許せるようになりたいと、思っています。毎日ゲームをしていました。娯楽ではなく、競技として。

そんなに上手くもありませんし大仰に考えすぎなのですが、それでも僕はeスポーツをしようと、夢中になりました。なんでもいい、自分にもう一度夢を与えてくれたこのeスポーツという何かを掴みたい。そんな感じでした。

生きる意味が分からなくても、やりたいと思えることを見つけられれば生きていようとは思える。それが僕の小さな挫折から学んだことでした。

目指す未来

あの日から、一年以上の時を経て、僕は今一心不乱に文章を書いています。

今まで敬遠してきた長文を、書いています。リアルタイムな感想を伝えますと、やはり楽しいです。文章がめちゃくちゃになってでも、自分の書きたいものを無我夢中に書く。それが、僕の好きなことでしたし、今も好きなことです。

この文章を書こうと思えたのは他でもない、eスポーツのお陰です。大分誤魔化しながら書きましたが、初めてあの夏休み明けのことを明言しました。今でも、家族の誰も知らない僕だけの秘密です。

そして、何故この文章を書いているのか。それは、僕のeスポーツへの考えが変わったからです。

選手になってもいいとは思っていたのですが、それ以上に長く、このeスポーツというものを育てたいな、と思いました。

だから、自分の武器はめいっぱい使いたいと考えて、文章を書いています。ブランクのせいにはしたくないのですが、正直めちゃくちゃな文章です。それでも、ここまで読んでくださっている方はいらっしゃると信じています。その上で、本当にありがとうございます。

これから、このnoteを使って、徐々にeスポーツへの考えを深め、そして公開していきます。少々考えるのは得意ですし、考えたことを文章にするのは好物です。偶に文章を書くのが怖くなるかもしれませんが、その時はゲームをします。

ゲームは、私の心を軽くします。

謝辞

謝辞などという大層なものではないのですが、これ以外に適当な言葉が思い浮かばなかったので、こう建前をさせていただきます。

僕は、文章を書くのが怖いです。自分の醜さを全開にしている気がするからです。

それでも今、1時間ほどかけて必死に書いています。全部、eスポーツのお陰です。今後のnoteに、eスポーツに対しての自分の考え、自分なりのアプローチの仕方を控えています。ですので、恐縮ですがeスポーツに興味がある方は投資として僕のこの稚拙な文章に感想を書いていただけませんか?

謝辞などというのは前述した通り建前です。まぁ、建前だから形式を無視しようというのは違うのですが…。

少し、自分という弱者にやる気を与えてくれるような、ご感想…。馬鹿だなぁ、とか無謀だろ、とか、どんな感想でも構いません。

ただ、自分の文章に価値が欲しいです。誰かに、何かを、感じてもらえた、考えてもらえた、という事実が欲しいです。

わがままをすみません、不快になられたら無視してください。それでも、これだけは本当に、心の底から、嘘偽りなく、伝えさせてください。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。



僕の好きなことは、文章を書くことです。それを読んでもらうのが同じくらい好きです。そして反応としてスキとかフォローをしてもらうのは、もっと好きです。僕の文章を読んでくださって本当にありがとうございます。