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『切に願うことは、必ず遂ぐるなり。』社長ヒストリー 連載第1回

こんにちは。芝園開発株式会社と申します。
駐輪場・駐車場の運営や自治体コンサルティングをしている会社です。
今年で創立36年目を迎え、代表取締役の交代や新ブランド「LIXTA」の創設といったビッグイベントもあり、社内はてんやわんやしつつも、前へ前へと進んでいます。
「これから」に向かいつつ、わたしたちの「これまで」にも目を向けよう。
創業からこれまでの歴史を知らない社員と芝園開発のルーツを共有しよう。
そんな目的をもって社内報で連載が始まったのが「社長ヒストリー」です。
noteには、その内容を一部加筆・修正しつつ、月に2本ずつお届けしていこうとおもいます。

話者プロフィール
海老沼 孝二(えびぬま こうじ)
芝園開発株式会社 取締役会長 ※記事掲載当時は代表取締役社長
座右の銘:「切に願うことは、必ず遂ぐるなり」

チャレンジと挫折の10年

昭和30年代、建設業を経営する父は私の自慢でした。
「この公園は僕のお父さんが造ったんだ」と友達に胸を張り、公共工事はまちをよくする存在としていろんな人から感謝されるのを目にしてきました。まさしく、行政・工事業者・地域社会の三方よしを肌で実感する時代でした。
芝園開発は1986年(昭和61年)に、東京・足立区の綾瀬にあるワンルームマンションの一室から始まりました。私の父が創業し、足立区を地盤として公共工事を施工した(株)河合組の子会社として設立した会社でした。創業はバブル景気の真っ最中で、私は周囲からの感謝を失いつつある建設業の未来に不安を感じていました。

マンションワンルーム時代

 1991年(平成3年)、車庫法改正を受けて軽自動車にも車庫証明が必要になった都内では、一気に駐車場不足と賃料の高騰が起こり、立体駐車場ビジネスが脚光を浴びていました。そこで、東京青年会議所という集まりでご縁ができた立体駐車場メーカーの代理店として、私は駐車場ビジネスという新事業に飛び込むことにしたのです。
 何をやるにもまずは人材が必要です。私は「この人」と見込んだ人材を初めて社員として採用し、メーカーでの2か月間の研修を受けました。事業計画を練り、社員の増員やパンフレットや提案用の営業収支作成のソフトを購入して、私自ら地主様への訪問営業に本腰をいれて臨みました。当時の当社は土木建設業との二足の草鞋。土木部門は弟が、立体駐車装置は私が担当していました。バブル経済の中、駐車場ニーズの高まりを受けたこともあって新事業は順調な滑り出しを見せていました。
 しかし、翌年バブル経済が崩壊して物が売れなくなり、会社ではリストラが始まり、社有車の削減で月極駐車場の料金も下がり続けて立体駐車装置の販売が行き詰ってしまったのです。ここで二足の草鞋を履いていたことが幸いしました。社員も少なく経費もかからない会社であり、建設工事の仕事もあったためなんとか倒産だけはしないですみました。

立体駐車場

感謝されるビジネスをもう一度

駐車場ビジネスで思い出深いのは、1995年(平成7年)にTimes24駐車場とフランチャイズ契約を締結し、コインパーキング事業へ参入した時のことです。これも駐車場ビジネスを始めた頃に青年会議所の先輩からパーク24(株)の創業者・西川清さんを紹介していただいたことがご縁となって始めた事業です。

タイムズ

 最初の施設は綾瀬駅前のイトーヨーカ堂裏の4台の駐車場でした。15分100円のコインパーキングです。ある日、利用者から「車が出せないの」と電話を受け、私はあわてて現場に直行しました。機器トラブルでした。私は平謝りに「ご迷惑をおかけして申し訳ございません。料金はけっこうですから、これに懲りずにまた施設のご利用をお願いします」とお伝えしました。するとその方は「これはあなたの仕事ですからお支払いします。私、いつもここを使っていてとても助かっているんです。だからもっとコインパーキングを作って下さいよ」と叱るどころか、反対に私を励ましてくれました。
 その言葉が次の事業に向かって私の背中を押してくれました。まさに目からウロコです。たった100円でもお金を払った人が「良かった!」と感動してくれる、小さい頃の私が胸を張って自慢できるビジネスだ!コインパーキングをやろう、と腹が決まった瞬間でした。最初は社員1人分の給料しか稼げないかもしれない。でも、流行り廃りに左右されない毎日の生活になくてはならないビジネスだ。100円の積み重ねでも、努力次第で大きく成長できる。1人分の給料が2人分、3人分と増えて、いずれは会社経費も賄えるようになると確信し、それからコツコツと積み重ねの経営を実践していきました。
 父の存在の大きさに気づいたのもこの頃でした。駐車場の適地を所有しているのは地域の地主様たちです。土地は地主様にとって先祖から受け継いだ大切なもの。誰にでも貸せるものではありません。足立区で建設業を営み、地域の地主様から信頼を得ていた父の存在があったからこそ、「あなたになら」と私に土地を預けてくださったのです。まさに守られている自分を感じた時でもありました。

夢を語る社長_クレヨンアベニュー_ 切抜き

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出典:社内報『きゃぷちゃー』18号_2020年11月号
writting:芝園開発㈱ 管理部 広報デザイングループ

芝園開発のホームページ
https://www.sibazono.co.jp/

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