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行政は耕作放棄地の活用を掲げるけど・・・

ご近所の畑が太陽光パネルに変わりました。
ネギがたくさん植えてあり、立派なネギだなぁと農業初心者は感心したものですが、ある日突然太陽光パネルが設置され、景色は変わってしましました…。

耕作放棄地が問題視され、行政の方でも課題として取り上げています。
なのに耕作放棄地解消は全然進まず。

実は今年度、メインの畑を返却し新しく畑を借りました。
理由は、「消防の詰め所の建て替え地に決まった」こと。
地主様から候補地だと話は聞いていましたが、本決まりするとは地主様も思っていなかったようです。
誤解されそうなので書いておきますが、私はすんなり受け入れました。
残念ではありましたが、消防団が必須ですからね。
恩のある地主様を困らせたくもなかったですし。
で、新しい畑を探し始めました。

1、よそ者は簡単に借りられない

周囲には草ぼうぼうな畑はたくさんあります。
その中でダリア栽培に必要な日当たりの良い場所と、
無肥料・無農薬で草を生やしながら栽培するので、周囲の耕作地と離れている場所をピックアップ。
ただその場所の地権者とは接点がないので、地主様にご協力をいただき連絡をしてもらいました。
結果は・・・「NG」
ダリア園を手伝っていると、スタッフの方が「〇〇の畑が空いた」「〇〇の畑は△△が借りた」「〇〇の畑借りたら?」なんて話は飛び交うのですが。
「どこの馬の骨ともわからぬやつに、畑は貸せない。」
ということですね。
自分が貸す側の立場で考えれば、納得もできるところです。

日当たり条件が悪くお断りしましたが、畑のご近所さんが
「困っているならウチの畑はどうだ?」
と、声をかけてくれました。
畑のご近所さんは、私が1年間、畑とどう向き合ってきたか見ているので、任せても大丈夫と思ってもらえたのでしょう。
よそ者が畑を借りるにはまず地権者に「信頼」してもらう事が大事です。

2、譲渡はいいけど貸すのはダメ

もう一つの「NG」ケースは、「譲渡はいいけど貸すのはダメ。」でした。
地権者の方が高齢で一人暮らし、お子さんは町外に住んでいて、
「畑を貸しているときに自分に万が一のことがあった場合、契約と相続が面倒になる。息子は畑をやるつもりはないから、畑が欲しいなら譲るよ。その代わり手続きはやってくれ。」と。

自分がこの地に永住するつもりで、日当たり条件の良い場所ならば良い話なのですが。
無肥料・無農薬でのダリア栽培の前例がほぼ無く手探りの状況で、できるだけリスクを低く、ダメなら撤退することも想定しながらの挑戦には、土地の取得が重荷になります。
撤退したときに自分の土地としての「畑」が足かせになるからです。
今後はこのNGケースも増えそうな予感。

3、役場に行ってもダメだった

候補地を断られ、でもどこかにダリアを植えないことには商売が出来ないので、役場にも相談してみました。
ですが、紹介できるところは無し。
役場では貸し農園を管理、貸出していますが、基本的には肥料を使う想定なので、農地への肥料・農薬の残留を考えると条件に合わず。
考えてみれば耕作放棄地の活用は掲げられても実際の農地は個人の資産なので、地権者と役場との関係性に左右されるのではないかと。(農業委員会も)

4、最終的には接点のあった方から畑を借りました

回り道をしてたどり着いたのは、地域おこし協力隊の任期中にお世話になった方でした。
その方の親の生家の畑が空いているから、よかったらどうだ?と声をかけていただきました。
ありがたや〜。
お借りする際には新しい畑のご近所さんに、一緒に挨拶回りもしてくださって、今は畑のご近所さんともおしゃべりや情報交換をしています。

あたらしい畑

地域によって、地権者さんによって農地を借りる難易度は変わると思いますが、「耕作放棄地だから借りられる」かというと、そんなこともありませんでした。
2拠点居住や移住などでちょっとした畑で色々作りたいと思っても、実はハードルが高かったりするので、まずは気になるところに足を運び接点を作るところから始めることをオススメします。
また、信頼してもらえば「ウチのところも使わないか?」と農地を広げられる可能性もあるので、ご近所さんとは適度にお付き合いがあると良いです。

今回は借りる側からの視点で書きました。
ご参考になれば幸いです。

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