「窒素飢餓」って何?

久々の体調不良。
熱は上がってないが悪寒がする。(この記事を書いたのは2019年1月です。新型コロナが騒がれる1年前ね。)
鼻水も出る。
体調不良の前日新年会があって、明け方4時まで住んでいる地域について熱い話をした。
原因は睡眠不足だな・・・。
価値のある時間だったから良しとしよう。


体調不良なので畝を作ることは厳しく、その代わりに勉強を進めよう。
「窒素飢餓」から関連して「C/N比」という数字がある。
炭素含量を窒素含量で割った値。炭素率とも呼ばれる。微生物が窒素を1取り込むのにどれくらいの炭素を消費するか。概ね「20」を境として、それより小さいほど微生物による有機物分解が早く、速やかに窒素が放出され、反対にC/N比が大きいほど遅く、むしろ土の中の窒素が微生物に取り込まれるといわれている。C/N比の小さい有機物を土に施すと肥料効果は高いものの、土壌改良効果は低く、過剰施用には注意が必要。いっぽうC/N比の大きな有機物を土に施すと、作物の利用ができる窒素が少なくなって一時的な窒素飢餓の心配があるものの、微生物や腐植を増やし、保肥力を上げる効果がある。
土壌微生物は有機物に含まれる炭素(C)をエネルギー源に、窒素(N)をたんぱく源にしている。炭素率の高い(炭素が多く、窒素が少ない)有機物を投入し過ぎると土壌微生物が増殖する際にたんぱく源が足らず、土壌内の窒素を取り込むようになる。⇒「窒素飢餓」
堆肥化する際は、「完熟」させることでC/N比を下げて窒素飢餓を起こしにくくする。C/N比15~20では土壌中の微生物や微小動物が最も活躍する環境とのこと。
稲わら・・・50~80 籾殻・・・70~80 落ち葉・・・30~50
米ぬか・・・18~23 牛糞・・・15~20 鶏糞・・・7
大豆油粕・・・6 ピートモス・・・50~70
竹パウダー・・・212
ススキ・・・64


文章を書き写してみたものの、いまいちピンとこない。
ピンとこない理由は2つ。
1つはC/N比が高いと必ず「窒素飢餓」が起こるのか?
もう1つは「米ぬか」はC/N比が18~23と、境である「20」近辺だが、「窒素飢餓」が起こると言われたのはなぜか?
C/N比が高いと「窒素飢餓」が必ず起こるなら、落ち葉が落ちる木の周りは窒素飢餓が毎年起こるはず。
木の真下でなくても、風に吹かれて落ち葉が舞えば広い範囲で「窒素飢餓」だらけになるはず。
実際にはそんなことはなく、落ち葉があっても木や草は枯れていない。
そして「米ぬか」だが、ふり幅で「23」とかになると「窒素飢餓」を起こすのか。


ひとつ引っかかる文章があった。
「微生物が作物よりも優勢かどうか?優勢であれば、微生物のほうが養分吸収の効率が作物よりも高いので窒素飢餓が発生する。」
この説明からすると、有機物ごとに分解する微生物の分解のしやすさがあり、C/N比が高くても分解する微生物が優位に立たなければ「窒素飢餓」が発生しない。
落ち葉は大きい状態で分解が大変だけど、米ぬかはパウダー状で分解しやすい細かさとか(もしかしたらでんぷんが多いのもあるかも)、土壌中の分解する微生物の数によっても変わるという事か。
となると、C/N比という数字はあっても目安として見ておくだけで、使ったあとの土の状態をよく観察しておいて使い分けろという解釈でいいかなと考える。
実際に竹パウダーを使ったバイケミ農法は、植繊機を使い竹を圧縮・加圧・昇温・混錬・共磨・融着・むしり合い・開放・減圧・爆砕し、解繊と細胞破壊で繊維細胞活性面を露出させている。
それだけでは窒素飢餓になるため、竹パウダー散布の後に硫安(硫酸アンモニウム)や硫酸マグネシウムを散布し、窒素分を与えることで窒素飢餓を防いでいる。
このことから、与えたものが細かく分解し易い状態=微生物が優勢と考えて良さそうだ。


C/N比を調べながらやってみたいと思ったことは、刈り取ったススキの活用だ。
土に栄養分を供給するにも、肥料はやらない。
ならばどうやって供給できるかを考える。
マルチにするという以外に、窒素の部分にも注目している。
ススキには「窒素固定細菌」が根や茎に共生しているという。
「窒素固定」とは、大気中の窒素を植物が利用しやすい水に溶け込む形にすること。変換は植物体内にある窒素固定細菌が行い。マメ科の植物に多い。
例、大気窒素(N2)⇒アンモニア(NH3)
奇跡のリンゴ農家、自然栽培の木村秋則氏の本にも、土壌が出来上がる前の窒素の供給方法として、大豆を作物の外側に植えて窒素を供給すると書いてある。
さすがにダリアの周りにススキを生やすのはリスクが高いが、畝以外のススキは取らずに残しておき、毎年ススキを刈って窒素の補給はできないものか。
今は細断する機器を持ち合わせていないが、春になったら被せてあるススキのマルチを畝の間の溝に敷く予定。
踏んで細かくなって分解が進んでくれれば、そこから窒素分が供給されてマメ科の植物を植えなくても大丈夫になってほしい。
年一回の実験しかできぬ農業、しかも土の状態は一様ではないため、情報は鵜呑みにせず分析が必要だ。
改めて大変なことを思い知る。
ちなみに落ち葉も堆肥化せずに畝に被せてあるだけ。
落ち葉ではカリウムの供給を期待している。
木が地中の鉱物を溶かし、落ち葉という形で土に還元する。
同様に、自然農法の場合は雑草を刈り取って敷き草マルチにすることで、雑草が吸収した窒素・リン酸・カリウムを分解しながら還元する。
植物は色々な栄養素を吸収し蓄えることで成長するが、役割を終えるときもその栄養を残しながら朽ちて土に還元する。
当たり前の循環の中に、人間がちょっとだけ栄養をいただき、人間の栄養にもする。(ダリアは食べませんけどね)
感謝の心を持ちながら、作業をしたいと思う。

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