勉強開始

勉強しているといくつかの本やサイトで「土壌の酸性度(pH)」という言葉が出てきた。
ダリアに適した酸性度は書物によって結構幅があるが、概ね6.0~7.0(弱酸性~中性)のようだ。ではこの畑の酸性度は?

調べるには冬場の雑草を見ればいいらしい。
強酸性・弱酸性・微酸性・中性によって生える雑草の種類が変わってくる。
それをみれば分かるというのだが、そもそも私に農業経験はなく雑草にも興味はなかった。
生えている雑草が何なのか、そもそも分からない。
致命的だ・・・。雑草の写真を撮ったら判別してくれるアプリがあれば、この時は買ったと思う。
だがめぼしいものが見つけられず、酸度を図る計測器を購入した。

ちなみに覆い茂るススキは土壌酸度を選ばずにどんな酸度でも生育する。なんとも強いやつだ。

(土壌酸度と雑草の一例)
強酸性⇒シナクローバー・スギナ・イヌタデ・スズメノテッポウ
弱酸性⇒カタバミ・アカザ・ギシギシ・カヤツリグサ・オオバコ
微酸性⇒レンゲソウ・ナズナ・ミミナグサ・ザクロソウ・スズメノカタビラ
中性⇒ハコベ・オオイヌノフグリ・ヤエムグラ・ホトケノザ・ノミノツツジ
広範囲⇒クズ・ハハコグサ・ヨモギ・ヒメシバ・ススキ

画像1

土壌計測をしてみると、場所によって7.0の所と6.5の所があった。
簡易版なので0.5刻み、多少の前後はあったが酸性度は問題なさそうだ。
雑草が生えて土づくりが進んでくると強酸性から中性に変わるというから、3年かけて中性に変わったか、耕作放棄時には中性だったかのどちらかだろう。

そして色々な縁があり、農林振興センターの方とお話をする機会を頂けた。
不耕起栽培でダリアを栽培することを専門家のとしてはどう判断するのか。
絶望的なら慣行農法に倣ってやっていけばいい。
専門家と話せる機会があるのならと、土も掘ってみた。
土の状態は詳細に分かったほうがアドバイスもいただきやすいと思ったからだ。
掘ってみると約40㎝下から石の層になることが分かった。
土の色は淡めの茶色。空気に触れた後の乾燥は速そうだ。
また、地表の土を触った感じだとススキ周りの土は、3㎝位が手で握れた。
ススキが生えていなかったところは1㎝位だったから、根が土を柔らかくするのも実感できた。

画像2

そんな情報と写真を持って農林振興センターの方とお会いした。
開口一番「ダリアは地域で取り扱っていない花なので、詳しくわからないんですよ。」

まじか・・・。

「不耕起栽培も事例がないのでわかりません。」

まじか・・・。

「面白そうなので、一緒にやってみましょう。土壌分析位は協力できるかもしれません。」

これはラッキー!!不耕起栽培が否定されなかったこと、土壌分析の協力をしていただけること、仮説の検証をしながら知識を自分のものにしていこう。それにしても大変な道を選んだなぁ。(その後先方の事情もあり、土壌分析は無しに)

そのまま前に進んで良くなったので兎にも角にも、まずはススキの退治から始める事にする。
「ススキは根の張りが強く、畝を作るにも邪魔になる。だから重機を使って掘り上げてやるよ。」というありがたい言葉をかけていただいたが、重機が入るとその重さで土が固くなってしまう。
今回は目指しているやり方があるのでとお気持ちだけ頂くことにした。

ススキを刈ることは案外簡単でした。
鎌があればばっさりと切れます。
今回用意した鎌はススキなどの固いものを切る向けの少々重さがあるやつ。
それから、一本あると何かと便利という鋸鎌。

ここで少々話が飛ぶが、マイナビ農業の記事によると雑草は根っこから抜いてはいけないらしい。
根っこを抜くと土が締まり固くなる。
そして固い土でも繁殖できる厄介な雑草が出てきて、さらに草取りが大変になる悪循環に陥る危険性があるという。
なので、根っこを残し「根本より下」を刈り取るのだそうだ。
特にイネ科の雑草は成長点と呼ばれる成長が始まる部位が根元にあり、この上で刈り取ってもすぐに伸びてくる。
ススキはイネ科だ。

根だけ残しておくとその根が枯れ、微生物によって分解され、土の栄養になる。
その根のあった部分は空洞として残り、土がふかふかになっていく。
根っこを残して刈り取るのに、鋸鎌は案外役に立つ。

この方法には一点注意点があって、地下茎という地面の下に茎を伸ばして繁殖する雑草と、球根で生えてくる雑草は根を残しても次々生えるので、根っこから抜いてしまったほうが良いそうです。(代表的なのがヨモギ・チガヤ・スギナなど)

本題に戻ります。
ススキの茎を刈り取ることは容易だったが、ご指摘の通りその下が大変だった。
持てる武器は剣スコップと鎌2本。
成長点の下を切るのが目的なので、小さいススキは外側から鎌を斜めに入れて根を切断していく。
大きいススキになると鎌だけでは切りきれないので、茎の周りを剣スコップで浅く掘り鎌を横向きに入れて切っていく。
それでも敵わぬ強敵もいて・・・そんな時は「鍬」。
鍬で割る、もしくはそぎ落としていくって感じですかね。
とても農家になった実感ができますが、手にまめはでき、腰痛い。
これを改善するための工業化なわけですが、時代に逆行している気分です。

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