ガン集団検診では早期発見はできない

 医学の進歩によりガンは恐ろしい病気ではなくなった。5年生存率が最も低いすい臓がんであっても、早期発見できれば大きな手術になるが手術を行えば完治する。他のガンも同様で早期に発見できれば完治が可能となった。

 したがって、ガンを早期に発見できるか否かが極めて重要になる。
しかし乍ら、現在行われているガン集団検診は対象となるガンが少なく、また、早期発見が可能とは言えない。現在一般的に行われている次の3種の検診見てみよう。
1)肺ガン レントゲン写真により判定するが小さい早期のガンの発見は
      困難
2)胃ガン バリウムによる胃のレントゲン写真により判定するが早期の
      ガン発見はやはり困難
3)大腸ガン 便の鮮血検査では出血していない早期のガンは発見できない

また、その他のガン、つまりすい臓がん、肝臓がん、等々に関しては何も実施されていない。

 それでは、早期発見が可能なガン検診は何かと言えば次の2種類である。

1) PET
検出可能なガン: ほぼすべてのガン
発見可能なガンのステージ: ステージ1
検出率: 95%
費用:  約10万円
内容: ガン細胞はブドウ糖を多く取り込むことを利用してブドウ糖に似た物質に放射性物質を結合させて血管に注入しガンに集まった放射性物質を映像として取り出しガンを検出する。
但し、すい臓がん、胆のうがん等は他の臓器に隠れて見えにくいので本格的な検診では超音波内視鏡による検査が必要。

また、最近はMRIによるガン検診も行なわれている

2)N-N0SE
検出可能なガン: ほぼすべてのガン
発見可能なガンのステージ: ステージ0
検出率: 85%
費用: 1万7千円
内容: 地中にいる線虫という虫がガン患者の尿によって来るという特性を利用してガンの有無を調べる。但し、ガンの種類は特定できないのでガンの可能性があるとの判定が出た場合はPET検査等にてどの部位にガンがあるか調べる必要がある。

 現在の公的なガン検診は肺ガン、胃ガン、大腸ガンの検査が一般的だがこれら以外のガンに関しては全く何もしていない。また、早期発見の点では納得のいくものではない。
 せっかく医学が進歩してもその成果を享受できない体制と言わざるを得ない。
















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