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殺し屋と過ごす一週間。あなたは何をしますか?『一週間後、あなたを殺します』感想

人の「生」と「死」を描いているので。

中々、印象深い作品でしたね。


というわけで。

本日、ご紹介するライトノベルは、幼田ヒロ先生の『一週間後、あなたを殺します』(2024年7月刊行)です。

では本日も、行ってみましょう!



あらすじです

今回もまた、「BOOK☆WALKER」さんより、あらすじを引用させていただきます。

人生最期の七日間、あなたはどう生きますか?
猫耳姿の殺し屋ミミと、彼女に殺される罪人たちの命と別れの物語。

「一週間後、あなたを殺します」
 そんな言葉と共に、罪を犯した人の下に現れる猫耳姿の死神がいるという。
 コードネーム33。またの名をミミ。彼女は七日間の猶予を与えた後、標的を殺めるという変わった殺し屋であった。
 麻薬運びの青年、出産予定一週間後の妊婦、父親のために人を殺めた少女、世直しを志して悪人を殺し回る少年など。ミミに殺される運命となった彼らは残された一週間で何を願い、どう生きるのか?
「《汝の旅路に幸あらんことを(Bon Voyage)》」
 これは罪人に最期の時を与える猫耳姿の殺し屋と、彼女に殺される者たちの交流を描いた命と別れの物語。

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というわけで。

本日のテーマは、「殺し屋と過ごす、最後の一週間」となっております。



命の尊さを描いた作品

さて、この作品について語っていくわけですが。

まず、最初に書いておきますと。

この物語。

短編がまとまった形式となっており。

様々な人達が。

殺し屋の少女、ミミと共に過ごす一週間を描いたものと。

ミミ自身を描いたものとの。

二つのお話が交互に語られる作品となっております。



あらすじを補足する形で、語っていきますと。

魔法があり、20世紀初頭を連想される世界で。

殺しの仕事をしている、一人の少女がいました。

その名は、コードネーム33。

またの名をミミと呼ばれる、少女でした。

彼女は、殺そうとする人物に対して。

一週間の猶予を与え。

殺害するという、変わった殺し屋でした。

彼女は、様々な対象者と交流し。

彼らの生きる意味を知っていきます。

その対象者とは。

麻薬を運ぶ仕事をしていた青年。

一週間後に出産予定のある、妊婦。

人を殺めたことを後悔する、少女。

そして、悪人を殺し回る、少年など。

彼らは、一週間の間で。

生きる意味を考え。

そして、死んでいきます。

やがてそれを見届けていった。

ミミにも、心の変化が訪れて――。

というのが、話の流れとなっています。



この作品の面白い所について

殺される対象者達が。

残り一週間という中で。

生きる意味を考えていく姿でしょうね。


対象者となる中には。

生きた証を残そうとする人もいれば。

最後まで、信念を捨てきれない人も出てきます。

ですが、その姿を。

肯定したり、否定したりするのは。

果たして正しいことなのだろうか。

その上で。

彼らの生きた意味は何だったのか。

そんな哲学のようなテーマが。

物語全体に広がっており。

中々に、考えさせられる作品だなと思いました。


こういった物語は。

私が前に感想文を書いた、ライトノベル。

『テルミー きみがやろうとしている事は』(※)と。

酷似しているところがありますね。


※この作品の感想については、こちらから。


また、この作品。

「生」と「死」というテーマがあるのですが。

殺し屋でもある、ミミの成長物語とも考えられる作品だなと。

そう思いました。



この作品の欠点について

この作品の感想を書かれている人が。

指摘している通りなのですが。

テーマが、「生」と「死」のため。

よくある物語形式となっております。

そのため、目新しさという点では。

若干、劣ると考えます。

他にも。

沢山の作家様達が。

描いているテーマですからね。




最後に

とはいうものの。

ミミの成長物語として。

この作品を読めば。

中々に、意味のあった物語なのではないかと。

そう思ってしまいます。


生きる意味とは。

そして、死ぬ意味とは。

答えを考えれば考えるほど。

悩ましいテーマですが。

それ故に。

この作品の魅力があるのではないかと。

私は考えてしまう所存であったりもします。


さて。

最後まで、ご覧いただきありがとうございます。

この作品に、ご興味がありましたら、是非、手に取ってみてください。

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