若い吐息

<若い吐息>
孤独の波にさらわれて
燐のように青白いわたくしの体は
夜の波間に消えまた現る
高波は来たってその波頭にわたくしを乗せ
遠い渚の砂漠へとなげうつ
流砂はうごめきわたくしの体をのんでいく
砂塵は起って竜巻が踊り
残されたわたくしの人差し指を掠めていく
天は高く
わたくしの体は方舟のごとく舞いのぼる
何思うなく白い体は
星の降るように落下
人型に埋もれたわたくしの体に
雪は降り
霏霏として舞い
楚々として降り積む
わたくしの雪
凍えていく心
消えて行く若い吐息

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