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1990年12月22日(土)

【道:前田 法重・原田 公司・富田 剛・谷口 竜一・大塚 仁・本田 仁】
「俺と志郎は残るけど、大石と菊川は卒業やな」
 お猪口に入った熱燗をグイッと飲み干して前田 法重がこう口にする。ここは居酒屋『道』。土曜日ということで多くの大学生が美味しい料理とお酒を楽しんでいる。最近1期生の間では来年以降の動向についての話題が多く、4回生が来年残るのかどうかで部隊の再編が必要なるので、その辺りも含めてお酒のつまみとなっている。
「うちは結局僧侶と魔術師をなんとかしないといけないですよね」
「原田、富田知ってる奴おる?」
 原田 公司の言葉に前田が当てがあるかどうかを尋ねる。
「いやー、名前を知ってる人はいますが、誘えるほど仲がいいのは本田君ぐらいですよ」
「何言ってるんですか。無理ですよ」
 熱燗を自分で注ぎながら発言した富田の言葉に本田 仁がツッコミを入れる。いくら本田が3期生としては抜群の才能を持っているとしても、来年の3月時点でてへろく部隊に入るのは無理である。
「俺もほとんど知らないですね。前田さんは知り合いいないんですか」
「いないな。まあ他の部隊も欠損が出るから、編成はしないといけないだろうし、多分2期を含めた再編成が必要になるかと思うな」
 原田も前田も当てが無いことがわかり、今の時点で来年3月にてへろく部隊がどうなっているのかは全く予想ができない。でもまあそのようなことは全く気にせずに本日もいつも通りに盛り上がる愉快な仲間達であった。

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