学び、そして、成熟せよ、俺、
八月四日
午後十二時二〇分。冷凍シューマイ、紅茶。もちろん服なんか着ていられない。パンツ一枚でいい。外に出るにもパンツ一枚でいい。パンツ一枚でいない人間がみんな変質者に見える。駅もスーパーも図書館も変質者だらけだ。俺はいつもやばい奴らに囲まれて生きている。きのう母親が来たのでパソコンを買ってもらった。「物書き」ゆえいますぐ欲しかったのでネット吟味などせずにケーズデンキで買った。NECのもので十二万円くらい。一生費やしても稼げないような額だ。ライゼンとかいうインテルの競合会社のCPUが搭載されてるものだというけどそのへんのことには不案内なのであまり詳しく論じることができない。
とうぜんながら長年使っていたキーボードと配置が微妙に違うので慣れるのに一週間は必要だろう。指のアンラーニング。いま気になっているのは「↑」と「↓」が小さすぎること。ちょっと雲古してくる。ところでもう五日以上酒を飲んでない。こんなことあっていいのか。「じぶんは鈍感で無粋です」と言ってるようなものじゃないか。恥ずかしい。夜はやはり酒を飲みたくなる。でも酒はもう断ちたい。はっきりいうて美味しくないから。体調が悪いと吐き気を催すから。金がかかるから。でも酒がないと「生き生きとした実存高揚」を得られない。俺が好きな作家はほぼ例外なく酒飲みだ。我が偏見によれば聡明ゆえに孤独を感じることの多い人間ほど酒に依存しやすい。酒なしでも生きられる人間には知的な欠陥がある。酒なしでは生きられない人間には倫理的な欠陥がある。スポティファイというものを昨日はじめてつかった。ラガードですみません。生きていてすみません。スポティファイとはスウェーデンの会社が運営する音楽配信サービスのこと。いまそれでビートルズを流している。「I Saw Her Standing There」。懐かしすぎて涙。高校時代はビートルズ漬けだった。音楽を聴くのに金を払う時代はもうとっくに終わっている、といまさらながら感じた。グッズ収入に頼る「アーティスト」がこんごますます増えそう、とどこかで聞きかじってきたようなことを言っておきたい。そういえば、いまレコードがけっこう売れているらしいのだけど、そんなのはただの骨董品ブームみたいなもので、「現代人の音楽の聴き方」にはなんの影響も与えないだろうね。頭がボーとして言葉が浮かんでこない。もう昼飯にする。冷やし中華ね。愛ラブyou。セナ。
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