本は積むためにあるのではなく、読むためにあるのだ、《悪徳》のための学問、
八月六日
午後十二時二五分。広島の原爆の日。アルフォート、紅茶。屁がやたら臭い。寝つきが甚だ悪かった。カフェインの摂り過ぎか。外は雨降り。洗濯は明日でいい。ビリー・ジョエル。スポティファイはいまだけ無料なんじゃないだろうな。途中うざい広告をいれてもいいから、「無料体験はここまでです」とか表示しないでくれよ。無料ってのはだいたい罠だから。俺は大人だから人の世の世知辛さについてはそれなりに知っているつもりだ。昨夜ユニットバスを隅々まで掃除した。何度でもいうが家事を楽しめない人間は一人暮らしは楽しめないだろう。そして一人暮らしを楽しめない人間はけっきょく何も楽しめないだろう。というのも家事とは大小様々な自己再生産行動の総体であり、貴賤の別なく人は皆これを逃れることは出来ないからだ。いっぱんに夫(特に昔の男)というものがあんなに薄汚く無能に見えるのは家事を愛そうとしていないからだ。どこのスーパーのネギが安いかを覚えたり、浴室の黒カビの合理的な防止法を調べたり、雑菌臭のしない部屋干し法を見出そうとしたりしていないからだ。「生活の細部」を疎かにする人間はいずれ「生活に細部」に復讐されるだろう。種田山頭火の句に、
というのがあるけど、私思うにこれこそ家事を苦痛に感じない秘訣。しかしやはり酒を飲まない夜は長いね。松山千春だよ。でもそのぶん本をたくさん読めます。酔うと句集とか歌集くらいしか読めなくなるけど、酔ってなければなんでも読める。その気になれば『純粋理性批判』の原書だって読めるだろう。俺に読まれるのを待っている本がこれだけ行列を成しているというのに俺はいままで何をやってたんだ。基地外ドリンクによるかりそめの心地良さのために膨大な時間を浪費してしまった。猛省。きょうから図書館。こうクソ暑い日が続くと金のないオイラとしては図書館以外に行くところがない。旅だってあまり好きじゃないし。やはり俺は空間移動のために金を払いたくない人間みたい。足以外で空間移動したがるやつを俺は信用しない。タクシーから降りているやつを見るたび蹴り倒したくなる。飛行機なんかぜんぶ墜落しろ。気分はまいにち大学生さ。いまはとにかく本を読みたい。読んで読んで読まれて読んで読んで読みつぶれて眠るまで読みたい。せっかく文京地区に住んでるのだからもっと学問しないといけない。いま論文を書いている。十万以上もするパソコンを買ってもらったのだからこんなオナニーみたいな雑文ばかり書いていてはいけない気がしたんだ。もう昼食にするか。冷やし中華かな。ケツの穴がかゆい。チンコもかゆい。生きるとはかゆいことだ。ぱぱらっち近藤。三島由紀夫と美輪明宏の睾丸。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?