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140字小説『雨よ我が身に降りそそげ』

水に嫌われた。
シャワーを浴びようとしても避けていく。
水を飲もうとしても無理。
このままじゃ干からびてしまう。
急いで海へ走った。
服のまま飛び込む。
海水に包まれる用意をしていたのに。
水は一滴も触れてくれない。
「なぜ」
「あなたが嫌いなの」
水が笑う。
このまま底まで沈むのか。

雨よ。

命を頂戴。

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