【夜、ワインを飲みながら聴きたいBGM】New York Jazz Piano

今から20年くらい前に、仕事で何度かニューヨークに行きました。

今思うと本当に不思議ですが、ぜんぜん英語が出来ないのによくニューヨークまで行ったなと思うし、会社もよく行かせたなあと感心します。

当時の僕の上司がとてもいい人で、横浜にいた頃は彼の行きつけのJazzバーに連れて行ってもらったり、ハリーポッターが流行っていた頃は「ロンドンに行ってこい」と言って、ひとりでロンドンに行かされ、ボロボロの出張報告を聞いて涙を流しながら大声を立てて笑うようなそんな素敵な人でした。

僕が台湾に行くことが決まった時、横浜の高級ステーキハウスに招待され、「しばらく見納めだ」と言って夜景の一番きれいな席に座らせてもらい、楽しく送り出してもらいました。


--- そんな彼が、突然、他界しました。


その頃僕は台湾にいて、妙に当時の事を思い出すことが多くなり、懐かしさのあまり当時の出来事を小説にしようと構想を練っている矢先でした。

まさかあのステーキハウスが最後になるとは想像もしませんでした。


--- ニューヨークとJAZZピアノが似合う人でした。


僕は、しばらくの間、気持ちの置き場にも困り、拠り所を求めてインターネットを彷徨ったのですが、そのあたりの話は別の機会で書きたいと思います。


それから数年後、当時一緒に仕事をした人やそこで眺めた景色を思い出しながら、4つの曲を作りました。

オリジナルのニューヨークJAZZピアノBGMです。

それぞれの曲に一応タイトルがついていて、「夜、ワインを飲みながら聴きたいBGM」としてまとめました。


1.蜃気楼

初めてニューヨークに行ったのは、2000年のことでした。
そこで、体が大きいのに気が弱いロスから来たMartinという男と出会い、もうひとりニューヨークで会社を転々として何となくひと癖ありそうなStevenという男と食事をしました。
「ビジネスがうまくいきますように」とビールで乾杯をして酔っぱらった3人に、突然空からパラパラと雨が降ってきたのです。それを見たStevenがすかさず新聞売りの売店みたいなところに走って行き、黒い傘を3本買ってきたのですが、開いた瞬間骨が折れて大笑いしたのを思い出します。

2.ストローハット

エンパイアステートビルの102階の展望台から、風に飛ばされた恋人のストローハットが、ひらひらとスローモーションでマンハッタンの街に落ちてゆく・・・。
そういう風景を想像しながら聴いてみてください。

3.Wall Painting

冬のニューヨークは雪に覆われて、雪のキャンバスに絵を描いたような美しさ。クリスマスのイルミネーションで、壁一面に絵を描くような華やかなイメージが好きです。

4.Wind 

その日僕は、ニュージャージーのホテルにいて、仕事の後ニューヨークに住む友だちが車で迎えに来てくれました。マンハッタンブリッジをわたり、ごちゃごちゃしたビル街の一角に彼は家族で住んでいて、まだ幼稚園くらいだった娘さんが、僕に英語の絵本をきれいな英語で読んでくれました。そよ風のようなさわやかな懐かしい思い出です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?